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物流倉庫の移転はこうする!8つの手順と注意事項を解説

物流倉庫の移転はこうする!8つの手順と注意事項を解説

「物流倉庫の委託料金が値上げされた」「在庫が増えすぎた」といった理由で物流倉庫の移転を考えなければならないことが珍しくありません。しかし実際に移転するとなると、あまりにやるべきことが多すぎて何から手をつければよいのか戸惑う方も多いのではないでしょうか。そこで今回は、物流倉庫移転に際しての8つの手順と注意事項について解説します。

目次

物流倉庫の移転にあたって

在庫管理や出荷業務を物流倉庫に委託しているネットショップオーナーも多いでしょう。ところが、料金の値上げや在庫の増加、希望する流通加工に対応してもらえないなどの理由で移転を考えざるを得ないケースがあります。

ただ、物流倉庫の移転は、場当たり的な方法では失敗する可能性が少なくありません。新たに物流倉庫を見つけ出し、契約、旧委託先との解約、在庫の移動、システム連携、稼働テストなど、新体制で稼働するまでに済まさなければならないことが目白押しだからです。

もし移転作業に失敗するとユーザー利益を損なうばかりか、ユーザー離れや販売機会の損失を招く恐れがあるので最新の注意が必要です。よって物流倉庫の移転は、計画性をもって抜かりなく進めなければなりません。同時並行で取り組むことも多々あるため、以下の8つの手順を参考に移転業務をご検討ください。

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手順1:新たな委託先の選定と契約

まず新たに業務委託する物流倉庫を選定します。その際に留意すべき点は、おもに以下の3つが挙げられます。

  1. 移転理由を解決できるサービス(コストを含む)と業務遂行能力があるか
  2. 自社のシステムと連携可能か
  3. 移転理由以外の面でも、従来のクオリティに遜色ないかそれ以上のパフォーマンスが期待できるか(例:24時間対応、検品時の動作確認・スピード出荷・流通加工など)

せっかく移転するなら単に現在抱えている課題を解決できるかどうかだけでなく、それ以外の点でも上回るサービス提供ができる物流倉庫を選ばなければもったいないでしょう。物流倉庫によって対応できる商品は異なるので、極力自社と同じカテゴリーの商品を扱った実績のあるところを選定するのがおすすめです。

そして、契約にあたっては以下の5項目を詳細まで相互に確認し合うようにしましょう。

  1. 委任する商品の数量規模や保管方法
  2. 流通加工が必要ならその要領や手順
  3. 梱包の際の注意事項と方法
  4. スピード出荷のメニュー(翌日配送・当日配送など)
  5. 在庫の過不足があった場合の対処法や、誤配送・遅延の際の責任

移転先が決まったら仕入れ先にも早めに通知するようにします。いつまで従来の物流倉庫に届けてもらうのか、そしていつから移転先に送ってもらうのかについてもできるだけ早くに伝えるようにしましょう。

 

手順2:移転スケジュールの作成

手順1と並行して移転スケジュールを作成していきます。厳密には、移転先が決まらなければ完璧なスケジュールは作れません。途中で修正しても構わないので移転時期を決めて、そこから逆算しながら以下のような流れでざっくりとスケジュールを作成します。

  1. 新委託先のとの契約
  2. 要件定義・新システムの設計・システム連携テスト
  3. 旧委託先との契約解除
  4. 旧委託先からの在庫の搬出と新委託先への搬入
  5. オペレーションの確認テスト
  6. 稼働開始

このような流れでスケジュールを作成しますが、完了までトータルで少なくとも3ヶ月以上はかかると見込む必要があります。移転規模にもよりますが、それより短期間で済ませるのは無理が生じる恐れがあり、かえって危険です。

 

手順3:旧委託先との契約解除 

新たな委託先が決まったら旧委託先にその旨を通知して契約解除の手続きを進めます。ただしその際は、いつまで物流業務を依頼するかを明確にしなければなりません。と同時に、多くの場合、解約の何日(何ヶ月)前までに告知しなければならないと決められているので、その期日より前に知らせるようにします。そうでなければ違約金を支払わなければならない恐れがあるため要注意です。

加えて、在庫が残っている場合は、それを搬出する日付や新委託先へどのような仕様で出荷してもらうかの指示、さらにいつまで物流業務を委任するかも明確に決定のうえ共有しておく必要があります。

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手順4:システム連携のシミュレーションを実施

新委託先との間で、システム連携が可能かどうかのシミュレーションもできるだけ早くに実施します。具体的には、自社システムにおける出荷指示が新委託先のWMS(倉庫管理システム)に問題なく送信されるか、また先方の出荷完了データが自社システムに間違いなく送信されるかを確認します。

万が一エラーが生じたり、バグが発生したりした場合の対処法や手順についても入念に打ち合わせしておきましょう。

 

手順5:ユーザーへ出荷停止期間を周知

物流倉庫移転の際にシステムの停止期間が生じる場合は、その旨を自社サイトやメールを通じてユーザーに告知しておくことも大切です。とくに定期的に商品を購入してくれるリピーターには、確実にその旨を通知しなければ損失を与えかねません。その期間に購入しようと考えている新規顧客にも迷惑をかけたり、(新規顧客を)取り逃してしまったりする可能性もあるので十分な配慮が必要です。

 

手順6:商品の搬入

システム連携が無事に済んだら、新委託先の都合を確認しながら商品を搬入していきます。旧委託先からの在庫分に加えて、それを補う新規の商品も搬入します。

また、旧委託先から商品を搬出する際には、必ず棚卸しを行ってください。新委託先に搬入する段階になって欠品があったり紛失があったりした場合は損失につながるからです。その時点で責任を追及するとなると手間がかかるうえ、貴重な時間をロスすることになりかねません。ただでさえ物流倉庫の移転は多忙を極めるので、少しでも余分な労力を費やさずにすむように心がけましょう。

手順7:オペレーションの確認

一通り商品の搬入が済んだら、立ち合いのうえでオペレーションを確認します。本番さながらのシチュエーションで、入荷から検品、棚入れ、在庫保管、ピッキング、流通加工、梱包、出荷という一連のプロセスを目視します。とくに商品の管理方法やラッピングの仕方、見た目、梱包の仕上がり具合など、つぶさに見ていきます。想定と異なる点は、明確に指示した上で現場の責任者とその情報を共有しましょう。そして解決するまで繰り返し協議を重ねるようにします。

言うまでもありませんが、自社システムとWMSが想定通り連携できているかも商品の動きとともにリアルタイムで追跡、確認しておきましょう。

 

手順8:稼働開始

オペレーションの不具合がなくなれば、いよいよ稼働開始です。この際も現場で立ち会います。テストでは順調にできていたことが、いざ本格稼働するとそうでなくなることが珍しくありません。しかもトラブルはひとつと限らないため、その都度、解決法を見出しながら理想の形を作り上げていくしかありません。

この時点でもっとも大切なことは、移転を決めた目的にかなう状態になっているかという点です。コスト面しかり、在庫保管できる数量にしてもしかり、こだわっていた流通加工の仕上がりしかり、当初のニーズを満たす状況になってはじめて移転が成功したといえます。そうなるためにも、改善の余地があれば、新委託先と協力しながら繰り返しPDCAを回し続けていきましょう。

 

まとめ

物流倉庫の移転は、大変な作業です。留意点が数多くあるので、計画的に進めていく必要があります。ネットショップの成功の多くは、物流が握っているといっても過言ではありません。ぜひ後になってやって良かったと満足できる移転にしてください。

物流倉庫の移転を考えている方、ぜひSTOCKCREWにご連絡ください。物流の刷新でネットショップ成功のお手伝いをさせていただきますので、お気軽にお問い合わせください。

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