日本の物流企業ランキング7選|売上高・海外展開・事業特性を徹底比較

日本の輸出入総額は180兆円に迫り、国家予算の約1.8倍に相当する規模に達しています。この巨大な経済活動を陰で支えるのが物流企業です。国内の大手物流企業は、DHL・FedEx・UPSといった世界の名だたるインテグレーターに対抗し、積極的に海外展開を推し進めています。

本記事では、日本を代表する物流企業7社を売上高順のランキング形式で紹介し、各社の海外展開戦略と事業特性を比較します。さらに、物流企業の海外展開が進む背景、2024年問題後の業界構造変化、EC事業者との接点まで、物流業界を立体的に理解できる情報を提供します。発送代行の仕組みと費用を解説した完全ガイドと合わせてご活用ください。

物流企業の海外展開が進む3つの背景

荷主企業の海外進出 生産・販売拠点の国外移転に伴い 現地物流・3PLニーズが急増 特にアジア圏での需要が顕著 日本流サービスの輸出 時間厳守・誤配送の少なさ きめ細かい物流品質が世界で高評価 ノウハウの海外展開で収益拡大 国内市場の縮小 人口減少に伴う国内需要の頭打ち M&Aを含む海外拠点の充実 中長期の成長戦略として推進

荷主企業のグローバルサプライチェーン構築

荷主企業が生産拠点や販売拠点を国外に移転する動きに伴い、現地での保管、荷役、流通加工、包装といった総合的な物流機能へのニーズが急速に増加しました。特に中国をはじめとするアジア圏での物流需要の高まりは顕著で、原料調達から生産、販売、消費までを現地で完結させるグローバルサプライチェーンの構築が、荷主企業の急務となっています。その物流基盤を提供する役割として、国内の大手物流企業への期待が高まったのです。

日本流ロジスティクスの国際競争力

時間に正確、誤配送が極めて少ない、小回りが効く、作業が丁寧――日本の物流サービスの品質は世界でも非常に高く評価されています。このサービスとノウハウを国外に輸出し、大幅な収益増を狙う戦略として、大手を中心に海外展開が加速しました。ピッキング精度の高さに代表される日本の物流品質は、海外市場でも差別化要因になっています。

国内人口減少への中長期対応

日本の人口減少は今後、世界に類を見ない速度で進行します。国内物流需要の長期的な縮小を見越し、M&Aも含めた海外拠点の充実が物流業界全体の中長期戦略となっています。

日本の物流企業ランキング7選(売上高順)

日本を代表する物流企業7社を、売上高(営業収益)の大きい順に紹介します。各社の有価証券報告書に基づく数値です。

日本の主要物流企業 売上高ランキング # 企業名 営業収益 主な事業 海外展開 1 日本郵政(郵便物流事業) 約2兆円 郵便・国際物流 50カ国1,200拠点 2 日本郵船 約2.3兆円 海運・物流・航空 47カ国595拠点 3 ヤマトホールディングス 約1.8兆円 宅配・国際物流 25の国と地域 4 NIPPON EXPRESS HD 約1.8兆円 総合物流・3PL 49カ国739拠点 5 SGホールディングス 約1.5兆円 宅配・ロジスティクス 30の国と地域 6 商船三井 約1.3兆円 海運(バルク・タンカー) 120カ国以上 7 川崎汽船 約7,600億円 海運・フォワーディング グローバル展開 ※各社の有価証券報告書を参考。最新の数値は各社IR情報をご確認ください

1位:日本郵政グループ

日本郵政グループの郵便・物流事業の営業収益は約2兆円。うち国際物流事業が約40%を占めます。2009年にオーストラリア最大の国際物流企業「トールグループ」を6,200億円で買収し、現在は世界50カ国・1,200拠点でフォワーディングやロジスティクスサービスを展開。子会社「JPトールロジスティクス」を通じて、国内外を問わずあらゆる物流ニーズに応えるソリューションサービスを提供しています。日本郵便は国内の郵便ネットワークを活かしたEC物流にも注力しており、「ゆうパケット」などの小型配送サービスはEC事業者にとって身近な配送手段です。

2位:日本郵船

営業収益約2.3兆円。物流事業(約8,500億円)と不定期専用船事業(約9,700億円)が二大セグメントです。世界47カ国・595拠点で事業展開し、社員の40%が海外勤務経験者という国際色の濃い企業です。日本郵船、商船三井、川崎汽船の3社で定期コンテナ船事業を統合した「Ocean Network Express(ONE)」は世界6位の船隊規模を誇ります。

3位:ヤマトホールディングス

営業収益約1.8兆円。ヤマト運輸ブランドの宅配便は国内シェアトップクラスです。海外では国際航空貨物、国際海上貨物、国際宅急便の3セグメントで事業展開し、25の国と地域を拠点に世界200以上の国・地域へラストワンマイルまでの配送を行っています。EC物流においてはクロネコゆうパケット(旧ネコポス)や宅急便コンパクトなど小型商品向けサービスも充実しており、2024年4月にはネコポスからクロネコゆうパケットへの移行を完了。日本郵便との連携により、ポスト投函型の小型配送サービスを強化しています。

4位:NIPPON EXPRESSホールディングス

営業収益約1.8兆円。日本通運ブランドで知られる総合物流企業で、世界49カ国・312都市・739拠点で事業展開しています。1,000路線以上の国際航空輸送、独自コンテナによる国際海上輸送、航空・船舶・鉄道・トラックを組み合わせた国際複合輸送に加え、グローバルサプライチェーンの構築・運営を支援するコンサルティングサービスも提供しています。

5位:SGホールディングス

営業収益約1.5兆円。佐川急便ブランドの宅配便でヤマトと双璧をなす存在です。海外では30の国と地域で保管・検品・流通加工を含むロジスティクス事業を展開し、「国際飛脚宅急便」として世界220以上の国・地域へのラストワンマイル配送を行っています。近年はEC事業者向けの法人向け宅配サービスを強化しており、佐川急便の飛脚宅配便は大口契約による割引率が高いことから、発送代行業者が配送キャリアとして採用するケースも多くあります。

6位:商船三井

営業収益約1.3兆円。ドライバルク船(鉄鉱石・石炭・穀物)、油送船(原油・石油製品)、LNG船、自動車船など多様な船種を運航する海運大手です。前述のONEを通じて世界120カ国以上との輸送ネットワークを有し、カーボンニュートラル推進にも積極的に取り組んでいます。

7位:川崎汽船

営業収益約7,600億円。海上貨物輸送をメイン事業としつつ、航空・海上貨物のフォワーディング、陸上輸送、倉庫・貨物混載事業にも注力しています。カーボンニュートラル推進事業やLNG燃料事業など、脱炭素社会に向けた新規ビジネスの開拓も進めています。

物流企業を取り巻く構造変化と2024年問題

物流企業を取り巻く3つの構造変化 2024年問題 ドライバーの時間外労働規制 → 輸送能力の構造的不足 地政学リスク サプライチェーンの分断 → 物流ルート・コストの変動 燃料・コスト高騰 航空・船舶・車両の燃料高 → 利益率の圧迫

2024年問題の影響

2024年4月のドライバー時間外労働規制は、国内物流企業に構造的な変化を迫っています。国土交通省の試算では2030年度に全国の荷物の約35%が運べなくなるリスクが指摘されており、輸送能力の不足を補うための対策が急務です。倉庫内の自動化投資、モーダルシフト(トラック→鉄道・船舶への転換)、共同配送の推進が加速しており、大手物流企業はAMRや自動梱包機への設備投資を進めています。物流倉庫の建設ラッシュについて解説した記事でも、この投資加速の背景を詳しく紹介しています。

地政学リスクとサプライチェーンの再編

ロシア・ウクライナ情勢や中東の紛争に起因するサプライチェーンの分断は、航路の変更、燃料価格の高騰、保険料の上昇など、物流企業のコスト構造に直接的な影響を与えています。スエズ運河やパナマ運河の通航リスクの高まりにより、迂回ルートを取らざるを得ないケースも増えており、海運大手(日本郵船・商船三井・川崎汽船)の輸送コストは変動幅が大きくなっています。海外に生産拠点を置いていた荷主企業が国内回帰を検討する動きもあり、物流企業は戦略の柔軟な見直しを迫られています。

EC市場の拡大と物流のDX

EC市場の拡大に伴い、BtoC物流の件数は増加の一途をたどっています。ヤマトやSGホールディングスといった宅配大手にとって、EC物流は今後も成長が見込める事業領域です。一方で、多品種少量・個別対応が求められるEC物流は労働集約度が高く、人手不足の影響を最も受けやすい領域でもあります。この課題を解決するためにWMS(倉庫管理システム)やAMR(自律走行ロボット)の導入が急速に進んでおり、物流DX(デジタルトランスフォーメーション)は業界全体の最重要テーマになっています。ピッキングの効率化戦略を解説した記事でも、テクノロジーによる物流現場の変革を紹介しています。

物流業界の将来展望

物流業界は今後5〜10年で、さらに大きな構造変化が予想されています。第一に、自動運転トラックの商用化が進めば、2024年問題の根本解決につながる可能性があります。すでに高速道路の一部区間で自動運転の実証実験が行われており、中長距離の幹線輸送から実用化が進む見込みです。第二に、ドローン配送の実用化が山間部や離島の物流課題を解決する可能性があります。第三に、物流データのオープン化・標準化が進むことで、荷主・倉庫・配送会社間のシームレスなデータ連携が実現し、サプライチェーン全体の可視性が飛躍的に向上するでしょう。

大手7社に限らず、物流業界全体がこうした技術革新の波の中にあります。EC事業者にとっては、これらの変化を見据えた上で、最新のテクノロジーとノウハウを持つ物流パートナーを選ぶことが、事業の持続的な成長に直結します。ロット管理と在庫管理の基礎を解説した記事も、在庫戦略の構築に参考にしてください。

EC事業者にとっての物流企業の選び方

大手物流企業 大量出荷・海外物流・ サプライチェーン構築に強み 月間数千件〜の大規模事業者向け EC特化型発送代行 ECカートとのAPI連携・ 小ロット対応・柔軟な流通加工 月間数十件〜数百件の中小事業者向け 選び方のポイント 事業規模と成長計画に合わせて 将来の販路拡大も見据えて選定 初期費用0円なら低リスクで開始可能

ランキングで紹介した7社は、いずれも売上高1兆円前後〜の大手物流企業です。これらの企業は大量の貨物を扱うBtoB物流や国際物流に強みを持っていますが、月間数十件〜数百件規模のEC事業者が直接取引するのは現実的ではないケースもあります。

中小EC事業者にはEC特化型の発送代行が最適解

中小規模のEC事業者にとっては、ECカートとのAPI連携、小ロット対応、柔軟な流通加工(チラシ同梱・ギフトラッピング等)に強みを持つ「EC特化型の発送代行サービス」が最適な選択肢です。大手物流企業の配送網を間接的に活用しつつ(発送代行業者はヤマト運輸や佐川急便と大口の法人契約を結んでいます)、EC事業に特化したきめ細かいサービスを受けられます。

STOCKCREWは楽天・Amazon・Shopify・BASEなど13以上のECプラットフォームとAPI連携済みで、初期費用・固定費・システム利用料はすべて0円の完全従量課金制です。1点から利用可能で、千葉の倉庫ではAMR100台以上が稼働し、大手物流企業に匹敵する出荷品質を中小EC事業者にも提供しています。

将来の越境ECも見据えた選定を

EC事業が成長し、海外への販路拡大を検討する段階になると、国際配送への対応力も物流パートナー選びの重要な基準になります。国内配送と越境EC配送を一つの倉庫から一元管理できる発送代行サービスなら、在庫の分散を防ぎながらスムーズに海外展開を進められます。海外発送代行サービスについて解説した記事ECモールの特徴を比較した記事も参考にしてください。

物流パートナー選びの実践的なステップ

物流パートナーの選定は、自社の事業規模、商品特性、成長計画の3つの軸で判断するのが効率的です。月間出荷件数が数千件を超える大規模事業者や、国際物流・サプライチェーン構築が必要な企業はランキング7社のような大手物流企業との直接取引が適しています。一方、月間数十件〜数百件規模のEC事業者は、まず初期費用・固定費0円で始められるEC特化型の発送代行を試し、事業の成長に合わせてサービスを拡張していくアプローチが合理的です。複数社から見積もりを取り、CPO(1注文あたりの総コスト)で比較した上で判断しましょう。発送代行の費用構造を解説した完全ガイドでは、コスト比較の考え方を詳しく紹介しています。

まとめ:日本の物流企業は世界で戦えるか

ランキング7社の事業セグメント分類 宅配・3PL型 ヤマト / SG / 日本通運 / 日本郵政 海運型 日本郵船 / 商船三井 / 川崎汽船 EC事業者との接点 → EC特化型発送代行が最適

日本の大手物流企業7社は、いずれも売上高数千億〜2兆円超の規模を誇り、海外数十カ国に拠点を展開するグローバルプレイヤーです。荷主企業の海外進出、日本流ロジスティクスの国際競争力、国内市場の縮小を背景に、海外展開はさらに加速していくでしょう。

一方で、2024年問題、地政学リスク、燃料・コスト高騰という3つの構造変化が、物流業界全体に戦略の見直しを迫っています。DHL、FedEx、UPSといった世界のインテグレーターに対抗するためには、日本流の品質の高さを武器にしつつ、テクノロジー投資と事業構造の変革を加速させる必要があります。

EC事業者にとっては、こうした大手物流企業の動向を理解した上で、自社の事業規模と成長計画に合った物流パートナーを選ぶことが重要です。大量出荷や国際物流を必要とする大規模事業者にはランキング7社のような大手物流企業が適していますが、月間数十件〜数百件規模の中小EC事業者には、大手物流企業の配送網を間接活用しつつEC特化型のきめ細かいサービスを提供する発送代行が最適な選択肢です。物流パートナーの選択が、EC事業の成長速度と競争力を左右する重要な経営判断となっています。

STOCKCREWのサービス内容・料金・導入方法を解説した完全ガイドも参考に、まずは無料の資料ダウンロードから、またはお問い合わせからお気軽にご相談ください。