ECモールへの出店を検討されている方は必見!たくさんの種類がある「ECモール」ですが、本記事ではECモールランキングとそれぞれのメリット・デメリットについて解説します。特にEC初心者の方は失敗しないよう、ぜひこの記事で理解を深めてください。
目次
ECモールの種類
「ECモール」とは、数多くのネットショップが一つのECサイト上に出店・出品する形態のことをいいます。いわば「大型ショッピングモールのWeb版」のようなイメージです。ECモールの代表的なサービスとしては、Amazonや楽天市場、Yahoo!ショッピングなどがあります。 ECモールに出店する場合、既存のプラットフォームを活用できるため、一からECサイトを立ち上げる必要はありません。 このような理由から、立ち上げの手間やコストを比較的抑えやすいなどの特徴があります。ECモールには、さまざまな形態やタイプが存在します。 今回は主要なECモールの種類である以下4つを紹介します。
マーケットプレイス型ECモール
マーケットプレイス型ECモールは、複数の個々の販売業者が自社の商品を出品し、お客様に直接販売するプラットフォームです。 有名な例としては、AmazonやeBayがあります。マーケットプレイス型ECモールでは、モール自体が商品を所有・在庫管理するのではなく、出品業者が独自に商品を管理し販売手続きを行います。
テナント型ECモール
テナント型ECモールは、物理的なショッピングモールのオンライン版と言えます。このタイプのECモールでは、モール自体が個々のテナント(店舗)を運営しそれぞれの店舗が自社の商品を販売します。モール運営者は、テナントからの売上げに対して手数料を受け取ることが一般的です。Yahoo!ショッピングや楽天市場、メルカリShopが代表的なテナント型ECモールです。
統合管理型ECモール
統合管理型ECモールは、モール自体が商品の在庫管理や販売手続きを行うモデルです。このタイプのECモールでは、運営者が商品の仕入れや在庫管理、注文処理、配送などを行います。
カテゴリースペシフィックECモール
カテゴリースペシフィックECモールは、特定の商品カテゴリに特化したECモールです。例えば、家電製品に特化したモールやファッションアイテムに特化したモールなどがあります。有名な例としては、BUYMAがあります。このタイプのECモールは、特定の商品に関心があるお客様に対してより専門的な選択肢や情報を提供することができます。
ECモールにも様々な種類が存在します。皆様が取り扱う商品に応じたECモールを選択し、上手に活用する事が重要となります。
ECモール主要6社ランキング・特徴
数あるECモールの中でも国内で主要なのが以下で説明する6社のサービスです。主要ECモール6社について流通総額順に紹介していきます。詳しくは、参考元資料はこちらとなっています。
Amazon
ECモールの中でも、国内最大の規模を誇るのが「Amazon(アマゾン)」です。 Amazonの通販サービスにおいて、2023年9月に発表されている流通総額はなんと6兆7,937億円にも上っています。圧倒的なユーザー数を擁するだけでなく、
- 一点の商品からでも出品ができる
- 管理画面がシンプルで使いやすい
など、事業者にとって運用しやすい体制が整っているのが魅力です。一方で商品ページが全体的に簡素なため、世界観の演出やブランディングにはあまり向きません。また、数多くの競合が出品しており、他ECモールよりも値下げ合戦や集客争いが激しいというデメリットがあります。
楽天市場
国内サービスにおいて最大級の規模を持つのが「楽天市場」です。2023年9月に発表されている流通総額は、推測で5兆6,301億円です。(※楽天トラベルなども含む) 楽天グループ共通のポイント制度(楽天ポイント)や決済方法(楽天ペイ)があり、ポイント還元率の高さや独自のキャンペーンなどで多くのユーザーから支持を得ています。一方で料金体系が複雑なうえに、他ECモールよりも運営料金は総じて高めな点が出店にあたってのネックになりがちです。そのため出店したものの売上が伸びず、想定よりも利益率が大きく下がってしまうということも起こりえる点がデメリットとして挙げられます。
Yahoo!ショッピング
「Yahoo!ショッピング」は2023年9月に発表されている流通総額が1兆7,547億円となっており、Amazonや楽天市場と比べると規模は一回り小さめです。ですが、出店にかかる初期費用や月額利用料などが無料なため、他ECモールよりもコストを抑えて出店できるという大きなメリットがあります。また、国内最大級のポータルサイト「Yahoo! JAPAN」からの流入も狙えるという強みがあります。
ZOZOTOWN
「ZOZOTOWN」は2023年9月に発表されている流通総額が5,399億円となっており、ファッションECモールの中では日本最大級のECモールです。多数のアパレルブランドやアパレルショップが出店し、ファッションに関心のある顧客層をターゲットにしており、シーズンごとのトレンドや人気アイテムを提案しファッションに敏感なユーザーに向けた販売プラットフォームとして知られています。また、パーソナルカラー診断といった世間の流行にいち早く対応したキャンペーンや施策を行っており、注目を集めている点も特徴です。
auPAYマーケット
「auPAYマーケット」は2023年9月に発表されている流通総額が3,155億円となっており、3大スマホキャリアの1つauを提供している「KDDI」が展開しているECモールです。ファッション、家電、食品、美容などといった幅広い商品カテゴリを取り扱っており、多様なユーザーに向けた販売プラットフォームとなっています。同じくKDDIが提供している「auPAY」との連携ができる点が特徴であり、特にauユーザーに対してはポイントや特典などのサービスが提供されます。
Qoo10
「Qoo10」は2023年9月に発表されている流通総額が2,305億円となっており、アジア地域で展開されている大規模なマーケットプレイス型ECモールです。幅広い商品カテゴリを網羅し、ファッション、家電、美容、食品などさまざまな商品が取り扱われています。また、国際的な展開があり異なる国や地域で販売していることから、他のモールと比べてグローバルなモールとなっています。
利用者や流通総額の大きさからモールを選択していくのも方法ですが、皆様の事業に合ったモールを選択し利用する事が大切となります。各モールについて詳細を確認し、利用する事をおすすめします。
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ECモール出店のメリット・デメリット
ここまでECモールの基本的な知識や情報を紹介してきました。では実際にECモールに出店するとどのような効果があるのか知りたい方も多いかと思います。ここからはECモール出店のメリット、デメリットをそれぞれ紹介していきます。各メリット・デメリットについて自社ではどのような影響があるか考えながら参考にしてみてください。
メリット①:モール経由での集客を狙える
ECモールの最大のメリットといえば集客力の高さです。前述したように、ECモールはいわば「大型ショッピングモールのWeb版」です。そのため、具体的にこの商品がほしいというユーザー層だけでなく、ふらっと立ち寄るユーザー層も取り込みやすいです。また、ユーザーが欲しい商品名を検索したときに、検索結果の上位にECモールが表示されることも多く、自然と商品ページに流入させることができます。このように自社ECサイト単体で集客するよりもユーザーを集める経路が多く、ブランドの知名度が低くても集客しやすいのがECモールの特徴であり最大のメリットです。
メリット②:モールのブランド力を活かせる
ECモールに出店することで、一定の信頼性や安心感を与えられるのも大きなメリットの一つです。ユーザーはネットショッピングをする際、実際に商品を手に取ったり、対面で接客を受けたりすることができません。そのため、
- 商品の品質に問題がないか
- このお店で買っても大丈夫か
といった不安がどうしても出やすいです。ですがAmazonや楽天市場など、すでに多くのユーザーに馴染みのあるECモールなら、そのような不安を払拭しやすいです。また、過去に入力した個人情報(カードや住所など)をユーザーはそのまま使えるので、購入に対するハードルを一段下げられるというメリットもあります。
メリット③:専門知識がなくても始めやすい
ECモールなら、専門的な知識やスキルがなくても簡単に出店ができます。モール側が出店方法のマニュアル化を徹底しているため、手順のとおりに進めればスムーズに出店ができ、基本的に特別なソフトウェアのインストールやサーバーの用意も必要ありません。また、困ったことがあれば問い合わせができるサポート体制も整っています。このようにECモールで出店するハードルは低く、時間や手間などのコストも抑えやすいという特徴があります。
メリット④:手厚いサポート
主なモール型ECは、出店している企業やブランドに対して充実したサポートを提供しています。たとえばアクセス解析データやデジタルマーケティングのノウハウです。ネットでの商品・サービスの販売に慣れていない事業者にとって、こうした情報を提供してもらえるのは収益を最大化していく上で大きなメリットといえるでしょう。また、自社ECであればシステム関連のメンテナンスもすべて自分たちで管理しなくてはいけませんが、ECモールではその必要がありません。こうしたことを総合的に考えると、やはり初心者であればまずはECモールへの出店を検討するのがおすすめです。
デメリット①:集客争いが激しい
ECモールは始めるハードルが低い分、競合の数も非常に多く、モール内での集客争いがとても激しいのが特徴です。なかには価格競争を仕掛けられたり、有料広告を出して戦わなければ商品が売れないといったようなケースもあります。たしかにECモールに出店すれば、集客力は一段上がります。ただ何もせずとも自動でユーザーが集まるわけではないので、しっかりと戦略を練ることが大切です。
デメリット②:カスタマイズしづらく独自性が出しにくい
ECモールは数多くのショップを管理する都合上、使える機能やデザインなどを大幅に制限しています。また、運用する際には各モールの規則に従わなければなりません。そのため自由に機能を追加したり、サイトをカスタマイズしたりするのが難しく、思うように施策を実行できないことが多いです。また、店舗ページのデザインは基本的にテンプレートで統一されているため、競合と差別化がしにくいというデメリットもあります。そのため、ECモールで買い物をするユーザーからすると、「このお店で買った」というよりも「Amazonで買った」のような認識の方がどうしても強くなりやすいです。つまり、自社のネットショップとしての存在感をアピールしづらく、一つの独立した店舗として独自性を出し、ブランディングを成功させるのは非常に難しいです。このようなことから、ECモールには自社のファンやリピーターを増やしにくく、結果的に売上が頭打ちになりやすいというデメリットがあります。
デメリット③:顧客データの取得・分析がしづらい
ECモールから得られるデータは、売上高や売上件数、アクセス数、モール内のランキングなど、最低限かつ基本的な情報に限られます。そのため、
- ページの滞在時間
- 離脱ポイント
- 離脱後の遷移先
など、PDCAを回すために必要な詳しいデータやレポートを得ることが難しいです。つまり、どこに改善点があり、どのような施策を打つべきかを分析する材料が少ないため、効率的・効果的な運用がしにくくなります。また、ECモール上で獲得した顧客情報は、あくまでECモールが所有することとなります。メールアドレスすらもらえないことも多く、勝手にアクセスしたり、外部に持ち出したりすることも許されません。そのため、顧客リストをもとに、
- メルマガを送る
- 精度の高いターゲティングをする
などのマーケティング施策を行うことが非常に難しいのもデメリットの1つです。
デメリット④:ランニングコストが高い
ECモールには出店料や月額システム料をはじめ、売上に応じて変動する販売手数料などが設定されています。そのためランニングコストの負担が大きく、利益率も高いとはいえません。このような理由から、はじめはECモールに出店していたものの、最終的には自社でのECサイト運営に切り替えたり、ECモールと併用したりするケースも多いのが実情です。
上記で紹介した部分以外にもメリットやデメリットは多く存在すると思います。ECモールを利用するにあたっての判断基準としてこういった部分を考慮し、皆様に合った運用方法を選択して下さい。
ECモールで成功するための4つのポイント
ECモールで成功するためには、いくつかの重要なポイントがあります。ここでは重要なポイントを4つご紹介します。順に解説していきますのでECモールを上手に活用したい方は参考にしてみて下さい。
自社商品と相性がいいモールを選ぶ
モールごとにターゲットとする顧客層や商品カテゴリが異なるため自社の商品がモールの特徴やユーザーのニーズに合致するかを判断しましょう。例えば、ファッションであればZOZOTOWN、コスメであればQoo10、PC周りのガジェットであればAmazonなどの相性の良いモールに出店することで、より多くの購買意欲の高い顧客にアプローチできる可能性が高まります。
商品画像を魅力的にする
ユーザーが商品を検索後、一覧ページには他社が出品している同じ商品が一覧で表示されるため、1枚目の商品画像は特にこだわる必要があります。例えば、送料無料なのであれば「送料無料」のことを記載したり、そのほかカラーバリエーションやランキング1位など、訴求文言は画像にテキストで記載しましょう。また、商品画像は鮮明で高品質なものを使用し、商品の特徴や利点を魅力的に伝えることが重要です。適切な角度や光の使い方、商品のスケール感を伝えるための参考アイテムの追加など、魅力的な商品画像を作成しましょう。
トレンドを把握する
ECモールでは、トレンドを把握し、お客様のニーズや市場の動向に敏感であることが重要です。ファッションやインテリア、テクノロジーなど、各業界でのトレンドを把握し、それに合わせた商品やプロモーションを展開しましょう。トレンドに沿った商品を提供することで、お客様の関心を引きつけ、競争力を高めることができます。
レビューを充実させる
ECモールでは、商品のレビューが購買決定に大きな影響を与えます。顧客の口コミや評価は信頼性が高く、購買意欲を高める要素となります。レビュー投稿者にはクーポンを配布するなど、商品の品質や特徴に関するポジティブなレビューを集めるために顧客にレビューの投稿を促す仕組みを作りましょう。
おおまかに大事になる要素を4つに分けて紹介しました。今後、皆様がECモールを活用される際に、この様な要素に気をつけながら利用する事をおすすめします。
主要6モールの費用相場比較
ここまで各ECモールのランキングと特徴を紹介してきました。ここからはそれぞれのECモールについて、出店費用の相場を紹介します。下の表を参考にECモールを比較してみてください。
Amazon |
楽天市場 |
Yahoo! ショッピング |
ZOZOTOWN |
auPAYマーケット |
Qoo10 |
|
初期費用 |
無料 |
6万円 |
無料 |
約200万円 |
無料 |
無料 |
月額費用 |
大口:4,900円 小口:無料 |
50,000円 |
無料 |
月間売上の 20~40% |
5,280円 |
無料 |
手数料 |
8%~15% |
月間売上の 2%~5% |
無料 |
無料 |
4.5%~9% |
6%~10% カテゴリによって変動 |
※費用はカテゴリや出店形態によって異なる場合がありますので、一般的な相場として参考にしていただき、具体的な費用は各モールの公式ウェブサイトで確認することをおすすめします。公式サイトは、「ECモール主要6社ランキング・特徴」にリンク添付してあり、アクセス出来ます。
各ECモールにはそれぞれ特徴があり、皆様が取り扱う商品によっては合う合わないが存在すると思います。そういった部分を十分に考慮し、より良いECモールを見つけ、活用する事が重要となります。
まとめ
改めて、本記事のポイントをまとめます。
- ECモールとは、モール内に出店・出品する形態のこと(例. Amazon、楽天市場)
- メリットは集客力が高い、モールのブランド力を活かせる、始めるハードルが低いなど
- デメリットは集客争いが激しい、カスタマイズしにくい、取得できるデータが限定的など
- 試しに出店してみたい、モールの集客力を活かしたいといった企業におすすめ
ECに関するノウハウが少ない段階では、ECモールに出店するのも一つの手です。しかし、ECモールだけで販売を続けていると、売上や利益率がどうしても伸びにくいのもまた事実。そんな状況を打破するには、自社ECを活用する事も重要になってきます。
- ECモールの売上が伸び悩んでいる
- 有効な施策を打って顧客を増やしたい
という方向けに、具体的な始め方や失敗しないポイントをまとめた記事も掲載しています。記事は簡単に閲覧できるので、ぜひ参考にしてみてください。
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