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ネットショップを個人経営すると年収はどれくらい?実際のシミュレーションも!

作成者: STOCKCREW(公式)|2023年02月26日

ネット記事では、「ネットショップ経営で年収2,000万円突破!」といった景気のいい話を目にすることがあります。これは現実と考えてもよいのでしょうか。一言にネットショップといってもさまざまなものがあるので、だれもが同じように稼げるとは考えにくいです。

そこで今回は、ネットショップを個人が経営すると年収はどれくらい稼げるのか、をテーマに解説します。また目指したい年収額から、月商をいくら稼げばよいのか逆算もするので、ぜひ参考にしてください。

個人のネットショップはいくら稼げるのか?

個人でネットショップを経営した場合の年収は、そもそもデータとしてほとんど見当たりません。ネットショップ全体の売上は統計資料で確認できますが、各ショップごととなるとデータ化が難しいのかもしれません。個人といっても、個人事業主として会社を経営しているケースもあれば、あくまで趣味として副業レベルで取り組んでいる人たちも数多く存在し、その幅が広すぎるからです。しかも開設したものの、実際は機能していなかったり、自然消滅したりしているショップはおびただしい数にのぼるので、実態を把握しきれないのが実情といえるでしょう。

法人も含めたネットショップの場合、平均で月商10~15万円程度といわれています。それでも月商30万円以下が全体の5割を占めるとされており、ほとんどの個人は月商10万円以下と考えるのが妥当でしょう。つまり日に換算すると3千円前後の売上です。さらに、1年以内に閉店するネットショップが7割にのぼるので、長期にわたって維持していくのは容易ではないということが理解できるでしょう。

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ネットショップ経営の利益率はどれくらい?

ネットショップでの年収というのは、手元に残る利益額を意味します。利益には、厳密にいうと

  1. 売上総利益
  2. 営業利益
  3. 経常利益
  4. 税引前当期純利益
  5. 当期純利益
以上の5種類があり、それぞれ定義や算出方法が異なります。

 

本記事では「売上高」から「原価や仕入れ値、梱包資材費用、ECカートサービスに仕払う手数料、サーバ費用、送料」などの諸経費を差し引いた「営業利益」を「利益」と呼ぶことにします。

一般的に、ネットショップ経営では、売上高の約5割が原価や仕入れ値、その他諸経費が約3割、というのが平均です。これを基準に計算すると、手元に残る「利益=収入」は「約2割」ということになります。

原価や仕入れ値が「約5割」というのは、かなり大まかな数字です。卸売業者やメーカーとの直接取引(代理店として)、あるいはフリマサイトで格安の掘り出し物を入手できればこの水準で経営できるかもしれません。しかし、仕入れ先がネット販売やリサイクルショップ、ディスカウントストアなどであれば、5割を維持するのはそう簡単ではないでしょう。

その一方で、たとえば料理レシピやノウハウ系の情報のみを販売するのであれば、原価は大幅に抑えられます。極端ですが、料理レシピなら食材を用意して実際に作っているシーンを動画撮影したとしても、経費はさほどかかりません。料理をすべて食べれば厳密には経費ではなく生活費の一部になるため、非常に費用対効果が高いといえます。もし動画コンテンツを300円で出品し、100人に売れた場合、売上高3万円の利益率は10割に限りなく近くなるかもしれません。

そう考えると、上記のような利益が「2割」の場合と「10割」とではかなりの差が生じることになります。よって商材に何を選択するかで、「利益=収入」にも少なからず違いが出ることは、よく認識しておいてください。

それでは、以下で目指す年収別の売上高(月商)が、いくらになるのかシミュレーションしていきましょう。

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個人のネットショップ経営の売上アップのポイントは?税金も解説!

 

年収100万円を目指す場合

年収が100万円ということは、1ヶ月の利益が「100万円÷12ヶ月=約8万4千円」となります。

利益が8万4千円ということは、その5倍(2割×5=10割)が、月商=42万円となります。

さらにこれを「1ヶ月=30日」で割ると1日の売り上げは、平均で14,000円以上必要ということになります。

ちなみに年収100万円は、あくまで副業レベルとなります。本業の収入としては非常に厳しいでしょう。しかも副業の場合は、年間所得が「20万円」を超えた時点で確定申告の義務が生じるため、さらに手取りは減ると考えなければなりません。ちなみに家族の扶養となっている場合で、ネットショップ以外に収入がなければ、年間「48万円」以下の所得なら確定申告をする必要はありません。

 

年収500万円を目指す場合

続いて、年収500万円を目指す前提でシミュレーションを行います。

「500万円÷12ヶ月=約42万円」が、1ヶ月分の利益となります。

利益が42万円ということは、その5倍で算出される月商は、「210万円」です。さらにこれを「1ヶ月=30日」で割ると、1日の売上平均は、7万円以上必要になります。

2022年度の年収の全国平均は「約400万円(税込)」です。よって、継続して上記のように「月商210万円」以上の売上が維持できるようであれば、本業として独立できる可能性が十分に見えてくると考えてよいでしょう。

 

年収1,000万円を目指す場合

最後に年収1,000万円を前提にシミュレーションしてみましょう。

「1,000万円÷12ヶ月=約84万円」が、1ヶ月分の利益となります。

利益が84万円ということは、その5倍で算出される月商は、「420万円」です。さらにこれを「1ヶ月=30日」で割ると、1日の売上平均は140万円以上必要になります。

一般的に、1日に140万円以上の売り上げを出せる状態というのは、在庫がかなり増えるため、倉庫を借りたり人を雇ったりする必要が生じます。そのため、年収が1,000万円に達したとしても、そこから税金や経費を差し引くと手元に残るのはさらに少額になると考えなければならないでしょう。

 

ネットショップの年収は変動が激しい

今回は、3パターンの年収を前提に試算してみました。しかし実際は、毎月あるいは毎年、絵に描いたように同じ収入になることは、まず考えられないでしょう。とくに季節用品の場合は、売上が増加する時期と減少する時期の落差が激しいです。ネットショップで人気が出やすい「流行もの」も非常に流行りすたりがはっきりしています。

また上記の例でも触れた、レシピなどノウハウ系のコンテンツやハンドメイド作品など、自身の裁量で商品を安定的に準備できる場合は、コストの変動が少ないので利益が確保しやすいでしょう。しかし、仕入れ先が定まらず複数存在したり、その価格も変動が大きかったりする場合は利益が圧縮される可能性が高まるため要注意です。しかも今回のシミュレーションは、1年365日休みなしの計算です。個人経営ですから、お正月も夏休みも体調不良でも注文が入れば自ら対応する必要があります。その負担に耐えられる体制を整えるのも容易ではないでしょう。とくに本業と並行して行う場合は、想像以上に負荷がかかる恐れがあるので気をつけなければなりません。

こうしたリスクを少しでも軽減するために、ネットショップ業務において負荷がかかる発送作業をアウトソーシング=発送代行に外注するという方法もあります。この場合も発送代行の作業量が必要になる点にもご留意ください。

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これらを勘案すると、ネットショップにおける年収を楽観論で見積もるのはリスクがあるでしょう。それよりまずは副業でスタートし、業績を見ながら少しずつ拡張して上述したように「年収500万円」が継続して維持できる状態になったら本業として検討する、といった考え方の方が無難かもしれません。くれぐれも前のめりになって最初から手を広げすぎないように気をつけてください。

まとめ

個人でネットショップ経営をする場合の年収について解説しました。商材を何にするのか、仕入れ先をどのように確保するか、などによって年収にも大きな差が生じます。まずは、自分が今の環境で無理をせずに「年収100万円」を確保できそうところから始めてみるのがおすすめです。