BASEの手数料を徹底解説【2026年版】
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BASEでネットショップを運営する際、最大のポイントはスタンダードプランとグロースプランのどちらを選ぶかです。月商が増えていく過程で、プランの選択は利益率に大きな影響を与えます。「今のプランは最適なのか」「いつ切り替えるべきか」という判断は、多くのショップオーナーが悩む課題です。
本記事では、BASEの手数料体系を2026年の最新データで完全整理し、月商17万円前後の損益分岐点を中心に、実務的なプラン選択のガイドを提供します。さらに、手数料最適化と並行して発送代行サービスで物流コストを削減することで、利益率を飛躍的に高める方法も解説します。
BASEの料金体系:2つのプランと手数料の内訳
BASE は2つのシンプルな料金プランを提供しており、月商規模に応じた選択が可能です。各プランの違いを正確に理解することが、利益率改善の第一歩です。
スタンダードプランの特徴
スタンダードプランは月額固定費が0円の従量課金制です。1件の注文ごとに、決済手数料とサービス利用料が発生します。
- 月額固定費:0円
- 決済手数料:(商品代金+送料)× 3.6% + 40円/件
- サービス利用料:(商品代金+送料)× 3.0%
- 実質手数料率:6.6% + 40円/件
売上がゼロの月は手数料も0円になるため、開業初期や季節変動の大きいショップに向いています。ただし、40円/件の固定費は注文件数が多いほど積み重なる点に注意が必要です。
グロースプランの特徴
グロースプランは月額16,580円(税込)の固定費が発生する代わりに、決済手数料が大幅に低下します。
- 月額固定費:16,580円(税込)
- 決済手数料:(商品代金+送料)× 2.9%のみ
- サービス利用料:なし(月額に一本化)
- 実質手数料率:2.9%
月額固定費は大きく見えますが、月商が一定規模を超えると、スタンダードプランより圧倒的に安くなります。中〜大規模のショップほど選択する価値があります。
BASEの両プランで利用できる機能・BASE Appsに違いはありません。料金体系のみの相違のため、ショップの経営段階に応じて自由に切り替えることが可能です。
スタンダード vs グロース:損益分岐シミュレーション
実際の月商では、2つのプランのどちらがお得なのか。以下の表で月商規模別に手数料を比較します。計算では、平均送料を600円、平均客単価を5,000円として推定件数を算出しています。
| 月商規模 | 推定注文件数 | スタンダード手数料 | グロース手数料 | 差額 | 推奨プラン |
|---|---|---|---|---|---|
| 月商5万円 | 10件 | 3,896円 | 16,830円 | グロース + 12,934円 | スタンダード |
| 月商10万円 | 20件 | 8,192円 | 17,110円 | グロース + 8,918円 | スタンダード |
| 月商15万円 | 30件 | 12,488円 | 17,330円 | グロース + 4,842円 | スタンダード |
| 月商17万円 | 34件 | 14,254円 | 17,472円 | グロース + 3,218円 | 分岐点 |
| 月商20万円 | 40件 | 17,216円 | 17,660円 | グロース + 444円 | スタンダード(ほぼ同等) |
| 月商25万円 | 50件 | 22,000円 | 18,020円 | スタンダード + 3,980円 | グロース |
| 月商30万円 | 60件 | 26,784円 | 18,380円 | スタンダード + 8,404円 | グロース |
| 月商50万円 | 100件 | 44,560円 | 19,540円 | スタンダード + 25,020円 | グロース |
上表から明らかなように、月商20万円を超えると、グロースプランの優位性が確定します。逆に月商15万円以下であれば、スタンダードプランの方が確実に安いです。
損益分岐点:月商17万円が正確な目安
月商17万円前後が、スタンダードとグロースの損益分岐点です。ただし、この数値は平均送料600円・平均客単価5,000円を仮定した推定値である点に注意してください。
実際には、以下の要因で分岐点は前後します。
- 注文件数が多い場合(単価が低い):スタンダードの40円/件コストが積み重なり、分岐点は低くなる(月商15万円以下でグロースが有利なことも)
- 高単価・低件数の場合:40円/件の影響が小さいため、分岐点は高くなる(月商20万円以上でもスタンダードが有利なことも)
- 送料が高い場合:率の差(3.6% vs 2.9%)が手数料額に直結するため、グロースの優位性が高まる
重要なのは、自店のデータ(平均客単価・注文件数・送料)で試算することです。在庫管理ツールやBASEの住所管理機能と組み合わせることで、より精密な分析が可能になります。
月商フェーズ別プラン切替タイミングの実務判断
「月商17万円が分岐点」という目安を理解した上で、実際のショップ運営でのプラン選択タイミングを4つのフェーズで解説します。
フェーズ1:月商0~10万円(開業初期)
推奨プラン:スタンダード
開業直後は売上の変動が大きい時期です。月額固定費16,580円を払うリスクよりも、柔軟な従量課金が適しています。売上がゼロの月は手数料も0円になるため、キャッシュフロー面でも安心です。
フェーズ2:月商10~17万円(成長期)
推奨プラン:スタンダード継続(3~6ヶ月間の傾向確認後に切替検討)
この段階では、まだスタンダードの方が安いです。ただし、毎月の売上推移を記録して、「本当に月商17万円を越える可能性があるか」を慎重に見極める時期です。2~3ヶ月連続で月商15万円を超えるようであれば、グロースへの切替を検討する価値があります。
フェーズ3:月商17~30万円(本格成長期)
推奨プラン:グロースプランへの切替タイミング
この段階では、グロースプランの優位性が明確です。月商20万円であれば、グロースによる月間手数料は約18,000円、スタンダードは約17,000円と、ほぼ同等か若干グロースが安い状況が続きます。さらに成長を期待するなら、グロースへの切替により利益率改善の効果を実感できるようになります。同時に、STOCKCREWサービスの導入を検討し、物流業務の効率化を始めるタイミングでもあります。
フェーズ4:月商30万円以上(安定期)
推奨プラン:グロース確定
月商30万円では、グロースプランで約18,000円の手数料に対し、スタンダードは約27,000円となり、月間約9,000円の差が出ます。この段階ではグロースプランが絶対的に有利です。安定的に月商30万円以上を維持できるショップであれば、グロースを選んで間違いありません。
見落としやすい追加手数料:振込手数料と事務手数料
BASE の料金は決済手数料とサービス利用料だけではありません。売上を銀行口座に振り込む際に、追加の手数料が発生します。
振込手数料と総コストの関係
BASEの振込手数料は、月商規模と出荷件数によって、意外に大きなインパクトを与えます。以下の表では、月商レベル別に振込手数料を含めた「真の総コスト」を示します。
| 月商規模 | 平均振込額 | 振込手数料 | 振込回数(月) | 月間振込手数料合計 | 年間振込手数料 | 対策 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 月商5万円 | 約4万円 | 250円 | 1回 | 250円 | 3,000円 | 毎月最低限の振込 |
| 月商10万円 | 約9万円 | 250円 | 1~2回 | 250~500円 | 3,000~6,000円 | 月1回振込を心がける |
| 月商20万円 | 約19万円 | 250円 | 1~2回 | 250~500円 | 3,000~6,000円 | 月1回振込 |
| 月商30万円 | 約28.5万円 | 250円 | 1~3回 | 250~750円 | 3,000~9,000円 | まとめ振込 |
| 月商50万円以上 | 50万円以上 | 250円 | 複数 | 250円~ | 3,000円~ | 定期的な大口振込 |
月商が少ないうちは振込手数料の影響は微小ですが、複数回の小口振込が発生すると、年間で3,000~9,000円の差になります。
事務手数料
振込金額が2万円未満の場合、振込手数料に加えて事務手数料が発生する場合があります。正確な金額は BASE の公式ヘルプで確認が必要ですが、月商が低いうちは注意が必要な隠れたコストです。
BASE では、売上の振込手数料を最小化するために、複数回の売上をまとめて振込することで、1回あたりの手数料を削減できます。
BASEとSTORES・Shopifyの手数料比較
BASE 以外のネットショップ開設サービスとの手数料を比較することで、BASE の相対的な位置づけが見えてきます。
| サービス | 初期費用 | 月額費用 | 決済手数料 | 月商10万円時の目安コスト | 月商30万円時の目安コスト |
|---|---|---|---|---|---|
| BASE(スタンダード) | 0円 | 0円 | 3.6% + 3.0% + 40円 | 約8,200円 | 約27,000円 |
| BASE(グロース) | 0円 | 16,580円 | 2.9% | 約17,110円 | 約18,380円 |
| STORES(フリー) | 0円 | 0円 | 5.0% | 約5,000円 | 約15,000円 |
| STORES(スタンダード) | 0円 | 2,178円 | 3.6% | 約6,778円 | 約13,878円 |
| Shopify(ベーシック) | 0円 | 29ドル(約3,000円) | 2.9% + 30円 | 約6,200円 | 約12,700円 |
| Shopify(スタンダード) | 0円 | 99ドル(約10,000円) | 2.7% + 30円 | 約12,700円 | 約18,100円 |
各サービスの相対評価
STORES フリープランは初期費用・月額費用がゼロで、手数料も5.0%と低めです。超初期段階では最もリスクが少ないプランと言えます。
Shopifyは月額費用が高い代わりに、決済手数料が業界最低水準(2.7~2.9%)です。月商が大きいショップほど、Shopify の優位性が際立ちます。
BASE は中〜大規模への成長を視野に入れたバランス型です。初期費用がゼロで、グロースプランに切り替えることで、月商30万円クラスでもコスト効率を保ちやすい設計になっています。詳しくはSTORESの料金比較やShopifyの物流活用の記事も参照してください。
手数料以外のコスト削減:送料・物流の最適化
BASE の手数料を最適化することは重要ですが、全体的な利益率改善には、送料と物流コストの削減が同等以上に重要です。
送料の最適化
多くのネットショップは送料を顧客負担にしていますが、送料が高いと離脱率が上がります。逆に送料無料にしても、出荷原価を下げることで利益を守ることができます。
- 配送業者の比較:ヤマト運輸・佐川急便・日本郵便など、商品特性に応じた最適業者を選択
- 梱包サイズの最適化:不要な梱包を削減してサイズを下げる
- 集荷料金の活用:月間の出荷件数が多い場合、集荷サービスの料金体系を見直す
発送代行による物流コスト削減
特に月商が伸びている段階では、発送代行サービスの活用が極めて効果的です。
- 固定費ゼロで導入可能:初期投資なしで即座に外部に委託できる
- 出荷単価の低減:大量仕入れによるスケールメリットで、1件あたりの出荷コストが低下
- ヒューマンエラーの削減:誤配送・誤梱包が減少し、顧客満足度が向上
- ショップオーナーの時間確保:物流業務から解放されて、マーケティングや営業に集中できる
月商30万円を超えるショップであれば、物流代行の導入を真摯に検討する価値があります。手数料最適化と物流コスト削減の組み合わせにより、利益率は月商30万円段階で20~30%向上するケースも珍しくありません。
BASEのプラン選択でよくある失敗パターンと対策
失敗パターン1:長く月商10万円程度なのにグロースプランを選んでいる
月商10万円で月額16,580円の固定費を払うと、手数料の10倍以上のコストになります。成長予定がないショップは、スタンダードプランを選ぶべきです。
対策:半年ごとに月商推移を確認し、「本当にグロースが必要か」を冷静に判断する
失敗パターン2:手数料だけでプランを選んで、振込コストを見落とす
月商が少ないうちは、振込金額が2万円未満になりやすく、750円の振込手数料が引かれます。手数料率だけでなく、振込コストも含めた総コストで判断が必要です。
対策:「月間の振込手数料×12ヶ月」も年間総コストに含めて計算する
失敗パターン3:グロースプランのメリットを生かせていない
グロースプランに切り替えたのに、出荷件数が増えない・送料を下げないなど、コスト削減施策を打たずにいるケース。グロースプランのメリットは「手数料を引き下げられる環境が整った」ということだけで、その後の成長施策は別途必要です。
対策:グロース切替時に、併行して送料最適化・広告投資・発送代行導入などを実施する
手数料と確定申告:経費計上のポイント
BASE の手数料は、確定申告時に「支払手数料」または「販売手数料」として経費計上できます。正確に計上することで、所得税の節税につながります。
計上対象となる費用
- 決済手数料:3.6%(スタンダード)または 2.9%(グロース)
- サービス利用料:3.0%(スタンダード)、またはグロース月額16,580円
- 振込手数料:250円~750円
- 事務手数料:該当する場合
重要なのは、BASE の管理画面に「売上」として記録される金額と、実際の銀行入金額の差分です。差分は手数料や振込手数料として控除され、経費として計上できます。
青色申告での帳簿管理
月ごとに BASE の「売上計」と「手数料合計」を把握し、仕訳帳に記入することが重要です。BASE は月間レポートをダウンロード可能な形式で提供しているため、それを基に帳簿管理することをお勧めします。
詳細は税理士に相談するか、国税庁の「個人の青色申告(国税庁)」ページを参照してください。
まとめ:プラン最適化と物流コスト削減で利益率を高める
BASE の手数料最適化は、ネットショップ経営における最初の利益改善施策です。ここまでのポイントをまとめます。
- 月商17万円が損益分岐点:自店の実際の平均客単価・送料で試算し、正確な分岐点を把握する
- プラン切替は柔軟に:3~6ヶ月の月商推移を記録し、「本当に成長する見込みか」を冷静に判断する
- 振込コストも含める:手数料率だけでなく、振込手数料・事務手数料も考慮した総コストで判断
- 物流コスト削減と並行実施:手数料最適化と同時に、発送代行の導入や送料最適化を進める
- 経費計上で節税:確定申告時に手数料を正確に計上し、所得税を削減
月商が伸びていく過程で、スタンダード→グロースへのプラン切替は避けられません。しかし同時に、手数料だけを下げるのではなく、全体的な利益構造を改善する視点が重要です。
BASE の手数料体系を理解した上で、物流コスト最適化や発送代行サービスの導入を並行実施することで、初期段階では月商30万円時点で月間利益が5,000~10,000円改善し、その後も複利的に効果が増していきます。
ネットショップ運営のステージに応じた運営戦略や個人事業の確定申告についても、併行して学ぶことをお勧めします。手数料最適化が最も効果的な投資であることに変わりはありませんが、物流・配送の最適化相談も無料で行えます。詳しくは業界ガイドをダウンロードして参考にしてください。
よくある質問
Q. BASEのグロースプランは本当に月額16,580円ですか?
はい。2026年3月現在、BASEのグロースプランの月額は16,580円(税込)です。過去に5,980円の時期がありましたが、料金改定により現在の金額に統一されています。
Q. 月商17万円ぴったりでもグロースプランに切り替えるべき?
いいえ。月商17万円は数学的な分岐点ですが、実際には月商20万円を安定的に超えてから切り替えることをお勧めします。月間変動がある場合、3~6ヶ月の平均月商で判断するのがポイントです。
Q. グロースプランで、なぜサービス利用料がなくなるのか?
グロースプランの月額16,580円が、スタンダードプランのサービス利用料3%と決済手数料の差分をカバーする固定費としての設計です。月商が大きいほど、スタンダードプランの3%のコストをグロースプランの固定費で吸収できるようになる仕組みです。
Q. BASEからSTORESやShopifyに移行するべき?
移行のメリットは月商規模に依存します。月商50万円を超えるショップで、さらなる成長を見込む場合はShopifyの検討価値があります。月商20~30万円程度であれば、BASEのグロースプランで十分対応できます。
Q. 発送代行を使うと、実際にいくら浮くの?
月商30万円のショップで、自社出荷から発送代行に切り替えた場合、1件あたり200~300円の出荷コスト削減が期待できます。月間60件の出荷なら月12,000~18,000円、年間144,000~216,000円の削減になります。詳しくはお問い合わせください。
Q. グロースプランに切り替えたら、スタンダードに戻せるの?
はい。BASEではいつでもプラン切替が可能です。ただし切替タイミングの手数料計算に注意が必要です。月の途中での切替は日割り計算されるため、月末の切替をお勧めします。
Q. BASEの振込手数料は他社と比べて高い?
250~750円の振込手数料は、業界標準です。ただしネットショップ全体の総コストで見ると、複数回の振込を避けて1回で大口振込することで、250円に統一できます。
この記事の監修者
保阪涼子
株式会社KEYCREW 営業部長。物流会社で10年間、EC物流の現場担当・営業事務を経験し、EC・物流業界で通算10年以上のキャリアを持つ。STOCKCREWではサービス開始初期から商談を担当し、500社以上のEC事業者への導入支援を一貫して手がけてきた。YFF(Yahoo!フルフィルメント)移管時には1,000社超の顧客接点・フロー設計を主導。月間10万件以上の出荷管理に携わり、顧客の物流費を平均15%削減する成果を上げている。成約率50%を達成した営業手法には、「『売る』より『解く』」という顧客課題解決型のアプローチが根底にある。物流メディア(Logistics Today、ECのミカタ)へのインタビュー掲載実績も持つ。