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通販ビジネス拡大のチャンスは「発送代行」にあり! 概要、メリット、費用などを完全解説
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物流の世界でクレームをゼロにするのは、ほぼ不可能と言ってよいでしょう。しかし、そのクレームに対してどのように対処するかで、顧客やステークホルダーからの評価は大きく分かれます。そこに企業の経営姿勢や本質が、如実に現れるからです。
今回は、そんな物流クレームの具体的な対処法と防止対策、さらに物流クレームへの向き合い方について解説します。
物流クレームは、放置しておくと物流企業や物流を委託している販売元企業に対してさまざまな悪影響を及ぼします。具体的には、以下のような悪影響が考えられます。
ちなみに、業務停止処分のリスクというのは、例えば自社や委託先のトラックが、交通法規を無視した運転や事故を繰り返したり、積載量をオーバーして走行したりといった違法行為や公序良俗に反する行為を行なっている場合などです。また、地域住民からのボイコットは、輸送トラックの排ガス、早朝や夜間など付近住民の生活時間帯を無視した騒音、不法投棄やゴミの不始末といった迷惑行為に起因する排斥運動などを指します。
現在はマスコミのみならず、個人によるSNSが社会的影響力を持つようになりました。クレームを引き起こす原因となった行為や発言などを証拠として映像や音声に収め、拡散される例も少なくありません。些細なクレームを無視し、これくらいは大丈夫と安易に考えていると、瞬く間にクレームの勢いが増す恐れがあります。やがては単なる謝罪では治まらず、取り返しのつかない事態に追い込まれる可能性すらある、ということを強く自覚しておく必要があるでしょう。
それではここから、物流クレームにはどのようなものがあるのか、その一部を具体的に見ていきましょう。物流クレームのパターンを事前に把握することで、対処方法を事前にマニュアル化し、早期の対応を行うことがクレーム対応の正しい対処の一助となります。
物流クレームの中でもっとも頻繁に寄せられるのが、配送の遅延に関するものです。これは単にクレーム件数が多いという問題にとどまらず、商品によっては配送の遅延が顧客に大きな経済的、社会的損失や心理的ストレスを招くケースもあるため深刻です。
原因がメーカーサイドにあるのか、出庫業務の遅れによるのか、あるいは運送会社の不手際や当日の渋滞にあるのか、正確に追求する必要があります。
遅延と並んで不満度の高い物流クレームとして、注文した商品と違うものが届いた、というものもあります。つまり誤出荷です。
これも原因を早急に究明しつつ、代替品を届けるのか、注文そのものをキャンセルするのか、顧客の意思を速やかに確認する必要があります。原因としては、受注の時点で勘違いがあったり、指示通りに物流倉庫でピッキングができていなかったり、別の顧客の荷物を誤配送した可能性もあります。誤配送の場合は、伝票の貼付ミスにより住所や氏名、商品の中身といった個人情報が漏洩するリスクもあるので、正確な原因究明と再発防止策を講じる必要があるでしょう。
商品の破損や故障も、クレーム対象になることが極めて多いです。原因としては、保管状態や梱包が不十分だった、配送の仕方に問題があった、出荷前の動作確認が不足していた、といったことが考えられます。
原因によって、倉庫会社、運送業者、メーカーと、責任の所在は異なってくるでしょう。いずれにしろ、返品・返金・交換、補償など、顧客の不満を解消・軽減するべく、早急に手を打つことが肝要です。
「インターホンを鳴らさずいきなりドアを叩かれて驚いた」「商品の扱いが雑、態度がふてぶてしくて不快だった」「置き配ではないのに、荷物を敷地内に放置していかれた」など、かなり細かいことも含めて、ドライバーに関するクレームは後を絶ちません。
ドライバーからすると、時間通りに配達したにも関わらず不在のため、再配達を余儀なくされてストレスを感じたり、インターホンの位置がわからなかったり、とそれなりに言い分があるかもしれません。その気持ちも汲みつつ、いかに上質なマナーを重視して配達するのか、的確なマニュアルの共有や研修・教育を通じてノウハウを浸透させていく必要があるでしょう。
続いては物流クレームに対する対処法について、さらに掘り下げていきましょう。クレーム対応は正しく・速やかに対処する必要があるため、事象を正しく把握し対処を行えるよう対処方法をマニュアル化するためにも、適切な対処法を確認しましょう。
すべての物流クレームに共通する対処法として、適切な初期対応が挙げられます。クレームは放置する時間が長いほど、激化、深刻化する傾向にあるからです。まず現場に駆けつけるか、遠距離であれば電話で直接話すなどして、こちらがクレームに対して何らかの対応をしようとしている姿、事実を表明することが大切です。
クレームの事象に対して事実確認を行います。いつ、どこで、何が、どうしたのか、そしていかなる損失や被害が生じたのかを明確に聴き取り、調査します。トラブルの直後というのは、とかくクレームの当事者が感情的になりがちです。怒りの感情がさらに怒りを呼び、あれもこれもと複数の不満を訴えてくるケースも少なくありません。
しかし、感情と事実を引き離し、クレームの本質がどこにあるかを明確にすることが非常に重要です。そして、クレームの原因となっている事象が本当に事実なのかを突き止めて、相手と共有することを目指しましょう。
上記の事実確認と同時に行うべきことは、責任の所在をはっきりすることです。あきらかに、自社やその関連企業に責任があるという場合もあれば、クレームに見えてじつは消費者側のミスや言い掛かりにすぎないというケースもあります。こじれるようなら、ここで警察や法律の専門家、保険会社など第三者に介入してもらった方が良い場合もあります。
自社側に責任があるとなれば、すみやかに謝罪をし、相手が納得する補償を考える必要があります。この対応が遅れると、クレームが激化する恐れがあるので要注意です。
ただし、自社に非がない所まで認めてしまうと、必要のない範囲にまで補償を求められることになりかねません。補償の線引きは慎重に行い、弁護士など専門家に意見を求めて対策を講じてもらうのが賢明です。
二度と同じような物流クレームが発生しないために、最大限の対策を講じる必要があります。そこで、効果的な対策法を4つ紹介しましょう。
物流では、業務フロー図と作業マニュアルは必須です。だれが、何を、どこで、いつ、なぜ、どのようにするのか、という5W1H をわかりやすくフロー図にして、その詳細をマニュアルにテキスト化しておきましょう。クレームになった事象については、改善策を反映した形でこれらをアップデートするようにします。
ただ、対策をアップデートする中で、マテハン機器やハンディーターミナル、WMS(倉庫管理システム)などの導入、梱包作業場の拡大といった、大掛かりなテコ入れや業務改革が必要となることがあります。その場合は、自社に合ったシステム開発とそれを実現するための人材や予算確保に努める必要があるでしょう。
業務フロー図とマニュアルを使って新人を含めた全社員に、社員教育や研修という形で同じノウハウを周知します。物流現場では、一部のベテラン社員に特定の業務が属人化することがよくあります。しかしそれでは、他の社員が対応できず、クレームを生む原因になりかねません。そのような事態を回避するためにも同じ情報や対策を共有し、業務の標準化を図る必要があります。
同じクレームが、翌日に別の場所で発生することも考えられます。よって、新たに採用したクレーム対策は、ただマニュアルを修正・追記したり、掲示板に貼って見ておくようにと指示するだけでは対策として不十分です。重要度の高いものほど、ことの経緯と対策法を極力迅速に、必ず口頭で伝えて理解したかどうかを確認する慎重さが求められます。
人は頭で理解したことを、行動に正しく反映できるかというと、一概にそうできるとは言いづらいものです。よって、すべての業務は全員が実際に行い、思い違いや勝手な解釈がないかを必ず複数の目で確認するようにしましょう。
物流クレームは、解決に至るまでに大変な思いをすることが少なくありません。しかし、長い目で見れば、自社や業界全体にとってプラスとなることが多いのも事実です。クレームの対策を考えることで、思わぬ大きな発展を生むきっかけになることもあるでしょう。逆にクレームアレルギーになって、避けることばかりを考え出すと、成長やイノベーションを阻む要因となりかねないため、かえって要注意です。
物流クレームに対しては、決して後ろ向きにならず、災い転じて福となす、と信じてポジティブな気持ちで向き合うことが何より大切でしょう。
ネットショップであれば、物流クレーム発生のリスクを抑える最善の方法は「発送代行」に物流業務をアウトソーシングすることです。発送代行全般についての紹介は、以下の記事をご参照ください。
物流クレームの対策に完璧はありません。時代の移り変わりと共にクレームの傾向が変化することもあるので、驕らず、気を抜かず、常に消費者のニーズを敏感かつ素直に察知する感覚を磨き続ける必要があるでしょう。
STOCKCREWでは物流現場・システムでミスを最小限にする運用と改善を日々徹底しています。私たちの物流現場とシステムについて是非お問い合わせください!