Shopifyで化粧品を売る事業者の発送代行ガイド|バリアントSKU・ロットと期限の管理・航空便の制限
- EC・物流インサイト
この記事は約15分で読めます
Shopifyで自社ブランドの化粧品を売り始めて、出荷が1日数十件を超えてきた。美容液は容量違いで2種類、ファンデーションは色番で6種類。同じ商品名でも製造ロットと使用期限が違う在庫が棚に混ざり、どの箱をどのお客さまに送ったかを記録する手間も増えていきます。肌トラブルの連絡が入ったときに、同じロットの購入者をすぐに洗い出せるかどうかは、ブランドの信頼に直結します。本記事では、Shopifyで化粧品を販売する事業者が発送代行を使うときに押さえておきたい実務を、連携前のSKU準備、ロットと期限の管理、配送の制限、定期便の順に整理します。発送代行の仕組みや選び方の全体像は発送代行おすすめ25選でつかめます。
Shopifyの化粧品ショップが出荷でつまずく3つの場面
Shopifyはブランドの世界観を作り込みやすく、D2Cの化粧品ブランドが選ぶことの多いカートです。プランごとの月額は公式のShopify料金ページで公開されており、機能の全体像はShopifyとは?料金・プラン比較、ほかのカートとの違いはECカート5選の徹底比較にまとめています。ここでは、化粧品を扱うときに出荷で起きやすいつまずきを3つに絞ります。
色番・容量違いでSKUが一気に増える
リップやファンデーションは色番ごと、スキンケアは容量ごとに在庫を持つため、商品数が少なくてもSKUは数十に膨らみます。Shopifyではこれを「バリアント」として登録しますが、バリアントごとのSKUが空欄のままだと、倉庫は注文を正しく受け取れません(詳しくは次の章)。SKUの考え方はSKUとは?EC在庫管理での意味・設定・活用法で基礎から押さえられます。
ロットと期限が違う在庫が混ざる
化粧品は製造ロットごとに品質を管理する商材です。国民生活センターの集計でも、化粧品は危害情報の上位に入っています。
全国の消費生活センター等から収集した「危害・危険情報」は15,899件で、対前年度比でみると5.3%増となりました。
同じ発表では、危害情報の件数で化粧品が1位でした。数字の読み方は危害・危険情報15,899件の1位は化粧品で解説しています。問い合わせが入ったときに「どのロットを、どのお客さまに送ったか」を答えられる状態を、出荷の仕組みとして作っておく必要があります。
液体・スプレー製品は配送手段に制限がある
化粧品・香水・ヘアスプレー・マニキュアなどは、配送会社のルールで航空機に搭載できない品目として扱われます。お届け先が航空輸送の区間にあたる場合の扱いを、商品ページの配送日数の案内とあわせて後の章で整理します。
連携前に整える:バリアントSKUと変換設定
Shopifyと発送代行をAPIでつなぐと、注文の取り込みと発送済みへの切り替えが自動になります。ただし、取り込まれる注文には条件があります。STOCKCREWの新連携方式(ShopifyV2)では、次の8つをすべて満たす注文だけが一定間隔で自動的に取り込まれます。
すべてのバリアントにSKUを入れる
図1の⑥にあたるのが、Shopify側の商品バリアントSKUです。STOCKCREWでは、API連携の前に必ずバリアントSKUを設定するよう案内しています。SKUが空白のまま注文が入ると受注を取り込めず、倉庫のシステムに手作業で受注を登録し直すことになります。色番を増やしたときや限定色を出したときに入れ忘れやすいので、新商品登録のチェック項目に入れておくと防げます。採番のルールはEC事業者のための商品管理実務ガイドの考え方に沿って決めます。
支払方法と配送方法の「変換」を先に登録する
図1の⑦⑧は、Shopify側の支払方法・配送方法の値を、倉庫のシステムで扱う値に置き換えるための設定です。連携を始める前に登録しておかないと、ほかの条件を満たした注文でも取り込まれません。Shopify Paymentsやスマホ決済、後払いなど、ショップで使っている支払方法をすべて洗い出してから登録すると、運用開始後のエラーを減らせます。
1つのストアは1つの店舗にだけつなぐ
ShopifyV2では、同じショップドメインを倉庫側の複数の店舗に登録できません。1つのShopifyストアにつき、紐付け先は1つです。また、Shopifyで複数のロケーションを使っている場合は、どのロケーションの在庫を連携するかを事前に決めておきます。連携方式の違いや業者選びはShopify×発送代行の連携方法と業者選定ガイド、STOCKCREWとの連携の具体例はShopifyとSTOCKCREW発送代行のAPI連携で紹介しています。
ロット管理と期限管理で「誰に何を送ったか」を残す
化粧品の物流で、ほかの商材と最も違うのがこの章です。STOCKCREWのシステムには、ロット管理と期限管理という2つの仕組みがあり、商品マスタで商品ごとに有効にします。ロット管理の基本はEC事業者のためのロット管理と発注最適化の実務でも扱っています。
| 仕組み | 商品マスタでの設定 | 入荷のとき | 出荷のとき |
|---|---|---|---|
| ロット管理 | 「ロット管理商品」を有効にする | 入荷予定にロットNoを必ず入力 | 出荷検品でロットNoをスキャンし、どのロットをどの出荷に使ったかを記録 |
| 期限管理 | 消費期限の管理を有効にし、「出荷期限設定日」に日数を入れる | 入荷予定に消費期限と出荷期限を入力 | 出荷期限を過ぎた在庫は出荷不可になる |
ロット管理:検品のスキャンが出荷記録になる
ロット管理商品は、出荷検品のときにロットNoをスキャンすることで、どのロットがどの出荷に使われたかが記録されます。在庫にないロットNoをスキャンすると検品エラーになり、発送できません。出荷に使われたロットは、出荷済み情報をエクスポートして確認できます。ただし、標準のエクスポート項目にはロットNoが含まれていないため、CSVエクスポート設定で項目を追加しておく必要があります。問い合わせが来てから設定するのでは遅いので、運用を始めた日に済ませておきます。
なお、ロット管理を使うには、商品にロットNoを記載したバーコードなどが印字されていることが前提です。製造委託先(OEM)に、外箱や個装にロットNoをどう表示してもらうかを、発注の段階で決めておくと後戻りがありません。
期限管理:出荷できる最終日を日数で決める
期限管理では、商品マスタの「出荷期限設定日」に、消費期限の何日前から出荷不可にするかを日数で入れます。たとえば「60」と入れれば、消費期限の60日前を過ぎた在庫は出荷されません。お客さまの手元で十分な使用期間が残るように、自社の品質基準から逆算して日数を決めるのがポイントです。在庫の回し方は先入れ先出し(FIFO)とは?も参考になります。
同じSKUで期限が違うものは袋を分けて送る
入荷のルールとして、同じSKUで消費期限を管理する場合は、期限ごとに袋を分けて梱包して倉庫へ送ります。袋で分けにくい場合は箱を分けます。混ざった状態で届くと、入荷の段階で正しい期限を登録できません。入荷前の準備は発送代行に商品を預ける前の事前準備ガイドにまとめています。
化粧品の配送で気をつけること:航空便と梱包
化粧品の多くは液体やエアゾールを含むため、配送会社の荷受けルールを確認しておく必要があります。ヤマト運輸の法人向けページでは、航空機に搭載できない危険物として、引火性液体の例に化粧品・香水・ヘアスプレー、その他の有害物質の例にマニキュア・除光液などを挙げています。同じページは、航空輸送になる区間を次のように示しています。
沖縄↔他の都道府県
同ページでは「北海道↔九州・中国・四国」も航空輸送区間とされています。航空機に搭載できない商品をこれらの区間へ送る場合、届くまでの日数が通常の案内と変わることがあります。該当する地域への日数を委託先に確認し、商品ページや配送ポリシーに書いておくと、問い合わせを減らせます。STOCKCREWの配送料は全国一律260円〜(ネコポス・簡易梱包の場合)です。
ガラス瓶とポンプ容器は緩衝を厚めにする
香水や美容液のガラス瓶、ポンプ式の容器は、配送中の衝撃で割れたり中身が漏れたりしやすい形状です。破損が起きたときに補償の対象外とされないよう、梱包の基準を商品ごとに決めておきます。考え方は梱包不良による破損クレームを減らすEC出荷の実務ガイド、配送会社ごとの補償の違いは配送事故の補償を運送会社別に徹底比較で整理しています。
小型の商品はポスト投函の便も検討する
リップやミニサイズのスキンケアなど、厚みの小さい商品は、ポスト投函の小型便で送れる場合があります。送料を抑えられる一方、補償の上限が宅配便より低くなるため、単価の高い商品は宅配便と使い分けます。小型便の違いはネコポスとクロネコゆうパケットの徹底比較で比べられます。
定期便・配送日時指定・同梱物の扱い
化粧品は使い切りのサイクルがはっきりしているため、定期購入と相性のよい商材です。Shopifyで定期便を始める方法はShopifyで定期購入(サブスク)を始める方法、物流側の設計は定期購入ECの物流設計実務ガイドで扱っています。
| やりたいこと | STOCKCREWの対応(Shopify連携FAQより) |
|---|---|
| 定期購入の情報を連携したい | 対応アプリは「NoCode Subscriptions」。定期購入の情報は倉庫側の受注フリー項目1に連携される |
| 定期便だけ同梱物を変えたい | 受注フリー項目の値をもとに、受注トリガ(自動処理)を登録できる |
| 配送希望日・時間を連携したい | 対応アプリは「配送日時指定 .amp」。独自にコーディングしている場合は連携されないことがある |
初回だけサンプルや冊子を入れる設計
化粧品では、初回の注文にだけ使い方の冊子や別商品のサンプルを入れたい、というケースがよくあります。定期購入の情報が受注フリー項目1に入っていれば、その値を条件に受注トリガで同梱物を自動で追加する設計ができます。同梱物の考え方はEC事業者が今すぐ使える同梱戦略実務ガイド、納品書の扱いは納品書・請求書の同梱とは?にまとめています。
アプリの組み合わせは事前に伝える
定期購入アプリや配送日時アプリは、ショップごとに組み合わせが違います。対応アプリ以外を使っている場合や、テーマを独自にカスタマイズしている場合は、連携される項目が想定と違うことがあるため、契約前に使っているアプリの一覧を発送代行へ共有しておきます。アプリの選び方はShopifyアプリストアの活用と厳選アプリ紹介ガイドで整理しています。
Shopify×化粧品で発送代行に切り替える前の準備
ここまでの内容を、切り替え前のチェックリストにまとめます。多くは商品登録と連携設定にかかわるため、倉庫に商品を送る前に済ませておくと立ち上がりがスムーズです。STOCKCREWでは医薬品は取り扱えませんが、化粧品・医薬部外品はお預かりできます。温度帯は常温のみのため、要冷蔵の化粧品は対象外です。
- すべてのバリアントにSKUを入れる——色番・容量違いを含め、空欄や重複がないかを一覧で確認します。
- 支払方法と配送方法の変換を登録する——ショップで使っている支払方法をすべて洗い出してから設定します。
- ロット管理・期限管理の対象商品を決める——出荷期限設定日の日数は、自社の品質基準から逆算します。
- ロットNoの表示方法をOEMと決める——バーコードなどでロットNoを読み取れる状態にします。
- 出荷済みエクスポートにロットNoを追加する——CSVエクスポート設定で、運用開始日に済ませます。
- 航空機に搭載できない商品と、航空輸送区間の地域を洗い出す——日数を委託先に確認し、配送ポリシーに書き足します。
化粧品の発送代行の選び方
化粧品ECで発送代行を比べる軸はコスメ・美容品ECの発送代行の選び方、費用の考え方は化粧品ECの発送代行実務ガイドと業者選定の基準にまとめています。見積もりを並べるときは発送代行の見積書を項目別に読み解く7つのチェックポイントで費目をそろえると比較しやすくなります。いまの倉庫から移る場合は発送代行の乗り換えを成功させる4フェーズ実務ガイドの手順が使えます。STOCKCREWは初期費用0円・固定費0円で、1点から預けられ、導入は最短7日です。
まとめ:化粧品の出荷は「SKU」と「ロット」の2つで決まる
Shopifyで化粧品を販売する事業者が発送代行を使うときのポイントは、すべてのバリアントにSKUを入れ、支払方法と配送方法の変換を先に登録することです。これで注文の取り込みと発送済みへの切り替えは自動で回ります。そのうえで、ロット管理で「どのロットを誰に送ったか」を記録し、期限管理で出荷できる最終日を決めておくと、問い合わせや回収が必要になった日にも慌てずに済みます。液体やスプレー製品は航空機に搭載できないため、航空輸送区間への配送日数の案内も忘れずに整えます。
発送代行の仕組みや業者の比べ方は発送代行おすすめ25選、物流全体の設計はEC物流完全ガイド、ショップ運営はネットショップ運営完全ガイド、STOCKCREWのサービス内容はSTOCKCREW完全ガイドにまとめています。自社の商品数や出荷件数で費用を確かめたい場合はお問い合わせから、まずは情報を集めたい段階であれば資料ダウンロードをご利用ください。
よくある質問(FAQ)
Q. Shopifyの注文が発送代行に取り込まれないのはなぜですか?
A. STOCKCREWのShopifyV2連携では、作成から直近30日以内、支払いがpaidまたはpending、未発送、配送先住所と配送方法がある、明細にSKUがある、支払方法変換と配送方法変換が登録済み、の8条件をすべて満たす注文だけが自動で取り込まれます。特にバリアントSKUの空欄と変換設定の漏れが多い原因です。
Q. 化粧品のロット番号は発送代行で管理してもらえますか?
A. STOCKCREWでは、商品マスタでロット管理を有効にすると、入荷時にロットNoを登録し、出荷検品でロットNoをスキャンして、どのロットをどの出荷に使ったかを記録します。商品にロットNoを記載したバーコードなどが印字されていることが前提です。出荷済みエクスポートでロットNoを確認するには、CSVエクスポート設定で項目の追加が必要です。
Q. 使用期限が近い化粧品を出荷しないようにできますか?
A. できます。期限管理を有効にし、商品マスタの「出荷期限設定日」に、消費期限の何日前から出荷不可にするかを日数で入力します。出荷期限を過ぎた在庫は出荷不可になります。同じSKUで期限が違う商品は、期限ごとに袋や箱を分けて入荷させてください。
Q. 香水やヘアスプレーは沖縄や北海道にも送れますか?
A. ヤマト運輸は、化粧品・香水・ヘアスプレー・マニキュアなどを航空機に搭載できない危険物の例に挙げており、沖縄と他の都道府県、北海道と九州・中国・四国の間は航空輸送区間とされています。これらの区間へ送る場合は届くまでの日数を委託先に確認し、配送ポリシーに案内を書いておくと安心です。
Q. Shopifyの定期購入の注文だけ同梱物を変えられますか?
A. STOCKCREWのShopify連携では、対応アプリ「NoCode Subscriptions」を使うと定期購入の情報が受注フリー項目1に連携されます。その値を条件に受注トリガ(自動処理)を登録すれば、定期便や初回の注文だけに冊子やサンプルを同梱する設計ができます。
この記事の監修者
保阪涼子
株式会社KEYCREW 営業部長。物流会社で10年間、EC物流の現場担当・営業事務を経験し、EC・物流業界で通算10年以上のキャリアを持つ。STOCKCREWではサービス開始初期から商談を担当し、500社以上のEC事業者への導入支援を一貫して手がけてきた。YFF(Yahoo!フルフィルメント)移管時には1,000社超の顧客接点・フロー設計を主導。月間10万件以上の出荷管理に携わり、顧客の物流費を平均15%削減する成果を上げている。成約率50%を達成した営業手法には、「『売る』より『解く』」という顧客課題解決型のアプローチが根底にある。物流メディア(Logistics Today、ECのミカタ)へのインタビュー掲載実績も持つ。