借入ってどういうこと?〜ネットショップ運営で知っておきたいお金の話〜
ネットショップの運営で発送代行の利用は増加傾向にあります。発送業務の代行は品質も当然重要ではありますが、商品の仕入れ代と並んで大きなコストになる物流費を適正に管理したいという思いは強いかと思います。
今回はそんな発送代行の料金についてどのような料金体系があるのかを解説し、どのような費用項目で請求されるのかを解説していきます。
まずご紹介するのは今、もっとも増えている発送代行をメインにサービス提供をしている提供会社の料金体系です。発送代行サービスについては関連記事を載せておきますので、こちらからご確認ください。
発送代行サービスの料金は下のような費用項目で請求されるのが一般的で、また、初期費用・固定費がかからないサービスが多いというのも特徴です。参考に当社の料金表を載せておりますので、イメージを掴んでもらえればと思います。
1件1 点の発送費用と記載されている場合、以下の内容が含まれることが多いです。
サイズ | DMサイズ | コンパクト | 60サイズ | 80サイズ | 100サイズ |
相場の料金 | 300~350円 | 550~600円 | 600~700円 | 700~800円 | 800~900円 |
料金体系に記載されている費用としての2つ目は1件の受注での2点目以降のピッキング費用です。
次に保管費用ですが、大きく分けて二つの請求の仕方があります。
点数に基づく保管費用はサイズ別に1点1日から提示されます。この際、注意したいのが物流業界でよく使われる「三辺サイズの合計」という計算方法の落とし穴です。
例えば、同じ60サイズと言っても各辺の20cmの立方体と30cm*25cm*3cmのアパレルのような平たい商品ですと8000㎤と2150㎤と4倍近い差があります。ですので、三辺サイズの合計での保管料の請求は商品が立方体に近ければ近いほどお得になり、平たい商品では損をすることになります。
サイズ | DMサイズ | 60サイズ | 80サイズ | 100サイズ |
相場の料金 | 0.3~0.5円 | 0.7~1円 | 2円~3円 | 4円~5円 |
発送代行サービス会社の料金表の特徴は以下の通りです。
注意すべき点としては、わかりやすい料金体系であるが故に、平均的な商品や販売手法ではない場合に割高になる傾向があります。例としてはアパレル商材などは保管料が高くなりますし、配送料も全国一律というメリットがある一方で商圏が都市圏に偏っている場合は割高になります。
次に倉庫・物流会社の料金体系を見ていきます。厳密に発送代行サービスと倉庫・物流会社を区分けるものがあるわけではないですが、一番大きく差が出るのがこの料金体系になります。
倉庫・物流会社の料金体系は発送代行サービスと比較すると「単位別に細かい」とい傾向があります。実際に行う業務は発送代行サービスと同じであり、単純に見せ方に違いがあると理解頂ければと思います。以下に倉庫・物流会社の提出する見積書のイメージを記載しております。
大項目 | 小項目 | 単位 | 参考単価 |
入荷関連 | 入荷料金 | 点/ケース | 10円/100円 |
入荷検品料金 | 点 | 10円 | |
出荷関連 | ピッキング費用 | 点 | 20~30円 |
梱包費用 | 件 | 50~150円 | |
梱包資材費 | 件 | 20~100円 | |
納品書同梱 | 件 | 5円~20円 | |
配送関連 | ヤマト便配送費用(地帯別) | 件 | 関東→関東 450~550円 |
佐川便配送費用(地帯別) | 件 | ||
日本郵便配送費用(地帯別) | 件 | ||
保管費用 | 坪 | 坪/月 | 5000~7000円 |
パレット | パレット/月 | 2000~3000円 | |
棚 | 棚/月 | 2000~3000円 | |
システム関連 | WMS利用料 | 月額 | 10000円~30000円 |
入荷料金はケースか点数に対して課金されます。これは実際の商材によって変わってくるのですが、化粧品やサプリなどのメーカーの納品精度が高い場合には外装検品と呼べれる箱を開けない形での検品を行い、その場合はケースで課金し、アパレルや雑貨などの生産工程で生産量にばらつきが生まれやすい商材については点数で行われる傾向があります。
ピッキング費用は見積書では1項目にしておりますが、サイズ別や商材別に設定されることもあります。特に取扱SKU数が多い場合にピッキング費用は高くなっていく傾向があるので要注意です。
梱包費用はピッキング費用に含まれる場合もあります。通販の出荷では梱包作業の工程が多くなることが多く別項目として請求されるケースが多いように感じます。作業内容としてはピッキングで集品した商品を発送用の資材に梱包し、送り状を貼付する作業に当たります。
配送費用は全国一律ではなく、サイズ別・地帯別に設定されるケースが多いです。特に店舗や拠点への出荷が多く任意の地域に発送することを前提としている場合は地帯別になります。
発送地域が予め把握できるような場合は全国一律よりも相対的に安価になります。
保管費用は使用面積に基づいて請求されます。保管の単位は以下の三つになります。
請求の仕方は日割り計算や月額、三期制など様々です。こちらについては関連記事にて詳細に説明していますので、ご確認ください。
倉庫・物流会社の料金体系の特徴をまとめると以下の通りになります。
この料金体系のメリットは実際の業務と単価の関係を把握しやすく料金の透明性が高いことです。一方で内容が細かいために物流について詳しくないと思い違いや認識違いが起こりやすく思わぬ物流費が発生してしまう可能性があります。
特に配送サイズや保管形態については倉庫現場での運用方法に依存する部分が多く、誤解が生じやすい項目なので一層注意が必要です。
最後に納品代行会社の料金体系についても説明しておきます。納品代行会社は今まで説明した発送代行や倉庫・物流会社とは異なり、直接消費者に届ける通販の物流ではなく、FBAやRSLに納品代行することをメインにサービス提供している会社になります。そのため、荷動きが点数単位ではなくケース単位での請求単位になることが一般的です。
大項目 | 小項目 | 単位 | 参考単価 |
入荷関連 | 入荷料金 | 点/ケース | 10円/100円 |
入荷検品料金 | 点 | 10円 | |
出荷関連 | ピッキング費用 | 点 | 10~20円 |
出荷費用 | 件 | 100~200円 | |
配送関連 | 配送料 | 件 | 拠点別 |
保管費用 | 坪 | 坪/月 | 5000~7000円 |
パレット | パレット/月 | 2000~3000円 | |
棚 | 棚/月 | 2000~3000円 |
納品代行の入荷費用は点数単位・ケース単位で請求されます。海外でFBAラベルが貼付されていて流通加工が必要のない場合などは特にケース単位での請求になります。倉庫内で流通加工が必要であり、セット組やシール貼付が必要になる場合には点数での請求対象になります。
出荷費用は点数単位・ケース単位で行われますが、点数単位で行われた場合でもネットショップでの発送費用と比較すると安価な料金設定がされている場合が多いです。これは配送先がランダムに複数なネットショップでの発送業務と比較して納品代行の発送業務では特定の拠点への出荷を前提としているために業務工数が少ないことが関係しています。
保管費用は坪・パレット・棚で請求されます。基本的には倉庫・物流会社の保管と同じ内容になりますが、納品代行では納品スケジュールが決まっている場合が多く、保管を目的せずあくまでも流通加工を目的としていることから保管料が相対的に安価に設定される傾向があります。
納品代行を利用する際の目的は発送業務よりも流通加工業務にある場合が多いです。FBAやRSLの納品には厳格な納品ルールがあり、海外で対応できないような流通加工を国内倉庫で行うといった場合に利用されます。
FBA納品ではシール貼付や袋入れが納品時に必須の業務になることが多く、そうした際に利用されます。付帯作業・流通加工の内容については関連記事で紹介していますので、そちらを確認してください。
納品代行会社の料金体系の特徴は以下の通りです。
ネットショップ運営をしていて同時に納品代行も利用したいというニーズは多いと思います。そうした際に実はネットショップの発送代行を行う会社でFBA納品を行うように専業の納品代行を利用した方がトータルでコストが安くなるということもあります。一方で拠点間の輸送に追加のコストが発生しますので在庫コントロールを正確に行えないと無駄なコストが発生する原因にもなります。
ここまで発送代行の料金体系について説明してきました。あくまでも料金体系であり、安い、高いの内容ではありませんが、それぞれの料金に得意不得意があり、商材や販売計画にフィットした料金を利用できるかということがとても重要になります。自社の商材がアパレルなのか化粧品なのか、或いは、サプリなのか、ということでも変わってきますし、モール納品なのか、自社ネットショップなのかということでも変わってきます。
場合によっては複数のサービスを使い分けることでコスト削減を行うこともできます。
あくまでも基本的な情報ですので、なかには複数の料金体系を提示する会社もありますので、起用を検討する際には自社の商品にとって最適な料金をしっかりと見定めて頂ければと思います。
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