ネットショップを個人で始めよう!と思い立ち、検索してみると意外と知っておかなければならない情報や準備が多いことに気づかれたと思います。
個人でネットショップを運営するにあたっては、正しい知識としっかりとした準備が成功の鍵を握る、といっても過言ではありません。
本記事ではネットショップを個人で、1人で運営するために必要な情報をまとめて紹介します。
目次
ネットショップを個人で運営するのは可能?
そもそも論として、ネットショップを個人で始めて大丈夫なのかという不安もあるかと思います。この答えを先に出しますと、個人でネットショップを運営することは可能です。インターネット上には、個人で運営するためのプラットフォームやツールがたくさんあるので、それを駆使すれば立派なネットショップを始められます。ただし、商品の販売には税金や規制があるため、運営にあたっては適切な知識を持つことが大切です。
ネットショップを個人で運営するメリット
ネットショップを個人で運営するメリットは複数あります。
まず、自分のペースで運営できるため、仕事とプライベートのワークライフバランスを取りやすいという点が挙げられます。
そして、店舗を持たなくて済むので固定費を低く見積もれるほか、需要に応じて販売規模をフレキシブルに拡大できるのも魅力のひとつです。
さらに、インターネットを通じての商売になるので、顧客や仕入先を世界中に設定できます。そのため、ネットショップ運営が軌道に乗れば、そのショップが自分のブランドとしてひろく独自性をアピールすることができます。
商売が上手く行っている、もしくは状況がよくないという場合にもオンライン上でのアクセス解析や顧客の動向を解析できるため、実店舗と比較して改善点を見つけ、対策を打ちやすいのもメリットとして挙げられます。
ネットショップを個人で運営するデメリット
メリットがあれば当然、デメリットもあります。ここではそれも包み隠さず紹介しておきます。
- 多くの人がネットショップを運営しているため、競争が激しい
- 自分が販売したい商品を見つけるのが難しかったり、仕入れるのに時間を要する
- 商品販売には税金や規制があるため、適切に運用することが必要であり、その知識がない場合はトラブルにつながるリスクがある
- 配送や物流についてのコストがかかる: 配送料や物流にかかるコストは個人で運営すると高額になることがある
ネットショップを開業する上で必要な5つのポイント
ネットショップを開業・運営するにあたって、重要なポイントが5つあります。
- 商品の選定
- プラットフォームの選定
- 配送料の設定
- 税金や規制についての知識
- マーケティング
以下、それぞれについて解説します。
個人でのネットショップ運営の重要なポイント:商品の選定~仕入れ
ネットショップで商品を販売するためには、商品を仕入れる必要があります。すでに仕入先や仕入れ方法が具体的に決まっているならば問題ありませんが、商品はある程度決まっているものの、どのように仕入れたらよいか、またどこから仕入れればいいのかを決めかねている方は以下の内容を参考にしてください。
まず、商品を生産しているメーカーやサプライヤーに直接連絡し、商品を直接購入する方法です。ダイレクトに商品を購入できない場合が多いのですが、この場合は代理店を通じて、商品を購入するがあります。代理店は複数のメーカーから商品を仕入れることができ、商品の選択肢を広げられるメリットがあります。
続いては、卸売市場に出向いて商品を買い付ける方法です。こちらの利点は、商品の選択肢が豊富で、安いというところです。また、ネットショップをオープンさせるということは、先ほども触れましたが、世界中に販売網を広げられることにもなります。したがって、海外から商品を輸入して仕入れるという方法もあります。日本にない商品を扱えてショップ・ブランドの独自性を打ち出しやすいという利点がありますが、通関手数料や税金が発生するため、コストが高くなる可能性も考慮しなければなりません。
ここで紹介した仕入れ方法について、どの方法を選ぶかは商品や販売の規模によって異なります。どのパターンにせよ共通していえるのは、購入先は事前にリサーチし、信頼性や品質の高さの確認が重要、ということです。
個人でのネットショップ運営の重要なポイント:プラットフォームの選定
ネットショップを開設するとなると、自分でサイトをいちから構築して……というのもよいのですが、手間や費用がかかります。どれぐらいの費用感、そして難易度かというのは「ECサイトを立ち上げる方法!手順や必要な機能を詳しく解説」で解説しています。
諸条件を考慮すると、初めの一歩としては既存のサービスを利用するのがおすすめです。このサービスは大きく分けると「モール」と「カート」に分類できます。
まず、モールとは、ネットショップを束ねるショッピングモールのようなサービスであり、Amazonや楽天市場、Yahoo!ショッピングなどが該当します。ECモールを利用してネットショップを出店することで、集客力が高く、初期費用や運用費用などを抑えたビジネスが可能です。また、ECモールを利用することで、比較的簡単にネットショップを出店できるため、多くの方が現在サービスを利用しています。利用率の高いECモールは以下の5つです。
- Amazon
- 楽天市場
- Yahoo!ショッピング
- au PAY マーケット
- Qoo10
これらについては「ECモール5社を徹底比較!出店するメリットや注意点も解説」でさらに詳しく解説していますので、ぜひご参照ください。
続いてのカートですが、これはネットショップを開設するために必要な決済や受注管理システム機能が備わった機能を提供しているサービスです。モール(楽天やAmazon)と比較すると、サイトの見た目や決済方法など自由度が高くかつ、初期費用も抑えられるメリットがあります。さらに、サイトの見た目や決済方法など自由度が高くかつ、初期費用も抑えられるメリットがあります。その反面、モールと比較すると集客力が弱いので、自分で各種宣伝活動(SEO対策など)を行わなければならない、という弱みがあります。おすすめのカートは以下の4つです。
- Shopify
- BASE
- STORES
- ecforce
おすすめのカートについてのさらに詳しい解説は、「【2023年度版】ネットショップ運営完全ガイド」で紹介しています。
個人でのネットショップ運営の重要なポイント:配送料の設定
ネットショップの運営において、重要な決定事項のひとつに「送料」の請求方法があります。送料の設定が低すぎると、コストをカバーできなくなり、思わぬ赤字を生んでしまう可能性があります。また、送料の設定が高すぎると、潜在的な顧客を失う恐れがあります。
ネットショップの送料を設定するポイントとしては、希望する利益率を商品価格などから考える必要があります。これにより、送料を請求できる金額が決まります。目標数を念頭に置いたら、顧客のニーズを満たす配送ラインの検索を開始できます。利益率を軸にする場合、 商品の価格に送料を含めて設定することで、利益率を維持しながら配送費用をカバーします。
なお、利益率を軸に送料を決める際には、商品やサービス、顧客の希望などを考慮した上で決定することが望ましいです。
利益率にコミットするのみならず、配送ラインのさまざまなオプションを調査して比較することも重要です。配達時間、配送業者の信頼性も考慮することをおすすめします。さらに、競争力を維持できるように、競合他社の送料を知ることも有益です。
ニーズに合った配送業者が見つかったら、注文のサイズと場所にもとづいて定額料金を設定するか、割引料金を提供できます。可能であれば、一定額以上の注文で送料無料を提供してください。これにより、ビジネスが顧客にとってより魅力的になります。これは、配送コストを相殺し、全体的な利益率を高めるのにも役立ちます。
送料はネットショップの売上を左右する要因のひとつとなります。できるだけ安いほうが顧客満足度を高められるのですが、そのためにはどうすべきか?「ECショップの最適な送料を見つける方法」でさらに詳しく解説しています。
個人でのネットショップ運営の重要なポイント:税金や規制についての知識
ネットショップを運営していくなかで、利益が発生すれば当然、税金を収めなければなりません。最初は個人事業主としてスタートしたとしても、利益が増えてくると法人化したほうがよい?となります。
税金は収めない=脱税は違法行為になってしまいますが、節税は合法です。支払うべき税金の種類などをきちんと把握しておけば、節税のやり方も理解しやすくなります。こちらでそれぞれについて解説するとなると、さらにスペースを取ってしまいますので、さらに詳しく知りたい方はぜひ「個人事業主か法人か?ネットショップ運営で知っておきたい税金の話」をチェックしてみてください。
そして、もうひとつ。税金に関して言えば、海外への販売も行う・検討しているのであれば「関税」の知識も必要不可欠です。国内のネットショップから海外に販売する、いわゆる「越境EC」では、関税について「取扱品目」「手続きの流れ」を把握しておかなければなりません。これらに関しての詳細は「越境ECで注意すべき関税とは?国別の関税や注意点を紹介」で詳しく解説しています。
ネットショップの運営を成功させるためのポイント=マーケティング
マーケティングというと難しく感じられるかもしれませんが、ひらたく言えば「集客」です。言葉自体は簡単なのですが、どうすれば集客できるのか?どの程度の活動を行えば集客できるのか?というのが悩まれるポイントかと思います。
集客のポイントですが、2つのフェーズに分けて説明できます。フェーズ1としては「リードを獲得して集客する」というもの。続いてのフェーズ2は「CVR(コンバージョン率)を向上させ、かつリピーターを獲得する」というものです。
平たく言えば「商品やサービスを必要とする潜在顧客を集める」のがフェーズ1、「その潜在顧客に商品やサービスを購入してもらい、繰り返し愛用してもらえるように促す」のが、フェーズ2です。
この2つの流れが適切に機能し循環していれば、EC販売の成功率は高まるでしょう。
では実際にそれぞれのフェーズでどのようなことを行えばいいのか?その内容については「ECでの販売戦略10選!販売で売上をアップさせる2つのフェーズも紹介」で詳しく解説していますので、ぜひご参照ください。
まとめ
ネットショップを個人で運営することは、モールやカートシステムを利用すれば比較的簡単に実現可能です。個人でのネットショップ運営は好きな時間にできる、店舗を構えるよりも低予算で実現できるなどのさまざまなメリットがありますが、商品の仕入れから発送、さらには税金などについても基本的にはすべて自分でまかなわなければなりません。
しかしながら、どれもそれほど難しいものではありません。今回の記事を参考に進めていただければ、オーナーである読者の方はしっかりとした知識をもってネットショップ運営にあたれることでしょう。
今回の記事はネットショップの運営を始める前、もしくは初めて間もない方を想定したものです。今後、ネットショップの運営がスタートすると、さらにいろいろな疑問点が出てくるかとは思います。その場合はぜひ「【2023年度版】ネットショップ運営完全ガイド」を常日頃から確認していただくことをおすすめします。
そして、なにかわからないことがありましたら、お気軽にお問い合わせください。