BASEでネットショップを開設しても、「感覚」で運営していては改善の方向性が定まりません。流入経路・ページ直帰率・広告のコンバージョン率というデータを見える化してはじめて、売上が上がらない真の原因が特定できます。ネットショップ運営の全体像を踏まえ、BASEの5種類の分析Appsの使い方・計測できる指標・PDCAへの活かし方を解説します。
この記事の内容
BASEのデフォルト管理画面では売上金額・注文数・平均注文単価・ページビュー・商品別閲覧数・SNS経由流入数という基本指標が確認できます。しかしこれだけでは「なぜ売れないか」「どこで離脱しているか」という原因追求ができません。分析Appsを導入することで、ユーザーの行動・広告の費用対効果・顧客の声というデータが得られ、PDCAサイクルを回すための根拠が生まれます。
経済産業省の2024年度調査によると、日本国内のBtoC-EC市場規模は26.1兆円(前年比5.1%増)に拡大しており、データドリブンな運営が競争力を左右します。
店舗運営における判断の精度は、根拠となるデータの質に左右されます。GA4・コンバージョン計測・アンケートの3つのデータソースを組み合わせることで、初めて「本当の課題」が見えてきます。
「Google Analytics設定Apps」を使うと、BASEで作成したショップサイトとGoogle Analytics(現在はGA4)との連携が可能になります。BASEの管理画面でわかる基本指標に加え、GA4連携ではより深いデータが計測できます。利用するにはあらかじめGoogleアカウントへの登録が必要です。
GA4はイベントベースのデータ収集を行い、ユーザーの行動を粒度細かく追跡できます。Google公式のGA4ドキュメントでも詳細な設定方法が提供されています。従来のUAと異なり、GA4はクロスデバイスでのユーザー行動を統一的に計測でき、スマートフォン・PCからの複数接触を一人のユーザーとして追跡できます。
①無料で利用できる②Googleのアルゴリズム更新に自動対応している③GA4データをGoogle広告の最適化に直接活用できるという3点で、BASEショップ運営者にとって最優先の導入Appsです。
GA4の導入後、以下の4つのレポートが自動生成されます。これらはPDCAの基盤となるデータです。
| 指標 | 定義 | 改善時のアクション |
|---|---|---|
| 直帰率 | 最初のページで離脱した割合 | 70%以上の場合は商品画像・キャッチコピー・ページ速度を改善 |
| 流入経路分析 | 自然検索・SNS・広告・直接アクセス等の割合 | 低い流入経路を強化、高コンバージョン率経路に投資 |
| ページ別滞在時間 | 各ページでのユーザー滞在時間 | 短い場合は説明文・価格・レビュー等の信頼要素を補強 |
| コンバージョン達成率 | 購入・問い合わせ等の目標達成度 | 未達成の流入経路・商品を特定し施策を集中投下 |
直帰率が高い(70%以上)場合、トップページまたは商品ページの魅力が不足しているサインです。改善策として商品画像の質向上・キャッチコピーの見直し・ページの読み込み速度改善を優先してください。
自然検索・SNS・広告・直接アクセス・参照サイトという流入経路ごとの割合を確認できます。SNS経由が多ければSNS施策が機能していますが、自然検索が少なければSEO強化が必要です。どの流入経路のコンバージョン率が高いかも確認してください。BASEのInstagram連携と流入分析の実践を参照することで、SNS経由の精密な分析方法が理解できます。
商品ページの滞在時間が短く離脱率が高い場合、説明文・価格・信頼性(レビュー・SNS実績)のいずれかに問題がある可能性があります。カートページの離脱率が高い場合は、送料・決済方法・利用規約への不安が原因として多いです。
独自に設定したコンバージョン(購入完了・問い合わせ送信等)がどの期間・どの流入経路から達成されているかを確認できます。この数値がPDCAの出発点になります。
①定期的(週1回以上)にレポートを確認する習慣をつける②前週・前月・去年同月との比較を常に行う③数値の変化に気づいたら「なぜ」を追求する、という3つが実務での活用コツです。
「Googleコンバージョンタグ設定Apps」をインストールすると、Googleに広告出稿するためのコンバージョンタグが設定できます。商品購入・アカウント登録・問い合わせなどのコンバージョン画面にタグを設定することで、Google広告を経由してネットショップにアクセスし購買に至ったユーザーを識別できます。つまり「出稿した広告費が実際の購買にどれだけつながっているか」というROAS(広告費用対効果)を正確に計測できます。
Google公式のコンバージョン測定ガイドでは、タグの適切な設置により、キャンペーンの最適化精度が平均20~30%向上することが報告されています。
①検索結果画面②Google Play③Googleマップ④YouTube⑤Googleが提携しているアプリ⑥Googleが提携しているサイト⑦Gmail。BASEショップでは特に①検索結果画面と④YouTubeへの広告が集客効果が出やすい傾向があります。
購入完了件数・合計売上・ROAS(Return On Ad Spend)・コンバージョン率・平均値札単価などの重要指標を自動計測し、リアルタイムでGoogle広告管理画面に反映されます。
①Google広告アカウントにログイン②「ツールと設定」→「コンバージョン」→「コンバージョンアクションを作成」③コンバージョンの種類を選択(ウェブサイト・購入)④Google広告から発行されたタグIDをコピー⑤BASEの「Googleコンバージョンタグ設定Apps」にタグIDを入力して保存。設定後48時間程度でGoogle広告管理画面にコンバージョンデータが反映されます。
コンバージョンデータが蓄積されたら①コンバージョン率が低いキーワードへの入札を下げる②コンバージョン率が高いターゲット属性への入札を上げる③ROASが目標を下回る広告グループを停止するという3つのアクションに活かします。広告は出稿時点では最良の判断をしていても、実際のコンバージョンデータと乖離することが少なくありません。定期的なデータ検証が広告費の無駄を防ぎます。BASEのショップ効率化と広告ROAS管理の実践でも詳細な活用方法が解説されています。
設定から3日後に「コンバージョンは計測されているか」「ROAS値は適正か」「前月データと比較して異常がないか」という3点を確認し、タグ設定の成功を判断してください。
「Yahoo!コンバージョンタグ設定Apps」も、自社サイトにタグを設定することでYahoo!に出稿した広告の効果を測定できます。設定方法はGoogleコンバージョンタグと同様にYahoo!広告管理画面でタグを発行し、Appsに入力して保存するだけです。
Yahoo!検索とGoogle検索の利用者属性が異なるため、複数媒体展開を検討しているショップでは両方の設定が効果的です。特に50代以上のターゲットを持つショップではYahoo!広告の効果が顕著に表れやすい傾向があります。
検索エンジンの年代別利用者傾向として、10~30代はGoogle利用者が多く、40代で互角、50代以上はYahoo!利用者が多い傾向があります。扱う商品のターゲット年代に合わせて広告媒体を選択してください。広告費に余裕がある場合は両者に出稿して自社との相性を検証することを推奨します。余裕がない場合はまずGoogle広告から始めることが多くの場合で有利です。
①ターゲット年代を確認②広告予算の規模を決定③Google広告から開始④1ヶ月のデータを集積⑤ROAS評価後に次の施策を決定、という5つのステップで最適な媒体ポートフォリオが完成します。
「アンケートApps」を利用すると購入に至ったユーザー限定のアンケートを実施できます。項目はテンプレートから選ぶ形式で、男女の別・年齢層・ショップを知ったきっかけ等について質問できます。数値データでは把握できない「なぜ買ったのか」という動機を直接収集できる貴重なAppsです。アンケートは購入完了画面でのみ実施できます。メールやSNSでの配信は不可です。
アンケートを実施した時点で個人情報取扱事業者になります。3つの義務が発生します。①個人情報の利用に関する問い合わせ窓口(担当者名・連絡先を明記)の設置②個人情報の利用目的の明確化(表示した以外の目的での利用は処罰・損害賠償の対象になりえます)③第三者に個人情報を提供する場合は本人の同意を得ること。これらを事前に整備してからアンケートを開始してください。
「ショップを知ったきっかけ」が特定のSNSに集中していればそのSNSへのリソース投資を強化する、購入者の年齢層・性別が特定のセグメントに集中していれば広告のターゲティングを最適化するという形でアンケートデータをマーケティングに活かせます。BASEのデザインAppとアンケートによるUX改善を参照することで、定性データの活用方法が具体的に理解できます。
回答率を上げるには①アンケート項目数を3~5問に限定する②購入直後すぐに表示する③回答時間が30秒以内で終わることを示す、という3つの工夫が効果的です。
「広告効果測定Apps」を利用するとGoogle・Yahoo!以外にFacebook(Meta)やその他プラットフォームの広告コンバージョンタグも設定できます。複数の広告プラットフォームを横断して効果を計測する際に活用してください。Instagram・TikTok・LINEなど多チャネルで広告を展開するBASEショップにとって、一元的に広告効果を管理するために重要なAppsです。各プラットフォームからタグIDを発行し、このAppsに入力することで設定完了です。
複数媒体の効果を一つのダッシュボードで可視化できることにより、①比較分析が容易になる②施策判断の速度が上がる③施策ポートフォリオの最適化が実現できる、という3つのメリットが生まれます。
PLAN(計画):過去の分析データから課題を特定して改善施策を立案する(GA4のデータ・アンケート結果が根拠になる)。DO(実行):広告の出稿・ページのリニューアル・SNS施策を実行する。CHECK(検証):コンバージョンタグとGA4で施策の効果を計測する。ACTION(改善):効果が高い施策を拡大・低い施策を見直す。このPDCAを月次で回し続けることで、ネットショップの売上は継続的に改善できます。ネットショップ運営に「これで完成」という状態はありません。データを根拠にした継続的な改善が競合との差を生み出します。
①実行サイクルを「月1回」に固定する②検証に使うデータを「GA4+コンバージョンタグ+アンケート」に限定する③改善案は最大3つに絞る、という工夫により、判断と実行の速度が飛躍的に向上します。
BASEを開設したらまず最初に入れるべきAppsです。無料で全指標が取得でき、改善施策のすべての根拠になります。Googleアカウントがあればすぐに設定できます。
Google広告・Yahoo!広告を出稿するタイミングで設定してください。広告出稿前にタグを設定しておくことで、広告開始初日からコンバージョンデータが取得できます。後から設定すると初期の広告効果が計測できません。
アンケートは購入者限定のため、購入件数が少ない段階では回答数が集まりません。月30件以上の購入が安定してきたタイミングで導入することで統計的に意味のあるデータが得られます。BASEショップの分析と発送代行移行の判断で詳細な導入基準が解説されています。
Facebookなど複数媒体で広告を出稿する段階になったら導入してください。広告媒体が1つの間はGoogleコンバージョンタグで十分です。複数媒体での運用により初めて一元管理のメリットが現れます。
BASEの分析Appsは①GA設定(全ユーザー行動の把握)②Googleコンバージョンタグ(Google広告ROAS計測)③Yahoo!コンバージョンタグ(Yahoo!広告ROAS計測)④アンケート(購入者の動機直接収集)⑤広告効果測定(複数媒体の一元管理)の5種類です。導入優先順位はGA設定→コンバージョンタグ(広告出稿時)→アンケート(月30件以上)→広告効果測定(複数媒体時)の順です。これらのデータをPDCA(計画→実行→検証→改善)サイクルに組み込むことで、BASEショップの売上は継続的に改善できます。
ECのミカタなどのEC業界メディアでも、データドリブンな運営の重要性が繰り返し指摘されています。データ駆動型の意思決定により、同じ広告費でより大きな成果を生み出せるようになります。
分析で課題が明確になりショップが成長し出荷件数が増えてきたら、お問い合わせフォームから、またはSTOCKCREWのサービス詳細を確認の上、ご相談ください。API連携で発送業務を自動化し、発送代行完全ガイドとdownloads資料も参照いただき、分析・改善というコア業務への投資を実現できます。
BASE公式メディア「BASE U」でも分析Appsに関する最新情報が随時更新されています。また、Google Analytics公式サポートセンターでは、GA4の詳細な使い方に関するドキュメントが充実しています。
BASEの分析Appsは5種類あり、GA4によるユーザー行動の全分析、GoogleコンバージョンタグとYahoo!タグによる広告効果測定、購入者へのアンケート実施、複数広告媒体の一元管理が可能になります。これらにより、感覚ではなくデータに基づいたショップ運営ができるようになり、月次のPDCAサイクルで継続的な売上改善を実現できます。
BASEでショップを開設したらまず最初に導入することを推奨します。無料で全指標が取得でき、すべての改善施策の根拠になります。Googleアカウントがあれば即日に設定できるため、開設初日からデータ計測を開始でき、その後の広告出稿やページ改善の効果をきちんと計測できるようになります。
Google広告やYahoo!広告を出稿する時点で必ず設定してください。タグ設定前の広告による成果は計測できないため、広告開始前に設定することが重要です。設定後48時間程度でデータが広告管理画面に反映されるため、広告出稿時のコンバージョン目標設定と同時に導入することで、最初から効果計測ができます。
月30件以上の購入が安定して見込める段階での導入を推奨します。購入者限定のアンケートのため、購入件数が少ないと回答数が集まらず、統計的な意味を持つデータにできません。月30件の購入があれば、毎月10~15件程度の回答が見込め、「なぜ買ったのか」という定性的インサイトが得られます。
Google広告とYahoo!広告の場合はそれぞれのコンバージョンタグを設定します。Facebook・Instagram・TikTokなど複数媒体で運用する場合は、広告効果測定Appsを使い、各プラットフォームのタグIDを入力することで一元管理が可能になります。これにより、複数媒体のROAS比較が容易になり、予算配分の最適化が実現できます。