1 min read

物流ABCとは?物流担当者必見!基本から算出方法まで解説

物流ABCとは?物流担当者必見!基本から算出方法まで解説

物流ABCは、物流のコストを管理するための手法の1つです。そのために業務内容を精査するのですが、それに伴い自社の現状把握にもつながります。このように2つの点から自社の発展に欠かせない物流ABCについて解説します。

目次

物流ABCとは?

物流「ABC」のABCは、「Activity-Based Costing」を略したもので、日本語に訳すなら「活動基準原価計算」となります。計算なので、梱包にどれぐらいのコストがかかるのか(1箱単位から算出可能)、輸配送を行うトラックの燃料代や人件費はどれぐらいか、などといった、物流における業務にかかるコストを計算するために用いられています。

1 min read

ロットとは?その意味と物流への影響を解説

1 min read

入庫とは?物流での重要性と入荷との違いを解説

物流ABCは何に利用する?

物流ABCの一番の利用目的は、コスト削減のための施策立案です。それぞれの業務にかかるコストを割り出せるため、不必要なコストがかかってしまっているところがすぐにわかります。したがって、その部分をどのように改善すればよいのか、場合によってはカットしたり、という考察を効率的に行えるようになります。また、時間についても算出できるので、時間がかかりすぎている業務のあぶり出しも行えます。

このように、物流ABCによってコスト・時間それぞれを削る部分を明確にし、さらなる効率化に結び付けられるようになります。

物流ABCの算出方法

物流ABCの算出方法は以下の6ステップに分類されます。

  1. 物流ABC算出目的を明らかにする
  2. どの業務内容にするかを決める
  3. 業務にかかるコストを把握する
  4. 業務内容別に原価を算出する
  5. 業務内容別の処理量を設定する
  6. 業務内容別の単価を計算する

以下、それぞれを解説します。

 

物流ABC算出目的を明らかにする

まずは物流ABCを算出する目的を明らかにするところから始めます。その理由ですが、物流ABCの算出目的が決まらないと、必要な分析精度や分析方法といった根幹が定まらなくなってしまうからです。したがって、あらかじめ物流ABCの算出目的を明確にすることは必要不可欠なのです。

物流ABCの算出目的は企業によって、そして同じ企業でもタイミングが異なるなど、さまざまありますが、例えば、過剰在庫を削減したい、某社の輸送にかかる人件費をカットしたいなど、自社の問題だけではなく、対他社の問題についても目的にできます。

 

どの業務内容にするかを決める

続いて、物流ABCを算出する業務内容を決めます。業務内容は「荷受け」「検品」「棚入れ」「ピッキング」「梱包」などが挙げられます。こうした業務内容ごとに物流ABCの算出を行いますが、業務内容を決める際の注意点として、細かく分類しすぎないことが挙げられます。細かく分類してしまうと、関係者間であっても業務内容のコンセンサスが取りづらくなってしまう恐れがあります。

また、決める業務内容は定常的に行う業務である必要があります。こうして決めた業務の定義はきちんと文章化するなどし、関係者間で共通認識を持てるようにします。

 

業務にかかるコストを把握する

業務が決まったら、そこに投入した要素(投入要素)すべてにかかったコストを算出します。投入要素の例としては、商品保管に必要な面積(使用面積)、輸配送にかかる燃料代(使用量)、施設内の棚、作業台、機械といった設備(使用時間)、ダンボールや緩衝材(使用量)、作業スタッフ(作業時間)といったものがあります。

なお、投入要素ごとに「量」「面積」「時間」といったようにコストとして形状すべき対象が異なるので注意が必要です。

 

業務内容別に原価を算出する

原価を算出するためにはまず、投入要素とそのコストをさらに業務内容ごとに分解していきます。例えば「出荷」であれば「ピッキング」「検品」「梱包」「荷札付け」といったように分解することが可能です。なお、出荷内の工程は企業によって変わるはずなので、その場に応じた内容にします。

この分解によって単価を算出できるほか、かかる時間、経費についても把握できるようになります。したがって、業務に必要な人員数を算出して効率化を進めることも可能です。

業務内の割り出しとその単価を合計し、その業務の原価を算出します。

 

業務内容別の処理量を設定する

業務によって処理できる量、処理量は変動するという前提のもと、業務の処理量を設定します。その業務に対して必要となるコストは処理量によって変動します。したがって、処理量を設定する場合は現場での調査が必要不可欠となります。

なお、ITシステムなどで管理している業務に関しては処理量の調査は不要です。

 

業務内容別の単価を計算する

ここまでに割り出した「原価」と「作業量」を使うと、各業務の単価が算出できるようになります。業務内容の単価は業務内容原価を業務ごとの処理量で割ります。

業務内容単価=業務内容原価/業務ごとの処理量

そして、業務内容単価を算出できると、目的別のコストも算出可能になります。目的別コストは、業務内容単価と目的別処理量を掛けて算出します。

目的別コスト=業務内容単価×目的別処理量

この2つの数値から、コストがかかっている箇所がわかり、削減できる部分はあるのかどうかを判断できるようになります。

物流ABCの有効活用法

物流ABCで各種コストを算出したら、業務の中の必要なもの、不必要なものを分類します。例えば、長年にわたって物流業務を行っている場合、以前からの習慣で行われている業務があり、これが無駄になっているので削除する、もしくはITで置き換えるといった判断を下せるようになります。このほかにも、業務の中の作業回数を減らして人件費削減につなげるといったことも可能になります。

とはいえ、自社内だけでは正確にコストカットの判断を下せない場合があります。この場合は、顧客やコンサルティング会社に依頼して客観的な目で判断してもらうのがベストと言えます。

1 min read

【最新版】STOCKCREW完全ガイド

まとめ

物流ABCは、「Activity-Based Costing」の略で、物流業務にかかるコストの算出方法となります。コスト削減のために業務内容を改めて精査し、個々の業務のコスト、単価を割り出すことによって、金銭的なコスト、業務にかかる時間が割り出せるため、効率よくコストカットを進められるようになります。

しかし、コスト削減すべき業務を自社だけで決めるとなると、正確な判断を下せないケースがでてきます。したがって、できるだけ顧客など第三者の目線でのチェックを受けることが重要になります。

STOCKCREWの倉庫内の業務管理については「STOCKCREWとは?我々の内側全部見せます!倉庫編」で紹介しています。STOCKCREWへのお問い合わせは以下のボタンからお気軽にどうぞ!

お問い合わせはこちら