佐川急便が2027年1月に運賃改定|飛脚宅配便は平均約13.8%、140サイズ以上で上げ幅大【2026年】
- EC・物流インサイト
この記事は約13分で読めます
佐川急便が、2027年1月1日(金)から、宅配便等の届出運賃・料金を改定すると、2026年10月2日に発表しました。飛脚宅配便・飛脚ラージサイズ宅配便の平均改定率は約13.8%で、メール便等や紙請求書の手数料も改定されます。ただし、この13.8%は平均です。公表された運賃例を計算すると、60〜100サイズは1%前後の小幅な上昇にとどまる一方、140サイズ以上は15〜25%の上昇になります。EC事業者にとっては、自社の出荷がどのサイズに集中しているかで、影響が大きく変わります。この記事では、佐川急便の公式発表をもとに、改定の内容、サイズ別の上がり幅、影響の見積もり方、改定までにできる備えを整理します。配送会社の選び方や使い分けの全体像は発送代行の仕組みと業者選びでも整理しています。
佐川急便の運賃改定の概要:2027年1月1日適用
まず、公式発表の内容を正確に押さえます。佐川急便のニュースリリースでは、飛脚宅配便・飛脚ラージサイズ宅配便の改定について、次のように説明されています。
平均改定率は、対象となる届出運賃について、現行運賃と改定後運賃を比較して算出しており、約13.8%です。
同じ発表には、「実際の改定率は、ご利用のサイズ・地帯により異なります」と明記されています。改定の概要は次のとおりです。
| 項目 | 内容(佐川急便の発表) |
|---|---|
| 適用開始日 | 2027年1月1日(金) |
| 対象 | 宅配便、航空便、メール便等の対象サービス、大型家具・家電設置輸送サービス、紙請求書の発行 |
| 飛脚宅配便・飛脚ラージサイズ宅配便 | サイズおよび地帯に応じて改定。平均改定率は約13.8% |
| 飛脚航空便など | サイズおよび地帯に応じて改定。平均改定率は約2.7% |
| 飛脚特定信書便 | 160サイズまで、改定後の飛脚宅配便運賃を適用 |
| 紙請求書発行手数料 | 1通につき200円(税抜)に改定 |
改定の理由は、物流インフラの維持にかかるコスト
発表では、今回の改定は、物流インフラを維持し、安全で安定したサービスを提供し続けるために実施すると説明されています。背景として、施設・車両・資材・人材の確保に係るコストの上昇が続いていること、輸送力の維持や物流ネットワークの強化に向けた継続的な投資が必要なことを挙げています。宅配便の取扱個数について、国土交通省の資料には次の記載があります。
近年の通信販売、特にインターネットを利用した通信販売(EC)の伸びとともに、宅配便の取扱個数は急伸しており、令和5年度は約50億個にのぼっています。
荷物が増え続けるなかで、輸送力の維持に必要なコストを運賃に反映する動きが続いています。荷主と物流事業者の双方に物流効率化を求める制度は、国土交通省「物流効率化法について」で確認できます。宅配運賃が構造的に上がる流れはなぜ宅配運賃は毎年上がるのかで整理しています。佐川急便が2026年7月に本格稼働させた拠点の話は関東ハブセンターの記事で扱いました。
「届出運賃」と「契約運賃」は別に確認する
今回の13.8%は、届出運賃を対象にした平均です。発表では、ご契約運賃を利用している荷主には、契約内容や利用状況などを踏まえて、担当営業所から順次案内するとされています。つまり、法人契約で割引運賃を適用している事業者の改定内容は、公表の平均値とは別に、自社への案内で確認する必要があります。
サイズ別に見ると、上がり幅は140サイズを境に変わる
発表には、関東発・関西着の場合の運賃例が、サイズ別に掲載されています。この運賃例から、値上がり額と改定率を計算しました。
| サイズ | 現行運賃 | 改定運賃 | 値上がり額 | 改定率 |
|---|---|---|---|---|
| 60 | 1,040円 | 1,060円 | +20円 | 1.9% |
| 80 | 1,340円 | 1,350円 | +10円 | 0.7% |
| 100 | 1,630円 | 1,650円 | +20円 | 1.2% |
| 140 | 2,310円 | 2,660円 | +350円 | 15.2% |
| 160 | 2,570円 | 2,960円 | +390円 | 15.2% |
| 170 | 3,360円 | 4,200円 | +840円 | 25.0% |
| 180 | 3,660円 | 4,480円 | +820円 | 22.4% |
| 200 | 4,480円 | 5,410円 | +930円 | 20.8% |
| 220 | 5,240円 | 6,290円 | +1,050円 | 20.0% |
| 240 | 6,830円 | 8,200円 | +1,370円 | 20.1% |
| 260 | 8,420円 | 10,100円 | +1,680円 | 20.0% |
運賃は発表の運賃例(関東発・関西着)、値上がり額と改定率はSTOCKCREWによる計算です。発表のページには、価格はすべて税込との注記があります。
60〜100サイズは、1個あたり10〜20円の値上がり
60サイズは1,040円から1,060円で+20円(1.9%)、80サイズは+10円(0.7%)、100サイズは+20円(1.2%)です。小さな荷物が中心のEC事業者にとっては、1個あたりの値上がりは小さく見えます。ただし、出荷件数が多いほど、10〜20円の積み重ねは無視できません。
140サイズ以上は、1個あたり350円以上の値上がり
140サイズは2,310円から2,660円で+350円(15.2%)、160サイズは+390円(15.2%)です。上がり幅が最も大きいのは170サイズの+840円(25.0%)で、180〜260サイズも20%前後の上昇になります。大型・重量物を扱う事業者は、平均の13.8%よりも大きな影響を受ける可能性があります。
この運賃例は関東発・関西着の1区間です。地帯が変われば運賃も改定率も異なるため、自社の主要な出荷先の地帯でどうなるかは、佐川急便が案内する新運賃表で確認します。サイズ規格の違いは宅配便のサイズ規格をヤマト・佐川・日本郵便で徹底比較で確認できます。
メール便・ゆうパケット便・航空便・請求書の変更点
宅配便以外にも、改定されるサービスがあります。小型の荷物をポスト投函で送る事業者に関係する変更点を、発表の内容どおりに整理します。
飛脚メール便は、重量区分ごとに20〜32円の値上がり
| 重量 | 現行料金 | 改定料金 | 値上がり額 |
|---|---|---|---|
| 300g以内 | 168円 | 200円 | +32円(19.0%) |
| 600g以内 | 220円 | 240円 | +20円(9.1%) |
| 1kg以内 | 325円 | 350円 | +25円(7.7%) |
飛脚ゆうパケット便は、薄い荷物ほど料金が上がる
飛脚ゆうパケット便(重量1kg以内)は、厚さ3cm以内の料金は現行の360円で据え置き、厚さ1cm以内と2cm以内の料金を改定します。
| 厚さ | 現行料金 | 改定料金 | 値上がり額 |
|---|---|---|---|
| 1cm以内 | 250円 | 360円 | +110円(44.0%) |
| 2cm以内 | 310円 | 360円 | +50円(16.1%) |
| 3cm以内 | 360円 | 360円 | 据え置き |
改定後は、1cm以内・2cm以内・3cm以内のすべてが360円になり、厚さによる料金差がなくなります。値上がり額と改定率は、STOCKCREWによる計算です。ポスト投函で送れる各社のサービスの違いはポスト投函できる宅配サービス比較で整理しています。
飛脚ゆうメール便・航空便・設置輸送サービスも改定される
飛脚ゆうメール便は、重量区分ごとに料金が改定されます。たとえば200g以内は115円から150円、500g以内は168円から200円です。飛脚航空便などの平均改定率は約2.7%で、大型家具・家電設置輸送サービスも、サイズに応じて料金が改定されます。紙の請求書を発行する場合の手数料は、1通につき現行の100円(税抜)から200円(税抜)になります。請求書を郵送で受け取っている事業者は、電子請求書への切り替えを検討する余地があります。
自社の影響を見積もる:サイズ別の出荷数で計算する
平均の13.8%を自社の送料にそのまま当てはめても、実態とは合いません。影響を見積もるときは、サイズ別の出荷件数に、サイズ別の値上がり額をかける方法が正確です。
計算の考え方:値上がり額×出荷件数
1か月あたりの増加額は、次の式で求められます。
月間の増加額 = Σ(サイズごとの1個あたりの値上がり額 × そのサイズの月間出荷件数)
たとえば、関東発・関西着の運賃例を使って、出荷件数が同じ100件でも、サイズによって影響がどれだけ違うかを計算します。この例は説明用の計算で、実際の運賃は契約内容や地帯により異なります。
| 月間の出荷 | 1個あたりの値上がり額 | 月間の増加額 |
|---|---|---|
| 100サイズを100件 | +20円 | +2,000円 |
| 140サイズを100件 | +350円 | +35,000円 |
| 170サイズを100件 | +840円 | +84,000円 |
同じ100件でも、100サイズと170サイズでは月間の増加額が40倍以上違います。サイズ別の出荷件数は、受注データや出荷実績から集計できます。送料の設計や値上げの考え方は送料設定の実務、送料全体の考え方はEC送料の相場と設定方法で整理しています。
契約運賃を使っている場合は、案内を待って再計算する
契約運賃を利用している場合、上の計算は目安にとどまります。担当営業所からの案内を受けたら、新しい契約運賃で同じ式を使って再計算します。案内の時期は、発表では「順次」とされているため、案内が届いた時点で、サイズ別の出荷件数をすぐ出せる状態にしておくと、判断が早くなります。
改定までにEC事業者ができる5つの備え
適用開始は2027年1月1日です。年末の繁忙期と重なる時期のため、早めに準備を進めます。
- サイズ別の出荷件数を集計する——直近の出荷実績を、サイズと地帯ごとに分けます。第4章の式で、月間の増加額を見積もります。
- 契約運賃の案内を確認する——担当営業所からの案内で、自社の新運賃を確認します。届出運賃の運賃例とは別に、契約内容で計算します。
- 梱包サイズを見直す——140サイズ以上は上がり幅が大きいため、サイズ区分をまたぐ荷物がないかを確認します。同じ商品でも、梱包材や詰め方を変えると、区分が下がる場合があります。
- 送料の設定と価格を見直す——増加額を、商品価格・送料・送料無料の条件のどこで吸収するかを決めます。安く送る方法の全体像は荷物を安く送る方法まとめにあります。
- 配送会社の使い分けを点検する——荷物のサイズや地域ごとに、ヤマトと佐川を比べます。使い分けの考え方はEC事業者のマルチキャリア戦略と配送会社の使い分け、ヤマトのサービスはヤマト運輸の記事で確認できます。
発送代行を使っている場合は、請求への反映を確認する
STOCKCREWでは、配送会社としてヤマト運輸と佐川急便を扱っています。発送代行を使っている事業者は、配送会社の運賃改定が、自社への請求にどのように反映されるかを、事前に確認しておくと安心です。具体的な反映のしかたは契約内容によるため、お問い合わせから担当者にご確認ください。発送代行の仕組みや費用の見方は発送代行おすすめ25選、物流全体の設計はEC物流完全ガイドにまとめています。コスト全体の管理にはEC物流KPIの計算式・目標値・管理手順が使えます。
まとめ:平均ではなく「自社のサイズ構成」で影響を見る
佐川急便は、2027年1月1日から宅配便等の届出運賃・料金を改定します。飛脚宅配便・飛脚ラージサイズ宅配便の平均改定率は約13.8%ですが、関東発・関西着の運賃例では、60〜100サイズは0.7〜1.9%、140サイズ以上は15.2〜25.0%と、サイズによって上がり幅が大きく異なります。飛脚ゆうパケット便は厚さ3cm以内が据え置きで、1cm以内と2cm以内が360円に統一されます。紙の請求書の発行手数料は、1通200円(税抜)になります。
EC事業者は、サイズ別の出荷件数に、サイズ別の値上がり額をかけて影響を見積もり、契約運賃の案内を受けたら再計算します。そのうえで、梱包サイズ、送料設定、配送会社の使い分けを見直すと、年明けからの負担を抑えられます。サービス内容はSTOCKCREW完全ガイドで確認でき、費用や導入のご相談はお問い合わせ、情報収集の段階であれば資料ダウンロードをご利用ください。
よくある質問(FAQ)
Q. 佐川急便の運賃改定は、いつから適用されますか?
A. 2027年1月1日(金)から適用されます。佐川急便が2026年10月2日に発表しました。宅配便、航空便、メール便等の対象サービス、大型家具・家電設置輸送サービス、紙請求書の発行が対象です。
Q. 飛脚宅配便の改定率は、どのくらいですか?
A. 飛脚宅配便・飛脚ラージサイズ宅配便の平均改定率は約13.8%です。ただし、実際の改定率はサイズ・地帯により異なります。関東発・関西着の運賃例では、60〜100サイズは0.7〜1.9%、140サイズ以上は15.2〜25.0%の上昇になります(STOCKCREWの計算)。
Q. 契約運賃を使っている場合も、同じ改定率になりますか?
A. 13.8%は届出運賃を対象にした平均です。ご契約運賃を利用している荷主には、契約内容や利用状況などを踏まえて、担当営業所から順次案内されると発表されています。自社の改定内容は、その案内で確認します。
Q. 飛脚ゆうパケット便の料金は、どう変わりますか?
A. 厚さ3cm以内は現行の360円で据え置きです。厚さ1cm以内は250円から360円、2cm以内は310円から360円に改定され、改定後はいずれの厚さも360円になります。重量は1kg以内です。
Q. 紙の請求書の発行手数料は、どうなりますか?
A. 2027年1月1日以降、紙の請求書を発行する場合は、1通につき現行の100円(税抜)から200円(税抜)に改定されます。
この記事の監修者
重光翔太
株式会社KEYCREW 営業管掌取締役。ヤマト運輸にて本社営業部長を歴任し、物流業界で16年以上のキャリアを積む。法人営業・コスト最適化・業者比較選定を専門とし、累計1,500社以上のEC事業者への物流支援を手がけてきた。数百万件/日規模の出荷オペレーション管理や、6,000社が利用するフルフィルメントサービスの構築、温度帯コールドチェーンの大規模荷主向け事業設計など、業界でもトップクラスの実績を持つ。STOCKCREWでは営業戦略全体を統括し、「数字で語り、ROIで証明する」をモットーに、EC事業者の物流コスト最適化を推進している。