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米国宛てEMSが引受再開|関税の事前支払い新運用と越境EC・米国配送の実務

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2026年7月10日 公開

この記事は約11分で読めます

米国宛てEMSが引受再開 アイキャッチ画像

米国向けの越境ECで、長らく使えなくなっていた選択肢が戻ってきました。米国のデミニミス(少額免税)廃止を受けて一時停止していた日本郵便の米国宛て郵便物の引受が、2026年4月14日に再開されました。ただし、以前とまったく同じではありません。一定額を超える荷物は、CBP(米国税関・国境警備局)が認証した事業者を通じて、到着前に関税を支払う新しい運用が前提になります。本記事では、停止から再開までの経緯と新運用の仕組み、米国向け越境ECの実務対応、そして国内出荷を整える重要性を解説します。出荷体制を見直したい方は発送代行完全ガイドもご覧ください。本記事は制度の概要説明であり、個別の通関・税務の判断は専門家や公式情報をご確認ください。

この記事の内容

  1. 米国宛て郵便の引受再開(2026年4月14日)
  2. 停止から再開までの経緯
  3. 関税の事前支払い新運用の仕組み
  4. 米国向け越境ECの実務対応
  5. 国内出荷の土台を整える
  6. まとめ:選択肢の復活と、変わった前提
  7. よくある質問(FAQ)

米国宛て郵便の引受再開(2026年4月14日)

コンベアラインが複数交差する出荷フロア全景(広角)
コンベアラインが複数交差する出荷フロア全景(広角)

約8か月ぶりに選択肢が戻る

日本郵便は2026年4月14日、米国宛て郵便物(EMSを含む)の引受を再開しました。米国のデミニミス廃止に伴い、2025年8月27日から内容品価格が100USドルを超える個人間の贈答品や販売品を含む米国宛て郵便を一時停止していたため、約8か月ぶりの再開となります。米国は日本の越境ECにとって主要な市場であり、郵便という選択肢が戻ったことは、事業者にとって配送手段の幅が広がる重要な動きです。停止期間中は、米国向けの発送をクーリエ(国際宅配便)などに切り替えて対応していた事業者も多く、選択肢が限られる状況が続いていました。郵便が使えるようになったことで、荷物の大きさや価格、急ぎ度合いに応じて手段を選び直せるようになります。

「戻った」だけでなく「運用が変わった」

ただし注意したいのは、単に元どおりになったのではなく、新しい運用ルールのもとでの再開だという点です。米国側の制度変更により、一定額を超える荷物については、到着前に関税を支払う手続きが求められるようになりました。つまり「郵便が使えるようになった」ことと「以前と同じ手軽さで送れる」ことはイコールではありません。再開を活用するには、新しい運用の中身を正しく理解しておく必要があります。

日本郵便は、米国のデミニミス廃止に伴い一時停止していた米国宛て郵便物の引受を2026年4月14日に再開した。CBPが認証した事業者を通じて、到着前に関税等を支払う運用が前提となる。書類や100USドル以下の個人間の贈答品は従来どおり免税とされる。

出典:日本郵便「(続報)米国宛て郵便物の引受再開のお知らせ」(公式)

停止から再開までの経緯

デミニミス廃止という発端

発端は、米国のデミニミス(少額免税)制度の廃止です。米国政府は2025年、国際郵便で輸入される消費用物品の免税措置を停止し、書類や100USドル以下の個人間の贈答品などを除いて関税を課す方針を打ち出しました。これにより、これまで少額なら免税で送れていた越境ECの荷物にも関税がかかることになり、通関の枠組みが大きく変わりました。日本郵便は、米国側の徴税の仕組みが整うまでの間、対象となる米国宛て郵便の引受を一時停止せざるを得ませんでした。

CBPの新ルールと再開

その後、CBP(米国税関・国境警備局)は、米国宛ての国際郵便について、到着前にCBPが認証した「認証事業者(Qualified Party)」を通じて関税等を支払う新しいルールを整えました。これを受けて日本郵便は、推奨する認定事業者が提供するアプリケーションなどを通じて事前に関税を支払う運用を用意し、2026年4月14日に引受を再開しました。下図に、この一連の流れを時系列で整理します。制度は今後も変わり得るため、最新の運用は日本郵便や税関の公式案内で確認することが前提です。

米国宛て郵便:停止から再開までの流れ 2025年夏 米デミニミス廃止 (少額免税の停止) 2025年8月27日 日本郵便が対象の 米国宛てを一時停止 その後 CBPが認証事業者経由の 事前関税支払いルール整備 2026年4月14日 引受再開 (新運用のもとで) ※ 制度・運用は変更され得る。最新は日本郵便・米国税関(CBP)の公式案内を確認。

関税の事前支払い新運用の仕組み

認証事業者を通じて到着前に支払う

新しい運用の核心は、「米国到着前に関税を支払う」ことです。差出人(またはその委託先)が、CBPの認証を受けた事業者が提供するアプリケーションなどを通じて、あらかじめ関税等を米国税関に支払います。日本郵便は、推奨する認定事業者を案内しており、その事前支払いを行ったうえで、指定の郵便局に持ち込むことで米国宛ての郵便を差し出せる仕組みです。従来のように「送ってから現地で受取人が払う」のではなく、「送る前に差出側が段取りする」形に変わった、と理解すると分かりやすいでしょう。

免税で送れるものと、支払いが必要なもの

すべての荷物に事前支払いが必要なわけではありません。書類や、100USドル以下の個人間の贈答品については、従来どおり免税とされ、関税の事前支払い登録を行わずに差し出せます。一方で、これを超える価格の荷物や販売品(=越境ECの多くがこれに該当します)は、事前の関税支払いが前提になります。自社の荷物がどちらに当てはまるかを整理しておくことが、スムーズな発送の第一歩です。下図で対応を整理します。

米国宛ての荷物:事前関税支払いは必要か 送る荷物は? 内容品と価格を確認 従来どおり免税 書類/100USドル以下の 個人間の贈答品 事前の関税支払い登録は不要 事前の関税支払いが必要 上記を超える価格・販売品 (越境ECの多くが該当) 認証事業者経由で到着前に支払う

米国向け越境ECの実務対応

「誰が関税を負担するか」を設計する

米国向け越境ECでは、関税を「誰が・どのタイミングで負担するか」を明確に設計することが重要になりました。事前支払いの運用では、差出側が段取りをする必要があるため、その関税分を販売価格に織り込むのか、送料に含めるのか、あるいは購入者に別途負担してもらうのかを、あらかじめ決めておく必要があります。到着時に受取人が想定外の請求を受けると、受取拒否や返送、クレームにつながります。関税込みの価格提示(DDP的な考え方)で、購入者にとって分かりやすい買い物体験を用意することが、トラブル防止と満足度の両面で有効です。

配送手段と在庫戦略の見直し

加えて、米国向けの配送手段そのものの見直しも進めておきたいところです。郵便が再開したとはいえ、事前支払いの運用に対応する手間はかかります。取扱量や商材によっては、認証事業者のサービスを活用する、クーリエ(国際宅配便)を併用する、あるいは米国内に在庫を前進させて現地から配送する「在庫前進モデル」を検討する、といった選択肢があります。少額免税が使えなくなった今、「少額をたくさん直送する」モデルは見直しを迫られており、自社の販売規模に応じた最適な配送・在庫戦略を設計することが求められます。

下表に、米国向けの主な配送の選択肢を整理します。どれが最適かは販売量・商材・求める納期によって変わります。少量から始めるなら郵便の再開は使いやすい選択肢ですが、販売量が増えるなら現地在庫からの配送も視野に入ります。一つに固定せず、成長段階に応じて組み合わせるのが現実的です。

選択肢特徴向く場合
郵便(EMS等・事前関税支払い)全国の郵便局から差し出せる/事前支払いの段取りが必要少〜中量・郵便網を活かしたい
クーリエ(国際宅配便)関税込み(DDP)の設計や通関サポートを受けやすい安定運用・付加価値品
米国内への在庫前進モデル現地在庫から配送し、関税は輸入時にまとめて処理販売量が多い・短納期を重視

国内出荷の土台を整える

越境でも出発点は国内の出荷

米国向けであれ他国向けであれ、越境ECの荷物はまず国内で出荷されます。関税の事前支払いや書類の準備といった越境特有の手続きが増えるほど、その前段にある国内の出荷オペレーション——正確なピッキング・検品・梱包、正しい内容品情報の付与——の重要性が増します。ここが乱れると、通関で止まったり、返送になったりと、越境では国内以上に大きなロスにつながります。国内側の出荷を素早く正確に整えておくことが、複雑になった越境の手続きを滞りなく進める土台になります。

発送代行で国内フルフィルを固める

国内出荷の土台は、発送代行の活用で安定させられます。STOCKCREWは初期費用0円・固定費0円、基本配送料は全国一律260円〜で、AMR110台による自動化オペレーションにより、素早く正確な出荷を実現します。なお、STOCKCREWは国内向けの常温発送代行を担うサービスであり、国際配送そのものや海外の通関・関税手続きの代行は行っていません。越境ECでの役割は「国内側の出荷を速く正確に整える土台」であり、国際区間や通関・事前関税支払いは、キャリアや認証事業者、専門の通関業者と連携する形になります。役割分担を押さえ、国内の土台を固めたうえで、変わった米国配送の運用に対応していきましょう。委託を検討する際は発送代行完全ガイドもご確認ください。

まとめ:選択肢の復活と、変わった前提

米国のデミニミス廃止で一時停止していた日本郵便の米国宛て郵便物の引受が、2026年4月14日に再開されました。ただし以前と同じではなく、書類や100USドル以下の個人間贈答品は従来どおり免税である一方、それを超える価格の荷物や販売品は、CBP認証事業者を通じて到着前に関税を支払う新運用が前提です。米国向け越境EC事業者は、関税を誰がどう負担するかを設計し、配送手段や在庫戦略を自社の規模に応じて見直す必要があります。そして、こうした越境特有の手続きが増えるほど、その前段にある国内出荷の正確さ・速さが土台として効いてきます。選択肢の復活を活かすためにも、国内フルフィルメントを固めたうえで、変わった前提に対応していきましょう。なお本記事は概要の解説であり、通関・税務の判断は公式情報や専門家にご確認ください。

国内出荷の体制を整えたい方は発送代行完全ガイドを、STOCKCREWのサービス全体像はSTOCKCREW完全ガイドをご覧ください。自社の出荷体制の見直しはお問い合わせから、料金感の把握は資料ダウンロードからご確認いただけます。

よくある質問(FAQ)

Q. 米国宛て郵便はいつ再開しましたか?

日本郵便は2026年4月14日に米国宛て郵便物(EMSを含む)の引受を再開しました。米国のデミニミス廃止に伴い2025年8月27日から一時停止していたため、約8か月ぶりの再開です。

Q. 以前と同じように送れますか?

同じではありません。一定額を超える荷物は、CBP(米国税関・国境警備局)が認証した事業者を通じて、到着前に関税を支払う新しい運用が前提になります。「送ってから現地で払う」のではなく「送る前に差出側が段取りする」形に変わりました。

Q. 免税で送れるものはありますか?

書類や、100USドル以下の個人間の贈答品は従来どおり免税とされ、関税の事前支払い登録を行わずに差し出せます。これを超える価格の荷物や販売品は、事前の関税支払いが前提になります。

Q. 越境EC事業者は何を準備すべきですか?

関税を誰がどのタイミングで負担するかを設計し、関税込みの価格提示などで購入者に分かりやすくすることが重要です。あわせて、認証事業者の活用やクーリエの併用、米国内への在庫前進モデルなど、販売規模に応じた配送・在庫戦略の見直しを検討しましょう。

Q. STOCKCREWは米国向けの通関や関税支払いを代行しますか?

いいえ。STOCKCREWは国内向けの常温発送代行で、国際配送や海外の通関・関税手続きの代行は行っていません。越境ECでの役割は国内側の出荷を速く正確に整える土台で、国際区間や通関・事前関税支払いはキャリアや認証事業者・通関業者と連携する形になります。

この記事の監修者

仲井暉人

仲井暉人

株式会社KEYCREW オペレーション部DX推進リーダー。IT業界でシステムエンジニアとして客先常駐・受託開発に約1年従事した後、KEYCREWに入社。現在は物流の仕組みづくりと改善を担当し、現場とシステムの両面から効率的な物流設計を支援している。倉庫出荷件数10倍拡大に伴うシステム連携・アーキテクチャ設計、自社ハンディ端末の機能設計・開発・導入、YFF移管1,000社超のシステム移管責任者として大規模プロジェクトを完遂。高負荷になるDB・インフラの見直しにより月額50万円のコスト削減も実現した。「心頭滅却」を信条に、バックエンド・フロントエンド・インフラの幅広い技術領域をカバーし、WMS・倉庫DX・庫内効率化・自動化技術に関する実装経験に基づいた記事を発信している。

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