国際郵便条件表が11月1日に変更|EU税制・IOSS・小包の条件で海外発送の事業者が確認すること【2026年】
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日本から海外へ荷物を送る事業者にとって、国際郵便の条件は、国ごとに確認が必要な「出荷前の前提」です。日本郵便は2026年10月21日、2026年11月1日(日)に国際郵便条件表を一部変更するとお知らせしました。対象は通常郵便物、小包郵便物、EMS郵便物で、お知らせには送達条件27項目と、禁制品1項目の変更が並んでいます。本記事では、日本郵便のお知らせに書かれている範囲で、変更の中身、国別の条件表を自社の出荷にどう当てはめるか、同じ時期に動くEU向けの変更、出荷前の確認手順を整理します。国際郵便とヤマト運輸の国際宅急便の使い分けはEMSと国際宅急便の比較ガイド、海外発送の全体像は海外発送代行サービスの選び方で扱っているため、ここでは今回の条件表の変更に絞ります。
何が発表されたのか:10月21日の発表と11月1日の変更
日本郵便は、国際郵便の「条件表」を一部変更することを、2026年10月21日のお知らせで案内しました。お知らせの冒頭には、次のように書かれています。
2026年11月1日(日)に、国際郵便条件表を一部変更いたします。
出典:日本郵便「国際郵便条件表の変更について」(2026年10月21日)
国際郵便条件表は、国・地域ごとに、送れる物品の条件、小包の大きさや重量の制限、税関に出す書類、配達や保管の条件などをまとめた表です。今回のお知らせでは、各国・地域の通報による改正が、送達条件27項目と禁制品1項目として並べられています。対象になる郵便は、通常郵便物、小包郵便物、EMS郵便物です。
お知らせで確認できることを、先に整理する
| 項目 | お知らせの内容 |
|---|---|
| 発表日 | 2026年10月21日 |
| 変更日 | 2026年11月1日(日) |
| 対象の郵便 | 通常郵便物、小包郵便物、EMS郵便物 |
| 変更の数 | 送達条件27項目、禁制品1項目 |
| 詳細の見方 | 変更日以降に公開される国際郵便条件表で確認する |
お知らせには、詳細は変更日以降に国際郵便条件表で確認するという趣旨の注記があります。つまり、変更後の条件の全文は、11月1日以降に条件表を開いて確かめる流れです。お知らせの表は、「どの国・地域の、どの郵便種別の、どの項目が変わるか」を知るための入口と考えるとよいでしょう。
変更の中身:送達条件27項目と禁制品1項目を5つに分けて読む
お知らせの表は、番号順に27項目の送達条件が並び、そのあとに禁制品が1項目続く形です。国名と項目が多いため、変更の種類で5つに分けて読むと、自社に関わる箇所が見つけやすくなります。図2にまとめました。
① EU加盟国向け:関税・手数料が課される場合の条件が変わる
送達条件の最初の項目は、EU加盟国向けです。お知らせでは、EU加盟国の税制改正に伴い、「特別な条件」のうち、関税や手数料が課される場合などの条件を変更すると整理されています。対象は、通常郵便物・小包郵便物・EMS郵便物のすべての郵便種別です。EUの関税の動きはEU少額小包への定額関税、2026年7月から導入、免税の撤廃はEUデミニミス7月1日撤廃が目前でまとめています。
② 一部の国:IOSSの条件や、税関が輸入を認めない場合の条件
EU加盟国のうち一部の国では、関税・手数料の条件に加えて、別の項目が変わります。お知らせの表では、スウェーデンで、IOSS制度を利用する郵便物の差出し条件が変更されます。ドイツでは、税関による輸入が認められない場合の条件が変更されます。ベルギーでは、IOSSを利用する郵便物の差出しが可能になった旨が追記されると整理されています。IOSS制度を使って差し出す事業者は、この国の行を特に確認します。EU向けの全体像はShopifyで欧州に直販する日本の事業者の発送ガイドにもまとめています。
③ 小包:大きさ・重量、保管期間、税関告知書、配達方法が国別に変わる
項目の数が最も多いのは、小包郵便物です。お知らせの表では、多くの国・地域で、小包の「大きさ及び重量の制限」が変更されます。ほかにも、ケニアでは税関告知書(CN23など)の必要書類や配達方法、ネパールでは大きさ・重量と税関告知書などの必要書類と保管期間、エクアドルでは大きさ・重量と配達方法と保管期間が変わる、といった形です。ブラジルでは、小包の大きさ・重量と保険金額の最高限が変わるほか、受取人の税務番号・旅券番号の入力形式に関する記載が追記されると整理されています。カザフスタンでは、スマートフォン・携帯電話・通信機能付きタブレットを送る場合の条件が、特別な条件に追記されます。どの国で、何がどう変わるのかは、国ごとに違うため、自社の仕向け国の行を、お知らせの表で確認する必要があります。
④ EMS:配達方法や、地帯・取扱地域が変わる国がある
EMS郵便物の変更は、一部の国に限られています。お知らせの表では、トリニダード・トバゴで配達方法、ニュージーランドで配達に関する情報、パキスタンで地帯および取扱地域が変更されます。EMSを使っている事業者は、これらの国向けの出荷があるかどうかを、まず確かめます。EMSのサイズ・重量制限は、日本郵便の大きさ・重量制限一覧表(EMS)| 日本郵便で国別に調べられます。EMSの使い方はEMSの使い方ガイドに整理しています。
⑤ 禁制品:韓国向けに、播種用の種子と受粉用の花粉が条件付きで送れる物品に加わる
禁制品の変更は、韓国(大韓民国)の1項目です。お知らせには、条件付許容物品として「播種用の種子及び受粉用の花粉」を追加すると書かれています。「禁止」ではなく「条件付きで送れる物品」への追加である点が、読み違えやすいところです。園芸用品や種子を扱う事業者が韓国へ送る場合は、変更日以降の条件表で、付けるべき条件を確認します。韓国向けの発送はShopifyで韓国に直販する日本の事業者の発送ガイドでも扱っています。
条件表は「国別の確認表」:自社の仕向け国で確かめる手順
国際郵便条件表の変更は、全世界の事業者に一律に影響するものではありません。自社が荷物を送る国と、使う郵便種別にだけ関わるのが、条件表の特徴です。変更日の11月1日以降は、次の順で確かめると、見落としが減ります。
手順1:直近の仕向け国を3〜5か国、書き出す
過去数か月の出荷実績から、送り先の上位の国を書き出します。お知らせの表に出てくる国のうち、該当する国があるかを照らし合わせます。国の数が多い場合は、出荷件数の多い国から順に確認します。
手順2:使っている郵便種別に絞る
通常郵便物・小包郵便物・EMS郵便物のうち、実際に使っている種別を確認します。たとえば、小包郵便物だけを使っている事業者は、お知らせの表の「小包郵便物」と「全郵便種別」の行を見れば足ります。
手順3:変更日以降に、国際郵便条件表を開いて確認する
お知らせには、詳細は変更日以降の条件表で確認する旨が書かれています。11月1日以降に条件表を開き、仕向け国のページで、送れる物品・大きさ・重量・必要な書類・保管期間を見直します。数値や書式は、条件表の記載をそのまま使い、記事やまとめサイトの要約を転記しない運用が安全です。
手順4:社内のテンプレートと、梱包のルールを更新する
条件が変わった国があれば、商品マスタの海外発送の可否、梱包サイズの上限、税関告知書のテンプレートを更新します。国ごとの違いが多いため、国別の確認表を社内で1枚つくっておくと、担当者が変わっても引き継げます。HSコードや原産国などの商品情報は、HSコードの調べ方ガイドで整理しています。
同じ11月1日に動くEU向けの変更:PIDと定額関税
11月1日は、国際郵便条件表の変更日であると同時に、EU向けの別の変更が始まる日でもあります。ヤマト運輸は2026年10月14日のお知らせで、次のように案内しています。
2026年11月1日(日)から、法人から出荷されるEUの一般消費者向け輸入貨物(BtoC輸入貨物)において、税関当局への製品識別コード(PID)の提出が求められることとなりました。
出典:ヤマト運輸「欧州連合(EU)加盟国向け「国際宅急便」ご利用時の記載事項変更について」(2026年10月14日)
これは、ヤマト運輸の国際宅急便の案内で、日本郵便の条件表の変更とは別の話です。ただ、EU向けに出荷する事業者にとっては、同じ日に確認する項目が2つ増えることになります。PIDの種類やインボイスの書き方はEU向け国際宅急便がPID必須にで整理しています。
EUでは、少額貨物の関税にも動きがあります。欧州委員会は、2026年7月から始まった暫定的な定額関税について、次のように説明しています。
The duty applies per item in a consignment, based on tariff classification (not quantity).
日本語にすると、「関税は、貨物に含まれる品目ごとに、関税分類に基づいて課され、数量では数えない」という意味です。EU向けの出荷は、郵便か民間の国際宅急便かにかかわらず、商品ごとの情報(品目・分類・コード)をそろえて出すことが前提になってきています。
STOCKCREWの海外発送は、ヤマト国際宅急便を使い、国内の区間をヤマト運輸が、海外の区間(通関から海外配送)をヤマト運輸の提携パートナーであるUPSが担当しています。200か国以上へ発送できます。したがって、今回の国際郵便条件表の変更は、国際郵便(通常郵便物・小包・EMS)を使って出荷している分に関わる話です。国際宅急便の受注登録は越境ECの出荷を発送代行に任せる流れ、関税の負担の考え方は国際宅急便の関税前払いとDDPで扱っています。
国際郵便約款の変更は2027年1月1日:別の日付として押さえる
国際郵便には、条件表とは別に、国際郵便約款の変更も控えています。総務省は2026年9月14日付の報道資料で、国際郵便約款の変更を認可したと公表しました。実施予定日は2027年1月1日で、保険についての変更として、次のように示されています。
保険付は書類のみを包有する優先通常郵便物及び小包に限定されることとなった。
出典:総務省「国際郵便約款の変更の認可」(2026年9月14日)
この変更は、11月1日の条件表の変更とは日付も内容も別です。条件表は「国別の送達条件と禁制品」、約款は「国際郵便全体のルール」という違いがあります。保険や補償の扱いが変わる点は、越境ECの発送手段の選び方に影響するため、国際郵便約款の変更で、発送手段と補償の見直し方を整理しています。11月1日(条件表)と2027年1月1日(約款)を、別々のスケジュールで管理するのが実務上の備えになります。
11月1日までに、海外発送の事業者が確認すること
施行日は11月1日(日)で、条件表の詳細が開けるのは変更日以降です。変更日までは、次の準備ができます。
- 使っている郵便種別を洗い出す——通常郵便物・小包郵便物・EMS郵便物のどれを、どの国へ使っているかを一覧にする。
- お知らせの表に自社の仕向け国があるか照らす——日本郵便のお知らせの表を開き、仕向け国の行があるかを確認する。
- EU向けの出荷があるかを確認する——ある場合は、関税・手数料の条件の変更と、IOSSの利用の有無を確認する。ヤマト運輸の国際宅急便を使う分は、PIDの準備も進める。
- 韓国向けに種子や花粉の商品がないか確認する——該当する商品があれば、変更日以降の条件表で、付ける条件を確かめる。
- 小包の大きさ・重量の上限を、梱包の標準と照らす——仕向け国の制限が変わる場合に備え、標準の梱包サイズを見直せるようにしておく。
- 変更日以降の見直しの担当と日付を決める——11月1日(日)以降の最初の営業日に、条件表を開いて見直す担当者を決めておく。
お知らせの表に自社の仕向け国が見つからなくても、安心してよいとは限りません。条件表はもともと国別の確認表であり、変更がない国の条件も、出荷前の確認先であることに変わりはないためです。業者の比較は発送代行おすすめ25選、海外発送の費用や手段の比較は海外発送代行サービスの選び方と越境EC業者比較、EC物流の全体の設計はEC物流完全ガイド【2026年版】で扱っています。
まとめ:条件表は、施行日以降に国別に見直す
日本郵便は2026年10月21日、国際郵便条件表を11月1日(日)に一部変更すると発表しました。送達条件27項目と禁制品1項目が対象で、EU加盟国の税制改正に伴う関税・手数料の条件、一部の国のIOSSや税関の条件、小包の大きさ・重量・保管期間・税関告知書、EMSの配達方法や地帯、韓国向けの禁制品の扱いが、国別に変わります。詳細は変更日以降の条件表で確認する流れのため、仕向け国と郵便種別を絞って、11月1日以降に見直すのが現実的です。EU向けは、同じ日にPIDの提出も始まり、2027年1月1日には国際郵便約款の変更も控えています。日付ごとに、別々の確認先として管理してください。
STOCKCREWでは、ヤマト国際宅急便を使った海外発送に対応しています。海外発送の運用や費用を確かめたい場合はお問い合わせから、まずは情報を集めたい段階であれば資料ダウンロードをご利用ください。サービス内容はSTOCKCREW完全ガイド【2026年版】にまとめています。
よくある質問(FAQ)
Q. 国際郵便条件表は、いつ変更されますか?
A. 日本郵便は2026年10月21日のお知らせで、2026年11月1日(日)に国際郵便条件表を一部変更すると案内しています。対象は通常郵便物、小包郵便物、EMS郵便物で、送達条件27項目と禁制品1項目が変更されます。
Q. 変更後の条件は、どこで確認できますか?
A. お知らせには、詳細は変更日以降に国際郵便条件表で確認する旨が書かれています。11月1日以降に条件表を開き、仕向け国のページで、送れる物品・大きさ・重量・必要な書類・保管期間を確認します。
Q. 自社が送っている国が、変更の対象かどうか分かりません。
A. 日本郵便のお知らせの表に、変更される国・地域と郵便種別が並んでいます。自社の仕向け国と、使っている郵便種別を照らし合わせます。表に載っていない国でも、条件表は出荷前の確認先であることに変わりはありません。
Q. 韓国向けの禁制品の変更は、何が変わりますか?
A. 韓国(大韓民国)について、条件付きで送れる物品に「播種用の種子及び受粉用の花粉」が追加されます。送れなくなるのではなく、条件付きで送れる物品に加わる変更です。条件の中身は、変更日以降の条件表で確認します。
Q. ヤマト運輸の国際宅急便も、この条件表の変更の対象ですか?
A. 今回の変更は、日本郵便の国際郵便条件表のお知らせです。ヤマト運輸の国際宅急便の案内は別で、EU向けでは2026年11月1日から、BtoC輸入貨物で税関へのPID提出が求められます。使っている運送会社ごとに、案内を確認します。
この記事の監修者
重光翔太
株式会社KEYCREW 営業管掌取締役。ヤマト運輸にて本社営業部長を歴任し、物流業界で16年以上のキャリアを積む。法人営業・コスト最適化・業者比較選定を専門とし、累計1,500社以上のEC事業者への物流支援を手がけてきた。数百万件/日規模の出荷オペレーション管理や、6,000社が利用するフルフィルメントサービスの構築、温度帯コールドチェーンの大規模荷主向け事業設計など、業界でもトップクラスの実績を持つ。STOCKCREWでは営業戦略全体を統括し、「数字で語り、ROIで証明する」をモットーに、EC事業者の物流コスト最適化を推進している。