『Lumos』というヘルメットを販売しているUPJ株式会社様。単に頭を保護するだけにとどまらず、方向指示器やブレーキランプの役割を果たすLEDランプを内蔵した、とてもユニークなヘルメットとなっています。
今回はこの『Lumos』を扱うきっかけ、商品のPR方法などについてさまざまなお話を代表取締役社長・安藤様に伺いました。
-『Lumos』を御社で取り扱うことになった経緯について教えてください。
もともとはIT系電子機器の商社でさまざまな取引を見る中で、海外には競争優位性が高く、日本で売れるおもしろい商品が多いと感じていました。
そんな時、2年前のラスベガスで開催されたCESショーで、このヘルメットをご紹介いただきました。
まったく知らない商品でしたが、ルーメン(香港)という会社がアメリカやヨーロッパでこだわりを持って販売しているということで商品に興味が湧きました。
今までにありそうでなかった商品なので、日本にあったら面白いかなと思ったのに加え、たくさんの“モノ”があふれている中で、差別化を図れる商品はないか?というこちらの考えに合致しました。
そして、機能・デザインともに一般的ではないユニークなものとして将来性を感じ、2020年1月から弊社での販売に踏み切りました。
『Lumos』はもともと欧米人の頭の形に合わせたもののため、日本人の頭にフィットしないケースもありました。
そのため販売開始に伴いこちらから提案してアジア人向けのモデル(アジアンフィット)を作ってもらいました。
フラグシップモデルの『Lumos Kickstart』、プロ仕様の『Lumos Matrix』はヘルメット本体にLEDを装着しています。
LEDによる方向指示と急ブレーキをかけると加速度センサーが反応してLEDのブレーキランプとして点灯する機能を搭載しています。
またアップルウォッチと連動しているため、ハンドサインでウインカーを出すこともできます。
コロナ禍というタイミング的に、密にならない通勤や通学の手段として自転車に乗る機会が増え、好評をいただいています。
また『Lumos』は自転車専用のように思われるかもしれませんが、実はスノーボードやスケートボードにもお使いいただけます。
安全性を気軽に手に入れていただくため、今後はいろいろな価格帯の商品をラインナップし、お手軽にご利用いただけるようにしてきます!
―自転車通勤・通学が増えたということは初めから『Lumos』は順風満帆なスタートを切れたのですか?
欧米では自転車に「乗る」ことを目的にしているライダーが多いのですが、日本の場合は単に「移動」を目的にしている人のほうが圧倒的に多いという現状があります。
つまり、趣味で自転車に乗る「ライダー」の割合が想定よりも少なかったという誤算がありました。
そして『Lumos』はヨドバシカメラさんやビックカメラさんでもお取り扱いいただいているのですが、自転車自体が1万円を切って販売されている中で、ヘルメットが25,000円以上するというのはなかなかご理解いただけない…そんな状況もあります。
ハードの商品なので、リアル店舗での販売は当然意味合いは大きいですが、上記状況も踏まえウェブのネット通販と両輪でビジネスを拡げようと踏み切りました。
-現在の販路は「Amazon」と「自社サイト」の2つですが、Amazonの販売を決断した理由を教えてください。
Amazonは、ある意味でショッピングにおけるサーチエンジンになっていますのでそこに置かない理由はない、という持論がありました。
しかし、Amazonの販売力はとても強いのですが、数万点ある商品の1つという位置づけであるため、専門性をPRして、コストも抑えるという観点から自社サイトでも販売しようとなりました。
ECのメリットは、ターゲットとする層へのアクセスのスピード感、市場からのフィードバックのスピードと質の優位性にあると考えています。
一方大手一般量販店でお取り扱いいただけるメリットは、多種多様なお客様に手に取って商品を体感いただける点ですので、継続的にリアル店舗での商品展開は継続していきます。
ちなみに、最近ではUber Eatsのデリバリーパートナーの方にご利用いただいている機会が増えております。
-『Lumos』のターゲット層は?
当初は正直わかりませんでした。販売から今までの実績では30~40代で自転車に乗ることを趣味にしている人がボリュームゾーンです。
―ECに注力されているとのことですが、自社ショップのこだわりやPR活動について教えてください。
写真、動画等を通し、訴求価値の明確化を推進しています。一時期は「多様化」として多くの商品が一度に世の中に出回りましたが、それらに対するユーザーの選別眼が追いついていなかったように思います。
しかし、コロナ禍において時間が増えた人が多く、自身の目で見て考えた上で商品選定することが加速したように感じますので、写真や動画といった商品をアピールするコンテンツの作り込みに力を入れていきます。
しかるべきところにプレスリリースの配信はもちろん、Instagram、Twitter、FacebookといったSNSを利用したデジタルマーケティングの活用も重視しています。
SEOに関しては、対策にはキリがないというのと、順位を上げたところでそれが購買につながらないという問題もあります。
したがって、SEO対策よりも「本当にターゲットとしている層」にダイレクトに届くようなマーケティング、チャネルの構築を信条としています。
一例としては、最近では自転車雑誌の『バイシクルジャパン』に『Lumos』の広告出稿、並びに取材も受けました。
本来であれば、地方のサイクリングイベントでプロモーション活動を企画していましたが、コロナの影響もありそうした“リアル”での展示会イベントはすべて中止になってしまいました。
こうした、いわばアナログ的なPR活動で直接ファンにアピールするだけではなく、『LUMOS Ultra』という新商品でクラウドファンディング(マクアケ)にも取り組みました。
こちらはおかげさまで、無事に3百万円の目標額をご支援いただきました。この資金で、日本向けの規格や仕様へのチューンナップを図ります。
サポーターの方の声を聞きますと、“サイクリングサークルのメンバーに薦めたいので、希望者の分を購入します”といったように、口コミ的な広がりも実感できる結果になりました。
―数ある発送代行(配送代行)のなかで、STOCKCREWを選んでいただいた理由は?
発送代行(配送代行)業者を選定する要素として、スタートアップ向けの少量対応をしていただけるか、そして低コストであるかという2点を重視しました。
ほかにも倉庫の場所、コミュニケーションのレスポンスや頻度などなど細かい条件はありましたが、STOCKCREWさんにお願いして、すべての点において満足度が高い状態です。
それだけではなく、お届け先のお客様からのクレームの類も一切ないので、とても助かっています。
一般ルーティンにない作業の相談をさせていただいても柔軟にご対応いただける点もとても満足しています。
-最後に今後の取り組み、新しい挑戦などありましたら教えてください
今後は“仕組み”でモノを販売したいと考えています。システムと商品を結びつけることによって付加価値をつけ、価値創造できるような販売形態を模索しています。
その一例として『サブスクリプション』モデルの具現化を考えたり色々模索中です。
コロナの影響で消費者の見る目は多様化しています。それに追従、あるいは飛び越えた商品やサービスの提供が課題であると考えています。今後も新しい商品の販売や販売方法を考え続け挑戦していきたいです。
安藤様、本日はありがとうございました。
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