ネットショップ経営において欠かせない「EC物流」。業績が好調なショップは、もれなくEC物流が充実しているといっても過言ではありません。そして顧客数や販路の拡大にともなってEC物流サービスを活用する経営者が飛躍的に増加しています。今回は、EC物流サービスの基礎知識や特徴、さらに活用するメリットについても解説します。
EC物流サービスとは、荷主に代わって物流全般の業務を請け負う企業のことです。
具体的には、
といった、商品が製造されて以降のユーザーに届けるまでの一連の業務を代行します。業者によって、このすべてを請け負う場合もあれば、一部に限られる場合もあります。
商品数や種類、注文数が増えるにつれ、製造業者やネットショップが商品管理、在庫管理、出荷・配送業務までを自前ですべて行うのは限界があるでしょう。そこで一連の物流業務を専門業者にアウトソーシングできれば大幅に負担が軽減できます。しかも浮いた時間や人手を重要度の高い業務に充てることにより、さらなる業績向上が期待できます。
続いてここから、EC物流サービスの特徴として主なものを5つ紹介します。
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EC物流サービスが請け負うのは、BtoCが多くなっています。つまり荷主企業やネットショップが、個人消費者に商品を届ける際の物流業務を代行します。
近年の国内宅配需要は、コロナ禍の巣籠もり需要の影響もあって毎年のように増加しています。その数は、令和3年度の1年間で50億個にも迫る勢いです。しかもtoC商品は小売店や企業相手とは異なり、小口化、多様化の傾向が極めて強くなっています。そのため、ユーザーや用途、目的などに合わせて細かくカスタマイズしなければならないケースが少なくありません。つまり、ケースピッキングではなくバラピッキングがメインとなり、それ以外にもギフトラッピングやノベルティから「われもの注意」といった注意喚起シールの貼付まで、きめ細かな対応が求められます。これらのニーズに的確に対応するのが、EC物流サービスのおもな特徴の一つです。
今やネットショップの市場価値は、取り扱う商品やサービスのみで決まるのではありません。加えて、いかにスピーディーに商品を届けることができるかという点を含めて評価されるといってよいでしょう。
翌日配送が画期的だった時代はすでに過去のものとなり、当日配送、1時間配送も珍しくなくなっています。そしてこれを可能としているのが、高度なオペレーション機能を有するEC物流サービスにほかなりません。
具体的には、自動出荷システムにより受注と同時にEC物流サービスがその情報を自動的に入手すると、瞬時に出荷指示を出します。WMS(倉庫管理システム)などと連携してピッキングリストをオンラインで発行。ヒューマンエラーを起こさず確実なピッキングを促します。中には、人がピッキングに向かうのではなく、コンテナが作業員のもとに自動供給されたり、AIを使ってロボットとともにピッキングを行うケースもあります。
このようにして、1分1秒を争う迅速な配送サービス合戦に勝ち抜くためのソリューションを提供しているのがEC物流サービスなのです。
EC物流サービスは、上質な品質管理を担うのも特徴の一つです。入庫時の動作不良確認、商品に合わせた適切な温度と湿度の管理、作業中の破損の回避、厳重な梱包、さらにセキュリティまで。荷主の求める品質基準を維持しながら安全に出荷を行います。
メーカー、ネットショップオーナーともに、いったん商品をEC物流サービスに預けたらそれ以降は直接商品の様子を確認することはできません。あとは確実に管理のうえ出荷されると信じるしかないのです。仮に品質基準を下回る商品を一点でも出荷してしまえば、顧客に多大な損失や危害を与えるだけでなく、荷主の信用低下を招くことにもなりかねません。そのような重大責務を負うのも、EC物流の大切な役割です。
toCでは、ネットショップが繰り広げるサービスや消費者が求めるニーズに応じてさまざまな形で商品を届けなければなりません。そのために、プレゼント包装、熨斗、お中元・お歳暮の詰め合わせ、その他のアソートといった流通加工も、EC物流の大事な役割です。とりわけアパレルの場合なら、検針、アイロン、ハンガー掛け、タグ付け、ほつれの補修、たたみ作業など、その内容はさらに細分化されていきます。これも先ほどの「品質管理」の一環として非常に重視される特徴の一つです。
EC物流サービスの中には、カスタマー対応も含まれます。ネットショップを経営していると、さまざまな問い合わせやクレームが毎日のように寄せられます。そのすべてに対応するのは、非常に手間がかかると同時に人手が必要となります。その業務をEC物流サービスが代行するのです。
もちろん対応パターンは事前に指示したり、相談をして決めたりするので、勝手な応対は難しくなります。イレギュラーなケースは、随時荷主と協議のうえで対応方法を見出します。問い合わせやクレームの内容、件数についても適宜報告を受けるようになっています。
商品やサービスについては、荷主の方が詳細を把握していますが、それとカスタマー対応が上手くできるのとは話が別です。言葉遣いや説明の手順、クレーマーへの対応などは、豊富な経験とノウハウを有するプロのEC物流サービスの方が、確実に上回っています。その意味では、荷主にとって大変強い味方といってよいでしょう。
EC物流サービスのメリットについて改めて4つ紹介します。
EC物流サービスを利用すると、大幅に業務効率化が推進できます。EC物流のノウハウと専門スタッフ、システムやインフラを豊富に有するため、受注から配送、カスタマー対応までを最短の時間と工程で一任できます。これにより省人化やコスト削減といった業務改革が極めて効率的に実現できるでしょう。
EC物流サービスが提供する質の高い物流技術を活用することにより、顧客満足度が向上します。品質保持、迅速な配送、誤配送の減少、適切なカスタマー対応と、顧客が物流に求めるほぼすべてのサービスを網羅しているので、顧客定着やリピーターの増加にも役立ちます。
EC物流サービスを利用すると、在庫管理機能や出荷・配送機能が飛躍的に向上します。中には、離れたエリアに複数の物流拠点を保有しているEC物流業者も存在します。するとより広範な地域のユーザーに商品を迅速に届けることが可能となるため、販路拡大も期待できます。
EC物流業務をアウトソーシングできると、空いた時間や人手をコアな業務に割り当てることができます。コアな業務、つまり新商品の開発や新サービスの導入、販促や営業、採用といった重要度の高い業務が充実するため、業績アップや自社の成長に寄与します。
EC物流サービスは、業務効率化、コスト削減、顧客満足度の向上、販路拡大など、ネットショップにとってのメリットが非常に豊富です。無理に自社で行うよりプロにアウトソーシングすることで想像以上の業務改革が可能になります。EC物流をご検討なら、お気軽にSTOCKCREWにお問い合わせください。