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ネットショップを運営するなら知っておきたい『法律』の話 ~利用規約編①~

ネットショップを始めようとすると利用規約やプライバシーポリシー、特定商取引法に基づく表示など、法律が関係しそうな言葉がたくさん出てきます。
色々知りたいけど、何が何やらわからない状態になってしまっている方もいらっしゃるとおもいます。
そこでこれから数回にわたり、『ネットショップを運営するなら知っておきたい『法律』の話』として、お役に立つような情報を提供していければと思います。

当記事では、法律だけではなくお金の話も記載されているので是非ご参考ください。

ネットショップを運営するなら知っておきたい『お金』の話~ 会計総論編 ~ | STOCKCREW

第1回は、利用規約をテーマに、利用規約ってなぜ必要なのか、利用規約のメリットなどをお話ししたいと思います。

 

 

1.利用規約は必ずしも作る必要はない

利用規約(*1)については、結論からいえば、ネットショップを運営する場合であっても必ず作らなければならないというものではありません。

しかしながら、ネットショップをユーザーとして利用する場合には、買い物をする際やユーザー登録の際に、利用規約への同意を求められることが多いかと思われます。

 

それでは、なぜネットショップにおいては、必ず必要なわけではない利用規約が用いられることが多いのでしょうか。

*1 ユーザー規約やサービス規約など、様々な呼び名があります。

 

2.利用規約を定めるメリット

ネットショップにおいて利用規約への同意を求められることが多い理由として、ネットショップの運営側に以下のようなメリットがあるからです。

① 取引のルールを自分で決めることができる。

② 取引のルールを変更したいときに、個別の通知が不要になる。

③ 交渉のコストを削減でき、取引の管理も楽になる。

④ トラブルになったときに解決のための指針が明確になる。

 

それでは、上で挙げたメリットを具体的な例示に沿って見ていきたいと思います。

(例示)
Xさんはネットショップを運営しており、一点物のアクセサリーを仕入れて、自分のサイト上で販売しております。

① 取引のルールを自分で決めることができる。

利用者であるAさんはXさんの運営するネットショップでアクセサリーを買うと売買契約が成立することになります。
これによって、XさんはAさんにアクセサリーを引き渡す義務を負って、AさんはXさんに代金を支払う義務を負い(民法555条)ますが、これだけでは話が終わるわけではありません。

まず、売買の内容を見ても、引渡しや支払はいつどうやって行うのか、返品や交換についてのルールはどうするのか等、決めておいた方がよいことはたくさんあります。
また、法律上は売主にとって不利となるようなルールが定められていたとしても、法律よりも当事者の合意が優先することが認められている場合 (*2) もあります。
このような部分をしっかりと事前に詰めているかいないかで、ネットショップ運営者の負担は大きく変わってくることになります。

さらに、利用規約ではサイトの利用のルールなどを定めておくこともできます。
例えば、サーバーがダウンしてしまった等の理由で、Xさんは申し込まれた取引に対応できないような場合もあるかもしれません。
このような場合を事前に想定していれば、利用規約にそのような場合についてはXさんは責任を負わないというような規定を入れておくこともできます。

*2 当事者の合意を優先させることが認められている法律の規定を「任意規定」といいます。

 

② 取引のルールを変更したいときに、個別の通知が不要になる。

取引ごとにユーザーと契約を締結していた場合には、過去に締結した契約の内容を変更したければ、ユーザーごとに再度契約を締結しなおす必要があります。
しかし、利用規約を定めた上で利用規約についてはXさんの判断で必要に応じて変えられるという規定を入れておくことで、合理的な内容の変更であれば利用規約の変更により全ユーザーまとめて内容を変更することができます。

 

③ 交渉時間を削減でき、取引の管理コストを軽減できる。

事前に利用規約を決めておかず、個々のユーザーと取引ごとに契約を締結する場合、取引ごとに各ユーザーと交渉の機会が発生してしまうことになります。
そして、取引やユーザーごとに契約内容修正のための交渉を行うと、その交渉に多大な時間を割かれてしまう恐れがあります。
また、取引やユーザーごとに権利義務の内容が異なってしまうことで、契約内容の個別管理が必要になり、管理コストが増大する可能性もあります。
しかし、利用規約を定めた上でそれに同意しない限り取引できないということとしておくことで、交渉時間や管理コストの削減ないし軽減をすることが可能です。

 

④ トラブル時、解決のための指針が明確になる。

現物を見ないで取引をするネットショップではありがちなことですが、アクセサリーを購入したBさんが、思っていたものと雰囲気が違うであるとか、色味が違うといったことで返品を要求してくるというような場合があります。
このようなトラブルについては、例えば、利用規約において返品できる場合を、パーツ欠損などサイト上の製品と形状において一致しない場合や顕著な傷が認められる場合等に限定し、それを示すことにより解決することができることも多いかと思われます。
つまり、何がどうなっている場合に返品をするかなどを決めておくことで対応することが明確になるメリットがあります。

このように不特定多数のユーザーと多数の取引を行ってい行くことが多いネットショップの運営にあたっては、上記のような利用規約のメリットが活かされやすいため、利用規約が用いられることが多いと考えられます。

 

利用規約の趣旨とメリットについて今回は記載させていただきましたが、いかがでしたでしょうか。
商取引を行う上で重要なのは法律や契約がどうなっているのか、をきちんと知ることです。
不要なトラブルに巻き込まれないためにも、是非法律面のケアもしていただけるとより質の高いネットショップ運営ができるかもしれません。

ネットショップを運営している方で、物流にお困りの方がいらっしゃれば、是非STOCKCREW サービスにお問い合わせください。

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この記事を書いた人

中村慶彦

中村慶彦