商品管理のシステム化は多くの企業で進められています。商品管理システムを導入することで、業務効率化やコスト削減などを達成でき、より効果的な在庫管理を実現できます。
一方で在庫管理をエクセルで行っている企業も少なくありません。本記事では商品管理システムの概要から導入メリット、状況に応じて検討したい「WMS(倉庫管理システム)」や「発送代行」も含めて解説していきます。
目次
商品管理システムとは
商品管理システムとは、店舗や倉庫に保管している商品情報を効率的に管理するツールのことです。
商品管理システムを活用することで、商品の在庫量から販売価格、仕入れ先などの情報をシステム上で一元管理できます。さらに商品情報はリアルタイムで更新されるため、適宜、最新情報でデータ分析を行うことが可能です。
システム上のデータを活用することで、売上分析や発注管理が行え、在庫管理の適正化などを実現できます。
商品管理システムはオンプレミス型とクラウド型に分けられる
商品管理システムは、オンプレミス型とクラウド型のいずれかで提供されています。
それぞれのメリットやデメリットは、以下の表の通りです。
<オンプレミス・クラウド比較>
メリット |
デメリット |
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オンプレミス型 |
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クラウド型 |
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商品管理をエクセルで行っている企業は多い
現在でも商品管理をエクセルで行っている企業は少なくありません。
エクセル上に商品情報を入力し、担当者が適宜、在庫情報や販売データを入力し、売上分析を行う方法です。エクセルは多くの企業で利用が一般的なため、利用しやすいというメリットがあります。
しかし、入力はすべて手入力で行う必要があり、膨大な商品情報を扱っている場合、担当者の負担が大きくなってしまうのがデメリットです。さらに手作業によって入力ミスなどのヒューマンエラーが発生してしまう、最新のデータが入力されているかどうかが不明であるという課題にもつながります。
商品情報が膨大になってきている、担当者の負担が大きくなってきている、倉庫などを利用して商品管理を行っている場合には、商品管理システムやWMS(倉庫管理システム)の導入を検討するのがおすすめです。
商品管理システムの主な機能
商品管理システムの主な機能としては、以下の4つが挙げられます。
- 在庫管理機能
- 在庫分析機能
- 販売管理機能
- 購買管理機能
在庫管理機能
在庫管理機能は、取り扱っている商品の在庫情報を管理するための機能です。
商品の入荷から出荷までをリアルタイムで追跡し、該当商品の在庫数を自動で更新します。商品のバーコードやQRコードを読み取ることで、商品の識別や追跡も効率的に行え、在庫の確認が容易になるため、ヒューマンエラーの防止にもつながります。
他にも商品に特定のパッチやシリアル番号を付与することで、不備が発生した際に該当商品の追跡などが容易に可能です。
さらに在庫管理機能には、棚卸し機能も搭載されていることが多く、実際の商品数とシステム内のデータが一致しているかの確認もできます。エクセルでの管理では実現できないリアルタイムの在庫把握と、システムへの自動入力により、業務負担の軽減にも貢献します。
在庫分析機能
在庫分析機能は、店舗や倉庫の在庫データを分析し、商品の変動や動向を把握して営業戦略などに用いる機能のことです。
在庫分析機能を活用することで、商品ごとの過去の売上データや季節ごとの需要などを分析し、発注量の調整を行えます。つまり過剰在庫や在庫不足を防ぐことにつながります。他にも特定のイベントによる需要の予測なども把握でき、適正在庫数を把握することも可能です。
分析による適切な在庫管理が行えるようになるため、在庫コストの最適化を実現し、効率的な在庫管理が行えます。
販売管理機能
販売管理機能は、商品の見積もりから受注、売上、請求までのプロセスを効率的に管理するための機能です。
顧客から該当の商品の注文が入った際に、注文情報が自動的に商品管理システムに紐付けされ、内容の確認や現在の処理状況をリアルタイムで把握できます。商品の注文ごとに自動的に内容は更新されるため、常に最新の状況を把握し、在庫不足の防止に役立ちます。
たとえば複数のECサイトを運営している場合、商品管理システムに情報を集約させることも可能です。さらに顧客情報と連携させることで、顧客の趣向を把握でき、特定の顧客に向けたサービス提供やプロモーションなどにもつなげられます。
購買管理機能
購買管理機能は、商品の発注や仕入れなどを効率的に管理する機能です。
購買管理機能ではこれまでのデータを分析し、需要を予測します。予測された需要に基づいて、該当の商品をどれくらい仕入れるのかを計画し、需要の変動や季節性を考慮に入れながら、仕入れ計画を立てることが可能です。
さらに債権管理も行えるため、債権回収漏れの確認やアラートを表示させて迅速に対応できる体制を整えることも行えます。
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商品管理システムを導入するメリット
商品管理システムを導入するメリットには、以下の4点が挙げられます。
- 業務効率化の実現
- コスト削減
- 属人化の防止
- データの可視化
業務効率化の実現
商品管理システムによって業務をシステム化することで、業務効率化を実現できます。
これまでエクセルの手入力で商品管理を行っていた場合、システム化によって自動的に情報が反映されることは、圧倒的な業務効率につながるでしょう。さらに在庫数の更新業務や注文処理業務なども自動化されることで、商品管理に関わる業務は大幅に削減できます。
他にも正確な情報が自動的に反映されることにより、手入力によるヒューマンエラーがなくなることもシステム化の魅力的な点です。ヒューマンエラーが発生した場合、どの部分が間違っていたのかの修正にも時間が割かれてしまうため、担当者の大きな負担になってしまいます。
さらに商品管理に関わるデータを簡単に共有できるようになるため、経営戦略の意思決定もよりスムーズに行えるでしょう。
企業によっては商品管理業務に関わる人員を削減し、よりコア業務に人員を集中させるなど、生産性向上にもつながる施策につなげることも可能です。
コスト削減
商品管理システムによって適正在庫で運用できるため、余剰在庫や在庫不足などのコストを削減することが可能です。
エクセルなどで運用している場合、担当者の経験や勘に頼るケースも少なくありません。しかし、商品管理システムによって客観的なデータに基づいた需要予測などを分析できるため、効率的な発注や在庫管理につなげられます。
必要な分だけを発注する形になるため、余分な発注コストはなくなるでしょう。
さらにシステム化によってこれまで在庫管理を担当していた人材を、減らすことも可能です。エクセルによる手入力管理の場合、一定数の人数が必要でしたが、システムによって自動化されることで工数を削減できるからです。
こうした商品管理に関わるコストを削減し、最適な在庫運用が行えます。
属人化の防止
商品管理システムを導入することで情報はすべて一元化されます。一元化された情報は社内で共通のデータとして共有できるため、情報の齟齬や一部の従業員のみしか理解ができないデータなどを避けられます。
アナログによって管理する場合、担当者によってデータ管理が異なるなど属人的になりがちです。しかし、システム化によって管理方法は統一され、手作業で入力してきた情報はすべて自動で反映されるため、担当者のスキルに左右されない管理体制が整います。
システム内の情報をすべて共有するわけではなく、あるデータにはアクセス制限を設けるなどのセキュリティ体制も反映可能です。自社のセキュリティポリシーにあわせて運用を行っていくとよいでしょう。
データの可視化
商品管理システムによって、取り扱うすべての商品データを可視化できます。売上データや需要予測、商品ごとの売上の推移などを簡単に把握できるため、マーケティング業戦略にも役立ちます。
たとえばある商品の売上を向上させるための効果的な季節はいつか、どの地域を重点的に行うとよいかなどです。売上の最大化が見込めるため、機会損失の防止にも貢献できるでしょう。
顧客情報と連動させれば、ニーズの把握や似た属性の顧客を獲得するための戦略にも適用できます。
こうしたデータをエクセルなどで管理している場合、予測を立てるのは担当者のスキルに左右されてしまいます。しかし、商品管理システムによって簡単にデータを可視化できるため、担当者のスキルに関係なく活用が可能です。
適切な商品管理を行うためのポイント
商品管理を適切に行うためには、以下の3点に留意しながら進めることが大切です。
- 在庫管理の適正化
- 在庫管理情報の共有
- 最適なロケーション管理の把握
在庫管理の適正化
余剰在庫、在庫不足ともに企業にとっては大きな損失につながってしまいます。商品管理ではすべての商品に対して適正な在庫管理が求められます。
売れ筋の商品であれば在庫に欠損が出ないようにする、人気のない商品であれば余剰在庫をなくすようにするなどです。在庫管理を適正化させるためには、商品の在庫状況や売上情報をリアルタイムで把握し、需要に対して適切な在庫を維持することが大切になります。
そのためには商品ごとの在庫回転率などを把握することや、システムによって需要に基づいた発注をかけられるようにするなど対策が必要です。
在庫管理情報の共有
在庫管理情報は担当部署のみが把握していては意味がありません。在庫状況を全社的に共有することで、他の業務の適正化も可能です。
たとえば売れ筋商品と似た商品の販促活動を行う際なども、在庫状況をリアルタイムで把握した状態であれば、効果的な活動につながります。担当部署以外であっても在庫状況をリアルタイムで把握できるような仕組みを整え、情報共有を行える状態にすることが大切です。
最適なロケーション管理の把握
ロケーション管理とは、倉庫内のピッキング作業を効率化させるために商品の置き場所を管理する手法のことです。扱っている商品によって適切なロケーション管理は異なりますが、ロケーション管理には、以下の2つが挙げられます。
<ロケーション管理>
手法 |
メリット |
デメリット |
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固定ロケーショ |
商品ごとに置き場所を決めて管理する手法 |
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フリーロケーション |
倉庫の空いてる場所に商品を置き、都度都度商品とロケーションを紐付けて管理する手法 |
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フリーロケーションで管理を行う場合、バーコードやQRコードを用いてシステム上で管理することが不可欠といっても過言ではありません。
自社の在庫管理において、どのような商品管理が向いているのかを検討することが大切です。
倉庫管理がメインならWMS(倉庫管理システム)も検討
商品の管理を倉庫で行うことがほとんどであれば、商品管理システムに加えて、「WMS(倉庫管理システム)」を検討するとよいでしょう。
WMS(倉庫管理システム)は「Warehouse Management System」の略称で、倉庫内作業であるロケーション管理から入出荷管理、棚卸し管理やロット管理など行える倉庫管理特化型のシステムのことです。
倉庫内に保管する商品の帳票作成やラベルの発行も簡単に行えるようになるため、業務効率化やコスト削減につながります。
WMS(倉庫管理システム)の主な機能
WMS(倉庫管理システム)の主な機能としては、以下の表の通りです。
<WMS(倉庫管理システム)の主な機能>
機能 |
内容 |
在庫管理 |
倉庫内の保管数や保管場所を管理する機能 製造年月日や消費期限なども管理できる。 |
入荷管理 |
入荷した商品へのラベル管理や入庫スケジュールの管理を行う機能 |
出荷管理 |
出荷指示やピッキングリスト作成が行える機能 |
棚卸し管理 |
棚卸し指示やスキャナを活用した連携によって棚卸しを管理する機能 |
帳票発行 |
納品書、発注書、その他帳票などを発行する機能 |
システムによっては、さらに豊富な機能を搭載しているため、自社の倉庫管理業務に最適な機能が搭載されているかを確認して検討するとよいでしょう。
商品管理システムとWMS(倉庫管理システム)の違い
商品管理システムとWMS(倉庫管理システム)の違いは管理対象です。商品管理システムは倉庫外に保管している商品の在庫も管理が可能ですが、WMS(倉庫管理システム)は、倉庫内業務に特化したシステムになります。
それぞれの違いは、以下の表の通りです。
<商品管理システムとWMS(倉庫管理システム)の比較>
管理対象 |
内容 |
|
商品管理システム |
倉庫内から倉庫外も含めた商品在庫データの管理 |
商品の入荷から出荷までの在庫量を把握し、適切な在庫量を維持することが目的 |
WMS(倉庫管理システム) |
倉庫内の商品に関する在庫管理に加えて、人員配置や設備など、倉庫内業務に特化したものを管理 |
倉庫内業務の在庫情報に加えて、適切な人材配置なども行うことで倉庫内業務を効率化することが目的 |
商品管理システムとWMS(倉庫管理システム)は業務内容が重なっている点もあるため、混同しがちですが、管理対象が異なることを理解しておくとよいでしょう。
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倉庫管理は発送代行という方法も
倉庫管理業務をアウトソーシングしたいと考えている場合は「発送代行」もおすすめです。
発送代行とは、倉庫内への商品の入荷から保管、在庫管理、発送までの一連の業務を代行するサービスのことです。発送代行を活用することで、倉庫内業務に自社のリソースを割く必要がなくなり、コア業務に人材を集中できるメリットがあります。
また、発送業務のプロフェッショナルが代行するため、発送ミスが減少し、顧客満足度の向上にも貢献します。また、自社運用だと倉庫内業務に関わるコストが明確になっていないケースもありますが、代行を依頼することでコストが可視化され、最適なコストで運用が可能です。
発送代行に依頼できる業務
発送代行では以下の業務が依頼できるため、自社の運用形態とあわせて検討するとよいでしょう。
業務 |
概要 |
入庫・検品 |
商品が倉庫に到着した際に受け取り、検品を行う業務 |
商品保管 |
商品を適切な環境で保管する業務 |
ピッキング・梱包 |
注文に基づき、商品を取り出して梱包する業務 |
配送 |
梱包された商品を顧客に届けるための出荷業務 |
在庫管理 |
商品の在庫を管理し、必要に応じて補充や調整を行う業務 |
受発注管理 |
受注処理や発注管理を行い、在庫状況と連携する業務 |
発送代行サービスを提供している物流倉庫会社によって、サービスの対応範囲が異なるため、ヒアリングを通して自社の運用と親和性のある会社を選択することが大切です。
発送代行のおすすめは「STOCKCREW」
初めて発送代行を依頼する場合、「STOCKCREW」を検討することがおすすめです。とくにまだ規模の小さい企業や、EC展開を始めたばかりの企業であれば活用したいサービスです。
STOCKCREWは千葉県八千代市にAmazon社に次ぐ規模の倉庫を所有しているのが特徴で、「安く、わかりやすく、使いやすい」をコンセプトにサービスを提供しています。法人・個人問わず利用が可能で、600以上のスタートアップEC事業者が利用しています。
料金体系は従量課金制を採用しており、初期費用と固定費がかからないのが特徴です。そのため閑散期はコストを抑え、繁忙期は出荷件数に応じた運用が行えます。
倉庫管理を行うシステムはEC物流に特化した設計となっており、 自社のECモールやモールECとAPIを活用して連携が可能です。API連携によって受注から在庫管理、配送までの業務の自動化を実現しています。複数のECモールを運用している場合でも、データはすべてシステム上で一元管理が可能です。
コストを抑えてEC展開を行っていきたい、倉庫内業務をアウトソーシングして自社の生産性を上げたいなどのニーズに応えられるサービスです。
所在地 |
東京都中央区東日本橋2丁目1番5号 東日本橋セントラルプレイス8階 |
|||||||
料金 |
発送料金 |
ネコポス |
60 |
80 |
100 |
120 |
140 |
160 |
ヤマト運輸 |
280円 |
580円 |
710円 |
830円 |
920円 |
1,050円 |
1,200円 |
|
ヤマト運輸 |
260円 |
560円 |
650円 |
750円 |
810円 |
920円 |
1,050円 |
|
追加ピッキング |
20円/点 |
|||||||
保管料金 |
5~10円(月額)/STOCK |
|||||||
URL |
https://stockcrew.co.jp/ |
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まとめ
商品管理を適切に行うことは、売上の最大化や担当者の業務負担軽減などさまざまなメリットがあります。
デジタル化が進む昨今、ビジネスの変化はよりスピーディーになってきており、こうした状況に対応するためには、商品管理システムの導入は欠かせません。
しかし企業によって抱えている課題や状況はさまざまなため、「WMS(倉庫管理システム)」の導入が適切な場合や発送代行への依頼が適切な場合もあります。
まずは自社の運用状況について把握し、適切な方法を選択するようにしましょう。