Bカートとは?BtoB専用ECカートの機能・料金プラン・物流連携|初期費用8万円・月額9,800円からの始め方
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「FAX・電話・メールで届く注文の転記作業に追われている」「卸先ごとに価格が違うので、ECカートでは対応できないと諦めている」——BtoB取引を抱える事業者に共通する悩みです。こうした企業間取引のWeb化に特化したサービスが、BtoB専用ECカート「Bカート」です。この記事では、Bカートの仕組みと機能、料金プラン、導入のメリットと注意点、そして見落とされがちな受注後の物流体制の設計までを整理して解説します。受注のデジタル化と出荷の自動化はセットで考えると効果が大きく、発送代行の活用も含めた全体設計の参考にしてください。
Bカートとは?BtoB専用のクラウド型受発注システム
Bカートとは、株式会社Daiが提供するBtoB(企業間取引)専用のクラウド型ECカート・受発注システムです。卸売・メーカー・商社などが取引先(小売店・代理店・飲食店など)からの注文をWebで受け付けるための仕組みを、SaaS形式で月額制で利用できます。一般的なECカートが不特定多数の消費者向け(BtoC)に設計されているのに対し、Bカートは「取引先ごとに価格も支払条件も違う」というBtoB特有の商習慣を前提に設計されている点が最大の特徴です。
BtoB EC市場はBtoCの約20倍の規模がある
企業間取引の電子化は、消費者向けECよりはるかに大きな市場で進行しています。
2024年の日本国内のBtoC-EC(消費者向け電子商取引)市場規模は、26.1兆円(前年24.8兆円、前々年22.7兆円、前年比5.1%増)に拡大しています。また、2024年の日本国内のBtoB-EC(企業間電子商取引)市場規模は514.4兆円(前年465.2兆円、前々年420.2兆円、前年比10.6%増)に増加しました。
BtoB-EC市場は514.4兆円・前年比10.6%増と、BtoC-ECの約20倍の規模で、しかも高い成長率を維持しています。FAX・電話中心だった受発注業務のWeb化はこの成長の中心であり、Bカートのような受発注システムへの需要が高まっている背景です。
BtoB ECとBtoC ECは何が違うのか
BtoCの感覚でBtoBのECサイトを作ろうとすると、既存のカートでは対応できない要件が次々に出てきます。代表的な違いを整理します。
| 項目 | BtoC EC(一般的なカート) | BtoB EC(Bカートなど) |
|---|---|---|
| 価格 | 全顧客に同一価格を表示 | 取引先ごとに掛率・単価を出し分け |
| 会員 | 誰でも会員登録・購入可能 | 承認した取引先のみログイン・閲覧可能(クローズドサイト) |
| 決済 | クレジットカード・コンビニ払い等の即時決済 | 掛け払い(月末締め翌月末払い等)が中心 |
| 注文単位 | 1点から購入 | ケース単位・最低ロット・セット販売が多い |
| 注文方法 | 商品ページからカート投入 | 定番リピート発注・CSV一括注文・見積からの転換 |
ECカート全般の選び方はECカートの比較で、ECモールとカートの違いと合わせて把握しておくと、BtoC側との違いがより明確になります。
Bカートの主な機能
Bカートは「BtoBの商習慣をそのままWebに載せる」ための機能を標準で備えています。受注から物流までの全体像は次の図のとおりです。
取引先ごとの価格・商品の出し分け
Bカートの中核機能が、取引先(会員)ごとに表示価格・掛率・公開商品を変えられる仕組みです。「A社には掛率60%、B社には65%」「新商品は特定の代理店にだけ先行公開」といったBtoB特有の運用を、システム上の設定だけで実現できます。会員は承認制のため、競合や一般消費者に卸価格が見えてしまう心配がないクローズドなサイトを構築できます。
掛け払いなどBtoB決済への対応
BtoB取引の決済は「月末締め翌月末払い」のような掛け払いが中心です。Bカートは掛け払い・クレジットカード決済などの公式決済サービスを用意しており、与信管理や請求業務まで含めて外部化できます。企業間取引では、2026年1月施行の取引適正化法(取適法)をはじめ支払条件の適正化を求める制度整備が進んでおり、請求・支払いプロセスをシステムで透明化しておく価値は高まっています。
CSV注文・API・アプリストアによる外部連携
取引先が品番と数量のリストをアップロードして一括注文できるCSV注文(プラン30以上で利用可能)や、定番商品のリピート発注など、BtoBの発注行動に合わせた注文導線が用意されています。さらにAPIとアプリストアを通じて、受注管理システム(OMS)・在庫管理・会計などの外部サービスと連携できます。どのシステムをどの順で揃えるかは物流システムの種類と選び方の整理が役立ちます。受注チャネルが増えるほどOMS(受注管理システム)による一元管理の重要性が増すため、受注管理と物流の連携を見据えたシステム構成を最初に描いておきましょう。
Bカートの料金プラン
Bカートの料金は初期費用80,000円(初回のみ)+月額制で、商品数と会員数の上限によって6つのプランに分かれています(価格はすべて税別・2026年6月時点の公式サイト掲載情報)。
| プラン | 月額 | 商品数上限 | 会員数上限 |
|---|---|---|---|
| 無料トライアル | 0円(30日間限定) | 50 | 10 |
| ライト | 9,800円 | 500 | 50 |
| プラン10 | 19,800円 | 1,000 | 1,000 |
| プラン30 | 29,800円 | 3,000 | 3,000 |
| プラン50 | 39,800円 | 5,000 | 5,000 |
| プラン100 | 49,800円 | 10,000 | 10,000 |
| プラン300 | 79,800円 | 30,000 | 30,000 |
料金プラン選びの目安と共通条件
月額利用料にはサーバ・サブドメイン・SSL利用料が含まれており、契約後のプラン変更も可能です。独自ドメイン(常時SSL)を使う場合は月額3,000円が追加になります。プラン選定の軸は「登録したいSKU数」と「取引先(会員)数」の2つです。まずは現在の取引先リストとカタログ掲載SKU数を棚卸しし、1〜2年後の拡大を見込んだプランを選ぶと、運用開始後のプラン変更の手間を抑えられます。CSV注文が必要な場合はプラン30以上が条件になる点にも注意してください。
導入コストの考え方:システム費用だけで比較しない
受発注システムの費用対効果は、月額費用そのものよりも「受注処理にかかっている人件費がどれだけ減るか」で評価するのが実務的です。例えばFAX注文の転記・確認に1日2時間かかっている場合、時給2,000円換算で月間約8万円の人件費に相当します。ライトプラン(月額9,800円)でこの作業の大半が自動化できるなら、投資回収は導入初月から始まる計算です。受注の自動化効果を最大化するには、後述する出荷業務との連携設計が欠かせません。
Bカートのメリットと注意点
導入判断の材料として、メリットと注意点を整理します。
メリット:BtoBの商習慣を作り込みなしで再現できる
- 開発不要でBtoB ECを立ち上げられる——取引先別価格・掛け払い・承認フローといったBtoB要件をスクラッチ開発すると数百万円規模になりがちですが、SaaSなら初期8万円+月額1万円前後から始められます。
- 受注業務の工数を大幅に削減できる——FAX・電話注文の転記、聞き間違いによる誤出荷、在庫確認の往復連絡といったアナログ業務がWeb注文に置き換わります。
- 取引先側の利便性も上がる——24時間いつでも発注でき、過去の注文履歴・納期・請求情報を取引先自身が確認できるため、問い合わせ対応も減ります。
注意点:商品データ整備と物流対応は自社側の仕事
Bカート導入時の物流体制の設計ポイント
受発注のWeb化で注文処理は速くなりますが、出荷作業が手作業のままでは「受注は一瞬、出荷は丸一日」というアンバランスが生まれます。BtoB ECの効果を最大化するには、受注から出荷までを一気通貫で自動化する設計が必要です。
B2B出荷はBtoC出荷と何が違うか
BtoBの出荷は、宅配便1個口のBtoC出荷とは作業内容が大きく異なります。
| 項目 | BtoC出荷 | B2B出荷 |
|---|---|---|
| 出荷単位 | 1点〜数点の小口 | ケース・ボール単位の大口 |
| 同梱物 | 納品書・チラシ | 納品書・指定伝票・値札付けなどの流通加工 |
| 配送先 | 個人宅 | 店舗・倉庫・物流センター(納品時間指定あり) |
| 梱包要件 | 個装中心 | パレット納品・ケースラベル等の指定が多い |
サプリメントや化粧品など商材によっては、BtoC通販とBtoB卸の両方の出荷を1つの在庫で回す設計も可能です。具体的な設計はサプリメントECのBtoB出荷やShopifyのB2B機能による卸売参入の事例で確認できます。
発送代行との連携で受注から出荷までを自動化する
Bカートで受けた注文を、APIまたはCSVで物流側に連携すれば、出荷指示から発送までを外部化できます。STOCKCREWの場合、B2B発送代行は関東着60サイズ630円〜の距離制料金、ピッキングは30円/点〜で、ケース出荷・納品書同梱・指定伝票にも対応しています。BtoC出荷(全国一律260円〜)と同じ倉庫・同じ在庫で併用できるため、卸と通販の在庫を分けずに運用できる点が実務上のメリットです。カートと物流のAPI連携の仕組みや、ネクストエンジン経由の連携のように受注管理システムを介して接続する構成も選択肢になります。日本企業のデジタル化は次の調査のとおり広がっており、受発注だけWeb化して物流がアナログのまま、という片落ちを避けることが競争力の差になります。
日本でDXに取組んでいる企業の割合は2022年度調査では69.3%まで増加した。ただし、全社戦略に基づいて取組んでいる割合は米国が68.1%に対して日本が54.2%にとどまっている。
まとめ:受注のWeb化と出荷の自動化はセットで設計する
Bカートは、取引先別価格・掛け払い・CSV注文といったBtoB特有の商習慣に対応したBtoB専用のクラウド型受発注システムで、初期費用80,000円・月額9,800円からスモールスタートできます。BtoB-EC市場が514.4兆円・前年比10.6%増と拡大を続けるなか、FAX・電話による受発注をWebに置き換える効果は人件費削減と誤出荷防止の両面で大きなものがあります。一方で、Bカートがカバーするのは受注までであり、在庫保管・ピッキング・ケース出荷・流通加工といった物流業務は別途設計が必要です。
受注のデジタル化と出荷の自動化をセットで進めるなら、発送代行の選び方を押さえたうえで、BtoC・B2B両対応のSTOCKCREWのサービスのような物流パートナーとの連携を検討してみてください。ネットショップ運営全体の知識を整理したい方はネットショップ運営の体系的なガイドも役立ちます。B2B出荷の具体的な料金や連携方法のご相談はお問い合わせから、サービス資料は資料ダウンロードからご確認いただけます。
よくある質問(FAQ)
Q. Bカートとはどんなサービスですか?
株式会社Daiが提供するBtoB(企業間取引)専用のクラウド型ECカート・受発注システムです。取引先ごとの価格出し分け、掛け払い決済、CSV一括注文など、BtoB特有の商習慣に対応した機能を標準装備しており、卸売・メーカーの受発注業務をWeb化できます。
Q. Bカートの料金はいくらですか?
初期費用80,000円(初回のみ)+月額制で、ライトプラン9,800円からプラン300の79,800円まで、商品数と会員数の上限に応じた6プランがあります(税別・2026年6月時点)。月額にはサーバ・SSL利用料が含まれ、契約後のプラン変更も可能です。
Q. Bカートは無料で試せますか?
30日間限定の無料トライアルがあり、商品数50・会員数10の範囲で実際の管理画面と注文フローを試せます。本契約前に自社の商品データと取引先運用に合うかを検証してから導入を判断できます。
Q. BカートとBtoC向けECカートの違いは何ですか?
最大の違いは、取引先ごとに価格・公開商品・支払条件を変えられる点です。一般的なBtoCカートは全顧客に同一価格を表示する設計のため、掛率管理・掛け払い・クローズドサイトといったBtoB要件への対応が難しく、Bカートはこれらを標準機能として備えています。
Q. Bカートの注文データで出荷を自動化できますか?
可能です。APIまたはCSVで受注データを物流側に連携すれば、出荷指示から発送までを発送代行に任せられます。受注管理システム(OMS)を介して複数チャネルの注文と合わせて連携する構成も一般的です。ケース出荷・指定伝票などB2B特有の出荷要件への対応可否を物流会社に確認しておきましょう。
この記事の監修者
保阪涼子
株式会社KEYCREW 営業部長。物流会社で10年間、EC物流の現場担当・営業事務を経験し、EC・物流業界で通算10年以上のキャリアを持つ。STOCKCREWではサービス開始初期から商談を担当し、500社以上のEC事業者への導入支援を一貫して手がけてきた。YFF(Yahoo!フルフィルメント)移管時には1,000社超の顧客接点・フロー設計を主導。月間10万件以上の出荷管理に携わり、顧客の物流費を平均15%削減する成果を上げている。成約率50%を達成した営業手法には、「『売る』より『解く』」という顧客課題解決型のアプローチが根底にある。物流メディア(Logistics Today、ECのミカタ)へのインタビュー掲載実績も持つ。