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【4つのポイントで完全理解!】物流アウトソーシングとは

ネットショップを開業し少し軌道に乗ってきたかな、というタイミングで一度は配送業務などの”物流のアウトソーシング”を検討したことはあるのではないでしょうか。事業がうまく行けば行くほど、商品開発やマーケティング、資金の確保などやらなければいけないこと、もっとやりたいことは増えていきどうしても日々のルーティンワークに割ける時間は減っていきます。そのような状況の中でも、物流業務は定型化業務かつ、品質を数字で表現しやすいのでアウトソーシング(他社へ委託する)に向いている業務の1つです。

 

しかし、いざ実際にアウトソースを検討しようと思うと、誰にどうやって問合せればいいのか?そもそも自分の事業を受託したいのはどういう物流会社なのか?実は簡単なようで入口が掴みづらい物流業界です。ここでは物流アウトソースの4つのスキームを紹介しながらどういった時にどのような会社に問い合わせると良いのか説明していきます。

 

物流アウトソースの4つのスキーム

ここでは物流のアウトソースで代表的な4つのスキームを説明していきます。また、少しだけどのようにそれが生まれてきたのかの歴史も解説します。

 

  • 古典的な「倉庫業
  • オペレーションを提供する「3PL
  • 一括でおまかせの「フルフィルメントセンター
  • 使いやすい物流機能「発送代行

 

上記の4つは市場にサービスが提供されてきた順番に並べましたが、イメージとしては業務範囲が「徐々に細かく、徐々に広く」なっていった印象です。では、早速見ていきましょう。

 

古典的な「倉庫業」

まず初めに古典的な倉庫業についてです。物流アウトソースはまだ「アウトソース」という素敵な言葉が生まれる前からありました。所謂、倉庫業です。倉庫業では単純に荷物を預かり、そのままの状態やその一部だけを預けた人間の要望に応じて出荷するという「入ったものを同じ形で一定期間預かって、出す」という業態です。イメージとしては少し古く感じるかもしれませんが、現時点でも物流アウトソースの50%ほどはこの業態ですのでアウトソースする際には注意してください。

 

ここでは倉庫業の特徴を記載しておきます。

 

  • 倉庫業は「預かったモノの形を維持」したまま、時宜をみて出荷する業。
  • 備蓄の機能に特化しており、開梱・仕分け・流通加工は最低限に行う。
  • 基本的な倉庫管理システムで運営されるが、商流の管理などは行わない。

 

以上のような特徴があり、一般的にイメージされる「倉庫」の機能そのままという印象です。

 

倉庫業の歴史は古く、弥生時代にはすでに高床式倉庫という備蓄を目的とした倉庫がありました。「保存でき、保存することで価値を保つことのできるモノ」が生産物として人類が手にした時から倉庫の歴史は始まりました。この「保存できる」というのが倉庫ではキーワードになりますが、現代でも生産調整や供給リードタイムの調整などこの保存できるという機能は物流の基本的な機能としてとても重要な役割を担っています。「物流をわかりやすく考える~基本を抑える「そもそも物流とは?」~」でこのあたりの話は詳しく触れていますので、確認してください。

 

オペレーションを提供する「3PL」

次に1970年代から日本でサービス提供がされはじめた3PL(3rd Party Logistics)について解説していきましょう。

 

3PLは元々は米国で考えられたサービスイメージで、意味としては「第三者が行うロジスティクス」という意味です。「3rd Party」という言葉がそもそも当人ではないという意味の「第三者」という意味で、それ以上の深い意味はありません。荷主を1st party、メーカーを2nd partyとして三番目のプレイヤーが行うといった説明や、企画・提案・全体統括を行うので4th party logisticsという事業をやっているというような表現がされることがありますが、実はそこまで難しい話ではなく、3PLの意味は「第三者(荷主ではない主体)が行うロジスティクス」という程度の理解が一番現実に即しているでしょう。

 

言葉に意味を持たせ過ぎると意味がわかりづらくなってしまうことがよくありますが、「3PL」という言葉は日本の物流業界では深そうに思えて、全然深くない言葉No.1と言っても過言ではありません。

 

では、倉庫業と3PLの違いは何でしょうか?先ほどの第三者が行うロジステティクスという意味ではその二つにあまり違いがないように思えます。ここでは物流業界でこの二つの言葉どのように使われているか?という視点で解説します。というのも、言葉それ自体の意味としては実際に「倉庫業」と「3PL」の違いはそれほどありませんし、実際の用途としても混同されていることが多いからです。

 

まず、倉庫業と3PLの最大の違いは、「3PLは『倉庫』ではなく『オペレーション』を提供する。」という点になります。ここがとても重要です。その結果、3PLは古典的な倉庫業と比較して以下のような特徴があります。

 

  • 倉庫の設計が保管効率ではなく、作業効率が優先される傾向がある。
  • フォークリフト等の貨物作業ではなく、商品の仕分け・流通加工等の軽作業が中心になる。
  • 細かい作業指示が発生するため、独自の管理システム(WMS)が使用される。
  • 荷主のニーズに合わせた独自のオペレーションシステムが発達。
  • 商流別の在庫管理や販売チャネル別の梱包方法などを対応する。

 

オペレーションを提供するために「荷主の事業」にかなり近づいていくというのが倉庫業と3PLの違いと理解して頂ければ間違いがありません。その結果、3PLと言うと多くの提供企業が「カスタマイズ」や「提案型」、「寄り添う」、「おもてなし」というような、「for you」を打ち出しています。これらは「標準的なオペレーションではなく、あなたの事業にフィットしたオペレーション」を提供しますよ、という営業スタンスになります。

 

 

一括でおまかせの「フルフィルメントセンター」

3PLはいまだに物流業界では売上規模としては圧倒的な主役の座にあります。倉庫業はオペレーションを提供しないので、使用面積としては大きいですが、事業規模としては大きくなりづらいという特徴があり、そういった意味でも日本の物流企業の多くが3PLの提供会社と言えるでしょう。

 

そのなかで通販物流の増加とともに「フルフィルメントセンター」という言葉がよく使われるようになりました。世界で一番有名なフルフィルメントサービスはFBA(Fulfillment by  amazon)であることは間違い無いでしょう。通販の事業者は大企業だけではなく、比較的小さな規模から事業が始められるため、物流ニーズのある事業者が急増したことにより、次のような特徴のある物流アウトソーシングが必要になりました。

 

  • 通販物流では写真撮影や採寸、原稿作成など従来の3PLの業務範囲外の業務が多数発生し、一括サービスのニーズが生まれた。
  • カスタマイズ型の物流では多くの事業者へサービス提供するのが困難になり標準型のニーズが生まれた。

 

そしてここで物流業界に激震が走るのですが、それは長い間カスタマイズ型の物流サービスの提供を行なってきた従来の大手物流企業がこの波に大きく出遅れたことです。実際にこういったフルフィルメントサービスを提供する会社の多くはamazonZOZO楽天yahoo!といった通販サイトを運営する会社でしたし、自社通販向けのフルフィルメントサービスでも新興勢力が市場を奪って行きました。

 

一方でこのフルフィルメントサービスに活路を見出す物流事業者も増加しています。荷主に特化したカスタマイズ型のオペレーションは再現性が低く、利益率も低い状態でした。一方で荷主にとっては全て思い通りでは無いが、運用ルールに則りさえすれば、安価で高品質なオペレーション提供を受けれる標準型のフルフィルメントサービスは利益率が比較的高い状態にできます。そのため、物流企業の中では積極的に従来の3PLからフルフィルメントサービス提供へと業態を変化させているという動きもあります。

 

使いやすい物流機能「発送代行」

まず発送代行については「【発送代行を徹底解説】ネットショップ運営向け5つのポイント」で解説しておりますので、そちらを確認して頂ければと思いますが、ここまでの流れを踏まえてフルフィルメントセンターと発送代行の違いを簡単に説明しておきます。ここでの違いで明確な点は一つです。販売先を特定しているか?否か?です。

 

例えば、FBAはamazonで販売した商品のフルフィルメントセンターであって、基本的には他のチャネルでの販売を意図していません。これは当然と言えば当然でせっかく自社のサイト全体の価値を向上させるために物流機能を開発したにも関わらず、他社のサイトの販売を支援をするわけにいきません。なかには多少割高な料金設定をして対応するようなケースもありますが、基本的にフルフィルメントセンターは販売先を特定しています。

 

一方で発送代行は主に「自社サイト」を支援するために生まれたサービスです。自社サイトとはshopifyやBASE、storesなどで自社の製品を自社の販売サイトを構築している業態です。

 

そのため、発送代行のサービスはフルフィルメントと比較しても更に細かく、複雑になります。フルフィルメントセンターであれば入荷は様々な事業者から入荷されますが、出荷時には基本的に特定の販売チャネル向けにカスタマイズした出荷品質(梱包・納期・流通加工等)になりますが、発送代行では出荷時にも求められる品質が異なってきますので、業務内容が細かく、複雑になるということです。

通販サイト

 

物流アウトソーシングの今後

いかがだったでしょうか?「物流のアウトソーシング」と一言で言っても倉庫業から始まり3PL、フルフィルメントセンター、発送代行と市場のニーズに応じて物流が徐々に変化してきたことがわかったかと思います。

 

今後も物流のアウトソーシングは市場の求める形に徐々に変化していくことになります。ですが、実はこれは全てが塗り替えられるということではなく、時代とともに新しいサービスが生まれる一方で依然として古典的な倉庫業は必要な社会装置ですし、市場規模で言えば3PLが市場の主人公です。

 

そこで重要になってくるのは、世の中で何が伸びているか?ではなく、皆様の事業にフィットした物流のアウトソースはどういう形態のアウトソースなのかということです。ぜひ、参考にして頂ければと思います。