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物流業界の動向と現状そしてこの先の行方とは?

物流業界の動向と現状そしてこの先の行方とは?

EC、いわゆるインターネット通販がメジャーになったことや新型コロナウイルスのまん延によって人々の生活様式の変化、さらにITの進化などにより、物流業界にはさまざまな変化が起こっています。今回は物流業界の現状をや課題を確認した上で、今後どのように進んでいくのかを解説します。

目次

物流の定義

まず初めに、物流とはなにか?物流の定義について紹介しておきます。物流とは、単純にモノを運ぶだけではなく、そのモノを作るための材料調達から消費者に届けるための流れの総称です。ビジネスにおいては物流のほかに商流、情報流とが存在し、物流は商流の発展を支える形で伴走している、とも言えます。

このように紹介すると、少々難解に思われるかもしれませんが、物流には基本的に以下の5つの機能から成り立っています。

  1. 輸配送
  2. 保管
  3. 荷役(にやく)
  4. 包装
  5. 流通加工

それぞれを簡単に説明しますと「輸配送」は売り手から買い手へ商品を運ぶ業務です。続いての「保管」は、商品を一定期間保管し、その価値を保全する業務を指します。「荷役」は、倉庫や物流センターでの入出庫作業といった、荷物の積み下ろし作業となります。「包装」は配送の段階で破損しないよう、商品に適した資材や容器で包装する業務です。最後の「流通加工」は、商品の付加価値を高めたり、買い手(消費者、ユーザー)の利便性を高めるために行う業務となります。

こうした「物流の5大機能」に関しては「戦略物流8大機能とは?物流5大機能に3要素加えた物流戦略」でさらに詳しく解説しています。

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物流業界の現状

続いて物流業界の現状を紹介します。物流業界でどのようなことが起き、問題視されている点を紹介します。

EC市場の急成長により、物流業界では「物流クライシス」「宅配クライシス」という状況が起こっています。EC市場が急成長した理由としてまず挙げられるのは、スマートフォンの普及です。これによって、老若男女問わずインターネットへのアクセスが容易になり、その結果ECで買い物をするユーザーが増えた、というわけです。

そしてもうひとつ、新型コロナウイルスのまん延です。新型コロナウイルスのまん延によって行動制限がかけられて外出できなくなったり、また外出を控えるムードが高まりました。そのため、買い物はインターネットで、つまりECで完結させようというユーザーが多くなった、というわけです。

物流業界の課題については「宅配クライシスとは?~EC物流の課題と解決~」でも詳細を紹介しています。

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物流業界の課題

物流業界の現状、ECの急成長によって配達量が増加した結果、物流業界は人手不足が問題になっています。したがって、課題としてはまず人手不足の解消、それに加えて若い人材の確保が求められます。人手不足がよくわかるデータとして、国土交通省が発表した「トラック事業の概要」というデータがあります。これによれば、貨物自動車運転手(=ドライバー)の有効求人倍率は2.79(平成30年10月時点)となっており、同年の全業種の有効求人倍率1.6(厚生労働省 労働経済の推移と特徴から)と比較すると、人手不足が顕著な点が明らかです。

また、物流業界の従事者の年齢層も高くなっており、40〜54歳が全体のおよそ45.2%となっています。これは全業界の同年代の割合、34.7%と比較してもかなり高いことがわかります。ちなみに、15〜29歳の割合も物流業は9.1%、全業界は16.3%と、こちらはいわゆる若年層が少ない結果となっています。 

したがって、どのように人材を確保していくのかが物流業界の喫緊の課題となっています。

そして、人手不足とも大いに関連している、宅配の増加に伴う再配達増、代引きや返品対応などといった、配送以外の業務がプラスされて配達員の負担増加が挙げられます。再配達はそのために改めて車両を動かさなければならないので、燃料代もそのぶんかかってしまいます。このように、再配達は企業が負担しなければならないコスト増にもつながっています。

こうした問題の根幹にあるのは、急成長に対して設備投資が間に合わなかった点が挙げられます。物流業界の設備投資は1~2年程度で投資できるものではなく、相当の規模の投資が必要になります。さらに、1つの企業が投資すればよいというレベルではなく、全国的に設備再編が迫られている状況といえるほどの状況になっています。設備投資が追いつかないということは、その分人員への負担につながっているのです。

このようにヒトとモノ、両面において既存の概念、業務の進め方ではますます危機的状況に陥ってしまう、とも言える状況になっているため、こうした問題を解決していくことが課題、と言えるでしょう。

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物流業界の今後の動向

課題を改善する策として、まずは人材の確保が挙げられます。これに関しては各種法整備が2024年に行われ、働き方改革が本格的に行われます。具体的には「正規・非正規社員の同一労働同一賃金」「時間外労働時間の上限規制」「月60時間超の時間外労働の割増賃金引上げ」の3つがあり、これらによって労働環境は今まで以上に整備され、労働者にとっては追い風になり、人手不足緩和もある程度は期待できるものと予想されます。

続いての動向は、ITやAI、さらにはロボットやドローンといったテクノロジーによる諸問題の解決手段の広がりです。すでにITによるサービスの利活用は始まっており、WMSという倉庫管理システムや輸配送管理システムであるTMSを導入する企業が増えています。今後はこれまで人力に頼らざるを得なかった業務にもロボットなどが導入され、労働者の負担を減らす流れはさらに加速すると予想されます。実際に物流の現場、とくに倉庫内では商品をピッキングするロボットが稼働しています。また、まだ実証実験の段階ではありますが、配送にドローンを活用する動きも出てきています。ロボットやドローンはまだ人の手を借りる余地がありますが、この先はITやAIによってある程度自動化され、省力化、効率化が進むと期待されています。

まとめ

ECの急成長によって、物流業界は人手不足、倉庫不足、さらには労働者の高齢化などの課題を露呈する形になってしまいました。人手不足に関しては物流業界以外でも問題視されていますが、有効求人倍率のデータからは、とくに物流業界における人手不足は深刻であると読み取れます。

しかし、法改正による労働条件の改善やITやAI、そしてロボットやドローンといったテクノロジーの導入により、効率化と省力化が推し進められるようになって次第に現状の課題は克服できるのではないか、と予測されています。

STOCKCREWの倉庫においてITやロボットで省力化に努めています。
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