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物流BCP 〜覚えておきたい倉庫防災対策

物流BCP 〜覚えておきたい倉庫防災対策

お客様の大切な製品を保管している倉庫では自然災害によって大きな被害があった場合、製造活動や出荷作業が出来なくなり皆様へ多大な迷惑をかけることとなります。そうならないように未然に対策を講じる必要があります。今回はその中のひとつ「物流BCP」について紹介します。

目次

物流BCPとは?

物流BCP(Business Continuity Planning)とは、ビジネスの継続性を確保するための計画を指します。ここでの「物流」は、製品や商品の輸送・配送・保管など、商品が生産者から消費者まで移動する一連のプロセスとなります。

物流BCPの重要性は、災害やシステム障害、感染症など予測不能な事態が起きた時に顕著になります。これらの事態は、物流の中断を引き起こし、結果的にビジネス全体の停止を招く可能性があります。物流BCPは、そうした事態に対処し、物流を中断せずに稼働できる体制の構築を第一の目的とします。

物流BCPの策定は、事前にリスクを評価し、災害発生時の対策を計画することで、事態の進行を早期に把握し、迅速な対応を可能にします。これにより、供給チェーンの中断を最小限に抑え、事業の継続性を保てるようになります。また、物流BCPでは、事態収束後の事業復旧の計画も盛り込みます。

特に日本は元々『地震大国』と言われるように、世界と比較しても地震が多い地域と言われています。したがって、倉庫の運営の観点でも地震に対する様々なリスクを想定し、その予防策を講じることが必要不可欠と言えるでしょう。また、数年前に大きく報道された大規模倉庫での火災。倉庫では可燃性の危険物や燃えやすい商品等の様々な商品があり、火災対策についても取っていく必要があります。お客様からお預かりした大切な商品や倉庫で働く従業員を守るために倉庫では様々な防災対策をとっています。

そこで今回は、工場や倉庫において、どのような防災対策をとっているのかについてご紹介していきます。

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物流BCPの基本的な構成

物流BCP(Business Continuity Planning)は、企業が災害やその他の緊急事態から迅速に復旧し、事業活動を継続できるようにするための戦略的な計画ということはすでに紹介しました。続いては物流BCPの具体的な内容を紹介します。

物流BCPの基本的な構成は「防災対策」「災害直後の措置」「事業継続」「復旧」の4フェーズから成り立っています。

最初の「防災対策」では、事前に災害への危険性を評価し、必要な備蓄品を確保します。また、定期的に備蓄品の状態をチェックし、賞味期限切れの食料品や使用不可能な懐中電灯などが含まれていないことも確認します。

続いての「災害直後の措置」は「誰が・いつ・どこで・何を」行うのかを明確に計画。とくに、災害が発生した際の避難については、指揮をとるリーダーと避難経路・避難場所を事前に決めておくことが重要です。

そして「事業継続フェーズ」では、災害が発生しても事業を続けるための計画を立てます。これには、一時的に業務を移転できる場所や、代替的な物流ルートの確保などが含まれます。

最後に「復旧フェーズ」では、災害が収束した後に通常の事業活動を再開するための計画を立てます。通常の業務への復帰をどのように進めるか、物流ルートの再確保や設備の復旧にどの程度の時間が必要かなどを見積もります。

また、社員の安否確認は物流BCP策定の重要な要素であり、災害発生時には通信状況が不安定になる可能性があるため、電話やメール、SNSなど複数の手段を利用して安否確認を行うことが推奨されます。

以上の全てのステージを網羅的に計画することで、企業は予期せぬ事態が発生したときでも、ビジネスの継続性を確保することが可能となります。

続いて、地震や火災といった災害の対策例を紹介します。

 

地震対策

皆さんは倉庫と聞いてどんなイメージをされますでしょうか?棚がたくさん並んでいる倉庫やネステナーと呼ばれるスチール製の棚が天高く積まれている倉庫等色々あります。一見ネステナーを使用し高く積まれていると地震に弱いのでは?と思われがちですが、実際のところネステナーは地震に強いのです!

足元が揺れれば、人は倒れないように揺れに対してバランスをとろうとします。この事と同じく、地震の時、構造物にクッションを入れ、揺れを自然に小さくさせるのが「制震構造」です。

あらかじめ揺れ易い部分、ネステナーは一つ一つを積み上げて使用します。その際の上レールと下レール部分に隙間が出来て、クッション効果により共振を防ぎ、制震効果を発揮します。特別にエネルギーを加えずに制震効果を上げる事が出来るのです。

また、ネステナーは移動式ラックなので設置面が固定されていないため、大きな揺れに対しては、ネステナー全体が前後左右に移動し、各段のレールも移動することにより、振動に対処するのです。

ネステナー自体の免震・制震構造が優れていても、一番上の商品はとても揺れる為、商品の落下の危険性があります。商品の落下は商品の破損だけではなく従業員へ当たった場合ケガの危険性もあります。その為、高いところで保管をする商品には倉庫用のラップを使用し商品全体を巻くことで、地震が起きた場合の落下防止対策をとっています。倉庫で使用するラップは一般的なラップと異なり、伸縮性があり破けにくく地震対策にはぴったりの素材となっています。

 

火災対策

倉庫だけではなく、皆さんにとっても怖い災害の一つが火災です。一般家庭で発生する火災の原因として上位はコンロ・タバコ・ストーブなどの小さな火から発生する火事です。倉庫ではもちろん火気厳禁ですので、こういった要因での火災の発生はほとんどありません。では、なぜ発生するのでしょうか?一般家庭でも先ほどの原因に続いて上位となっている「配線器具」が要因となります。配線器具での出火事例として、倉庫は広い為、電気機器のコードを引く際に通路をまたいでおり、そこを台車やフォークリフトが通ることで台車や人が通過することで半断線状態となり過熱し、周囲にあった梱包材料と接触し、火災になったケースがあります。

対策として、倉庫内のレイアウトを徹底して考え通路をコードがまたぐことの無い様配置しています。その他にも、フォークリフトなどの荷役機器と作業者の動線が重ならないようにレイアウトする。保管物が通路にはみ出さないように一直線とし、保管物のはみだしにより通路が凸凹にならないようにする等も対策も併せて実施しています。

それでも火災が発生してしまった場合には、延焼を防ぎ初期消火を行える設備が整っています。

延焼を防ぐ為に、倉庫には区画ごとに大きな防火シャッターがあります。火災発生の際には防火シャッターが自動で降りることで延焼を防いでくれるのです。防火シャッターがちゃんと機能するために、商品を整理整頓して管理させて頂き、防火シャッターの下に商品を置かない運用を徹底しています。

初期消火では、スプリンクラーや消火栓・消火器が設置されています。消火器は皆さんのご家庭にもあるかと思いますが、倉庫では消火栓も建物内に設置されています。いざ、火災が発生した際にはそれらを用い速やかに初期消火できる設備が整っています。

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物流BCP策定の具体的な手順

物流BCPの策定手順は、企業のビジネス継続性を確保するために重要なフレームワークです。これは予測不能な事態が発生した場合でも、物流がスムーズに行われるための方策を練ることを意味します。このプロセスには、以下の重要なステップが含まれます。

 

避難

まずは、緊急事態が発生した際に、全スタッフが安全に避難できるようにするための計画を立てます。これには、どのスタッフが避難の指揮を取るのか、どの経路で避難を行うのか、そして避難先はどこに設定するのかを事前に決定することが含まれます。これは、災害が発生した時にパニックにならず、迅速かつ適切に行動できるようにするための重要なステップです。

 

安否確認

災害発生後、すぐに全てのスタッフの安否を確認する必要があります。これには、電話、メール、SNSなど、どの手段を使用して確認を行うのかを事前に決めておくことが必要です。これは、全スタッフの安全を確保し、必要な支援を提供できるようにするために欠かせない要素です。

災害対策

次に、災害が発生した際に被害を最小限にするための対策を計画します。具体的には、物流施設の安全性を確保するための措置、貨物の保護策、作業員の安全確保などを計画します。これらの対策は、災害発生時の混乱を最小限に抑え、物流の中断を防ぐために必要です。

 

復旧計画

災害後に物流を再開するための詳細な計画を立てます。どの業務を優先するのか、どのようにリソースを配分するのかを明確にします。これは、物流が一度停止した後でも、迅速に業務を再開できるようにするために必要な事項です。

これらの手順を経ることで、企業は災害が発生したときにでも、ビジネスの継続性を確保できる可能性が高くなります。物流BCPの策定は、未来の予測不能な事態に対する準備を整えることで、物流を中断せずに稼働させる体制の構築が最大の目的です。このような体制を作り上げれば、企業は顧客へのサービス提供を続け、経済的な損失を最小限に抑えられます。

まとめ

今回は、倉庫における防災対策についてご紹介してきました。冒頭でもご紹介しているように、日本は元々地震が非常に多い国でもありますので、いつ巨大地震が発生してもおかしくありません。そのような中、お客様の大切な商品を取り扱う倉庫であれば、しっかりとした防災対策が必要不可欠と言えるのです。特に、倉庫は、多くの人が作業を行っている場所です。防災対策を怠ってしまった際の被害は想像を絶するものとなるでしょう。一つ一つは小さな対策に見えるかもしれませんが、それらの小さな対策が大きな災害から身を守ってくれることになるのです。

今回は、その中でも物流委託先の「防災対策」の部分を記載させていただきました。発送代行会社の選定の際のひとつの観点としてお持ちいただければと思います。

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