STOCKCREW JOURNAL

物流技術管理士・国際物流管理士とは?役割と試験概要を解説!

作成者: STOCKCREW(公式)|2023年05月12日

国内外を問わず、人々の生活と企業の活動を根底から支える物流業界。今や物資やサービスの流通を最適化するサプライチェーンのみならず、価値創造を促すバリューチェーンを構築するうえでもなくてはならない存在です。その現場で重要な役割を果たす「物流技術管理士」と「国際物流管理士」。今回は、この両資格について役割と概要を詳しく解説します。

 

物流業界におけるスペシャリストのニーズと役割

陸運、海運、空運と、それぞれの領域で物流・ロジスティクスに求められる業務は、年を追うごとに高度化、複雑化しています。迅速かつ正確に荷物を届けるのはもちろん、商品の多様化やその管理方法における難易度の上昇は、尋常ではありません。それらのニーズに応えるには、荷主と顧客との間で、運送業務、倉庫における入庫、管理、出庫業務が適切に実行される必要があり、しかも従来の手法にとらわれないイノベーションやDXが、常に求められているのです。

これらの極めて難解かつ重要度の高いミッションを適切に遂行するためには、現場の各所に高い知見をもつ物流スペシャリストの存在が不可欠です。

彼らには、原材料の調達から製造、出荷、在庫管理、梱包、積載、配送という流通のプロセスで、安全や時間、コストの管理、さらに環境や公衆衛生、法律・条例等に配慮した業務運営と、多角的な視点で最適解を導き出す能力がなくてはなりません。フィールドがグローバルになれば、輸出入、貿易・通関業務、世界の燃料事情等に精通していなければなりませんし、テロリスクも無視できないでしょう。

これらの課題を解決したり、適切かつ速やかに対策を立てたりするといった業務を総合的に指揮・管理できるのが、物流技術管理士であり、国際物流管理士なのです。

物流技術管理士とは

物流技術管理士(Certifield Logistics Master)」とは、公益社団法人日本ロジスティクス システム協会(本部:東京都港区海岸)が認定する民間資格の一つです(かつては「物流管理士」とか「物流士」という呼称でした)。

 

同協会が主催する、物流およびロジスティクスの全分野・領域についての専門知識とマネジメントのノウハウを総合的に習得することを目的とした認定講座(約6ヶ月間・全21日)を受講。その後、定められたテストをパスした個人に与えられます。

 

具体的には、物流現場における課題を解決し、顧客や社会からの高いニーズに応えるために、物流システムを設計、構築、分析、改善、改革するに相応しい知識と、調達・生産・販売にまで精通したマネジメント力をもつスペシャリスト、を意味します。

 

物流技術管理士認定講座は、1993年5月から開講され、以来、約30年弱の間に12,000人を超える物流技術管理者が誕生しています。


参考:公益財団法人ロジスティクス システム協会/物流技術管理士認定講座とは

 

物流技術管理士になる方法

物流技術管理士は、公益財団法人ロジスティクス システム協会が主催する、全13単元、21日間におよぶ資格認定講座を受講したうえで、客観テスト、論文テスト、面接テストの3つからなる修了試験に合格すると、同協会より正式に認定されます。

【受講(受験)資格】

以下のいずれかに該当している必要があります。

  • 物流実務に2年程度従事した経験があり、物流に関する基本的な用語を理解している
  • 「物流技術管理士補」の資格を持つ

「物流技術管理士補」とは、現場で物流の合理化を実現するための施策を提案できる知見の習得を目的とした、公益財団法人ロジスティクス システム協会が主催する教育研修プログラムを受講した個人に与えられる民間資格です。実践的なグループ演習が主となっており、プログラムさえ修了していれば、特別な試験を受ける必要はありません。2日間のオンライン形式で、有料となっています。

参考:公益財団法人ロジスティクス システム協会/物流技術管理士補資格認定コースとは

【受講形式】オンライン

課題として、受講レポートとテーマに沿った論文の提出が必須となります。

【修了テスト】

  1. 客観テスト・・・認定講座の内容についての理解度を問うもの(前後期2回)
  2. 論文テスト・・・認定講座の内容を踏まえた5,000〜6,000字の論文記述(優秀論文として表彰されると、ホームページ上で公開されます)
  3. 面接テスト・・・約15分間の面接による試験

上記3テストの全てで60%以上の得点を取得する必要があります。

全講座21日のうち16日以上出席し、定められた特定の講座を欠席していないことが条件。

総合得点として、【3テストの合計点−欠席講座(1日1点、半日0.5点換算)−レポート提出遅延減点】の計算結果で60点以上をマークしなければ不合格となります。

【テスト会場】 

東京・大阪・名古屋

【受験料】

同協会会員・・・472,500円(税込)

(入会金:10,000円 年会費:30,000円(個人) 120,000円(法人) ※年度途中の入会の場合は、月割請求となります)

一般・・・577,500円(税込)

 

国際物流管理士とは

国際物流管理士(International logistics Master)」も公益財団法人ロジスティクス システム協会による民間資格です。

国際物流(グローバルロジスティックス)のスペシャリストを目指す人が対象で、輸出入・貿易業務や海上輸送・航空輸送の理解、グローバルサプライチェーンの最適化手法、国際物流ならではのリスクや課題とその具体的ソリューション、FTAやEPAをはじめとする関税や貿易分野の連携協定、といった内容を、国際物流の第一線で活躍している専門家やコンサルタントから講義を通じて直接学びます。

国内では唯一の国際物流スペシャリスト育成講座で、1979年の開講から40年以上の歴史を持ち、以来、約1,600名の国際物流管理士が誕生しています。

 

国際物流管理士になる方法

国際物流管理士は、全9単元・約6ヶ月にわたる18〜19日間の資格認定講座を経て、レポートテスト、客観テストを基準点以上でパスすると修了証とともに国際物流管理士に認定されます。

 

【受講(受験)資格】

以下のいずれにも該当している必要があります。

  • 国際物流のスペシャリストを目指している国際物流関連業の中堅管理者や担当者
  • 国際物流関連業務に2年程度従事した経験をもつ

 

【受講形式】オンライン

 

【修了基準】

  1. 認定講座に14日以上出席していること
  2. 単元後の5回のレポートテストを全て受験していること
  3. 客観テスト(約50題)を受験していること
  4. 第9元に必ず2日間出席していること

上記のテストで全て70%以上の得点を取得する必要があります。

総合得点として、【2番のテストの合計点−欠席講座(1日1点、半日0.5点換算)】の計算結果で70点以上をマークしなければ不合格となります。

 

【受験料】

同協会会員・・・440,000円(税込)

一般・・・550,000円(税込)

同協会が定める「物流技術管理士」「物流技術管理士補」「グリーンロジスティクス管理士」「物流現場改善士」のいずれかの有資格者は、以下の金額にて優待されます。

同協会会員・・・385,000円(税込)

一般・・・495,000円(税込)

 

グリーンロジスティクス管理士:環境負荷を低減するために必要な専門知識を習得し、課題解決方法を提案できる能力を取得することを目的とした資格

 

物流現場改善士:データ活用による改善計画の策定をはじめとする、物流現場の改善を実施するためのノウハウや実践的知識を取得することを目的とした資格

 

いずれも、公益財団法人ロジスティクス システム協会が認定する民間資格です。

まとめ

物流技術管理士も国際物流管理士も、即応力のある実務を重視した最先端の知識とマネジメント力を習得できるため、取得しておくと、社内にとどまらず業界内でも一目置かれる存在となるでしょう。

海外も含め、今まで以上に活躍の場を広げたい方は、ぜひ資格取得を検討してみてください。

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