eBayで海外に販売する日本の事業者の出荷ガイド|CSV取込の手順・HSコードと単価の登録・個人宛に送れない国
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eBayで海外のお客さまから注文が入るたびに、住所を英語で確認し、インボイスを作り、国際便の送り状を書く。注文が増えるほど、この出荷作業が出品や仕入れの時間を圧迫していきます。発送代行に任せようとしたときに最初にぶつかるのが、eBayの注文は、国内のカートのようなAPI連携では倉庫に渡せないという点です。本記事では、eBayで海外に販売する日本の事業者が発送代行を使うときの出荷実務を、注文の渡し方(CSV取込)、海外向けの受注と商品に必要な項目、国際宅急便の条件と料金、関税の考え方、切り替え前の準備の順に整理します。eBayの始め方はeBayとは?越境EC参入の基礎、発送代行を選ぶ基準はeBay越境EC発送代行の業者選定基準、個人での出荷フローはeBay個人輸出の出荷実務フローで扱っているため、ここでは事業者が倉庫に出荷を任せる運用に絞ります。
eBayの出荷で事業者がつまずく3つの場面
eBayから発送代行に注文を渡すときは、国内のカートとは勝手が違います。つまずきやすいのは、次の3つの場面です。
注文が自動では倉庫に届かない
STOCKCREWでは、eBayやAmazonの海外向けモールは、現状ではAPI連携の対象外で、CSV取込で個別に対応しています。API連携を無料で組めるのはShopifyです。eBayの注文は、CSVに書き出して取り込む運用を、最初に設計しておきます。第2章で扱います。
HSコードや単価が空欄で、海外向けの受注が登録できない
海外向けの受注では、明細の単価入力が必須で、商品にはHSコードの設定が必要です。出品時に決めていない商品は、出荷の前に登録し直す手間が出ます。第3章で整理します。
購入者が個人だと、書類以外を送れない国がある
国際宅急便には、ご依頼主またはお届け先のどちらか一方でも個人の場合、書類以外の荷物を取り扱えない国があります。eBayの購入者は個人であることも多く、該当する国から注文が入ると、出荷できません。第4章で14か国を確認します。海外発送の全体像は海外発送代行の選び方で比較できます。
eBayの注文は、API連携ではなくCSV取込で倉庫に渡す
国内のカートでは、受注の取り込みから出荷の報告までがAPI連携で自動化されます。eBayは、その対象外です。連携の方式による違いはEC物流のAPI連携とCSV連携の違いで解説しています。
初回に「取込形式」を登録しておけば、2回目からはファイルを取り込むだけ
CSV取込では、システムの「設定」→「インポート設定」で新規登録を行い、取り込みたいCSVの列と受注の項目を対応づけます。この取込形式の登録は、初回に1回行います。登録後は、「受注・出荷管理」の「CSVインポート」から、eBayの注文を書き出したCSVを取り込めます。列の数や項目名が変わったときは、あらためて設定します。取込後は「CSVインポート結果」の画面で、成功した件数と、失敗したデータのエラー内容を確認できます。
住所の入れ方は、国内と違う。国名は「国コード」で渡す
海外向けの住所は、CSVの列を次のように対応づけます。
| 項目 | CSVに設定する内容(STOCKCREWの仕様) |
|---|---|
| 郵便番号 | 通常どおり郵便番号の列。郵便番号がない国(例:香港)は、仮の数字(例:000)を入れる |
| 都道府県 | 州名・地域名の列 |
| 住所1 | 都市名を含む住所の列 |
| 住所2・3 | 都市名以降の住所の列 |
| 国名 | 国コードの列 |
手入力で登録する場合も同じ考え方です。受注登録の画面で、配送区分の切替トグルを「海外配送」にすると、海外向けの入力項目が表示されます。件数が少ないうちは手入力、増えてきたらCSV取込、と使い分けられます。
海外向けの受注と商品に必要な項目:単価・HSコード・住所
海外向けの出荷は、国内の出荷より入力する項目が増えます。登録が漏れると、受注の取り込みや出荷の段階で止まります。
受注の明細は、単価の入力が必須
海外向けの受注登録では、受注商品の単価入力が必須です。国内向けでは空欄でも流れる場合がありますが、海外向けでは、通関の申告に使う金額として単価が必要になります。eBayの注文をCSVに書き出すときは、商品ごとの単価が列に入っているかを先に確認します。
商品には「海外向け商品」の設定と、HSコードなどを登録する
商品マスタでは、海外向けに発送する商品に「海外向け商品」のチェックを入れ、HSコード・原産国・大分類・中分類(危険物の有無)を入力します。HSコードは、国際的に標準化された商品分類コードで、6桁またはそれ以上のコードが割り当てられています。HSコードは、税関が公開している実行関税率表(輸入統計品目表)で品目を確認できます。実務の考え方はHSコードの調べ方と実務ガイド、インボイスの作り方はプロフォーマインボイスの書き方にまとめています。
| どこで | 何を | 内容(STOCKCREWの仕様) |
|---|---|---|
| 商品マスタ | 海外向け商品 | 海外へ発送する商品はチェックを入れる |
| 商品マスタ | HSコード・原産国・大分類・中分類 | 海外発送を有効にしたら入力する。中分類は危険物の有無 |
| 受注(手入力/CSV) | 明細の単価 | 必須項目。空欄では登録できない |
| 受注(手入力/CSV) | 住所・国コード | 郵便番号がない国は仮の数字。国名は国コード |
発送できない商品は、事前に確認する
一部の商品は、国際郵便での発送が制限されています。発送できるかどうかを国際郵便以外の方法も含めて確認したいときは、STOCKCREWのカスタマーポータルから問い合わせます。リチウム電池や液体など、危険物に当たる商品は、商品マスタの危険物の有無の設定とあわせて確認しておきます。
国際宅急便の条件と料金:個人宛に送れない14か国に注意
STOCKCREWの海外出荷は、ヤマト運輸の国際宅急便を使います。国内区間はヤマト運輸、海外区間(通関〜配送)はヤマトの提携パートナーであるUPSが担当します。国内の宅急便とは扱いが異なるため、事前に知っておく条件が2つあります。
国内の宅急便とは違い、「貿易扱い」になる
ヤマト運輸の公式ページには、次のように書かれています。
日本国内の宅急便とは異なり貿易扱いとなるため、各国の輸出入制限が適用されます。
出典:ヤマト運輸「国際宅急便」
送れる国であっても、商品によっては相手国の輸入が認められないことがあります。商品ごとの輸入規制は、JETRO「商品ごとの輸出入手続き」の案内で調べられます。出品前に、相手国で輸入できる商品かどうかを確認しておくと、出荷後の返送や廃棄を避けられます。
購入者が個人だと、書類以外を送れない14か国
eBayでは、購入者が個人であることが多くなります。同じページには、次の条件が示されています。
以下の国は、ご依頼主さま、またはお届け先さまどちらか一方でも個人さまの場合、書類以外の荷物はお取り扱いができません。
出典:ヤマト運輸「国際宅急便」
購入者の所在国がこの14か国に当たるかどうかは、出品時の「配送可能な国」の設定で絞り込む方法があります。設定の詳細はeBay側の機能のため、ここでは触れません。ほかの国際便との違いはEMSと国際宅急便の比較で確認できます。
料金の目安:ゾーンとサイズで決まる
国際宅急便の料金は、お届け先の地域(ゾーン)と荷物のサイズで決まります。STOCKCREWの料金資料(税抜、一部抜粋)では、次のとおりです。これに、海外発送手数料が1件あたり300円、同じ受注の2点目以降のピッキングが1点あたり30円かかります。
| ゾーン | 60サイズ | 100サイズ | 140サイズ | 書類 |
|---|---|---|---|---|
| アジア | 2,750円 | 8,700円 | 20,200円 | 1,300円 |
| 北米など | 3,700円 | 11,950円 | 27,750円 | 1,600円 |
| 欧州・中東 | 4,300円 | 13,700円 | 32,350円 | 2,050円 |
| アフリカ・南米ほか | 8,500円 | 33,350円 | 58,850円 | 2,300円 |
南米やアフリカ向けは、同じサイズでもアジア向けの3倍以上になります。販売価格を決めるときは、小さく軽い商品なのか、大きい商品なのかで、送れる国を分けて考えます。料金は改定されることがあるため、実際の見積もりは問い合わせで確認してください。
関税は受取人に請求される。立替の仕組みも選べる
海外向けの出荷では、輸入国の関税や税金が発生します。ヤマト運輸の公式ページには、次のように書かれています。
関税等諸費用については、お届け先さまにご請求いたします。
出典:ヤマト運輸「国際宅急便」
購入者が関税を負担することに納得していないと、受け取りを拒否されたり、評価に響いたりします。関税を購入者に知らせたくない場合は、元地関税立替払という仕組みがあります。輸入国の関税・輸入消費税を、輸入者に知らせず、日本側のヤマト運輸が立て替える方式です。仕組みの詳細と使い分けは元地関税立替払(DDP)の解説、少額免税の扱いは少額免税の見直しリスクで整理しています。
関税と消費税の計算の考え方は、税関のカスタムスアンサー「関税・消費税等の税額計算方法」で確認できます。どちらを選ぶ場合も、商品のHSコードと単価が正しく登録されていることが前提です。第3章の登録内容が、関税の計算と通関の申告に使われます。
eBayの出荷を発送代行に任せる前の準備
国内向けの出荷との違いはEC配送サービスの比較やEC物流ガイドも合わせて確認できます。ここまでの内容を、切り替え前のチェックリストにまとめます。多くはeBay側の設定と商品情報の整理にかかわるため、倉庫に商品を送る前に済ませておくと立ち上がりがスムーズです。
- 取込形式を登録する——eBayの注文CSVの列と、受注の項目を対応づけます。
- 国名を国コードで出力する——郵便番号がない国は仮の数字を入れる運用を決めます。
- 商品マスタに海外向け情報を入れる——HSコード・原産国・大分類・中分類を登録します。
- 受注の明細に単価を入れる——CSVの単価列が空欄にならないか確認します。
- 送れない国と商品を洗い出す——個人宛に書類以外を送れない14か国と、危険物に当たる商品を確認します。
- 関税の負担方法を決める——受取人に請求するのか、元地関税立替払を使うのかを選びます。
初回のCSV取込は、少ない件数で試し、「CSVインポート結果」の画面でエラーの内容を確認してから本番に移ると安全です。
まとめ:eBayの出荷は「CSVの型」と「個人宛の制限」で決まる
eBayの出荷を発送代行に任せるときは、注文を倉庫に渡す方法、海外向けの登録項目、送れない国の3点を先に固めておきます。
STOCKCREWでは、eBayの海外向けの注文はAPI連携の対象外で、CSV取込で対応します。海外向けの受注では単価が必須で、商品にはHSコードなどの登録が必要です。国際宅急便は貿易扱いで、購入者が個人の場合に書類以外を送れない国が14か国あります。関税は受取人に請求されますが、元地関税立替払も選べます。越境ECの発送代行の全体像は越境EC発送代行の選び方、参入前の整理は越境ECの始め方にまとめています。
よくある質問(FAQ)
Q. eBayの注文は、API連携で自動的に倉庫へ入りますか?
A. STOCKCREWでは、eBayやAmazonの海外向けモールは、現状ではAPI連携の対象外です。注文をCSVに書き出し、システムのCSVインポートで取り込みます。初回に「インポート設定」で取込形式を登録しておけば、2回目以降はファイルの取り込みだけで済みます。
Q. 海外向けの受注で、必須の入力項目は何ですか?
A. 受注商品の単価が必須です。商品マスタでは、海外発送を有効にしたうえで、HSコード・原産国・大分類・中分類(危険物の有無)を入力します。住所は、国名を国コードで入れ、郵便番号がない国は仮の数字(例:000)を入れます。
Q. 購入者が個人だと送れない国はありますか?
A. 国際宅急便では、ご依頼主またはお届け先のどちらか一方でも個人の場合、書類以外を取り扱えない国が14か国あります。中国・フィリピン・モンゴル・インド、カナダ・メキシコ、アルゼンチン・パラグアイ・ブラジル・ベネズエラ、ポルトガル・ロシア、カタール・サウジアラビアです。
Q. 海外発送の料金には、何が含まれますか?
A. 国際宅急便の料金は、お届け先のゾーンと荷物のサイズで決まります。STOCKCREWでは、これに海外発送手数料が1件あたり300円、同じ受注の2点目以降のピッキングが1点あたり30円かかります。料金は改定されることがあるため、見積もりは問い合わせで確認してください。
Q. 関税は、誰が負担しますか?
A. ヤマト運輸の国際宅急便では、関税等の諸費用はお届け先に請求されます。購入者に知らせず日本側で立て替える場合は、元地関税立替払という仕組みがあります。
この記事の監修者
保阪涼子
株式会社KEYCREW 営業部長。物流会社で10年間、EC物流の現場担当・営業事務を経験し、EC・物流業界で通算10年以上のキャリアを持つ。STOCKCREWではサービス開始初期から商談を担当し、500社以上のEC事業者への導入支援を一貫して手がけてきた。YFF(Yahoo!フルフィルメント)移管時には1,000社超の顧客接点・フロー設計を主導。月間10万件以上の出荷管理に携わり、顧客の物流費を平均15%削減する成果を上げている。成約率50%を達成した営業手法には、「『売る』より『解く』」という顧客課題解決型のアプローチが根底にある。物流メディア(Logistics Today、ECのミカタ)へのインタビュー掲載実績も持つ。