少人数や個人でECサイトを運営していると、負担が大きい発送業務。そこで導入を検討したいのが「発送代行」です。本記事では、そもそも発送代行って何?といったところから、小規模ECサイトこそ発送代行に頼るべき理由、おすすめの業者などについて詳しく解説します。
目次
発送代行とは?
発送代行とは、自社で行っている発送業務を外部の専門業者に委託すること。発送業務には、商品の入庫から受注処理、ピッキング、梱包、配送手配などさまざまな業務が含まれます。発送代行を活用すれば、発送業務に使っていた人員や時間を、企業の売上や利益に直結するコア業務に充てられるのが大きなメリットです。
スタートアップや個人からもニーズが高い発送代行
近年進む消費行動のデジタル化を受け、規模の大小を問わず多くの企業がEC事業に参入。EC事業の成長段階で出荷数が少ないスタートアップや個人で営んでいる方からも、発送代行のニーズは高まっています。
小規模ECサイトこそ「発送代行」に頼るべき理由
「月に数千件の荷物を発送する規模でないと頼めないのでは…」と思われがちな発送代行ですが、発送代行業者によっては荷物1個から委託でき、単発の案件も相談可能です。むしろ限られた人員で事業を回していかなければならない小規模ECサイトこそ、業務の効率化は急務。発送業務によってコア業務が圧迫されているなら、いち早く取り入れたいサービスと言えるでしょう。
実はアウトソーシングしやすい発送業務
発送業務はお客様に商品を届ける重要な業務なので、手を抜けない一面があります。その一方で、決まった個数の荷物を、決まった場所に送る発送業務は、そのほとんどがマニュアルに沿って行うルーティーンワーク。実はアウトソーシングしやすい業務のひとつと言えます。
また発送業務は、費やした時間に対して成果や満足度が低い、いわばタイムパフォーマンス(タイパ)の悪い業務でもあります。それをアウトソーシングすることで、コスト削減や従業員の満足度向上にもつながります。
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発送代行でお願いできる業務内容
発送代行では、具体的にどのような業務を委託できるのでしょうか。以下で詳しく見ていきましょう。
■入庫
倉庫に運び込まれた商品の情報を記録し、特定の場所に保管する作業。これらの作業はシステム化されていることも多く、バーコードなどを使って効率的に作業が行われています。
■在庫管理
入庫・出荷による在庫の増減を記録し、管理する作業。倉庫内の在庫や作業状況をリアルタイムで把握できる物流管理システムを、サービス利用者に無償で提供している発送代行業者もあります。
■ピッキング
注文の入った商品を倉庫内から集める作業。人間に代わり倉庫内の商品を集める「ピッキングロボット」を導入している発送代行業者もあり、人間が作業するよりも正確かつスピーディな作業が期待できます。
■検品
ピッキングした商品に、破損・汚れ・欠陥がないかをチェックする作業。バーコードスキャン技術を活用し、精度の高い検品を効率的に行います。
■梱包
発送する商品を指定の緩衝材や梱包材で梱包する作業。梱包に要する資材調達も含まれます。発送代行業者によっては、ラッピングやシール貼り、チラシの同梱、梱包資材の指定といった、いわゆる「付帯業務」をオプションで代行してくれる場合もあります。
■出荷・発送
運送業者に商品の配送を依頼する作業。自社で発送を行う場合、運送業者が集荷に来てくれるまで従業員が待機する必要がありますが、発送代行を利用すればその必要がなくなります。
発送代行を利用する7つのメリット
小規模ECサイトの運営者にとって頼りになる発送代行。利用するメリットは以下のとおりです。
【1】売上に直結するコア業務に専念できる
冒頭でも述べたように、発送代行に関わる業務をすべて委託できるため、それまで発送業務に割いていた人員や時間を有効活用できるのが大きなメリット。ECサイト運営者なら、商品開発やマーケティング、販売企画、製造、顧客サービスなどのコア業務に専念でき、その結果売上アップや事業拡大を目指せます。
【2】スピード配送のニーズに応えられる
ネットショッピングが普及した昨今、注文した商品は翌日には届くのが当たり前と考えている消費者も多いでしょう。今や大手ECサイトに限らず、小規模ECサイト運営者にとっても商品配送のスピードアップは不可欠。発送代行業者は発送時間短縮のためにさまざまな工夫をしており、そうした消費者のニーズにも応えられます。
【3】発送ミスが減らせる
発送業務に追われて従業員に余裕がなくなってくると、商品のサイズや数量、お届け先などを誤ったり、同じお届け先に重複して商品を送ったりなどの発送ミスを起こしてしまいがちです。発送ミスは、お客様からの信頼を失うだけでなく、再配送による物流コストの増加にもつながることから、出来る限り避けなければいけません。発送のプロである発送代行業者に委託すれば、発送ミスを最小限に抑えることができます。
【4】物流コストを抑えられる
発送代行業者の多くは配送業者と法人契約を結んでいるので、1件あたりの配送料を抑えやすいのがメリット。適切な発送代行業者を選択すれば、発送業務の負担だけでなく、物流コストも抑えられます。
【5】出荷数の増減に対応しやすい
「セールやキャンペーン時は発送業務に追われ、ほかの仕事に手が回らない」「SNSで急に自社商品がバスって注文が殺到し、すぐに対応しきれずに出荷遅延を起こしてしまった」などというお悩みはないでしょうか。発送代行を利用すれば、そんな一時的な出荷量の大量増加にも対応可能です。
出荷量の増えるセール期などに期間限定でアルバイトを雇って対応している企業も多いようですが、求人を出しても思うように応募者が集まりにくいこともあるうえ、教育や採用にも時間とコストがかかりますよね。発送業務を委託することで、そうした時間やコストを大幅に削減できます。
【6】社内や自宅に保管スペースが不要になる
自社ECで取り扱う商品の数が増えると、社内の保管スペースが足りないという問題が浮上してきます。自宅を事務所として利用している個人事業主にとっては、プラベーススペースまで圧迫するようになると困り物ですよね。その点発送代行サービスを利用すると、自社で在庫を抱える必要がなく、保管スペースが不要になるのもメリットの一つです。
【7】初期費用を抑えてECサイトを開設できる
自社ECを立ち上げる場合、発送にあたる作業員の人件費や倉庫賃料など、大きな初期費用が必要になります。発送代行を利用すれば、こちらの初期費用を大幅に節約できます。
発送代行を利用するデメリットも知っておこう
発送代行には多くのメリットがありますが、もちろんデメリットも潜んでいます。デメリットも正しく理解したうえで、発送代行の利用を検討しましょう。
【1】個人情報流出のリスクが高まる
自社のみで発送業務を行っていれば、顧客の個人情報が外部に洩れるということは考えにくいでしょう。しかし発送代行を依頼する際には、顧客の個人情報を共有する必要があります。そのため、情報流出のリスクはどうしても上がってしまいます。発送代行を依頼する際には、どのような個人情報管理を行っているか、あらかじめ確認しておくことが大切です。
【2】自社に物流ノウハウが蓄積されない
ECサイト立ち上げ時から発送代行を利用すれば、発送ミスは最小限に抑えられますが、当然のことながら、そのノウハウは社内に蓄積されません。自社で発送業務を行うことになった場合、これまで以上にコストがかかったり、発送ミスが増えたりする恐れがあります。将来的に自社での発送を検討している場合は、デメリットになると言えるでしょう。
【3】顧客の要望に合わせた柔軟な対応が難しい
発送代行を利用することにより、これまでの柔軟な対応が難しくなることもデメリットです。たとえば「追加で注文したものも一緒に送ってほしい」「相手が不在になるから、発送を一旦保留にして欲しい」などといった要望に応えられなくなり、顧客の満足度が低下する恐れがあります。
発送代行を頼むときの費用相場はいくら?
発送代行を利用してみたいけれど、「費用はいったいいくらかかるんだろう?」「自社が導入してやっていけるんだろうか…」と、お金の心配が頭に浮かぶ方も多いはず。ここでは、発送代行を利用する際にかかる費用の内訳や費用相場を見ていきましょう。
■初期費用
発送代行の利用を開始する際に必要となるのが「初期費用」です。この費用には、発送代行業者のシステムと自社ECを連携させるための費用や、商品の登録や発送ルールの設定など、契約締結に伴う事務手続きの費用などが含まれます。スタートアップ企業や個人事業主などが利用する場合の初期費用の相場は、0~数万円となっています。
■月額費用
契約したあとに、月々支払う費用のことです。費用の内訳は、以下のとおりです。
①基本料金(事務管理費用・システム利用料)/30,000~50,000円
②入庫費用/30~150円/1箱あたり
③保管費用(倉庫費用)/4,000~7,000円/1坪あたり
④検品費用・ピッキング費用/10~30円/1品あたり
⑤梱包費用/100~500円/1品あたり
⑥発送費用/400円/1箱あたり60サイズ、600円/1箱あたり120サイズ
月額費用は、基本料金と呼ばれる「固定費」と、物量によって代わる「変動費」の2つに分けられます。①は固定費、②~⑥は変動費になります。
■その他の費用
初期費用や月額費用以外にも、思わぬところで費用が発生する場合があります。たとえば、返品が発生したときの処理費や、発送代行のシステムのバージョンアップに伴う費用、特別な梱包が必要な商品に対する追加料金などです。契約時に明確になっていないこともあるため、事前に発送代行業者にしっかり確認しましょう。
小規模ECサイト向けの発送代行業者を選ぶときのポイント
たくさんの発送代行業者がある中で、「どう選べばいいか迷ってしまう」という方も多いようです。ここでは、小規模ECサイト向けの発送代行業者の選び方のポイントを伝授します。
■小ロットに対応しているかどうか
商品1つから委託できる発送業者もあります。最低ロット数や注意点などを確認しましょう。
■自社の商材に対応可能かどうか
たとえば化粧品なら、「化粧品製造許可」の免許を持った業者でなければ保管や発送業務は依頼できません。また冷凍・冷蔵食品などでしたら、24時間温度管理ができる設備が整っている業者であることは必須条件です。気になる業者があったら、まずは自社の商品に対応しているかどうかを確認する必要があります。
■サービスの提供価格はどうか
業者ごとに料金体系や必要な経費が異なるため、複数の業者に見積もりを依頼して検討するのがおすすめです。注目すべきなのは、全体の見積もりではなく、特に自社が利用するサービスに対しての提供価格。自社の商材に適用される料金をしっかり吟味することが大切です。
■実績や評判はどうか
発送代行での業務実績や評判は、必ずチェックして選びましょう。特に初めて依頼する場合は、実績や評判の高い業者を選ぶと安心。業者によっては得意な商材やサイズがある場合もあるので、見積もりの際に確認してみましょう。
また倉庫の見学会を行っている業者もあるので、積極的に参加することをおすすめします。倉庫の雰囲気や設備、商品が入庫して出荷されるまでのオペレーション、スタッフの様子など実際に目で見て実感することは、業者を選ぶうえで重要な判断材料になるでしょう。
■サポート体制はきちんとしているか
導入後のサポート体制も、業者選びの重要なポイントです。サービスに関する不明点は気軽に問い合わせできるのかどうかや、商品発送におけるトラブル発生時の対処法などについてもしっかり確認しておきましょう。
■自社システムと連携できるかどうか
ECサイト運営の効率化を目指すなら、発送代行業者と自社システムとの連携性も見逃せないところ。なかでも、「API連携」ができるかは注目したいポイントです。APIとは、Application Programminng Interfaceの略で、異なるソフトウエア同士を連携されるシステムのこと。API連携ができると、みなさんのモールやカートと、業者のシステムが自動でデータを連携。みなさんが業者に連絡を入れなくても、商品は自動で発送される仕組みとなっています。
小ロットでも対応している発送代行業者5選
ここでは、小規模でも依頼可能な発送代行業者5社をピックアップし、それぞれの特徴を紹介します。自社にぴったりの業者を見つけたい方は、ぜひ参考にしてみてください。
【1】STOCK CREW
【注目ポイント】
・初期費用・月額固定費・システム利用料が0円
・業界一のロボット導入数で作業を効率化
・API連携で発送代行を完全自動化
株式会社STOCKCREW(ストッククルー)は、商品1点からでも、明日からでも始められる物流を目指し、発行代行サービスを提供している会社。初期費用や固定費は0円、サービスを利用した分だけ支払う完全従量課金制だから手軽にサービスが利用できます。さらにサービス利用者には、物流管理システムも無料で提供しているのも特徴。スタートアップ企業や個人事業主から高く支持され、導入実績は600社を超えます。
倉庫内のピッキングには、自律歩行型のロボット(AMR)を90台導入。物流業界では断トツのロボットの導入数によって、省力化や省人化を達成しながら、より高度で正確な作業を実現しています。
また「Shopify」や「BASE」などの主要なECモールとAPI連携をすることにより、発送業務だけでなく、受注から発送までの作業を完全自動化しているのも特徴。保管から出荷までをAIが管理しており、作業の進捗状況をリアルタイムで把握できるなど、革新的な物流サービスを提供しています。
【2】ロジモプロ
【注目ポイント】
・15年以上培ってきた通販物流のノウハウ
・初期費用・月額固定費0円の従量課金制
・手厚いサポート
ロジモプロは、15年以上も通販物流を手掛けてきた株式会社清長が運営している発送代行業者。中小規模のECサイトを対象としており、商品1点からでも委託が可能です。
初期登録費用やシステム利用などによる月額固定費は0円。サービスを利用した分だけ支払う従量課金制になっていて、無駄なコストが発生しません。
在庫管理から発送までWEB上で完結させられるため、ECサイトの運営の効率化が図れます。
また顧客に合わせたオプションサービスが充実。ギフトラッピングや緩衝材による梱包を指定できたり、FBA納品代行サービスが受けられたり、返品対応も依頼できたりするなど、自社ECに合わせたさまざまなオプションが選択可能です。
サービスで不明な点があれば、電話やメールのほかにWEB会議システムを使って問い合わせが可能。導入後のサポートが手厚いため、発送代行サービス初心者にもおすすめです。
【3】オープンロジ|株式会社オープンロジ
【注目ポイント】
・初期費用・月額固定費0円の従量課金制
・簡単登録でスピーディな導入が可能
・12,000社の豊富な導入実績
オープンロジ株式会社は、主にECサイトを運営している会社向けに、初期費用無料、固定費なしの従量課金制で、柔軟に拡張できる発送代行サービスを提供。独自の倉庫管理システムとAPI連携を用いて、全国70拠点の提携倉庫をネットワーク化することで、物流業務の効率化を実現しています。
リーズナブルな料金体系に加え、最短2分でWEBで簡単に登録ができ、スピーディに利用開始できるのも人気の秘密。スタートアップ企業から大手企業までさまざまな規模の企業に支持され、12,000社以上の導入実績を誇ります。
常温/定温/冷蔵・冷凍の三温度帯に対応可能なほか、アパレル、化粧品、大型商材など幅広い商材に対応。世界120か国への海外発送にも対応しています。
【4】ウルロジ
【注目ポイント】
・梱包資材費みの配送料が350円
・独自の倉庫管理システムで手間とコストを削減
・ECサイトの集客力を高めるPRや制作などにも対応
ウルロジは、中小規模のECサイト向けにサービスを提供する発送代行業者です。独自の倉庫管理システム「WMSシステム(Warehouse Management System)」を活用し、入荷から発送業務までのすべての物流プロセスをオンラインで一元管理。発送業務の効率化と自動化を図り、EC事業者の業務負担を軽減します。
荷物は1つからでも委託可能。梱包資材費込みの配送料が350円という低価格設定も大きな魅力です。
ウルロジを運営するディーエムソリューションズは、インターネット事業やDM(ダイレクトメール)事業なども手掛けていることから、それらのノウハウを活用して企業の発展も応援。ECサイトの集客で悩む企業には、SEO対策やWebマーケティングを通じた効果的なコンテンツを提案したり、DM制作・発送なども行ったりなどして、商品やサービスの購買促進につなげます。
国境を超えて販売を行う「越境EC」の物流業務も代行可能。販路拡大として越境ECを検討している企業や個人事業主の方におすすめです。
【5】クラウドロジ
【注目ポイント】
・ポストインサイズに強い
・出荷実績400万件/年以上(2020年実績)
・API連携により、発送業務を大幅に効率化・自動化
クラウドロジは、サブスク・リピート通販・D2C企業向けに倉庫と倉庫管理システム(WMS)をセットで提供する物流サービスです。
入庫から出荷までのあらゆる業務を、アナログなやりとりなしにオンラインで完結。D2C物流でニーズの高いポストインサイズに強く、化粧品や健康食品、ペットフードなどの発送を行いたい方にぴったりです。
専用資材やオリジナル資材の提案から、各商品ごとの配送方法の提案まで、ポストイン配送を最大活用するためのサポートが充実しています。
日々の業務はオンライン上で完結しますが、ECサイト運営ではお客様からの入電などにより、急な対応が必要になるケースもあります。そんなときは、電話・チャット・メールでスタッフが対応やサポートをしてくれるので、ECサイトを立ち上げたばかりのEC物流初心者の強い味方になってくれそうです。
まとめ
わずらわしい発送業務から解放してくれるだけでなく、発送ミスを防いだり、物流コストを削減できたりなど、ECサイト運営者にたくさんのメリットをもたらしてくれる発送代行。ぜひみなさんも活用してみませんか。
自社で発送した場合と発送代行をお願いした場合を比較して、「どちらが費用が安いか」「どちらがミスが少ないか」「会社の将来にとってどちらが得なのか」などの視点から検討してみましょう。
発送代行業者に相談する場合は、事前に費用面の緻密な計算は不要。まずは気軽に相談や見積もり依頼をしてみることをおすすめします。
STOCKCREWの発送代行サービス
STOCKCREWは650社以上のEC事業者向けに物流サービスを提供してまいりました。初期費用・固定費ゼロ円、システム利用料も無料のはじめやすい物流サービスです。まずは料金の確認からでもお気軽にお問い合わせください!