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今さら聞けない「JANコード」とは? バーコードとの違い、取得するメリットや方法も解説

今さら聞けない「JANコード」とは? バーコードとの違い、取得するメリットや方法も解説

物販ビジネスに欠かせない「JANコード」。でも実は、「JANコードって何?」「バーコードとどう違うの?」という物販事業者の方も多いのでは。本記事では、JANコードとは何かというところから、バーコードとの違い、JANコードの取得方法までを徹底解説します。

目次

 

 

そもそも「JANコード」とは? 

スーパーやコンビニに並ぶ商品につけられた、白黒の縞模様のバーコード。みなさんもよく目にするあのバーコードの一種が、JANコードです。

JANコードとは「Japanese Article Number」を略したもので、世界共通の商品識別番号のこと。JANコードをスキャナーで読み取ると、「どの事業者の、どの商品なのか」といった情報を瞬時にデジタルデータとして取得できます。 

なおJANコードは日本国内のみの呼び方で、国際的にはEAN(イアン)コード(European Article Number)として呼ばれています。

 

JANコードとバーコードの違い

JANコードとバーコード、どちらも情報を瞬時にデジタル化できる技術ですが、定義や使われる場面などがそれぞれ違います。以下で、2つの違いを詳しく見ていきましょう。

その1:定義

■JANコード…主に日本での商品識別に使われるコードのこと。

■バーコード…商品や情報を識別するために使用されるコードの総称。

“QRコード”でおなじみの2次元バーコードも、バーコードの一種。世界には100種類を超えるバーコードがあると言われています。

その2:使われる場面

■JANコード…小売業界や通販、流通の現場などで広く利用されています。商品の識別を素早く行えるように、商品1つ1つに表示。JANコードはベルギーにある流通コードを管理する国際組織「GS1」で標準化されているので、海外での取引にも利用可能です。

■バーコード…身近なところで言うと、宅配便の配送伝票、スマホ決済や会員カード、イベントの入場券、図書館の貸し出し管理、振込用紙、医薬品などに利用されています。バーコードから必要な情報を瞬時に読み取り、確認、記録することで、正確かつスピーディな対応を可能にしています。

その3:表示できるデータ

■JANコード…13桁の数字で構成される「標準タイプ」と、小さい商品向けの8桁の数字で構成される「短縮タイプ」があります。数字の桁数を自由に増やすことはできません。

■バーコード…用途によって桁数や表示可能な文字数が変わります。数字に加えてアルファベットや記号も表示できるため、品番や商品情報をより柔軟に表現できます。

 

QRコード(2次元バーコード)とはどう違う?

JANコードを含むバーコードのように、縞模様状のバーで表現されたものを「1次元バーコード」と呼びます。縦線1本1本の太さとそれらの組み合わせが、任意の文字を表すシンプルな構造。そのためバーコード内に格納できる情報量が限られているという弱点があります。

一方QRコードのように、白と黒の点で表現されたものを「2次元バーコード」と呼びます。QRコードは前述のようなバーコードの弱点を克服するために、デンソーウェーブ株式会社が独自に開発。縦線のみだったバーコードと比較して、データ容量が大幅に増し、汚れや破損があっても読み取れる認識性の高さや、スマートフォンで簡単に読み取れる利便性が特徴で、爆発的に普及しました。

JANコードとQRコード、どちらを選択するべきなのだろうと疑問もわいてくるかと思います。

先ほども述べたようにJANコードは国際的に標準化されていて、多くの業者が採用。そのため異なる事業者間での情報共有がスムーズです。またシンプルな構造のJANコードは、スキャナーでの読み取りが迅速で正確。業務上必要不可欠なコード管理には、JANコードが適していると言えるでしょう。

 

知っておきたい世界の代表的なバーコード5種

世界に100種類以上もあるバーコードの中から、知っておきたい代表的な5種類をご紹介します。

■JAN/EAN/UPCコード

JANコードは日本、EANコードは主にヨーロッパ諸国、UPCコードはアメリカ・カナダで使われています。相互に互換性のある国際的な共通商品コードです。

ITFコード

物流の現場で、入出荷や商品を管理するときに欠かせないバーコード。たとえば物流センターに商品が入荷したときに、包装箱を開けて中に入っている商品の種類や梱包数を確認することはできませんよね。でもITFコードを読み込めば、包装箱を開けずにそれらを瞬時に確認することができます。

CODE39

数字、英字(大文字)、記号の合計43個の文字をコード化したものです。製品の品番を柔軟に表現でき、誤読も少なく信頼性が高いことから、工業分野で利用されています。

NW-7(Codabar)

Narrow(狭い)とWide(広い)の2種類4本のバーと、3本のスペースの、合計7本で一つの文字を表わすコード。日本ではNW-7と呼ばれ、アメリカではCodabarと呼ばれています。血液の管理、宅配便の配送伝票、図書館の貸し出し管理、会員カードなど、数字の連番印刷が必要なものに広く用いられています。

CODE128

パソコンのキーボードで入力できる全ての文字(数字、アルファベット大文字/小文字、記号、制御コード)をバーコード化することが可能で、情報を高密度に記録できます。非常に汎用性の高いバーコードであるため、医療業界、物流業界、冷凍、チルド食品業界など、さまざまな業界で利用されています。

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JANコードの数字には意味がある?

ランダムな数字の配置に見えるJANコードですが、実は数字の桁数ごとにそれぞれ意味があります。

13桁の数字が並ぶ標準タイプでは、最初の2桁が「国コード」。日本のコード番号は“49”または“45“となっています。

続く7桁の数字は「事業者コード」。その次の3つの桁数は、「商品アイテムコード」を意味します。最後の1桁は、JANコードの読み誤りや入力ミスを防ぐために用いられる検査用の数字「チェックデジット」です。

国コードと企業コードに関しては、GS1が割り振るため、他の事業者と番号が被ることはありません。一方で商品アイテムコードに関しては、各事業者が重複のないように任意に設定することができます。

また8桁の数字で構成される短縮タイプでは、最初の6桁の数字が「事業者コード」、次の1桁が「商品アイテムコード」、最後の1桁が「チェックデジット」となっています。

 

JANコードを取得するメリット

自社でJANコードを取得すると、多くのメリットがあります。ここでは代表的な4つのメリットを見ていきましょう。

【1】商品管理が圧倒的にラクになる

手作業で行う在庫管理や売上管理は、時間がかかったり、人的ミスが多かったり、さまざまな課題があるのではないでしょうか。JANコードを利用すれば、スキャンするだけで「どこの事業者の何の商品が入荷した、売れた」などを自動で記録手間や人的ミスを減らすこととができます。

また、在庫管理がリアルタイムで可能になり、在庫の把握に時間差が生じるのを防げるのもメリット。適切な在庫管理によって、欠品や過剰在庫のリスクを防げます。

【2】売上データや消費者動向の分析に役立つ

JANコードを利用すると、POSシステムやECサイト内で商品の識別をしやすくなり、売上データの収集がスムーズに行えるというメリットがあります。

またJANコードを使用して、顧客の購入履歴を追跡することも可能。顧客の嗜好や購買パターンを把握する手助けとなり、適切なマーケティング戦略の立案につなげることができます。

【3】誤出荷が防げる

スキャン1つで商品情報と注文情報を照合できるため、間違った商品がピッキングされた場合でもシステムが感知。顧客との信頼関係にも関わる重大な問題「誤出荷」を防ぐことができます。

【4】販路拡大ができる

近年は多くの小売店やECサイト、物産展、道の駅などで、商品への表示が求められているJANコード。そのためJANコードを取得すれば、販路拡大のチャンスにつながります。

先ほども述べたように、JANコードは、EANコードやUPCコードとも互換性があるので、世界中で使用可能。固有の識別番号として、ほかの商品と重複することなく使用できます。越境ECで海外販売を計画中の事業者の方は、早めにJANコードを取得することをおすすめします。

JANコードの先頭2桁は、どこの国でつくられたのかを表す「国別コード」。越境ECにおいて“49”または“45“で始まるJANコードは、日本の商品としてのブランド力が高まり、よく売れるという結果も出ています。

なおアメリカやカナダへの輸出を行う際に、取引先がEANやJANコードに対応していなければ、UPCコードの新規登録が必要になる場合もあるので注意しましょう。

【5】商品の偽造防止に役立つ

商品の種類やメーカー情報などが暗号化されているJANコード。そのため商品の偽造を防止し、偽造品が購入者に渡るのを防ぐことができます。

 

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JANコードは誰でも取得できる? 費用はどれぐらい?

JANコードは、製造メーカーやその商品のブランドを所有している人のみが取得できます。

たとえばA社がつくった商品をX社が販売するとします。このときX社はJANコードを申請できません。なぜなら商品のブランド所有者はA社だからです。もし勝手にX社が商品のJANコードを勝手に取得してしまうと、A社は権利を奪われて困ってしまいます。そうした権利の侵害を防ぐためにも、ブランド所有者のみが登録できる決まりになっています。

商品のブランド所有者であれば、個人事業主や小規模事業者でも取得することは可能です。

JANコードを取得するには、まず一般財団法人流通システム開発センター(以下、GS1 Japanと表記)」に登録し、事業者コードの貸与を受ける必要があります。取得方法については、後ほど詳しくご紹介しますが、登録申請料は無料でなく、定められた事業区分や年商によって異なります。

たとえば年商の50%が「製造事業」「自社商品の販売事業」に該当する事業者の場合、年商1億円未満なら、登録申請料は3年間分で16,500円です。

詳しくはGS1 Japanの公式サイトでご確認ください。

JANコードの取得方法

ではJANコードを取得するには、具体的にどうすればいいのでしょうか。ここでは主な手順を4つのステップに分けてご紹介します。

【ステップ1】GS1事業者コードの登録手続き

初めてJANコードを取得する場合は、GS1Japanに新規登録をし、GS1事業者コードの貸与を受ける必要があります。登録の申請はインターネット、または書面で行います。

申請料を収めて登録手続きが済むとGS1事業者コードが発行され、2週間ほどで登録通知書が送られてきます。

GS1事業者コードの有効期間は3年間。有効期限後も使い続ける場合は、3年ごとの更新手続きが必要になります。

【ステップ2】商品アイテムコードを設定する

一商品ごとに「商品アイテムコード」を設定します。001~999の番号を使用できますが、001番から順番に使います。

商品アイテムコードは、容量、色、味などの違いなどで仕様が異なる商品を重複しないように設定する必要があります。

【ステップ3】チェックデジットを計算する

JANコードの末尾1桁、数字列の誤りを検知するために付加される検査用の数字「チェックデジット」を計算します。13桁や8桁のコードタイプ別に計算方法が異なります。チェックデジットの計算は、印刷会社に依頼するか、バーコード印刷用ソフトで行うか、あるいはGS1Japanの公式サイト「チェックデジットの計算方法」でも行うことができます。

【ステップ4】商品にJANシンボルを印刷する

スキャナで読み込むための「JANシンボル」の印刷は、印刷業者に依頼をして行うのが一般的です。

 

 

 

JANコードを自社で印刷する場合の注意点

各事業者でバーコード作成に対応したプリンターやソフトを用意し、印刷することも可能です。その場合は、いくつか注意したいポイントがありますので、以下でご紹介しましょう。

JIS規格のサイズ・品質で印刷

自社でJANコードを印刷するうえでいちばん大切なポイントは、JIS規格(規格番号X0507)が定めているサイズや品質に適合していること。適合していない場合、読み取りができない可能性があるからです。

JIS規格のサイズは、余白を含めて「長さ37.29mm」「高さ25.93mm」。この基本サイズの80%から200%まで、縮小や拡大を行うことが可能です。ただし海外に輸出する商品においては、JIS規格通りで印刷する必要があります。

余白サイズもルール厳守

白黒の縞模様部分にのみ目が行きがちなJANコードですが、実は周囲の余白スペースにもルールがあるので注意しましょう。

上下の余白スペースにはルールはありませんが、左右の余白のスペースは「マージン」とも呼ばれルールが決められています。具体的には、100%の基本サイズで左側にバーから3.63mm、右側にバーから2.31mmの余白を設ける必要があります。

色設定は「黒」が基本

JANコードの色設定は、黒100%が基本です。色みや濃淡があると、バーコードスキャナーで読み込めないトラブルが生じる場合があります。特色印刷を希望する場合などは、できるだけバーコードスキャナーの赤外線と同化しない青や濃い色(濃紺、濃茶、濃緑など)に設定し、赤は避けるようにしましょう。

またバーコードスキャナーは、バーの色と背景の色の明暗を感知して、JANコードを読み取る仕組みになっています。そのため背景には、黒との明暗差が大きい「白」を選択するのが望ましいでしょう。

用紙の材質に合わせた印刷の工夫

印刷する紙などの材質によって、印刷方法にも工夫が必要です。たとえば、凹凸のある加工紙の場合、JANコードを大きめにしておくと、印刷時のかすれや歪みの防止になります。

ビニールなどの光沢のある透明素材、金や銀、パールなどの特殊な用紙に印刷する際、バーコードスキャナーが反応せず、JANコードをうまく読み取ることができない場合があります。こういった場合は背景を「白」で設定し、その上からJANコードを印刷するのがコツです。

なるべく平らなところに貼り付ける

JANコードが正確に読み取れるように、商品の平面でまっすぐな箇所を選んで貼り付けましょう。横方向に貼り付けるのが一般的ですが、きちんと読み取れれば縦横どちらでもかまいません。

円筒形の商品には、横方向ではなく、むしろ縦方向(はしご状)に貼り付けるのがおすすめです。というのも筒に貼る場合、筒の反りに合わせてバーコードが反ってしまうからです。縦方向に貼り付けるほうが、反る部分が少なく、読み取りやすくなります。ペットボトルや缶のバーコードが縦に表示されているのは、そのためです。

バーコード検証機で読み取り確認

JIS規格どおりに印刷されているか、バーコード検証機で確認しましょう。バーコード検証については、バーコード検証機を購入する、専門の業者に依頼する、GS1Japanに相談するなどの方法があります。

JANコードを活用した画期的な「STOCKCREW」の発送代行サービス

JANコードを取得して販路拡大をはかるなら、自社での発送業務の負担も大きくなってくるでしょう。その際にぜひ利用を検討してほしいのが、初期費用・固定費0円で、荷物1つから始められる弊社STOCKCREWの発送代行サービスです。 

物流倉庫内では、自律走行搬送ロボット「AMR」が、JANコードを読み取りながらピッキング。出荷検品時もJANコードと注文内容を照合して誤発送を防ぎ、質の高い発送代行サービスを提供しています。shopify、BASE、楽天、ecforceなどのECとモールとAPI連携により、発送業務を完全自動化し、在庫や作業状況をリアルタイムで管理できるシステムを無償で提供しているのが大きな魅力です。

まだJANコードを取得していない事業者の方も、ご安心ください。STOCKCREW独自の「物流ID」を印字したシールを商品に貼付。そのIDで商品を素早く識別し、入庫から保管、発送業務までを効率的に行ってくれます。

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まとめ

JANコードを活用すれば、商品のピッキング・検品・仕分けなどの出荷業務や在庫管理など、従来手間のかかっていた業務の時間短縮につながり、人的コストも大幅に削減できます。また出荷業務を従来の人による確認から、JANコードでの読み取り確認に切り替えた事業者では、誤出荷の件数が大幅に抑えられたという事例も報告されています。ECモールへの出店や商品を海外へ輸出する際などにも、JANコードを取得しておくと手続きが非常にスムーズです。

JANコードの取得に費用はかかってしまいますが、費用対効果は高いと言えるでしょう。

取り扱い商品が増えてきて商品管理や出荷業務が大変になってきたという事業者の方や、これから物販ビジネスを始めようという事業者の方、越境ECをご検討の中は、ぜひJANコードを取得してみてください。