企業の事業拡大を目的とし、越境EC導入を検討している企業は増えています。越境ECを行うにあたっては「関税」について注意しなければなりません。関税は国によって異なるため、事前に確認しておかないと想像以上の税金を徴収されてしまう可能性があります。本記事では、越境ECの関税について解説します。
越境ECとは、インターネット販売で国外に商品を輸出することです。また、ECとは「電子商取引」のことで、インターネット上の商品取引のことを指します。取引先顧客の範囲を海外に広げることで、収益拡大に期待できます。越境ECには、さまざまな方法があります。
【越境ECのビジネスタイプ】
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関税とは、どの国でも海外からモノを輸入する際に課せられる税金のことです。越境ECでは免れられない税金と言えます。関税を課す目的は、国内企業の保護です。海外から安い製品や商品を輸入してしまうと、国内企業の売上減少につながるという理由から、関税をかけています。
ちなみに、関税には大きく分けると4つの種類があります。
以下、おもな国の関税について紹介します。
越境ECの対象国がアメリカの場合、課せられる関税を紹介します。アメリカの関税体系は3種類あります。
【アメリカの関税体系】
アメリカの税率は、四半期ごとに変わります。現在の関税レートを確認したい方は、「アメリカ国際貿易委員会」で確認しましょう。「アメリカ国際貿易委員会」では、セクションごとに「肉」「生物」「革製品」などさまざまな項目の関税レートを確認できます。
つづいて、中国の関税体系は5種類あります。
【中国の関税体系】
また、関税を大きなカテゴリーに分けると「行郵税(CCモード)」と「越境EC総合税(BCモード)」があります。日本から中国に国際宅急便などで商品を発送する際は、「行郵税」がかかります。
【行郵税の税率】
「行郵税」は個人売買を目的とした関税であることから、個人名義で日本から中国に発送した場合に課せられます。一方で、「越境EC総合関税」は企業が中国保税倉庫を経由して、日本から中国に商品を発送する際に課せられる関税です。ちなみに日本は「最恵国税率」となっています。
【最恵国税率の例】
台湾の関税は、「カラム1」「カラム2」「カラム3」の3種類に分類されています。
日本は「カラム1」で、台湾の中では最も優遇された税率です。また、台湾の税率を調べる方法には3パターンあります。
最後に、越境ECをする際に関税で注意すべき点は3つあります。
以下、それぞれの詳細を解説します。
越境ECを始める場合、最初に取扱品目を確認しておきましょう。なぜなら、取扱品目によって税率が大きく異なるからです。
関税は国や物によって異なり、とても複雑です。現在では、国際貿易の対象としている商品を6桁の数字「HSコード(国際統一商品分類)」で検索できます。そのため、取扱品目の候補を出したら、「財務省関税局」で確認しておきましょう。
越境ECでは、通関手続きの流れを把握しておくことが大切です。それを把握せずに越境ECに取り組んでしまうとスムーズに手続きが進まず、取引先企業に迷惑をかけてしまう危険性があります。
初めて通関手続きをする際は、「国際郵便マイページ」の利用がおすすめです。「国際郵便マイページ」では、通関に必要な書類を自動で出力できます。また、受け取り国、住所、氏名、HSコードなどをあらかじめ入力しておくことで、スムーズな通関手続きが可能です。
関税は、基本的に購入者が負担する税金です。そのため、商品を受け取る企業・個人が関税を負担する必要があります。逆に海外から商品や製品を輸入する場合は、発送者に対して関税やその他の税金が課せられます。したがって、海外の取引先企業と関税をどちらが負担するのかなどを事前に決めておく必要があります。
越境ECは自社で取り扱っている商品を海外に輸出して、顧客数の拡大を目的とするビジネスです。越境ECを検討する場合、関税を理解しておく必要があります。関税は、各国や物によって税率が異なります。したがって、事前に取引先国や取扱品目、そしてどちらが関税を負担するかを決めておくことが肝心です。
これから越境ECをはじめる方は、ご自身で行うのもよいですが「発送代行」サービスに依頼してしまうのもひとつの手です。発送代行を手がけるSTOCKCREWでは越境ECの発送に対応しています。ぜひお気軽にお問い合わせください。