BASEならネットショップを無料で開設できます。ただし、実際に経営をスタートすると月額手数料がかかります。売上高によっては、プランを変更した方があきらかに得することも。そこで今回は、BASEの料金プランについて解説します。計算例とともに月額料金以外の手数料についても説明します。
BASEの料金プランは、「スタンダードプラン」と「グロースプラン」の2種類あり、どちらのプランにするかを自由に選択できます。プランの違いは手数料の差がメインになります。具体的には以下のとおりです。
スタンダードプラン:(商品代金+送料)×3.6%+40円+(商品代金+送料)×3.0%
1回の注文ごとの計算式となるため、計算式中の「40円」は、注文の数だけ加算されます。注文数が1回なら「40円」、20回なら「800円」という具合です。
グロースプラン:(商品代金+送料)×2.9%+月額5,980円
上記の方法で算出される金額が、月額手数料になります。商品代金と送料は消費税込みの金額で計算され、いつでもプラン変更(方法は後述を参照)は可能です。
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BASEを利用するメリットについて、簡単に説明しておきます。まず、スタンダードプランについては、商品が売れない限り1円も手数料が発生しない点です。ネットショップの初心者にとっては、売上だけでなく、システムにかかる手数料も心配の種のひとつではないでしょうか。しかしスタンダードプランなら、たとえ初月の売り上げが0円だとしても手数料はいっさい請求されません。
さらに、プランにかかわらず、商品の登録数やデータ使用の制限がなく、追加料金を支払う必要がない点も他のECカートシステムと比較して有利=メリットになります。
参考までに、手数料とは関係ありませんが、BASEではエスクロー決済を採用しています。エスクロー決済とは、ユーザーとネットショップの間にBASEが入って売上金を預かる仕組みのことです。このシステムによって、顧客が代金を支払ったにもかかわらず商品が届かなかったという場合に、ユーザーへの返金が可能となります。ショップオーナーも、商品を発送したのに代金が支払われない、という未払い被害に遭うこともなくなります。
冒頭にご紹介したスタンダードプランとグロースプランの計算式を見ただけでは、どちらがお得なのかよく分からないのではないでしょうか。先ほど述べたように、注文がない月に手数料が発生しないという意味では、スタンダードプランがあきらかにお得でしょう。しかし話はそう単純ではありません。
BASE公式はこの件について、プラン選択の目安を提示しています。具体的には「月商17万円以下」ならスタンダードプラン、「月商17万円超え」ならグロースプランの方が得をする傾向が強い、としています。これはあくまでも目安であって、ネットショップによって厳密な基準はこの目安より多少上下すると考えてください。
というのも、とくにスタンダードプランは「送料」と「注文回数」によって全体の手数料額に差が生じるからです。極端な話ですが、ある月の注文が近場に集中すれば送料が少額で済みます。逆に、遠方からの注文が多い月なら送料もかさむでしょう。
加えて、注文数が5回なら「(商品代金+送料)×3.6%+40円+(商品代金+送料)×3.0%」の計算式中の「40円」の部分が、「40円×5回=200円」で済みます。ところが100回の注文があった月は「40円×100回=4,000円」とずいぶん跳ね上がります。もちろん送料の総合計についてもかなりの開きが出るでしょう。このあたりがどれくらい響くかについては、次の章でさらに掘り下げます。
実際にスタンダードプランで、月商17万円として試算してみましょう。売上高が17万円、送料の平均を500円とし、10件の注文があった場合と、100件の注文があった場合で比較します。
注文が10件の場合は
(17万円+5千円)×3.6%+40円×10回+(17万円+5千円)×3.0%=10,900円
となり、注文が100件の場合は
(17万円+5万円)×3.6%+40円×100回+(17万円+5万円)×3.0%=18,520円
以上を比較すると、同じ売上高でも注文数が異なると、ずいぶん手数料に開きが出ることがわかります。一方、グロースプランは、注文数にはいっさい左右されません。売上高と送料のみが影響します。
よって、月商17万円で、送料の平均が500円とし、注文数が10件の場合と100件の場合で比較すると、
注文が10件の場合
(17万円+5千円)×2.9%+5,980円=11,055円
注文が100件の場合:
(17万円+5万円)×2.9%+5,980円=12,360円
以上のようになります。
つまり、注文数が10件ならスタンダードプランが、100件ならグロースプランがお得という結果になります。よって、月商が17万円の場合、送料と注文数で損得の分岐点が微妙に変化するのがわかるでしょう。これが「月商〇〇万円」なら必ずどちらかのプランがお得……と判断基準を1円単位まで明確にできない理由なのです。
これが、月商17万円を大きく上回ると話は違ってきます。仮に月商30万円、送料の平均500円、注文数100件として比較してみましょう。
スタンダードプラン
(30万円+5万円)×3.6%+40円×100回+(30万円+5万円)×3.0%=27,100円
グロースプラン
(30万円+5万円)×2.9%+5,980円=16,130円
以上のようになります。
この場合、グロースプランが圧倒的にお得なのは言うまでもありません。しかも、その額はたった1ヶ月分にしかすぎず、年間に換算した場合は、約13万円以上もの違いが生じるので、この差は決して無視できないでしょう。
しかもその差額は、売上高が多くなればなるほど顕著になるため、月商17万円を大幅に超えるようであれば、迷わずグロースプランに切り替えた方が、あきらかにおトクと言えます。つまり、月商17万円以下なら、基本的にスタンダードプランを優先し、月商17万円を超える月が続くようなら、送料や注文件数の兼ね合いをみながら、グロースプランへの切り替えを検討するという考え方が、もっとも適切でしょう。
スタンダードプランから始めたとして、グロースプランへの変更はいつでも可能です。その逆も同じく簡単な手続きで済ませられます。
そこでここからは、スタンダードプランからグロースプランへの変更方法を紹介します。ネットショップを開設した時点では、デフォルトでスタンダードプランとなっているので、グロースプランへの切り替えは、この方法で行ってください。
先述したようにBASEではエスクロー決済を採用しています。ユーザーから支払われた売上代金は、いったんBASEの口座に振り込まれ、その後、ネットショップが振込申請をするとそれぞれの口座に代金が支払われる仕組みです。その際に振込手数料が一律250円かかります。
BASEから各ネットショップに商品代金が支払われるにあたり、事務手数料が請求されます。事務手数料は、以下の2パターンです。
2万円未満で振込申請すると、その都度500円かかってしまうので、特別に必要でなければ、2万円以上貯まってからにしたほうがおトクです。また、売り上げがあった日から180日以内に申請しなければ失効となるので注意してください。
BASEの月額手数料は売上高によって変化するため、月商17万円を目安にプランの見直しを忘れないようにしてください。その際は、注文件数や送料との兼ね合いに注意して切り替えるタイミングを推しはかることが大切です。ぜひ、自社にとってよりリーズナブルな方法でネットショップ経営を進めてください。
そして、BASEでのショップ運営が軌道に乗ってきたら、発送に関する業務を自動化して効率化してみませんか?STOCKCREWはBASEとのAPI連携を行っているので、受注から発注までを自動化できます。それによってどれぐらい業務の効率化を図れるのか?詳細は以下のボタンからお気軽にお問い合わせください。