RMSとは?楽天市場の店舗管理システムの使い方・機能を完全解説【2026年版】|楽天出店者向け実務ガイド
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楽天市場への出店後、多くのEC事業者がRMS(Rakuten Merchant Server)の操作に手間取ります。商品登録・注文処理・売上分析・広告設定・物流連携——すべてを一元管理できる強力なシステムですが、機能が多すぎて何から着手すればよいか迷うのも事実です。本記事では、RMSの6大機能エリアから出店プランの選び方、RSLと外部の発送代行との使い分け、売上を伸ばすロードマップまで、楽天市場での競争を勝ち抜くために必要な知識を体系的に解説します。
RMSとは?楽天市場の店舗管理システムを基礎から理解する
RMS(Rakuten Merchant Server)は、楽天市場に出店するすべての事業者が使用する統合型店舗管理システムです。商品の登録・編集から始まり、注文処理・顧客対応・売上分析・広告設定・メルマガ配信・物流管理まで、楽天市場での販売活動に必要なほぼすべての機能がこのシステム上に集約されています。
楽天市場への出店を検討している方、または出店したばかりで「RMSをどう使いこなすか」と悩んでいる方に向けて、本記事ではRMSの基本的な概念から各機能の詳細な使い方、さらに楽天市場での売上を伸ばすためのRMS活用ノウハウまで体系的に解説します。また、楽天市場の物流サービスであるRSL(楽天スーパーロジスティクス)と外部の発送代行サービスとの比較についても詳しく説明します。
まず、RMSの全体像を理解するにあたって重要なのが「楽天市場という巨大ECモールのエコシステム」を把握することです。経済産業省の調査によると、2024年の日本のBtoC-EC市場規模は26.1兆円に拡大しています。このうち楽天市場は国内最大のECモールのひとつとして、年間流通総額6兆円超の規模を誇ります。その巨大なプラットフォームを活用するための「鍵」となるのがRMSです。
RMSの6大機能エリアと日常業務での使い方
RMSは大きく6つの機能エリアに分かれており、楽天市場での店舗運営のほぼすべてをカバーしています。以下のダッシュボード図で、各機能エリアの概要と日常業務における利用頻度を確認しましょう。
図に示した通り、注文管理(利用頻度95%)と商品管理(88%)は毎日使う最重要機能です。一方、店舗設定(55%)や広告設定(65%)は週単位での確認・更新が基本となります。以下では各機能エリアについて詳しく解説します。
商品管理機能:商品ページの作成から在庫管理まで
RMSの商品管理機能は、楽天市場における商品ページの「顔」を作るための機能群です。商品名・価格・商品説明文・画像・カテゴリ・在庫数・送料設定など、顧客が購入判断をするうえで必要なすべての情報を登録・管理できます。
商品登録の手順は、RMSにログイン後「商品管理」→「商品登録」から行います。一括登録機能(CSVインポート)を使えば、多数の商品を効率的に登録することも可能です。特に初期出店時には数百〜数千SKUの商品を一度に登録するケースが多いため、CSV一括登録は必須のスキルといえます。在庫管理については、RMSの在庫数設定と実際の倉庫在庫を連動させる「在庫連携」が重要です。在庫切れのまま注文が入ると「欠品キャンセル」となり、店舗評価(Rスコア)に悪影響を及ぼします。EC物流の基礎知識を押さえたうえで、在庫管理の仕組みを構築することが長期的な運営安定につながります。
注文管理機能:注文から発送完了まで一元管理
注文管理は、RMSの中でも最も頻繁に操作する機能です。お客様から注文が入ると、RMSの注文管理画面にリアルタイムで表示されます。注文確認・決済確認・発送処理・追跡番号入力・発送通知・領収書発行など、注文フルフィルメントのすべての工程をRMS上で完結させることができます。
特に重要なのが「注文ステータス管理」です。楽天市場では注文から発送完了までに明確な処理期限があり、期限を超えると自動キャンセル・評価低下のリスクがあります。繁忙期(夏・年末年始・楽天スーパーSALE等)には注文数が平時の数倍に膨れ上がるため、注文管理を自動化・効率化することが経営上の重要課題となります。この課題の解決策が、外部発送代行サービスとのRMS連携です。
売上・決済管理:収益の「見える化」と資金繰り管理
RMSの売上管理機能では、日次・週次・月次の売上データをグラフや数値で確認できます。商品別・カテゴリ別・流入経路別など多角的な分析が可能で、「どの商品が売れているか」「どの広告経由で購入されているか」などのPDCAに活用できます。
決済については、楽天市場特有の「入金サイクル」を理解することが資金繰り管理の基本です。楽天ペイの締め日・支払い日は月2回(原則15日・月末締め、翌月末払い)ですが、プランや設定によって異なります。RMSの明細確認画面で、手数料・広告費・物流費などの控除項目を定期的にチェックし、実質的な利益率を把握する習慣をつけましょう。
広告・集客管理:RPP広告とメルマガ一元管理
RMSの広告管理機能では、RPP広告(楽天プロモーションプラットフォーム)の入稿・予算設定・効果測定を一画面で行えます。クーポン発行・楽天メルマガ配信も同じRMSから操作でき、集客施策のPDCAを効率的に回せます。
楽天市場の出店プランとRMS利用料の関係
出店プランの比較:費用と機能の違い
RMSの利用料は、楽天市場への出店プランによって異なります。2026年現在、楽天市場の主要出店プランは「がんばれ!プラン」「スタンダードプラン」「メガショッププラン」の3種類です。楽天市場公式の出店プラン・料金体系によると、各プランの月額・システム利用料は以下のとおりです。
出店プランの選び方は、主に「月商規模」と「商品ラインナップの充実度」によって決まります。月商50万円未満のスモールスタート事業者には「がんばれ!プラン」が適しており、月商100万円〜500万円規模になったらシステム利用料率が低い「スタンダードプラン」へのアップグレードを検討します。月商1,000万円超の大規模店舗では「メガショッププラン」で商品数・ページ容量の制限を緩和するのが一般的です。
なお、RMS自体の利用料は出店プランの月額費用に含まれており、追加課金はありません。ただし、RPP広告(楽天プロモーションプラットフォーム)やクーポンアドバンスなどの有料広告機能は、利用した分だけ費用が発生する従量課金制となっています。
RMSの広告機能:RPP広告・クーポン・メルマガの活用法
RPP広告の入札戦略:CPC最適化の実践手順
楽天市場での売上を伸ばすためには、RMSの広告・集客機能を戦略的に活用することが不可欠です。主要な広告機能として「RPP広告(Rakuten Promotion Platform)」「クーポン機能」「楽天市場メルマガ」の3つを押さえておきましょう。
RPP広告は、楽天市場の検索結果ページや商品ページに表示されるCPC(クリック課金型)広告です。ターゲットキーワードを設定し、1クリック当たりの入札単価を設定することで、自社商品を上位表示させることができます。RPP広告の効果を最大化するには「CPC(クリック単価)× CVR(転換率)= ROI」の関係を理解し、商品ページのCVRを高めながら入札単価を最適化することが重要です。
クーポン機能は、楽天スーパーSALEや5のつく日などの楽天イベントに合わせて発行することで、大きな集客効果が期待できます。クーポンの割引率・対象商品・発行枚数などをRMS上で細かく設定でき、顧客の購買意欲を高める重要なマーケティングツールです。メルマガ(楽天メルマガ)は、過去の購入者や特定の条件に該当する顧客に直接メッセージを送れる機能で、リピート率向上に直結します。
クーポン・メルマガの効果的な活用法
クーポン機能はRMSの「クーポン設定」から発行でき、割引率・対象商品・使用期限を細かく設定できます。楽天スーパーSALEやお買い物マラソンなどの大型イベント時にクーポンと組み合わせると、通常の2〜3倍以上の集客効果が期待できます。メルマガはセグメント配信(過去の購買履歴別)が可能で、リピーター育成に特に有効です。
RMSと物流システムの連携:RSLと外部発送代行の比較
楽天市場の物流サービスRSL(楽天スーパーロジスティクス)と外部発送代行を比較する際は、RSLとSTOCKCREWの料金・サービス徹底比較も併せて参照ください。2025年値上げ後のRSL料金と、STOCKCREWの料金体系を全8サイズで比較しています。
RSLとSTOCKCREW 徹底比較表
| 比較軸 | RSL(楽天スーパーロジスティクス) | STOCKCREW(外部発送代行) |
|---|---|---|
| 利用条件 | 楽天市場出店必須 | モール不問(30以上に対応) |
| 導入期間 | 最低1.5ヶ月〜 | 最短7日 |
| 初期・固定費 | 個別見積もり | 0円 |
| 基本配送料 | 非公開 | 全国一律260円〜 |
| 小ロット対応 | 月商200万円〜が目安 | 1点から対応 |
| マルチモール対応 | 楽天市場専用 | Amazon・Yahoo!・自社EC等に対応 |
| 料金透明性 | 不透明(個別見積) | 公開・明瞭な料金体系 |
RMSには、楽天独自の物流サービス「RSL(楽天スーパーロジスティクス)」とのシームレスな連携機能が備わっています。しかし、楽天市場専業でない事業者や、複数のECモールを展開している事業者にとっては、外部の発送代行サービスとの連携が有利な場合も多くあります。以下の比較図で両者の特徴を確認しましょう。
RSLは「楽天RMSとの自動連携」という点で圧倒的に優れています。注文が確定すると在庫が自動でアップデートされ、発送完了後はトラッキング番号も自動連携されます。楽天専業で運用するならRSLは最もシンプルな選択肢です。
一方、STOCKCREWのような外部発送代行サービスは、楽天市場以外のモール(Amazon・Yahoo!ショッピング・Shopifyなど)も含めた「マルチモール一元管理」が強みです。楽天の年間売上が全体の30〜50%以下になってきた成長段階の事業者には、外部発送代行への切り替えまたはRSLとの併用が合理的な選択となります。物流最適化の考え方についてはEC物流完全ガイドも参考にしてください。
RSL連携の設定方法
RSL連携はRMSの「物流設定」メニューから申し込みと設定ができます。主な設定手順は、①RSLへの登録申請 → ②倉庫への商品納品(入庫) → ③RMS上でRSL連携を有効化 → ④注文ごとの自動発送設定です。RSL利用時は在庫の「楽天倉庫管理」画面がRMSに追加され、倉庫内の在庫状況をリアルタイムで確認できるようになります。
RSLの注意点として、(1)楽天市場の売上が月商200万円以上を目安に利用を推奨されること、(2)特殊サイズ・重量商品は取扱いに制限があること、(3)商品によっては個別梱包・ギフト包装などのカスタム対応が難しい場合があること、が挙げられます。こうした制約がある商品カテゴリの事業者は、ネットショップ運営の物流設計として外部発送代行の活用を検討してください。
外部発送代行とRMSのAPI連携フロー
STOCKCREWなどの外部発送代行はRMS APIと連携し、注文確定と同時に発送指示を自動送信。発送完了後はトラッキング番号がRMSに自動返送されるため、手動入力の工数をゼロにできます。マルチモール対応の発送代行なら、楽天以外のモールも含めた一元管理が実現します。
活用事例:楽天月商500万円規模の事業者がRSLからSTOCKCREWに移行した実例
事業者概要:アパレル・雑貨を楽天市場メインで販売。月商500万円超・月間出荷800件規模。楽天市場の売上比率が70%から50%に低下したタイミングで、Yahoo!ショッピング・Shopifyへの展開を開始。これに伴い、楽天専用のRSLではマルチモール管理が困難となりSTOCKCREWへの移行を検討。
| 項目 | RSL利用時 | STOCKCREW移行後 |
|---|---|---|
| 月額物流費(概算) | 約35万円 | 約26万円 |
| 対応モール数 | 楽天のみ | 楽天・Yahoo・Shopify一元管理 |
| 梱包カスタム | 不可(RSL標準) | ギフト包装・ブランドシール対応可 |
| 在庫連携 | 楽天RMS自動連携 | API連携で全モール自動連携 |
| 移行後の課題 | — | 初期設定2週間・並行稼働で無停止移行 |
移行後3ヶ月で月間物流費を約9万円削減。マルチモール展開による売上増加と合わせて、物流コスト比率(物流費÷売上)を8.2%から5.1%へと改善しました。楽天市場の比率が下がり始めたタイミングこそ、RSLから汎用発送代行への切り替えを検討するシグナルです。RSLとSTOCKCREWの詳細比較も参照ください。
RMS分析機能の使い方:データ活用で売上を伸ばす
売上分析ダッシュボードの見方
RMSには豊富なデータ分析機能が搭載されており、売上データを戦略的に活用することで競合との差別化が可能です。主な分析ツールとして「売上分析」「アクセス分析」「RPPレポート」「顧客分析」の4つを活用しましょう。
売上分析では、商品別・カテゴリ別・期間別の売上推移を確認できます。特に重要な指標は「転換率(CVR)」で、楽天市場全体の平均CVRは約1〜2%ですが、商品ページの品質改善(画像・説明文・レビュー数)によって3〜5%以上を達成している店舗も存在します。アクセス分析では、楽天市場の検索から自店舗へのアクセス経路・検索キーワード・直帰率などを確認でき、SEO対策(楽天SEO)の改善ヒントを得られます。
顧客分析では、新規顧客とリピート顧客の比率・購入頻度・顧客単価などを把握できます。リピート率を高めることが楽天市場での長期的な成功に直結するため、メルマガ・ポイント施策と組み合わせた顧客育成戦略を立てましょう。物流・在庫の最適化と合わせてデータドリブンな運営体制を構築することが、成長期の楽天出店事業者に求められる姿勢です。
RMS活用ロードマップ:初期設定から売上拡大まで
RMSを効率的に活用するためのロードマップを3フェーズで整理しました。各フェーズのKPI目標値と具体的なアクションを確認しながら、現在の自社の立ち位置を把握しましょう。
Phase 1(初期設定期:〜3ヶ月)では、RMSの基本設定を完全に終わらせることが最優先事項です。商品ページの完成度(画像枚数・説明文の文字数・スペック情報の充実)が楽天SEOに直結するため、手を抜かずに丁寧に作り込みましょう。特定商取引法に基づく表記は必須であり、消費者庁のガイドラインを遵守した店舗設定が求められます。
Phase 2(基礎運用期:3〜6ヶ月)では、RPP広告の効果測定とPDCAサイクルの確立がポイントです。広告ROASの目標値として「300%以上(広告費1円に対して売上3円以上)」を意識した入札戦略を組みましょう。また、楽天スーパーSALEやお買い物マラソンへの参加申請もこのフェーズで積極的に行い、イベント売上を積み上げていくことが重要です。
Phase 3(成長加速期:6ヶ月〜)では、RMS連携データを活用したマルチモール展開の検討や、物流の外部委託化による業務効率化が課題となります。月商が数百万円規模に成長すると、注文処理・梱包・発送業務の人件費が大きな負担になるため、この段階で外部発送代行サービスの導入を真剣に検討することをおすすめします。
Phase 3(成長加速期):マルチモール展開と物流委託の判断基準
月商300万円を超え、楽天以外のモールも展開し始めたら、RMSデータを活用したマルチモール在庫管理体制の構築を優先しましょう。在庫一元管理システムとRMS連携の導入コストは月3〜5万円程度ですが、欠品・二重注文リスクの低減と作業時間削減で早期に回収できます。
楽天市場のRMS設定でよくあるミスと対処法
在庫管理ミスによる欠品・二重注文の防止策
RMSの設定においてよくあるミスと、その対処法についてまとめます。初期設定から運用初期にかけてのつまずきポイントを事前に把握しておきましょう。
最も多い失敗の一つが「在庫数の管理ミスによる欠品・二重注文」です。複数のECモールで同一商品を販売している場合、楽天RMSの在庫数と他モールの在庫が連動していないために、過剰注文が発生するケースがあります。この問題を根本的に解決するには、在庫管理システム(Logiless・CROSS MALLなど)とRMSを連携させることが有効です。ネットショップ運営の在庫管理について詳しく解説していますので参考にしてください。
次によくある失敗が「商品画像の品質不足」です。楽天市場では商品メイン画像のサイズ規定(640×640px以上推奨)や禁止表現のルールがあります。規定を満たさない画像が原因で商品ページが非公開になるケースがあるため、入稿前に必ず楽天の商品画像ガイドラインを確認しましょう。
また「RPP広告の過剰な入札による費用膨張」も注意が必要です。競合が多い人気カテゴリではCPC単価が高騰しやすく、設定を放置すると広告費が膨れ上がります。週に1回はRMSのRPPレポートを確認し、ROASが低下している商品の入札単価を調整する習慣をつけましょう。
RPP広告費膨張と商品ページ品質ミスの対処法
RPP広告費が膨張する最大の原因は「入札単価の放置」です。週1回はRPPレポートでROAS(広告費対売上)を確認し、300%未満の商品は入札単価を10〜20%下げる調整を行いましょう。また商品ページの画像サイズ・禁止表現違反は商品非公開の原因になるため、入稿前に楽天の商品画像ガイドラインを必ず確認してください。
RMSと連携できる主要ツール・システム一覧
受注・在庫を一元管理できる主要システム
楽天市場でのビジネスを効率化・拡大するためには、RMSと外部ツールの連携が欠かせません。代表的な連携ツールと特徴を解説します。
在庫・受注管理システムとしては、Logiless・CROSS MALL・ネクストエンジン・アシストストアなどが楽天RMSとのAPI連携に対応しています。これらのシステムを導入すると、楽天以外の複数モールの注文・在庫を一元管理でき、「楽天のRMSを開いてから、次はAmazonのセラーセントラルを開いて…」という煩雑な作業から解放されます。
物流連携については前述のとおりRSL連携が最もシンプルですが、STOCKCREWのような外部発送代行も楽天RMSと連携可能です。API連携により、RMS上の注文情報が自動で発送代行側のシステムに送信され、発送完了後にトラッキング番号がRMSに自動返送される「完全自動化フロー」を実現できます。
分析ツールとしては、Googleアナリティクスと楽天RMSのデータを組み合わせることはできませんが、楽天独自の「R-StoreManager(楽天市場出店者向けスマートフォンアプリ)」を使えば外出先でも売上・注文をモニタリングできます。より高度な分析には、CSVエクスポートしたデータをExcelやBIツール(Tableau・Looker Studio等)で加工する方法が有効です。
楽天市場でのEC物流を最適化するために知っておくべきこと
楽天市場出荷量と物流コストの関係
楽天市場のRMSを使いこなしながら売上を伸ばしていくにつれて、必ず直面するのが「物流コストの増大と業務負荷の問題」です。楽天市場の注文件数が月100件を超えたあたりから、梱包・発送作業の時間コストが商品開発やマーケティングを圧迫し始めます。この段階で物流体制を見直すことが、事業成長を持続させるための重要な判断となります。
物流改善の選択肢として、①RSL(楽天スーパーロジスティクス)への切り替え、②外部発送代行サービスへの委託、③自社倉庫の拡充、の3つが挙げられます。楽天専業でシンプルな商品構成であればRSLが最も手軽ですが、多品種・複数モール展開の場合は外部発送代行の方がトータルコストを抑えられるケースがほとんどです。物流の基本から発送代行の選定基準まで体系的に学ぶことで、自社に最適な物流戦略が見えてきます。
2024年の日本国内のBtoC-EC(消費者向け電子商取引)市場規模は、26.1兆円(前年24.8兆円、前年比5.1%増)に拡大しています。
EC市場全体が26兆円超に拡大する中、楽天市場の競争環境も年々激化しています。RMSを単なる「業務ツール」ではなく「競争力の源泉」として戦略的に活用できる事業者が、楽天市場で長期的な成功を収めていきます。
RMSを使った楽天市場運営:費用対効果を最大化する考え方
月商規模別・RMS運用コストの損益分岐点
楽天市場での出店費用(月額料金・システム利用料・広告費・物流費)は決して安くはありません。しかし、適切なRMS活用と物流最適化によって費用対効果を最大化することは十分に可能です。
費用対効果を高めるための基本原則は「売上最大化とコスト最小化の両立」です。売上最大化には商品ページのCVR向上・RPP広告の最適化・メルマガによるリピート促進が有効で、これらはすべてRMSの機能として提供されています。コスト最小化には、物流代行の最適化・広告費のROAS管理・システム利用料率が低いプランへのアップグレードタイミングの見極めが重要です。
楽天市場の出店を通じて事業を拡大していく過程では、RMSの深い理解が不可欠です。本記事で解説した6大機能・出店プラン比較・物流連携・ロードマップを参考に、計画的なRMS活用を進めていきましょう。さらに詳しい物流の知識についてはEC物流の完全解説記事もあわせてご覧ください。
通信販売では、商品の引渡しを受けた日から数えて8日以内であれば、消費者は事業者に対して、契約申込みの撤回や解除ができ、消費者の送料負担で返品ができます。もっとも、事業者が広告であらかじめ返品特約を表示していた場合は、特約によります。
楽天市場のRMS設定において、特定商取引法に基づく表記(返品・キャンセルポリシー等)は必須です。消費者庁のガイドラインに沿った適切な店舗設定を行い、法的リスクを回避しながら顧客信頼を構築しましょう。
楽天市場出店の長期コスト試算:ROI最大化の考え方
楽天市場出店の年間コストは、スタンダードプランで月額65,000円×12+初期登録料60,000円+システム利用料(売上比約3%)で構成されます。月商200万円の場合、年間固定費約84万円+システム利用料約72万円=年間約156万円。これを広告費・物流費と合わせてROI(投資対効果)を計算し、出店継続・プランアップグレード・マルチモール展開の意思決定に活用しましょう。
まとめ:RMSを制する者が楽天市場を制する
本記事では、楽天市場の店舗管理システムであるRMSについて、基本概念から6大機能の詳細、出店プランと費用、物流連携(RSL vs 外部発送代行)、広告・分析機能の活用法、RMS活用ロードマップまで体系的に解説しました。RMSは楽天市場での販売活動のすべての起点となるシステムであり、その理解の深さが直接的に売上に影響します。
楽天市場への出店を検討している方は、まず出店プランの選定と初期設定を確実に行うこと。すでに出店している方は、現在のフェーズに応じたRMS活用レベルアップ(広告最適化・物流連携・データ分析)に取り組むことが、次の成長ステップへの近道です。物流面での課題については、発送代行サービスの完全ガイドやSTOCKCREW公式サービスページで詳しい情報をご確認ください。
楽天市場の競争は年々激化していますが、RMSを戦略的に活用し、物流・広告・データ分析の三位一体の運営体制を構築することで、長期的な競争優位を築くことができます。ぜひ本記事のロードマップを参考に、計画的な楽天出店・運営を進めてください。
よくある質問(FAQ)
Q. RMSとはどのようなシステムですか?
RMS(Rakuten Merchant Server)は、楽天市場に出店するすべての店舗が利用できる統合型店舗管理システムです。商品管理・注文管理・売上分析・広告設定・メルマガ配信・物流連携など、楽天市場での販売活動に必要なほぼすべての機能がこのシステム上で管理できます。楽天市場に出店すると自動的に利用できるようになり、追加料金なしで使用できます(一部の有料広告機能を除く)。
Q. RMSの利用料はいくらですか?
RMS自体の利用料は、楽天市場の出店プランの月額費用に含まれており、追加料金はかかりません。出店プランは「がんばれ!プラン(月額25,000円)」「スタンダードプラン(月額65,000円)」「メガショッププラン(月額130,000円)」の3種類があり、以下の表は3つのプランの特徴を比較したものです。
| プラン名 | 月額料金 | SKU上限 | 主なメリット | 向いている規模 |
|---|---|---|---|---|
| がんばれ!プラン | 25,000円(税抜) | 5,000 | 初期コストが低く参入しやすい | 月商〜100万円 |
| スタンダードプラン | 65,000円(税抜) | 無制限 | 機能制限なし・最も選ばれるプラン | 月商100万〜500万円 |
| メガショッププラン | 130,000円(税抜) | 無制限 | 特集掲載・リッチコンテンツ拡張 | 月商500万円以上 |
Q. RMSとRSL(楽天スーパーロジスティクス)の違いは何ですか?
RMSは楽天市場の「店舗管理システム(ソフトウェア)」、RSLは楽天市場の「物流サービス(倉庫・配送)」です。RSLはRMSと自動連携しており、注文確定後に自動で出荷指示が送られ、発送完了後にトラッキング番号がRMSに返送されます。RSLは楽天専業の事業者に向いており、複数モールを展開している場合は外部の発送代行サービスとの連携が適している場合もあります。
Q. 楽天市場のRMSで注文管理を自動化する方法はありますか?
RMS単体での完全自動化は難しいですが、在庫・受注管理システム(Logiless・CROSS MALLなど)とAPI連携することで、注文受付から発送指示・追跡番号返送までの一連の流れを自動化できます。また、RSLや外部発送代行サービスとのシステム連携により、梱包・発送作業自体を外部委託することが業務効率化の根本的な解決策となります。
Q. 楽天市場のRMSは初心者でも使いこなせますか?
はい、RMSは楽天市場の出店者全員が使うシステムのため、初心者向けのサポート(RMSヘルプページ・楽天大学・出店者向けセミナー)が充実しています。最初は「商品登録」「注文確認」「発送処理」の3つの基本機能だけを習得し、慣れてきたら広告設定や分析機能へと使いこなしの範囲を広げていくことをおすすめします。本記事のロードマップを参考に、段階的に学習を進めてください。
この記事の監修者
北原一樹
株式会社KEYCREW オペレーション部長。大手物流会社にて現場担当からセンター長を経て、営業・管理職を12年間歴任。物流業界での経験は24年に及ぶ。大規模顧客の初のEC・DCが併設された10,000坪規模の大型倉庫の立ち上げを主導した実績を持ち、月間100Mの赤字を抱えていた物流センターをわずか3か月で黒字化に転換させた。現在はSTOCKCREWにおいて部門管理・各拠点の収支管理・業務改善を統括。「現地・現物」「数字で現場を見る」「何事にも基準を作る」を信条に、年間5千万点の入出荷を支える高品質な物流オペレーションを実現している。