Temuに出店する事業者の発送代行ガイド|受注取込・配送方法の固定・在庫連携の設定と注意点
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Temuに出店すると、注文が入るたびに自社で出荷の手配をする負担が出てきます。発送代行に任せたくても、「Temuの注文はどのタイミングで倉庫に届くのか」「配送方法や配送時間は指定できるのか」「在庫はどう合わせるのか」が分からないまま、導入に踏み切れない事業者も多いはずです。実は、Temuの受注には他のモールと違う前提がいくつかあります。本記事では、Temuの出店者が発送代行とAPI連携するときの実務を、設定の手順、受注取込の仕様、商品対応表と在庫連携、つまずきやすい場面、導入前の確認事項の順に整理します。ほかのモール・カートとの連携の全体像はECカートと発送代行のAPI連携とは、発送代行を選ぶ視点は発送代行おすすめ25選で扱っているため、ここではTemuの連携の仕様に絞ります。
Temuの出荷を発送代行に任せる前に知っておきたいこと
ネット通販の利用は、すでに暮らしの一部になっています。総務省の家計消費状況調査(2026年7月分)は、次のようにまとめています。
ネットショッピング利用世帯の割合は55.6%で、1年前に比べ2.4ポイントの低下
利用世帯の割合が横ばいから微減のなかでは、受注の増減に合わせて出荷を安定させることが、店舗の評価に直結します。荷物の数そのものは、高い水準です。国土交通省の取扱実績では、次のとおりです。
令和6年度の宅配便取扱個数は、50億3147万個で、前年度と比較して2414万個・約0.5%の増加となった。
受注が増えるほど、注文を1件ずつ手で倉庫に伝える運用は負担になります。API連携は、モールの受注と在庫を、システム同士で受け渡す仕組みです。Temuの市場への影響はTemuとは?EC・日本市場への影響2026年版、物流モデルの背景はTemuのEC物流モデルと日本EC事業者への影響で整理しています。
Temuの連携で自動になる3つのこと
STOCKCREWのヘルプでは、TemuとのAPI連携で使えるAPIを、次の3つとして案内しています。どれも約15分に1回のペースで自動的に連携します。
- 受注取込——Temu上の注文データを、SCシステムへ取り込みます。
- 配送実績反映——SCシステムの出荷実績を、Temuへ反映します。
- 在庫連携——SCシステムの在庫情報を、Temuへ反映します。
この3つがつながると、「注文が入る→倉庫が出荷する→Temuに発送済みと送り状番号が戻る」までが、人手を介さずに流れます。ほかのモール・カートで同じ連携を組む場合の例は、Qoo10のAPI連携で押さえる仕様、ショップサーブのAPI連携で押さえる仕様、ECカート別の発送代行連携を比較で見られます。
ここで1つ、押さえておきたい前提があります。API連携を始める前に、SCシステムに商品マスタ(商品の登録)が済んでいることです。ヘルプでは、モール側の商品マスタの情報は連携されないこと、商品の登録をする前にAPI連携をすると、受注は取り込まれても引当がされず、発送処理もされないことが案内されています。連携の設定より先に、商品の登録を終えておきます。
連携の設定は「Temu管理画面」と「SCシステム」の2段階
TemuとのAPI連携を設定すると、受注情報と在庫情報をSCシステムと自動で連携できます。設定は、Temu管理画面でSTOCKCREWアプリを認可してアクセストークンを取得し、SCシステムに登録するという2段階です。
設定前の前提:EC店舗の登録
API連携を始める前に、SCシステムに対象のEC店舗が登録されている必要があります。店舗が未登録の場合は、先に店舗設定から登録を済ませます。設定の作業に入る前に、店舗の登録が済んでいるかを確認します。
アクセストークンは1年で切れる
ヘルプには、アクセストークンの有効期限は1年間であり、期限が切れる前に手動で更新が必要と案内されています。更新日をカレンダーに入れておくと、期限切れによる連携の停止を防げます。連携が止まると、新しい注文が倉庫に届かなくなるため、大型セールの前に更新日を確認しておくと安心です。大型セール前の物流の考え方はEC出荷量の段階別物流設計で整理しています。
受注取込の仕様:取込条件・支払方法・配送方法・配送時間
Temuの受注は、SCシステムに取り込まれるときに、他のモールと違う扱いになる項目があります。STOCKCREWのヘルプ「API連携の仕様(Temu)」に載っている内容を、順に見ていきます。
| 項目 | 仕様 | 実務での注意 |
|---|---|---|
| 取込の間隔 | 約15分に1回、自動で連携 | 注文が入ってから、倉庫のシステムに届くまで最大で約15分の間隔がある |
| 取込対象 | 注文ステータスが「発送待ち」 | 保留中の注文は取り込まれない |
| 取得期間 | 取得時点から過去7日間 | 初回連携時は日時の条件なしで全件を取得 |
| 支払方法 | PPD(prepaid)のみ。「プラットフォーム決済」で固定 | 代金引換などは指定できない |
| 配送方法 | ヤマト宅急便に固定 | 変更は受注トリガ設定で行う |
| 配送時間 | 指定不可 | お客さまへ配送時間帯の指定を案内できない |
取込の対象は「発送待ち」の注文だけ
取り込まれるのは、Temuの注文ステータスが「発送待ち」のものです。次のステータスの注文は、取込の対象外です。
- 保留中
- キャンセル
- 発送済み
- 到着済み
- 一部発送済み
- 一部到着済み
取得の対象になる期間は、取得した時点から過去7日間の注文です。ただし、店舗を初めて連携するときは、日時の条件を付けず、全件が取得されます。連携を始めた直後に、想定より多い注文が一度に登録される点は、運用の準備として覚えておきます。
SC側への反映は、「登録」のみです。すでに登録済みの受注がある場合、更新は行われず、削除してから再び取り込む運用が前提になっています。Temu側で注文の内容が変わった場合の対処は、第5章で扱います。
支払方法は「プラットフォーム決済」に固定される
Temuから返ってくる支払方法はPPD(prepaid)のみで、他の支払方法は指定できません。SCシステム上では、PPDは「プラットフォーム決済」として固定で処理されます。他の支払方法は指定できないため、Temuの受注は、支払方法がプラットフォーム決済の注文として倉庫に届く前提で運用を組みます。
配送方法は「ヤマト宅急便」に固定される
Temu側からは配送方法の情報が返ってきません。そのため、SCシステム上では配送方法が「ヤマト宅急便」に固定されます。配送方法を変えたい場合は、受注トリガ設定で変更できると案内されています。別の配送方法で出したい注文がある場合は、受注トリガ設定で切り替えます。宅急便のサイズ区分は、ヤマト運輸の宅急便のサイズについてで確認できます。各社の宅配便のサイズ規格の違いは宅配便のサイズ規格の比較、ヤマト運輸のサービスと料金はヤマト運輸の配送サービスと料金で整理しています。
配送時間帯は指定できない
Temu側から配送時間の情報も返ってきません。そのため、配送時間帯の指定はできません。「午前中着」「夜の時間帯」のようなお届け時間の指定を、販売ページでお客さまに案内する運用は、Temuでは使えない前提で設計します。
商品対応表を登録して、在庫連携をつなぐ
受注取込のほかに、在庫連携と出荷実績の反映を動かすために必要なのが、商品対応表の登録です。商品対応表は、Temuの商品とSCシステムの商品を結びつける表です。ヘルプでは、在庫連携は事前に商品対応表の登録が必要と案内されています。
Temu管理画面でダウンロードするのは「商品ID」と「SKUID」
商品対応表の登録は、Temu管理画面でのデータのダウンロードから始まります。手順は次の流れです。
- 左側のメニューから、製品→商品の管理を開きます。
- 右上の商品管理ツールのメニューから、商品データをダウンロードを選びます。
- 「商品データ」グループの項目から、商品IDとSKUIDのみにチェックを付けます。
- 「ファイルをダウンロード」を押して、ファイルを保存します。
チェックを付ける項目は、商品IDとSKUIDの2つだけです。他の項目まで選ばないよう、注意します。SKUの考え方はSKUとは?EC在庫管理での意味・設定・活用法で整理しています。
SCシステムにアップロードして登録する
ダウンロードしたExcelファイルを、SCシステムに取り込みます。
- メインメニューの商品管理→商品対応表を開き、「新規作成」を押します。
- 店舗(ECサイト)の項目でTemuの店舗を選び、表示される「モール形式EXCELインポートフォーム」に、ダウンロードしたファイルをアップロードします。
- 「商品対応表CSV一括読み込み結果」の画面で、登録したい明細行の「登録」にチェックを入れます。
- 画面の下部にある「この内容で登録する」を押し、ポップアップで「OK」を押して完了します。
在庫連携が動く条件
在庫連携の対象は、次の商品です。商品対応表への登録が終わった商品で、在庫数が更新されたとき、または新規に登録されたときに、自動で在庫が連携されます。
- SCシステムの商品対応表に登録されている商品
- 前回の在庫更新日時より、在庫数が変動した商品
- 初回の連携の商品
在庫が合わないときは、商品対応表の登録漏れが原因になりやすいため、まず登録の有無を確認します。複数のモールで在庫を共有する場合は、複数ECモール同時出店の物流一元管理と在庫配分設計も参考になります。
連携が止まる・ずれるときの切り分け
連携が動き出してからのトラブルは、原因がある程度決まっています。Temuで起きやすい4つの場面を、症状と対処で整理します。
| 症状 | 確認すること | 対処 |
|---|---|---|
| 注文が倉庫に届かない | 注文ステータスが「発送待ち」か。アクセストークンが期限内か | 期限切れなら、トークンを更新して登録し直す |
| 受注は入ったが、出荷が進まない | 商品対応表に、その商品が登録されているか | 登録漏れの商品を、商品対応表に追加する |
| 出荷したのに、Temuが発送済みにならない | 連携から約15分が過ぎているか。受注の商品明細を削除していないか | 明細を削除した場合は、受注ごと削除して再取込を待つ |
| Temu側で修正した内容が反映されない | すでに登録済みの受注か | 登録済みの受注は更新されないため、削除して再取込する |
商品明細を削除すると、連携が切れる
最も注意したいのは、Temuから連携された受注の商品明細を、SCシステム上で削除しないことです。削除すると、Temuとの連携が切れ、出荷情報を連携できなくなります。誤って明細を削除した場合は、対象の受注そのものを削除し、Temuから受注が再び連携されるまで待ちます。
修正した注文は、削除してから取り込み直す
SC側への反映は「登録」のみで、登録済みの受注は更新されません。Temu側で注文を修正しても、すでに連携された受注には反映されないため、SCシステムで該当の受注を削除し、再び取り込む運用が前提になります。出荷の直前に注文が変わりやすい商品を扱う場合は、倉庫のカットオフ時刻と合わせて、修正の締め切りを決めておきます。
出荷実績は「発送済み」と送り状番号で戻る
倉庫で出荷された受注は、Temu SellerCenterの注文ステータスが「発送済み」に変わり、送り状番号(発送伝票番号)が反映されます。この反映も約15分に1回です。出荷してもすぐにTemu側へ反映されない時間帯があるため、お客さまからの問い合わせには、この間隔を踏まえて対応します。
Temuで連携を始める前のチェックリスト
ここまでの内容を、連携を始める前の確認事項にまとめます。商品の登録と、運用の前提の確認が中心です。
設定と運用の前提
- SCシステムに、Temuの店舗が登録されているか——未登録なら、店舗設定から先に登録します。
- 商品マスタの登録が済んでいるか——登録前にAPI連携をすると、受注は取り込まれても引当・発送がされません。
- 商品対応表を登録したか——Temuの商品IDとSKUIDをもとに登録します。
- アクセストークンの更新日を決めたか——有効期限は1年間で、手動の更新が必要です。
- 配送方法がヤマト宅急便で問題ないか——変えたい場合は、受注トリガ設定を検討します。
- 配送時間帯の指定ができない前提で販売しているか——販売ページの案内を見直します。
- 商品明細を削除しないルールを、担当者で共有したか——削除すると連携が切れます。
発送代行に預ける商品や、扱えない商品の範囲は、導入前に確認しておくと安心です。サービスの料金や扱える条件は、STOCKCREW完全ガイドで確認できます。複数のモールやカートで販売している場合は、ECカート別の発送代行連携を比較も確認します。
まとめ:Temuの連携は「発送待ち」と「配送方法の固定」を押さえる
Temuの発送代行連携で押さえておきたいのは、取り込まれるのは注文ステータスが「発送待ち」の受注だけであること、配送方法はヤマト宅急便に固定され、配送時間帯は指定できないこと、商品対応表を登録した商品だけが在庫連携の対象になることの3つです。連携は約15分に1回動き、アクセストークンの有効期限は1年間のため、更新日を決めておくと連携の停止を防げます。つまずきやすいのは、商品明細の削除と、登録済み受注の修正です。
発送代行の仕組みや業者の比べ方は発送代行おすすめ25選、物流全体の設計はEC物流完全ガイド、モール運営はネットショップの始め方、サービス内容はSTOCKCREW完全ガイドにまとめています。自社の商品数や出荷件数で費用を確かめたい場合はお問い合わせから、まずは情報を集めたい段階であれば資料ダウンロードをご利用ください。
よくある質問(FAQ)
Q. TemuとSTOCKCREWのAPI連携では、何が自動になりますか?
A. 受注取込、配送実績反映、在庫連携の3つが自動になります。どれも約15分に1回のペースで連携します。Temuの注文がSCシステムに取り込まれ、出荷後は注文ステータスの「発送済み」と送り状番号がTemuに反映されます。
Q. Temuのどの注文がSCシステムに取り込まれますか?
A. 注文ステータスが「発送待ち」の注文です。保留中、キャンセル、発送済み、到着済み、一部発送済み、一部到着済みの注文は取込の対象外です。取得の対象になるのは、取得した時点から過去7日間の注文で、店舗を初めて連携するときだけは、日時の条件なしで全件が取得されます。
Q. Temuの注文の配送方法や配送時間は、指定できますか?
A. 配送時間は指定できません。配送方法は、Temu側から情報が返らないため、SCシステム上でヤマト宅急便に固定されます。配送方法を変えたい場合は、受注トリガ設定で変更できます。
Q. アクセストークンの有効期限は、どのくらいですか?
A. 有効期限は1年間です。期限が切れる前に、手動で更新する必要があります。期限が切れると連携が止まるため、更新日をあらかじめ決めておくと安心です。
Q. 出荷したのに、Temuが「発送済み」になりません。どうすればよいですか?
A. 出荷実績の反映は約15分に1回のため、まず時間をおいて確認します。Temuから連携された受注の商品明細をSCシステム上で削除している場合は、連携が切れて出荷情報を連携できません。その場合は、対象の受注自体を削除し、Temuから受注が再び連携されるまで待ちます。
この記事の監修者
金子将大
株式会社KEYCREW ソリューション部門の責任者。大手ECプラットフォーム会社にてEC構築に関する開発・PM業務を7年間担当し、EC業界での豊富な技術知見を持つ。応用情報技術者・証券外務員2種の資格を保有。UIリニューアルやサービスリニューアルのプロジェクトマネジメント、Temu・ShopifyなどのEC外部API連携の新規開発・リプレイスを手がけてきた。クラウド環境のアプリログコストを60%程度削減するなどの技術的成果も上げている。KEYCREWではソリューション部門全体を統括し、技術で組織の仕組みを改善し、安定した運営と今後の成長につながる基盤づくりに注力。API連携・システム統合・EC自動化・DX推進に関する実践的な知見を記事に反映している。