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ネットショップを運営するなら知っておきたい『お金』の話~価格表示(配送料設定)~

ネットショップを運営するなら知っておきたい「お金」の話-価格表示 (総額表示義務)では、総額表示義務について説明させていただきました。

上記の記事にも記載させていただきましたが、内容自体は難しいものではありません。実務的影響がある内容でした。知識の有無により何かしらのペナルティを受ける可能性はありますが、どの事業者も総額表示を原則するため、事業運営上、他のショップを運営する方々と全く差はありません。

しかし、差がないのはあくまでも本体価格に関するお話です。

ネットショップでは、ショップ運営者によって配送料(送料)の取り扱いが変わります。

 

参照記事:ネットショップ を開設するときに知っておきたい『モール』と『カート』の違い

 

「配送料(送料)の金額設定をどうすればいいのか。」

というお声を頂くことがあります。

この答えを導くには、まずエンドユーザーとの取引についてどのくらいの収支になるのかを理解する必要があります。

 

従って、今回は収支についてお話をさせていただきます。

STOCKCREW | ネットショップを運営するなら知っておきたい『在庫とお金』のはなし~資金繰り編~ | STOCKCREW で、ご好評いただいた例題形式で話を展開していきたいと思いますので、ぜひお付き合いください!!

 

(前提)

A社はMARKETCREWでネットショップを運営しており、日用品を取り扱っております。

商品 販売額 仕入額
オーガニックシャンプー 1,900円 1,500円
オーガニックボディソープ 2,500円 1,500円
オーガニックタオルセット 3,000円 2,300円

 

 

 

 

(ケース1 – 問題)

受注が入りました。

商品名:オーガニックシャンプー

個数:1

配送料はどのように設定しておけばよろしいでしょうか。

出荷作業費:30円

配送料:630円

※ 問題を単純化するため、それ以外の費用は発生しないとします。

(ケース1 – 解答)

こちらは簡単ですね。

配送料分をお客様から頂ければいいので、設定配送料は630円です。

そうするとケース1の収支は以下のようになります。

売上 1,900円
売上原価 (仕入額) ▲1,500円
出荷作業費 ▲30円
利益額 370円

この例では、収支は簡単に計算できますね。なぜなら、配送料がかかった分だけお客様から頂いており、相殺されているからです。

 

では、物流会社からケース2のように料金を掲示されたらどうでしょうか。

(ケース2 – 問題)

受注が入りました。

商品名:オーガニックシャンプー

個数:1

配送料はどのように設定しておけばよろしいでしょうか。

 

作業費等 :660円(作業費には出荷費用や配送料が含まれます)

※ 問題を単純化するため、それ以外の費用は発生しないとします。

 

(ケース2 – 解答)

ケース1のように考えると配送料がわからないので、配送料が設定できないのではないでしょうか。これが配送料を設定できない原因となります。

実施された取引が黒字なのか、赤字であるのかを見極めるツールが会計という考え方です。(会計という言葉を使うと、拒否反応がでる方もいらっしゃると思います。以降、会計という言葉は使用しません)

 

要するに、赤字なのか黒字なのかは、お客様から頂くお金と他人に支払うお金の差額がプラスなのかマイナスなのかです。

 

ケース1の場合で当てはめると、

(表1)

商品代金 出荷作業費 配送料 合計
お客様から頂くお金 1,900円 630円 2,530円
他人に支払うお金 ▲1,500円 ▲30円 ▲630円 ▲2,160円
差引 400円 ▲30円 0円 370円

差引の合計がケース1の回答の利益額と一致していると思います。

この(表1)のような整理が重要です。

※ 本来であれば、他人に支払うお金は、ネットショップを運営する際に発生するあらゆるものが当てはまります。(例えば、楽天なら出店料や登録料など。)
しかし、話がややこしくなるので、今回は割愛させていただきます。(個別取引に直接紐付かない支払は、一般管理費と言われるもので少し複雑になります。)

 

では、ケース2の場合で当てはめてみましょう。

(表2)

商品代金 出荷作業費 配送料 合計
お客様から頂くお金 1,900円 ?円 1,900+?円
他人に支払うお金 1,500円 660円 2,160円
差引 400円 ▲660円 ?円 ▲260+?円

お客様から頂く配送料がまだ決まっていないので、「?」としてみました。

この状況でお客様から配送料を頂かないとなると、「?」が0円です。

差引合計が、▲260円と赤字案件となります。

従って、お客様から最低でも配送料として、260円は頂かないと赤字になってしまいます。

 

では、お客様から頂く配送料はどのように決定すればいいのでしょうか。

実は、ここで悩まれる方は問いを誤っております。

正しい問いは以下です。

「ネットショップを運営している皆様が、オーガニックシャンプーを1本売るのにどのくらいの利益が欲しいですか?」

例えば、オーガニックシャンプーを1本売るのに利益が400円欲しいのであれば、

▲260円+?=400円ですので、お客様から頂く配送料は660円となります。

 

ここで、一つ気を付けなければならないのは、お客様から頂く配送を高くすれば、利益額は増えますが、お客様が支払う代金が増額します。

(配送料は660円の場合のお客様が支払う代金 1,900円+660円=2,560円とケース1のように630円のケースより30円増加)

従って、お客様の支払う代金の合計額との兼ね合いを考えて、配送料を設定することが重要です。

 

最後に、少し複雑にしたケースも作っておきます。

余力があればご覧になってください。

(ケース3 – 問題)

受注が入りました。

商品名:オーガニックボディソープ

個数:1

商品名:オーガニックボディタオル

個数:1

配送料はどのように設定しておけばよろしいでしょうか。

 

作業費等 :950円(作業費には出荷費用や配送料が含まれます)

2点目以降の追加料金:追加1点につき30円

※ 問題を単純化するため、それ以外の費用は発生しないとします。

 

(ケース3 – 解答)

(表3)

商品代金 出荷作業費 追加料金 配送料 合計
お客様から頂くお金 5,500円 ?円 5,500+?円
他人に支払うお金 3,800円 950円 30円 4,780円
差引 1,700円 ▲950円 ▲30円 ?円 720+?円

このようなクロスセル(⁂1)についても、考慮しておく必要があります。

⁂1クロスセル:一緒に購入すると相性が商品の購入を促すこと。クロスセル/アップセルについて、詳細に記述する回も記載できればと思っております。

実は、このパターンは配送料をお客様から頂かなくても収支が黒字(720円)となっております。

これが複数購入時は配送料無料の仕組みです。お客様からすれば、支払代金が安くなるため購入を促進できる可能性もあります。

 

 

いかがでしたでしょうか。

まとめると、

  1. 配送料を自分で決める場合は、ネットショップ運営者がどのくらいの利益が欲しいのか。
  2. 利益とは、頂くお金と支払うお金の差額である。

この2点の視点が必要ということです。

 

ネットショップを運営する際に、必要なお金の考え方について記載しました。

こちらで見積シミュレーションも行えますので、ぜひお気軽にお問い合わせください。