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静脈物流とは?その種類や動脈物流との違いなどを紹介

静脈物流とは?その種類や動脈物流との違いなどを紹介

物流と一口で言ってもさまざまな種類があります。例えば、「静脈物流」や「動脈物流」など物流の目的によって名称が変わります。本記事では消費者側からのアクションで始まる「静脈物流」の仕組みや「静脈物流」と動脈物流を含む、他物流の違いについて詳しく解説します。

 

目次

静脈物流とは?血液の流れと関係?

静脈物流とは「物流システム」の概念のひとつで、本来の流通の作業工程とは異なり、消費者側からのアクションによって作業が開始される物流のことです。

静脈物流は、物流を血液の循環に例えられ、体の末端から心臓に向けて流れる血液が静脈物流の過程に似ていることから生まれた言葉です。英語では「Venous Physical Distribution」とも呼ばれます。この場合、体の末端は「消費者」で、心臓は「製造元」がイメージされています。例えば、商品の返品依頼の回収や、使わなくなった資材の回収などが静脈物流です。

ほかにも、本来の流通とは真逆の物流であることから、「還元物流」や「逆物流管理」などと呼ばれるケースもあります。また、静脈物流は地球上の資源を有効活用するために、欠かせない物流工程だと考えられています。その理由としては、物流を通じてリサイクル商品の回収が挙げられます。国全体で資源を有効活用するために、政府は静脈物流を推進しています。

例えば「家電リサイクル法(特定家庭用機器再商品化法)」では、一般家庭や事務所で使わなくなった家電製品(テレビ・エアコン・冷蔵庫など)は有用部品の回収やリサイクルを目的として、業者に回収・処分してもらう義務があります。「家電リサイクル法」に基づいて、小売業者や製造業者が依頼主から適切な場所に廃棄された家電製品を運搬します。

 

静脈物流の種類は3つ

次に静脈物流の種類を3つ紹介します。静脈物流の種類は以下の3種類があります。

  1. 返品物流
  2. 廃棄物流
  3. 回収物流

返品物流

返品物流は、消費者が購入した商品に不備や不良が発生した際に、消費者に一度届けた商品を回収する作業です。消費者側の誤注文・誤発注が原因で発生した返品物流は、返品時送料などの手数料は、消費者側の負担となるケースがほとんどです。

一方で、商品の不良など製造元・販売元が原因で発生した場合は、製造元・販売元が送料などを負担します。

廃棄物流

廃棄物流は、一般家庭などで発生した廃棄物を業者が回収する作業のことです。リサイクルできない廃棄物は、物流を通じて適切に処分しなければなりません。廃棄物流で回収するものには、「一般廃棄物」と「産業廃棄物」があります。東京都の場合は以下のように分類されます。

【廃棄物流で回収するもの】
「一般廃棄物」:家庭廃棄物(可燃ごみ・不燃ごみ・粗大ゴミ)・し尿など
「産業廃棄物」:事業活動に伴って発生した廃棄物のうち、法令で定める20種類

 

回収物流

回収物流は、消費者が使用し不要になった製品などを回収する作業です。リサイクル品として回収する製品は多種多様で、家電製品・家具などリサイクル回収対象であれば、業者が適切な処理場へ運搬します。また、前述した「家電リサイクル法」で回収した製品も回収物流の一種です。

 

静脈物流と動脈物流の違いとは

物流業界では、静脈物流の対義語として「動脈物流」があります。「動脈物流」は一般的な物流工程のことで、血液循環で心臓から体の末端にかけて流れる血液と似ていることが名前の由来です。一般的な物流工程は、以下の通りです。

  1. 調達
  2. 製造元
  3. 販売元
  4. 消費者

一般の物流工程では、材料を調達して製造元で製品が作られ、販売元を経由して消費者まで届きます。また、「動脈物流」には大きく分けると3種類の物流パターンがあります。

  1. 調達物流:最初の過程で材料を調達する物流
  2. 社内物流(生産物流):工場内など車内で製品を運搬する物流
  3. 販売物流:消費者まで届けるための物流

 

静脈物流と消費者物流の違いとは

「静脈物流」とは企業に対しての物流ではなく、消費者に対して物流を実施することを指します。この場合は、クライアント先が企業であるケースがほとんどです。しかし、「消費者物流」は、クライアント先が一般消費者である点に違いがあります。例えば、引っ越し会社など、消費者の家具や家電を運搬するサービスが挙げられます。

静脈物流の市場規模

環境省が発表した資料「循環型社会の構築に向けて」によると、環境産業が他の経済活動に与える金銭的影響は約169兆円で、このうち「廃棄物処理・資源有効利用分野」は83兆円であると記載しています。(平成24年時点)

したがって、静脈物流などの産業廃棄物処理やリサイクル市場は、他の経済にも大きな影響を与える市場規模だと言えます。

 

静脈物流システム

静脈物流システムとは、大都市圏における廃棄物・リサイクル施設の集中立地や、廃棄物処理施設間の連携をスムーズに取るための環境設備です。今後、リサイクル対象品目の増加や再生利用率の向上などの要因で、静脈物流の輸送量増加や、中長距離運搬が予想されます。そのため、行政と民間の連携や港湾施設の設備など、総合的な支援策が期待されています。

こうしたSDGsも含む取り組みに関しては環境省が「循環型社会の構築に向けて」という資料をまとめています。

 

静脈物流のサービス例

静脈物流の身近なサービスを紹介します。静脈物流は消費者から製品を回収したり、消費者側が返品したりする際の物流です。そのため、身近にはさまざまな静脈物流があります。静脈物流のサービス例として以下のようなものがあります。

  1. 期間限定お試しサービス
  2. 廃棄物収集運搬
  3. 宅配回収サービス
  4. 宅配修理サービス

期間限定お試しサービス

商品の販売元によっては、消費者に対して商品をお試しで使えるサービスを提供しています。お試し期間中に商品が想像と違うと判断した場合は、静脈物流で販売元に返送されます。

 

産業廃棄物収集運搬

事業活動で発生した廃棄物のうち、指定された20種類を回収してくれるサービスです。例えば、「鉄くず」「廃油」「廃プラスチック類」など、特別な処理をしなければならない廃棄物が対象です。産業廃棄物は、都道府県知事から「産業廃棄物収集運搬業許可」や「特別管理産業廃棄物収集運搬業許」を得た業者のみが回収できます。

 

宅配回収サービス

宅配回収サービスは、リサイクルや回収品などを宅配ボックスに詰めて着払いで発送することで、リサイクル業者が査定してくれるサービスです。買い取り対象製品は業者によって異なりますが、携帯電話やアクセサリー類など多岐にわたります。

 

宅配修理サービス

宅配修理サービスは、修理品が自宅にある場合に修理業者が自宅まで修理品を回収しに来てくれるサービスです。また、修理が完了すると自宅に発送してくれるため、手間がかからないのが特徴です。

まとめ

静脈物流とは、一般的な物流とは真逆の工程です。例えば、消費者からの返品回収やリサイクル回収が挙げられます。また、静脈物流は有限な資源を効率良く使うことを目的に、国全体でさらなる改善に取り組んでいます。

そのため、ますます市場規模は大きくなると予想されるでしょう。静脈物流は人々が生活するうえで、欠かせない物流工程なのです。

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