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物流に不可欠なEDIとは? 導入のメリットを詳しく解説!

物流に不可欠なEDIとは? 導入のメリットを詳しく解説!

物流需要がますます高まるなかにあって、業務効率化やヒューマンエラーの撲滅は、業界全体が解決すべき喫緊の課題です。そこで、物流業者間や荷主と物流業者の取引で欠かせない「EDI」。このEDIを利用すれば、迅速かつ正確な業務推進が可能になります。今回はEDIとは何かについて、基本的な仕組みや導入のメリットを詳しく解説します。

 

目次

EDIとは?どんなことができる?

EDIとは、「Electronic Data Interchange」の略で、「電子データ交換」のことです。物流業者間や荷主と物流業者の間では、日々膨大な量のデータがやり取りされています。

受注や発注、出荷と納品、そして請求に関するデータやそれに伴う帳票の発行、郵送など、その事務作業は膨大になります。これらをかつてのように電話やファックス、郵便で行っていたのでは、激増する物流需要に対応できないばかりでなく、業界全体に見られる慢性的人手不足を解決することは不可能です。

そこで、1990年代の後半より導入されるようになったのが、「EDI」です。上記の日常的なデータのやり取りをすべてオンライン処理する方法で、業者同士が相互に同じシステムを導入すれば、従来のような電話やファックス、郵便を使った事務作業が必要なくなります。

物流業界における標準EDIシステムは、UN/EDIFACT(United Nations/Electronic Data Interchange for Administration, Commerce and Transport)と呼ばれます。これは、国際標準化機構(ISO)が定めた規格であり、世界中の企業が採用しています。

UN/EDIFACTには、物流業界で使用される様々なトランザクション(注文、請求書、配送情報など)のためのさまざまなメッセージが用意されています。これにより、企業間のやり取りが円滑に行われ、時間とコストを節約できます。

 

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EDI導入でできること

繰り返しますが、EDIを活用すると、発注から納品、請求、支払いにいたる事務作業をデジタル化でき、取引先とのやり取りもすべてオンラインで完結します。

さらに倉庫業務では、WMS(倉庫管理システム)との併用により、在庫管理業務(商品の保管場所の把握、注文に応じたピッキング・検品、納品先ごとの仕分け、梱包など)との連携が可能になり、より精度の高いサービス提供が実現します。

例えば、メーカーが商品を倉庫会社に向けて出荷すれば、EDIによって商品名と数量、ロットナンバーなどが倉庫会社と共有できます。予定通り入庫できれば、その情報は倉庫会社からメーカーへ送られます。メーカーにユーザーから注文が入ると、その情報は倉庫会社に送られ、それと同時に出庫作業が開始されて、出庫が済めばその旨がメーカーに通知されるわけです。

これら一連の流れが迅速に行われることで、電話、ファックス、郵便といったアナログ業務から解放されます。トラブルの際も、業者間で同じ情報を共有しているため、原因の究明がしやすくなるでしょう。この業務効率化により、時間も手間もコストも大幅に削減できます。

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EDIの統一規格

EDIには、いくつかの規格がありますが、主流となるのは、「JTRN(ジェイトラン)」と「物流XML /EDI」で、そのほかに「JCA手順」「JX手順」という規格あります。

 

JTRN(ジェイトラン)

国内のおけるEDIの草分けとなったのが、「JTRN(ジェイトラン)」です。1996年に物流EDI推進委員会が開発し、無償提供を始めました。物流業界だけではなく、全産業で利用可能なため、広く普及していきます。

固定電話による専用回線やVAN(付加価値通信網)を使って通信を行うのが特徴です。コンピューターに受発注や出荷、納品データ、請求金額を入力・通信し合うことで、取引相手との間で同じデータが共有できます。これにより電話をかけたり、データをプリントアウトしてファックスや郵便で送ったりする必要はありません。

 

物流XML /EDI

JTRNは、事務作業を効率化したり軽減したりするには画期的でしたが、時を同じくして普及し始めたインターネットに対応したシステムではありません。そこで、2006年より物流EDIセンターを中心にJTRNの後継役として開発がスタートしたのが「物流XML /EDI」です。

物流XML /EDIは、ネット回線を使ってデータの送受信が行えるため、高速通信が可能です。しかも最近では、クラウドによる民間サービスが幅広く提供されるようになったので、サーバーを自社に設置する必要がなくベンダーのシステムが活用できるため、スピーディーかつ簡易的な導入が可能となっています。ソフトの改善によるアップデートにも自動対応できるため、常に最新のシステムが利用できる点も大きな魅力でしょう。

JTRNで行える業務は、ほぼすべて物流XML /EDIへと移行できるため、デバイスと通信環境さえ整えば、いつでも切り替えは可能です。

 

JCA手順

JCA手順は、JCAが策定した物流に関する手順書であり、物流管理に携わる企業間で共通の基準を設けることで、物流プロセスの効率化を図っています。

JCA手順は、物流業務全般に関するルールや手順を定めており、物流における基本的なフローを示す「共通フロー」と、物流における具体的な業務についての手順を示す「各種業務別手順」に分かれています。共通フローには、商品の入庫、在庫管理、出庫、配送などの基本的な流れが含まれ、各種業務別手順には、受発注、受発送業務、在庫管理業務、物流業務の効率化に関する手順が含まれます。

 

JX手順

JX手順はおもに、流通倉庫で行われるクロスドッキング業務の手順を定めており、流通BMSが採用しています。商品の入庫・仕分け・集約・出庫といったフローを効率化するためのルールや手順が示されています。具体的には、荷受・検品・仕分け・集約・出荷の各業務において、効率的な作業フローや品質管理の方法が定められています。

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2024年のINSネット終了に注意!

ISNネットのデジタル通信モードが、2024年をもってサービスが終了します。ISNネットは、NTT東西が、長きにわたって提供してきたISDN回線サービスで、一度に2回線を利用できるとあり、多くの企業で電話とファックスの併用に幅広く活用されてきました。しかし、インターネットの高速光通信への需要が高まったことから、NTTでは、固定電話網をIP網に切り替える方針を決定。2024年からその切り替え作業が順次行われ、2025年1月までに終了する予定です。

固定電話を単に音声通信(会話のみ)として利用しているユーザーには、ほぼ何も影響がありません。しかし、EDIのようにデータ通信に活用してきたユーザーは、上記のような事情によりISNネットの中でも「デジタル通信モード」が終了となるため、IP網への切り替え対応が迫られるのです。ただし、NTTとしては、切り替え後のINSネット上のデータ通信を、2027年ごろまでは提供し続けるとしています。

なお切り替えにあたって、室内工事は一切なく、通話料金も従来と変わりません。INSネットを利用しているかどうかは、請求書の内訳に「INS通信料」という項目があり、そこに金額が記載されているかを確認すればわかります。

 

EDIがもたらす3つのメリット

EDIの導入は正直ハードルが高いのですが、導入するメリットはいくつもあります。その中でもとくに大きいメリットを3つ紹介します。

 

ペーパーレス化の実現

事務作業のデジタル化は、ペーパレス化を促進します。その分コスト削減できるのはもちろんですが、長い目で見ると資源の無駄使いを軽減、ゴミの排出量の抑制にもつながります。紙データは紛失リスクがあり、問い合わせ等への確認作業に時間をとるうえ、保管スペースの確保も必要になってしまいます。こうした管理業務をなくせるメリットも少なくないでしょう。

 

ヒューマンエラーの減少による品質向上

紙中心のアナログな作業では、記入や書き写しの際にどうしても間違えてしまう可能性があります。もちろんパソコンへのデータ入力もミスが生じるリスクはありますが、紙作業の比ではありません。これにより発注や出荷ミス、誤配送が生じれば重大な信用問題に発展しかねないでしょう。

その点、EDIを導入すれば、ヒューマンエラーを減らせるので、サービス品質は間違いなく向上するでしょう」。業務のシステム化も進めやすく、紙作業に比べて業務が属人化する弊害も十分に抑えることができるでしょう。

 

競争力が向上

EDIを使うと、データは取引先ごとにすべて蓄積され、それらをもとに先の需要予測が立てやすくなります。

製造業では過不足なく製品製造ができ、かつ突然の需要増にも欠品を出さず、ある程度対応できるだけの在庫を保持しておくことが理想です。その体制を後押しする意味では、物流業者の果たす役割も非常に大きいといえるでしょう。そこでEDIにより正確な需要予測を立て、生産・出荷計画の最適化を図れれば、取引先とともに数多くの競合の中で競争力を発揮できるようになります。逆にこの能力に欠けるとなれば、自ずと淘汰される運命にあるといっても過言ではありません。

業界に関係なく、DX(デジタルトランスフォーメーション)への取り組みが本格化するなか、高品質のEDIの導入やサービスの向上は、物流企業にとって欠かせない任務と言えます。

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まとめ

EDIを導入すれば、業務効率化やサービス向上によるクライアントからの信用の獲得、さらに業界内における競争力の向上が、大いに期待できます。パソコンだけでなくタブレットでも使えるクラウドサービスが多数販売されているので、EDI導入環境のハードルはかなり下がっているのが現状です。

発送代行を行うSTOCKCREWでも、当然EDIを導入し、品質や競争力の向上に努めています。高品質で低価格な発送代行……少しでも興味がございましたら、お気軽にお問い合わせください。

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