ネットショップを開設して商品を発送するとき、または購入した商品が手元に届いたとき、必ず目にするものが段ボールかと思います。もちろん発送代行会社でもこの段ボールはおなじみの存在です。しかしながらこのおなじみの存在にも、種類がありこだわりもあります。今回はみなさんにとってもなじみのある段ボールについて、ちょっとマニアックな詳細を紹介します!
【関連記事】
個人で発送代行に依頼する場合、梱包まで担当してもらえる?
目次
段ボールの種類
段ボールは使用目的に応じてさまざまな種類があります。また、サイズや組み立て形状だけでなくライナーを1枚だけ貼り合わせた「片面段ボール」から両側を貼り合わせたもっとも一般的な「両面段ボール」、そしてより強度を高めた2層の「複両面段ボール」や3層の「複々両面段ボール」など、用途に応じて使い分けられています。
ライナーとは段ボールの表面・裏面に貼られているボール紙のことです。段ボールは、2枚の平たいボール紙で、波型の紙を挟んだ構造となっています。表面のボール紙が表ライナーと呼ばれ、裏面のボール紙が裏ライナー、波型の紙は中芯です。表ライナー・裏ライナーが、中芯と接着していることで、厚みのある段ボールを形作っています。
ちなみに「ライナー」英語で書くと「liner」すなわち裏打ちするという意味からきています。野球の「ライナー」も同じ文字です。どちらもズバッと真っ直ぐなところが共通しています。
段ボールの強度 ~ライナーとフルートが決め手!~
段ボールの強度は、ライナーと中芯(フルート)の強度次第になります。それぞれの強度はアルファベットと数字で表現されます。
ライナーの強度
ライナーの強度については、使用している原材料や厚みによって、C5・C6・K5・K6・K7の5種類に分けられます。5種類の特徴は以下の通りです。
種類 | 詳細 | 特徴 | 重量(㎡) |
C5 | 再生紙を多く含んだライナーで、Kライナーより強度的は劣りますが、安価なので内装箱に多く使われています。 | 強度を必要としない軽量物の梱包や、仕切り板・パットに使用されている。 | 160~170g |
C6 | C5よりも強度は高いが、現在では取扱いがほとんどない。K5で代用されることが多い。 | 160~170g | |
K5 | 強度的に十分あり、幅広い分野で使用されています。 | 通常グレードの材質として段ボール箱に使用されている。壊れやすい小物の梱包に向いていて、表面に印刷もしやすい。 | 170~180g |
K6 | 強度が高く、箱を積み上げた際に天面が潰れにくい。特殊形状の段ボール箱に適している。 | 210~220g | |
K7 | 一般的なライナーではなく、オーダー注文で製造される。海外輸出用や重量物の梱包用に使われることが多い。 | 280g |
ライナーの強度は、C5<C6<K5<K6<K7の順で高くなります。C5・C6は原料の古紙含有率が90%以上であり、強度はそれほど高くありません。一方でK5・K6・K7のライナーは、バージンパルプの使用率が全体の30%程度あるため、強度の高い段ボールを作ることができます。
また、1㎡あたりの重量は、ボール紙の厚みを表している数字です。1㎡あたりの重量が重いほどボール紙に厚みがあり、折れ曲がりにくさ・切れにくさが増します。
中芯(フルート)の強度
中芯(フルート)の種類は、1㎡あたりの重量によって分かれます。普通芯の120g・160g・180gと、中芯原紙を薬品で強度上げした強化芯の強化180g・強化200gの計5種類です。
ライナーの重量と同様に、中芯も重量が重くなるほど強度も高くなります。中芯の種類を強度順に並べると120g<160g<180g<強化180g<強化200gです。
強度の低いライナーと強度の高い中芯を組み合わせると、折り曲げたときにライナーが中芯の強度に負けてちぎれてしまう可能性があります。強い中芯を使うときは、ライナーもバランスのよい強度を選んでください。
次に、段ボールの中芯の「波形」のことをフルートと言います。フルートは、30cmあたりの段数によって、8種類に分けられます。それぞれのフルートにおけるシートの厚みと特徴は、以下の通りです。
種類 | シートの厚み | 特徴 | 利用例 |
Aフルート | 約5mm | 高い衝撃吸収性を持つ、日本国内で一般的なフルート。 | 青果物の箱などの外装箱としてもよく使用されている |
Bフルート | 約3mm | フルートの段数が多いため平面圧力に強い。 | 書籍などの比較的軽いものや内装箱によく使用されている |
Cフルート | 約4mm | Aフルートより1mm薄いが、段数が多いため強度はほとんど変わらない。 | |
Eフルート | 約1.5mm | マイクロフルートと呼ばれる極薄段ボールの一種。マイクロフルートの中では一般的なフルート。一般的な板紙よりも強度・緩衝性に優れている。 | 強度的には低く、ギフトボックスなどの個装箱として使用されている |
Fフルート | 約1.1mm | Eフルートより薄く、シートの収納性に優れている。 | |
Gフルート | 約0.9mm | マイクロフルートの中でも一番薄い。 | |
Wフルート | 約8mm | Aフルート、Bフルートを組み合わせた形状で、強度が高い。 | 主に重量物運搬などの大きいケースや重いケースに使用されている |
2層AA段 | 約10mm | Aフルートを2枚組み合わせた形状で、手で曲げられないほどの強度がある。 |
ちなみに「フルート」を英語で書くと「flute」つづりは楽器のフルートとまったく同じです。波の彼方から美しい音色が聞こえてくるかもしれません…。
ちなみに、STOCKCREWのオリジナル段ボールはネコポス用ハードケース、コンパクト専用箱、60サイズ~160サイズのA式段ボールとラインナップされていて、素材も一部FSC®森林認証紙(世界レベルで問題になっている森林減少に配慮した適正管理された森林木材による製品)を使用するなど、ライナーと中芯の最適なバランスを考えた仕様となっています。
まとめ
ネットショップの発送をする場合、みなさんが取り扱う商品の特性によって、段ボールにこだわってみるのもいいかもしれません。
みなさんの梱包・配送のお困りごとに少しでもお役に立てれば幸いです。その他にもネットショップ運営の情報を知りたい方はお気軽にSTOCKCREWにお問い合わせください。