メルカリ最新動向2026|手数料・メルカリShops新機能とEC事業者が二次流通を取り込む方法
- EC・物流インサイト
この記事は約12分で読めます
「自社ECの売れ残り在庫をどう処分するか」「新しい販路を低コストで増やせないか」——こうした悩みを抱えるEC事業者にとって、フリマアプリのメルカリは見逃せない選択肢になっています。個人間取引のイメージが強いメルカリですが、法人向けのメルカリShopsが機能を拡充し、新品の販売チャネルとしても二次流通の出口としても使えるようになりました。本記事では、2026年のメルカリの最新動向(手数料・新機能・配送)を整理し、EC事業者がメルカリを販路として活用する3つの型と、それを支える物流体制を解説します。複数チャネルを安定して回す土台として、発送代行の活用もあわせて押さえておきましょう。
メルカリ最新動向2026(手数料・規模)
メルカリは個人間(CtoC)取引から始まったフリマアプリですが、現在は法人・個人事業主が出店できるメルカリShopsを通じて、事業者の販売チャネルとしての存在感を高めています。まず基本の手数料と市場環境を押さえましょう。
2024年の日本のBtoC-EC市場規模は26兆1,225億円(前年比5.1%増)に達し、物販系分野は15兆2,194億円、物販系のEC化率は9.78%(前年比0.40ポイント増)となった。
メルカリの販売手数料は売上金額の10%が基本です。出店時の初期費用や月額固定費がかからないため、新たな販路として小さく始められるのが特徴です。固定費がない分、まず試してみて手応えを見てから本格化する、という段階的な進め方ができます。注目すべきは取引される商品の構成で、メルカリShopsでは新品が約60%、中古が約40%の比率で売れており、「中古品のフリマ」という従来のイメージを超えて、新品の販売チャネルとしても機能しています。つまり事業者にとっては、不要在庫の処分先であると同時に、新品をそのまま売れる正規の販路でもあるということです。フリマ由来の巨大な利用者基盤に、事業者が直接アプローチできる点が最大の魅力です。
個人出品とメルカリShopsの違い
同じメルカリでも、個人として出品する従来のフリマ機能と、事業者向けのメルカリShopsでは使い勝手が大きく異なります。個人出品は1点ずつ手動で出すのに対し、メルカリShopsは在庫数の管理や複数バリエーションの一括掲載、継続的な販売が前提の作りになっています。事業として継続的に売るなら、領収書発行や在庫管理の観点からもメルカリShopsを使うのが基本です。ネットショップ運営の一環として、自社ECやモールと並ぶ販路の一つに位置づけると整理しやすくなります。
EC事業者がメルカリを活用する3つの型
EC事業者にとってメルカリは、単なる「不用品の処分先」ではありません。活用の仕方は大きく3つの型に分かれ、それぞれ狙う効果が異なります。
これらは排他的ではなく、組み合わせて使うほど効果が高まります。たとえば、自社ECで売れ残った型落ち品をメルカリで現金化しつつ、メルカリShopsで新品も売り、そこで接点を持った顧客を自社ECのリピーターへ育てる、という循環が描けます。在庫の出口と新販路を同時に得られる点が、EC事業者にとってのメルカリの価値です。
自社ECとのカニバリを避ける価格設計
メルカリを活用する際に注意したいのが、自社ECとの価格の食い合い(カニバリ)です。同じ新品を自社ECより安くメルカリに出せば、本来自社ECで買うはずの顧客がメルカリへ流れてしまいます。これを避けるには、メルカリには型落ち・アウトレット・セット品など差別化した品揃えを置く、あるいは現行品は自社EC、旧モデルはメルカリと役割を分けるのが定石です。価格そのものの組み立て方は販売価格の決め方を踏まえ、手数料10%を織り込んでも利益が残る水準に設定します。ブランド価値を守りたい商品は、安易な値下げ販路にしない判断も必要です。
メルカリShopsの機能と配送サービス
事業者がメルカリを本格活用する入口が、法人・個人事業主向けの出店サービス「メルカリShops」です。近年は事業者の業務効率化を支える機能が拡充されています。
| 機能・項目 | 内容 |
|---|---|
| 販売手数料 | 売上の10%(初期費用・月額固定費なし) |
| 在庫管理 | 複数商品の在庫を管理画面で一元管理 |
| 商品グルーピング | 色・サイズ違いをまとめて掲載できる |
| メルカリBiz配送 | 送り状を一括発行・地帯別の特別料金 |
| 取扱商品 | 新品・中古の両方(新品約60%/中古約40%) |
在庫管理・グルーピング機能
幅広い商品を扱う事業者にとって、在庫管理と複数商品のグルーピング機能は業務効率化の要です。色やサイズ違いのバリエーションをまとめて掲載でき、在庫数を管理画面で一括管理できるため、出品点数が多くても運用負荷を抑えられます。これは個人出品向けのフリマ機能とは一線を画す、事業者向けの作り込みです。多店舗運営をしている事業者にとっては、メルカリShopsを既存のチャネルと並ぶ販路の一つとして無理なく組み込める点が現実的なメリットになります。出品作業や在庫の反映を仕組み化できれば、メルカリを「片手間ではなく継続的に回せる販路」として扱えます。
メルカリBiz配送による省力化
メルカリShops出店事業者は、配送サービス「メルカリBiz配送」を利用できます。管理画面上で送り状を一括発行でき、地帯別のメルカリ特別料金で配送コストを抑えられるため、出荷件数が増えても作業を効率化できます。送り状の手書きや1件ずつの発行といった手間がなくなるため、出品点数が多い事業者ほど効果を実感しやすいでしょう。配送コストの考え方は、送料設定の基本とあわせて、チャネル横断で最適化するのが望ましいでしょう。
余剰在庫・二次流通の戦略的活用
EC事業者にとってメルカリのもっとも実利的な使い方が、在庫リスクの「出口」としての活用です。自社ECやモールで売れ残った在庫は、放置すれば保管料を払い続ける負債になります。
売れ残りが滞留在庫からデッドストックへ進む前に、メルカリで現金化すれば、廃棄損を避けつつキャッシュを回収できます。これは過剰在庫対策の現実的な選択肢であり、在庫の入口(仕入れ・発注)を在庫予測で締めつつ、出口をメルカリで確保するという両面の設計が効きます。
具体的には、自社ECやモールで一定期間動かなかった在庫を「いつメルカリへ回すか」のルールを決めておくのが実務的です。たとえば「入荷から◯か月で消化率が一定を下回ったSKUはメルカリへ移す」といった基準を設ければ、滞留が深刻化する前に手を打てます。値引きセールで自社ECのブランド価格を崩すより、別チャネルのメルカリで処分するほうが、定価販売の世界観を守れるという利点もあります。在庫を抱え込んで保管料と廃棄損を払い続けるより、多少値を下げてでも現金化して次の仕入れに回す——この回転重視の発想が、キャッシュフローを健全に保ちます。
二次流通を新規顧客との接点に変える
もう一歩進んだ活用が、二次流通の場を新規顧客との出会いに変える発想です。フリマアプリの巨大な利用者層は、自社ECだけではリーチできない潜在顧客の宝庫です。メルカリで自社商品に触れた顧客に、同梱物やショップ情報を通じてブランドを認知してもらい、自社ECのリピーターへ誘導する——こうした導線を設計すれば、メルカリは販売の場であると同時にマーケティングの入口にもなります。事業者として販売する以上は、消費者庁の通信販売に関する表示ルールを踏まえた適切な表示が前提です。中古品を扱う場合は、商品状態の正確な記載がトラブル防止の鍵になります。
リコマース需要の高まりという追い風
背景として、中古品を活用するリコマース(再流通)市場の拡大があります。サステナビリティ意識の高まりや節約志向から、消費者が中古での購入・売却を当たり前に行うようになり、フリマアプリはその中心的な受け皿になりました。EC事業者にとって、これは「一次流通で売り切れなかった在庫を、二次流通で価値を保ったまま再販できる」市場が育っていることを意味します。新品で売れ残っても、廃棄や過度な値引きをする前に、メルカリという二次流通の場で適正価格に近い形で現金化できる——この選択肢があるかないかで、在庫運用の柔軟性は大きく変わります。一次流通と二次流通を意図的に使い分ける発想が、これからの在庫戦略では欠かせません。
出品・出荷の運用と物流体制
メルカリを販路に加えると、自社EC・モールに続く「もう一つの出荷オペレーション」が増えます。チャネルが増えるほど出荷管理は複雑になるため、運用の設計が重要です。
複数チャネルの出荷を別々に回すと、在庫の二重管理や出荷ミスのリスクが高まります。在庫と出荷を一元管理し、どのチャネルの注文も同じ倉庫から出荷できる体制を整えるのが理想です。出荷量が増えてきた事業者は、自社で抱え込まず発送代行を活用すれば、メルカリを含む各チャネルの出荷を変動費でまとめて処理できます。受注から出荷までの流れをシステムで連携する考え方はサプライチェーン管理の視点が役立ちます。
なお、メルカリは個人間取引が主体のため、事業者出品でも梱包や同梱物の作り込みで差別化できます。デジタルサービスの利用が生活に深く浸透している状況は総務省「情報通信白書」も示しており、フリマアプリ経由の購買はもはや特別なものではありません。各チャネルのコスト構造はRSLとの比較も踏まえ、どの販路でも安定して出荷できる体制を土台に据えることが、チャネルを増やすうえでの前提になります。越境視点での活用はメルカリのグローバルアプリ戦略でも整理しています。
少量・不定期の出荷をどうさばくか
メルカリ経由の注文は、特に在庫処分目的の場合、少量かつ不定期に発生する傾向があります。自社で専任の人手を割くと稼働率が低くなりがちですが、かといって出荷を放置すれば評価低下につながります。在庫を持たずに受注後仕入れるバックオーダーの商品をメルカリShopsで扱う場合も含め、出荷量に応じた変動費で動く体制にしておくと、件数の波に振り回されずに済みます。ブランドの世界観を伝えたい場合は、D2Cの発想で同梱物やメッセージカードを工夫すると、フリマ経由でも自社のブランド体験をしっかり届けられます。
まとめ:メルカリを「在庫の出口と新販路」に
2026年のメルカリは、販売手数料10%・初期費用ゼロという手軽さに加え、メルカリShopsの在庫管理・グルーピング機能やメルカリBiz配送によって、EC事業者の販路・在庫の出口として実用的な選択肢になっています。余剰在庫の現金化、新品の新販路、二次流通顧客の取り込みという3つの型を組み合わせれば、在庫リスクを抑えながら新しい売上と顧客接点を得られます。販路と在庫の出口を分散させておくことは、需要や競争環境の変化に対するリスク分散にもつながります。複数チャネルを安定して回す鍵は、どの販路の注文も滞りなく出荷できる物流体制です。全体像は発送代行完全ガイドで、サービスの仕組みはSTOCKCREW完全ガイドで確認できます。多チャネル運営の物流設計を相談したい場合はお問い合わせから、コスト構造を整理した資料ダウンロードもあわせて活用してください。
よくある質問(FAQ)
Q. メルカリの販売手数料はいくらですか?
販売手数料は売上金額の10%が基本です。初期費用や月額固定費はかからないため、新たな販路として小さく始めやすいのが特徴です。別途、配送方法に応じた送料が発生します。
Q. メルカリShopsは事業者でも使えますか?
はい。メルカリShopsは法人・個人事業主向けの出店サービスで、新品・中古の両方を販売できます。在庫管理や複数商品のグルーピング機能、送り状を一括発行できるメルカリBiz配送など、事業者の業務効率化を支える機能が用意されています。
Q. メルカリでは中古品しか売れないのですか?
いいえ。メルカリShopsでは新品が約60%、中古が約40%の比率で取引されており、新品の販売チャネルとしても機能しています。中古品のフリマというイメージにとらわれず、新品販路として活用する事業者が増えています。
Q. EC事業者がメルカリを使うメリットは何ですか?
大きく3つあります。第一に売れ残りや型落ち在庫を現金化して在庫リスクを下げられること、第二にメルカリShopsで新品の販路を増やせること、第三にフリマアプリの巨大な利用者層を新規顧客との接点にできることです。これらを組み合わせると効果が高まります。
Q. 複数チャネルの出荷管理が大変になりませんか?
チャネルが増えると出荷管理は複雑になります。在庫と出荷を一元管理し、どのチャネルの注文も同じ倉庫から出荷できる体制を整えるのが理想です。出荷量が増えた場合は発送代行を活用すると、メルカリを含む各チャネルの出荷を変動費でまとめて処理でき、運用負荷を抑えられます。
この記事の監修者
保阪涼子
株式会社KEYCREW 営業部長。物流会社で10年間、EC物流の現場担当・営業事務を経験し、EC・物流業界で通算10年以上のキャリアを持つ。STOCKCREWではサービス開始初期から商談を担当し、500社以上のEC事業者への導入支援を一貫して手がけてきた。YFF(Yahoo!フルフィルメント)移管時には1,000社超の顧客接点・フロー設計を主導。月間10万件以上の出荷管理に携わり、顧客の物流費を平均15%削減する成果を上げている。成約率50%を達成した営業手法には、「『売る』より『解く』」という顧客課題解決型のアプローチが根底にある。物流メディア(Logistics Today、ECのミカタ)へのインタビュー掲載実績も持つ。