ネットショップを開設しよう!と思い立ったとき、真っ先に考えることは商品を”どこから仕入れるか”ということではないでしょうか?
現在はインターネットやスマートフォンの普及により、海外とのコミュニケーションも簡単にできるようなりました。そのため海外で自分の商品を作り販売することが比較的誰でも簡単にできる環境が整っています。例えば、自から企画した商品を海外工場で製造し、商社等を介さずECサイトを通じて直接消費者へ商品をお届けするDtoC (Direct-to-Consumer)というビジネスモデルも生まれています。
目次
商品を海外から輸入するためには?
では実際、みなさんが商品を海外で購入して日本に輸入する場合、何をする必要があるのでしょうか?
まずは海外から日本へ運ぶ”国際輸送”そして、日本の港に到着後は”輸入通関”が必要になります。ネットショップ運営に必要な業務を日々抱える中で、これらの国際輸送業務を自ら行うことは現実的な対応とは言えません。
これらの輸入通関や国際輸送の手配は物流会社にアウトソース(他社へ業務を委託する)ことが可能です。アウトソース検討のために物流会社に問合せしても内容が難しい、費用の内容がわからない……などわからないことが多く、決められないという事態になりかねません。
そこでここでは、国際輸送・輸入通関の基本用語とフローをご紹介します。まずは”国際輸送”の手段の1つ、コンテナ輸送の基本フローをご紹介します。
コンテナ輸送の種類 FCLとLCL
高速道路や港の近くで長方形の大きな箱を1度は見かけたことはあるのではないでしょうか?この箱=”コンテナ”に商品を積め、船で輸送することをコンテナ輸送と言います。コンテナにはサイズがあり、一般的には20フィートと40フィートという大きさで大別されます。それぞれのサイズ・容量は以下の通りです。
・20フィート:長さ5,898㎜x幅2,350㎜x高さ2,390㎜ 容積33.1㎥
・40フィート:長さ12,032㎜x幅2,350㎜x高さ2,390㎜ 容積67.6㎥
※サイズは内寸
そしてこのコンテナを利用して輸送する方法が「FCL」と「LCL」と言います。
FCLとは「Full Container Load」の略で、みなさんの商品だけでコンテナを独占して”貸切”の状態で輸送する方法になります。
一方LCLとは「Less than Container Load」の略で、商品の物量がコンテナ1本分に満たさない場合、他の商品と混載して運ぶ”相乗りタイプ”となります。
FCLとLCLの使い分けについては各種コスト計算の結果によるため、厳密には決まっておりません。
使い分けの1つの基準として、輸送対象物量がおおよそ7㎥上だった場合、FCL(20FTコンテナ)で運ぶことが多いです。7㎥より物量が少ない場合または重量が軽い商品を輸送したい場合にはLCLや航空輸送が選択肢の1つになります。
それではFCLとLCLそれぞれの輸送フローを紹介します。
FCLの海上輸出入フロー
- 現地工場でコンテナに積込後、出荷
- コンテナヤード(CY)へ貨物搬入
- 輸出申告
- 輸出許可
- 本船に積み込み
- 仕向地(ex日本)へ出航
- 本船着港
- CYへ貨物搬入
- 輸入申告
- 税関検査・輸入許可
- 指定場所(例:国内倉庫)へ輸送
何も入っていない空のコンテナを商品の生産工場へ運び、工場で出荷の積み込みを行います。工場から出発後、コンテナはコンテナヤード(CY)と呼ばれるコンテナを一時保管する港内の所定場所にて輸出申告され、輸出元の税関からの輸出許可を待ちます。輸出許可後はCYから移動され本船に積み込み、日本に向け出航となります。
LCLの海上輸出入フロー
- 現地工場から出荷
- コンテナフレートステーション(CFS)へ貨物搬入
- 輸出申告
- 輸出許可
- コンテナへバンニング
- CFSからCYへ輸送
- 本船に積み込み
- 仕向地(ex日本)へ出航
- 本船着港
- CYからCFSへ搬送
- CFSにてコンテナから荷降ろし
- 輸入申告
- 税関検査・輸入許可
- 配送車両に積み込み
- 指定場所(ex国内倉庫)へ配送
量の少ない商品は港内のコンテナフレイトステーション(CFS)と呼ばれる場所に集約されます。このCFSとは小口貨物を専用に扱う場所で通常はCYの近くに隣接されていることが多いです。ここで輸出申告がされ輸出元の税関からの輸出許可を待ちます。許可後は、複数荷主(=少量の荷物を海外へ出荷したい相乗り仲間)の商品を1つのコンテナへバンニング(コンテナへ積みこむ作業)さコンテナフレイトステーション(CFS)からCYへ移動され、その後本船に積み込み、日本に向け出航となります。
おわりに
コンテナ輸送か航空輸送か、コンテナの場合はFCLかLCLか…国際輸送にも種類があり、輸送したい商品の物量・重さにより手段も大きく異なります。また輸出元の国・地域によっても条件が異なるため最も費用対効果の高い輸送手段を提案できることが物流会社の力量と言っても過言ではありません。
国際輸送のアウトソーシングを検討する場合、まずはどの手段をなぜ選んだのかを物流会社に質問してみるのもいいかもしれません。STOCKCREWでは国際輸送にも提携しているので、お気軽にお問い合わせください。