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発送代行は月何件から使うべきか?自社発送との損益分岐を件数・商品サイズ別に計算する

作成者: STOCKCREW(公式)|2026年3月20日

「まだ月50件程度なので発送代行は早いかも」「自分でやった方が安いはず」——この判断が実は誤りである場合が多いです。自社発送のコストを正確に計算している事業者は少なく、梱包作業にかかる時間を時給換算すると発送代行の方が安い水準を大幅に超えているケースが頻繁にあります。

本記事では発送代行の費用対効果を、月間出荷件数・商品サイズ別のトータルコスト試算で示す。「いつ始めるべきか」の判断を感覚ではなく数字で行うための実務的な指針を整理する。

この記事の内容

  1. 自社発送の「本当のコスト」:見落とされている3つの隠れコスト
  2. 自社発送 vs 発送代行:月間出荷件数別のトータルコスト試算
  3. 損益分岐点は件数だけでは決まらない:商品サイズと時給の影響
  4. 発送代行の料金体系:「積み上げ式」と「コミコミ」の違い
  5. 発送代行を使い始めるタイミング:4つの判断シグナル
  6. 業者選定で見落とされがちな5つの確認項目
  7. 発送代行で解放された時間の使い方:何に集中すべきか
  8. まとめ:「月何件から」より「今の機会損失はいくらか」で判断する

自社発送の「本当のコスト」:見落とされている3つの隠れコスト

隠れコスト①:梱包作業の時間コスト(最大の見落とし)

自社発送のコストを「配送料+梱包資材費」だけで計算している事業者が多いです。しかし最大のコストは梱包作業にかかる時間です。60サイズの商品を1件梱包・出荷するのに平均15〜20分かかる。月60件なら15〜20時間。時給2,000円で換算すると月3〜4万円の作業コストが発生しています。

この時間コストを「自分の時間だからゼロ」と考える事業者は多いが、その時間を新商品開発・SNS運用・広告運用に使えば売上増加に直結する。発送作業に費やす時間は実質「機会損失」であり、財務諸表に現れないコストとして事業の成長を阻害しています。

隠れコスト②:梱包資材費の実態(単価×使用量で計算する)

ダンボール・緩衝材・テープ・OPP袋などの梱包資材費は、少量購入だと1件あたり150〜300円になります。月60件なら月9,000〜18,000円。この金額を正確に把握している事業者は少ありません。発送代行のコミコミ料金(資材費込み)と比較する際は、自社の資材費を実態に即して計算してから比較することが正確な判断につながる。

隠れコスト③:誤出荷・クレーム対応コスト(忘れられがちな変動費)

自社発送では個人が梱包・出荷を担当するため、疲労や集中力の低下で誤出荷が発生しやすい。誤出荷1件が発生すると、クレーム対応(30〜60分)・返品送料(往復1,000〜2,000円)・再発送コスト・顧客への謝罪対応というコストが積み重なります。1件あたりのトータル損失は3,000〜8,000円になることが多いです。月60件で誤出荷率1%なら月0.6件発生し、年間7件・年間コスト2〜5万円の損失になります。ピッキング精度と誤出荷防止の仕組みでも確認してください。

自社発送 vs 発送代行:月間出荷件数別のトータルコスト試算

月間出荷件数別トータルコスト比較(60サイズ・関東発送) 月間件数 自社発送(月額合計) 発送代行・コミコミ料金 差額 月20件 配送料940円×20+資材200円×20 +作業7時間×2,000円=約36,800円 560円×20=11,200円 25,600円削減 月60件 配送料×60+資材×60 +作業20時間×2,000円=約100,400円 560円×60=33,600円 66,800円削減 月150件 配送料×150+資材×150 +作業50時間×2,000円=約241,000円 560円×150=84,000円 157,000円削減 月300件 配送料×300+資材×300 +作業100時間×2,000円=約482,000円 560円×300=168,000円 314,000円削減 ※自社発送:ヤマト持込940円+資材200円+作業20分×時給2,000円。発送代行:STOCKCREWコミコミ料金560円(60サイズ)

試算の前提と注意点

上記の試算前提は「ヤマト運輸への持込料金940円(60サイズ・関東→関東)、梱包資材費200円、梱包作業20分・時給2,000円」。発送代行はSTOCKCREWのコミコミ料金560円(60サイズ、梱包資材費・作業費・配送料込み)で計算しています。

ポイントは月20件の段階で既に25,600円の差が出ている点です。「月50件以下だから発送代行は早い」という判断は、作業コストの時給換算を含めていないために生まれる誤解です。件数が少ない段階ほど、1件あたりの作業コスト比率が高くなります。

試算に含まれていないコスト(実際はさらに差が広がる)

上記の試算は誤出荷コスト・土日の出荷対応コスト・在庫管理の工数を含んでいありません。これらを加えると実際の差はさらに大きくなります。また自社発送では梱包スペース・資材の保管スペースが必要になり、自宅兼事務所の場合は実質的なスペースコストも発生します。発送代行のトータルコスト計算方法でより詳細な試算方法を確認してみてください。

損益分岐点は件数だけでは決まらない:商品サイズと時給の影響

DMサイズ・ネコポスサイズの場合は件数の閾値が下がる

コスメ・アクセサリー・書籍など薄型商品をDMサイズや宅配便コンパクトで発送している場合、STOCKCREWのコミコミ料金は260〜400円台になります。一方、自社発送の配送料はゆうパケット385〜460円・ネコポス385円(2025年現在)。資材費と作業コストを加えると、月10件台の段階から発送代行の方が安くなる計算になります。

時給の設定で損益分岐点は大きく変わる

上記の試算は時給2,000円で計算していますが、EC事業者の実態はさまざまです。副業として運営している場合、梱包作業の機会費用は「本業の時給」で評価すべきです。本業が時給3,000円のスキルワーカーであれば、梱包作業の機会損失はさらに大きくなります。逆に「梱包作業が趣味で苦にならない」という事業者は、時給換算を低く設定しても問題ありません。重要なのは「自分にとっての時間の価値」を明確にした上で計算することです。

例外:自社発送の方が合理的なケース

発送代行が必ずしも最適解でない状況もあります。①月5件以下の超小規模で、梱包作業が1時間以内に収まる場合。②商品が非常に繊細で、自社の独自梱包でなければ破損リスクが高い場合(ただしこれは発送代行業者への梱包仕様書で解決できることが多い)。③顧客への手書きメッセージが中心的なブランド体験であり、完全な自社対応にこだわる場合。これらを除けば、月10〜20件以上で発送代行の費用対効果が成立する。

発送代行の料金体系:「積み上げ式」と「コミコミ」の違い

積み上げ式料金の落とし穴

多くの発送代行業者は積み上げ式料金を採用しています。入庫料・ピッキング料・梱包作業料・梱包資材費・保管料・システム利用料・配送料を個別に計算する方式です。「60サイズ310円〜」という表示を見て選んだが、実際に請求書を見ると1件あたり900円超だったというケースは珍しくありません。

積み上げ式で特に見落とされやすいのが固定費です。月額システム料2〜5万円・管理費1〜3万円が毎月発生する業者では、月20件の段階で1件あたりのコストが3,000〜5,000円になることもあります。これは自社発送より明らかに高いです。発送代行の料金体系の読み方と落とし穴で詳しく確認してみてください。

コミコミ料金のメリットと確認事項

コミコミ料金(梱包資材費・作業費・配送料が1件あたりの単価に含まれる)は計算が単純で、月次コストの予測が容易です。STOCKCREWはDMサイズ260円〜・60サイズ560円〜というコミコミ料金で、初期費用・固定費・システム利用料はすべて0円。最低件数の設定もないため、月1件から利用できます。

コミコミ料金の業者を選ぶ際に確認すべきは「何がコミコミに含まれているか」です。梱包資材費が含まれていない業者・特定のオプション作業が別途請求になる業者もあります。見積もり取得時に「自分の商品サイズ・重量・月間件数で1件あたりいくらになるか」を明示してもらうことが、正確な比較の前提です。STOCKCREWの料金表で自社条件での試算が可能です。

発送代行を使い始めるタイミング:4つの判断シグナル

発送代行を導入すべき4つのシグナル ① 梱包作業が 週10時間超 月40時間=約8万円の ② 土日・祝日も 発送作業が発生 365日対応が前提に ③ 誤出荷・発送ミスが 月1件以上発生 信用損失のリスクが増大 ④ 集客・商品開発に 時間が割けない 成長の天井が物流にある

シグナル①:梱包作業が週10時間を超えた

週10時間の梱包作業は月40時間。時給2,000円換算で月8万円の作業コストです。月40時間を新規顧客開拓・SNS運用・商品ラインアップの拡充に使えば、発送代行の月額コストを上回る売上増加が見込めます。「週10時間超」を一つの目安にして導入を検討することを推奨します。

シグナル②:土日・祝日も発送作業が発生するようになった

購入者は土日に注文することが多いです。楽天・Amazonでは「注文当日or翌日発送」が評価指標になるため、土日の注文を月曜日まで放置することが難しくなります。自社発送では事実上365日対応が必要になり、休日が取れなくなります。発送代行に委託すれば、土日祝日を含む365日の自動出荷体制が実現します。個人・小規模EC事業者の発送代行活用で事例を確認してみてください。

シグナル③・④:誤出荷が増え、成長業務に時間が割けない

出荷量の増加とともに誤出荷が発生し始めたときが、仕組みへの移行タイミングです。誤出荷は疲労・集中力低下・作業量超過が原因で増加する傾向があり、個人の注意力で対応できる限界を超えています。同時に、発送作業に追われて商品開発・マーケティングに時間が割けない状態は、事業の成長を物流がブロックしていることを意味します。この2つが重なったときが「今すぐ移行すべき」のサインです。

業者選定で見落とされがちな5つの確認項目

①固定費・最低件数の設定有無

月額固定費2〜5万円・最低出荷件数100件以上という条件を設定している業者は、立ち上げ期や閑散期にコストが先行します。「初期費用0円・固定費0円・最低件数なし」が小規模ECには最も適した条件です。この条件を満たさない業者を最初から除外することで、選択肢が大幅に絞られます。

②API連携の深さ:「対応」と「完全自動化」は別物

「BASE・Shopify対応」と書いてある業者でも、注文データのCSV手動アップロードを「API連携」と表現しているケースがあります。本物のAPI連携とは「注文が入ったら自動で倉庫に出荷指示が飛び、追跡番号が自動でカートに返送される」双方向リアルタイム連携のことです。利用中のカートごとに「注文データの取込方法と追跡番号の返送方法」を具体的に確認することが重要です。STOCKCREWが対応するプラットフォーム一覧で自社環境との適合性を確認してみてください。

③当日出荷の締め時間:繁忙期に変更されないか

楽天「最強配送」・Amazonの翌日配送ラベル・Yahoo!の速配優良ストアの取得条件に「当日15時までの出荷対応」が含まれます。通常時に午後3時締めと説明していた業者が、楽天スーパーSALEや年末の繁忙期に締め時間を午後1時に繰り上げるケースがあります。配送マーク取得・維持を目的に発送代行を使う場合は、「繁忙期でも締め時間は変わらないか」を必ず確認します。

④導入リードタイム:最短で何日で出荷開始できるか

楽天スーパーSALEの開催が発表されてから「急いで発送代行に移行したい」という事業者は多いです。しかし多くの業者は契約から出荷開始まで1〜2ヶ月かかる。繁忙期前の準備が間に合わありません。STOCKCREWはオンラインMTGから最短7日で出荷開始できる体制を持っており、緊急の乗り換えにも対応しています。

⑤繁忙期の対応実績:設備投資の有無

人手に依存した倉庫は繁忙期に処理能力の限界が来る。通常月の3〜5倍の出荷量に対応するためには、AMR(自律走行ロボット)等の設備投資で「人が必要な絶対数を下げる」構造が必要です。STOCKCREWはAMR100台以上が稼働しており、経済産業省のDX事業にも採択されています。設備投資の実績を数字で示せない業者は、繁忙期対応力を仕組みではなく努力で担保していると考えるべきです。

発送代行で解放された時間の使い方:何に集中すべきか

月40時間の解放で何が変わるか

月60件の発送作業から解放されると、月20〜40時間が戻ってきます。この時間の投資先として最も費用対効果が高いのは、商品開発・SNS運用・広告最適化の3つです。1本のSNS投稿が数十万円の売上につながることがある一方、梱包作業が売上を生むことはありません。時間の再配分が事業成長を加速させます。

複数チャネルへの展開が現実的になる

自社発送の段階では、管理できるECチャネルが1〜2つに限られることが多いです。発送代行のWMSとAPI連携を活用すれば、BASE・Shopify・楽天・Amazon・Yahoo!ショッピングを並行展開しても在庫管理・出荷指示が一元化される。チャネルが増えても発送作業の工数はほぼ変わらありません。これが発送代行を使う最大の構造的メリットです。マルチチャネル展開の設計方法で詳しく確認してみてください。

まとめ:「月何件から」より「今の機会損失はいくらか」で判断する

発送代行を使い始めるタイミングは「月何件から」という件数の閾値で決めるのではなく、「現在の発送作業の時間コストと、その時間を別の用途に使った場合の価値の差」で判断するほうが正確です。月20件でも作業コストを時給換算すれば発送代行の方が安く、かつ月20時間のマーケティング時間が生まれます。

業者選定では固定費ゼロ・API連携の深さ・繁忙期の対応実績・当日出荷の締め時間・導入リードタイムの5点を確認することで、「料金は安いが実運用で問題が起きる業者」を事前に除外できます。固定費ゼロ・最低件数なし・AMR投資済み・当日出荷対応・最短7日導入という条件を同時に満たす業者は限られます。発送代行の仕組みと費用の完全ガイドSTOCKCREWのサービス完全ガイドを確認の上、無料資料ダウンロードまたはお問い合わせから相談ください。