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米国で2,000台稼働する自律走行配送ロボットの最新動向【2026年】|日本EC物流への示唆と展望

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2026年06月15日 更新 2026年4月6日 公開

この記事は約12分で読めます

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米国では自律走行配送ロボットが実験段階を超え、20都市・2,000台規模の商用展開に到達しています。Serve Robotics、Coco、DoorDash Dotといった企業がUber EatsやDoorDashと連携し、食品・日用品のラストマイル配送を自動化しつつあります。本記事では、米国の配送ロボット最新動向を整理し、日本のEC物流・発送代行にとってどのような意味があるのかを考察します。次世代の物流戦略を考える材料としてください。

この記事の内容

  1. 米国配送ロボット市場の現在地:$19億市場と主要プレイヤー
  2. 主要4社の戦略比較:Serve・Coco・DoorDash Dot・Starship
  3. 米国の規制環境:20州以上が法整備済み
  4. 日本の配送ロボット実証実験の最新状況
  5. EC事業者にとっての意味:ラストマイル変革の展望
  6. まとめ
  7. よくある質問(FAQ)

米国配送ロボット市場の現在地:$19億市場と主要プレイヤー

市場調査会社Future Market Insightsは、歩道配送ロボットによるラストマイル配送市場が2026年に約19億ドル(約2,850億円)規模に達し、2030年代半ばにかけて二桁台の年平均成長率で拡大が続くと予測しています。成長の背景には、深刻な労働力不足・ラストマイル配送コストの上昇・より速い配送への消費者ニーズがあります。

この市場を牽引しているのはフードデリバリーと連携した配送ロボット企業です。従来の倉庫内ロボット(AGV・AMR)が「倉庫の中」を自動化するのに対し、配送ロボットは「倉庫から消費者の玄関先まで」のラストマイルを自動化する点が決定的に異なります。

背景には、米国のラストマイル配送コストの高騰があります。ラストマイルは物流コスト全体の50%以上を占めるとされ、人手不足も相まって自動化のインセンティブが極めて高い領域です。日本でも、何も対策を講じなければ2024年度に14%、2030年度には34%の輸送力が不足する可能性が国により試算されており(国土交通省「ラストマイル配送の効率化等に向けた検討会」)、自動化への期待は世界共通です。EC物流の将来性と市場動向でも触れているように、ロボットやドローンによるラストマイル革新は今後のEC物流を左右する重要テーマです。

主要4社の戦略比較:Serve・Coco・DoorDash Dot・Starship

2026年4月時点で、米国の配送ロボット市場は以下の4社が主導しています。

企業 稼働台数 展開都市 主要パートナー 特徴
Serve Robotics 2,000台 20都市(6大都市圏) Uber Eats 最大規模のフリート。LA・アトランタ・ダラスなど
Coco Robotics 数百台 複数都市 Uber Eats・DoorDash・Wolt Coco 2で配達時間50%短縮。3,000加盟店
DoorDash Dot 展開初期 フェニックス DoorDash 幅90cm・時速32km。加盟店・顧客に無料
Starship 2,700台 270拠点(7カ国) Uber Eats(欧州) 900万件の配達実績。大学キャンパスに強み

Serve Robotics:Uber Eats連携で最大規模

Serve Roboticsは2026年時点で2,000台のロボットを20都市に展開し、商用配送ロボットとしては最大規模のフリートを運用しています。ロサンゼルス・アトランタ・ダラス・マイアミ・シカゴ・バージニアなど、人口密度の高い都市部でUber Eatsの配達を代替しています。

Serve Robotics has deployed more than 2,000 delivery robots, expanding its operating footprint to 20 cities across six major metropolitan areas in the U.S., with a merchant base of over 4,500 restaurant and retail partners.

出典:The Robot Report「Serve Robotics has deployed 2,000+ delivery robots across U.S.」(2026年)

Coco Robotics:次世代機「Coco 2」を投入

Coco Roboticsは2026年2月に次世代機「Coco 2」を発表しました。前世代比で配達時間を50%短縮し、歩道だけでなく自転車道や許可された道路での走行にも対応。完全防水仕様で冬用スタッドタイヤにも対応するなど、天候に左右されない稼働率を実現しています。Uber Eats・DoorDash・Woltの3プラットフォームと連携し、加盟店数は3,000を超えています。

DoorDash Dot:プラットフォーム内製の配送ロボット

DoorDashは自社開発の配送ロボット「Dot」を発表しました。幅約90cm、最高時速32km/h、最大積載量13.6kgで、ピザボックス6個分の荷物を運べます。加盟店・顧客への追加費用なしで提供される点が特徴的で、配送ロボットのコストをDoorDash側が吸収するモデルです。

Starship Technologies:累計900万配達の実績

エストニア発のStarship Technologiesは累計900万件の配達を達成し、7カ国270拠点で稼働しています。米国では65以上の大学キャンパスでの展開に強みを持ち、学生向けフードデリバリーで圧倒的なシェアを確保しています。2025年10月にはシリーズCで5,000万ドルを調達し、事業拡大を加速させています。

米国の規制環境:20州以上が法整備済み

配送ロボットの商用展開を支えているのが、米国20州以上で整備された法規制です。多くの州では配送ロボットを「Personal Delivery Device(PDD)」として定義し、歩行者と同等の権利を付与しています。

規制項目 一般的な基準 備考
歩道での最高速度 10〜12 mph(16〜19 km/h) 州により異なる
最大重量 120ポンド(約55kg)以下 アリゾナ州・ワシントン州の基準
走行区域 歩道+一部路肩 自転車道走行を許可する州も
遠隔監視 必要(完全無人ではない) 1人の監視者で複数台管理が一般的
法的分類 「歩行者」または「PDD」 車両登録不要の州が多い

一方で、ニューヨーク市やサンフランシスコなど一部の大都市では規制が厳しく、本格展開には至っていません。プライバシー(カメラ・LiDAR搭載による監視懸念)や歩道の安全性に関する議論が続いています。

日本の配送ロボット実証実験の最新状況

日本でも配送ロボットの実証実験が進んでいます。2023年4月に施行された改正道路交通法では、配送ロボットが「遠隔操作型小型車」として法律上明確に定義され、随行監視員を不要とする運用が可能になりました(警察庁所管)。これにより実証のハードルが大きく下がり、海外並みのサービス展開に向けた法的基盤が整いつつあります。

主要な実証事例

企業・団体 地域 時期 内容
楽天グループ 東京都中央区(晴海・月島・勝どき) 運用中 「楽天無人配送」91地点対応。毎日10:00-21:00。配送料100円
ヤマト運輸 大規模マンション 実証中 24時間稼働検証。2026年内の実用化目標
愛知県 愛知県内公道 2025年12月〜2026年2月 国内初の公安委員会届出による公道走行。6ルート・2カ所連続配送
セブン-イレブン 東京都八王子市 実証中 コンビニ商品の公道配送実験

ドローン物流のメリット・デメリットで解説しているドローン配送と比較すると、配送ロボットは都市部での実用性が高い点が優位です。ドローンは航空法規制や天候の影響を受けやすく、重量制限も厳しいです。一方で配送ロボットは歩道を走行するため、建物密集地でもルートを確保しやすいという利点があります。

日本での本格展開には課題もあります。経済産業省は中速・中型ロボット(軽自動車より小型の機体が道路左側を通行するモデル)の検討を進めており、安全基準・走行ルール・保険制度の議論を通じて、現行の歩道走行型に加えて車道走行型の配送ロボットの法整備が検討されています。

EC事業者にとっての意味:ラストマイル変革の展望

配送ロボットの普及は、日本のEC事業者にとって以下の3つの意味を持ちます。

①ラストマイルコストの構造変化

現在、日本のEC事業者が負担する送料と梱包コストのうち、ラストマイル配送が最大のコスト要因です。配送ロボットが実用化されれば、1配達あたりのコストが現行の宅配便より大幅に低下する可能性があります。楽天の無人配送が配送料100円で提供していることは、その方向性を示唆しています。日本の物流現場では、EC拡大とドライバー不足が同時に進行しています。

近年、多様化するライフスタイルとともに電子商取引(EC)が急速に拡大し、宅配便の取扱個数は約50億個(令和5年度)となっています。一方で、我が国の物流は、トラックドライバーの時間外労働の上限規制等により、トラックドライバーの担い手不足が顕在化し今後も深刻化することが見込まれています。

出典:国土交通省「宅配便の再配達率調査」

②配送スピードの新基準

米国ではAmazonが1〜3時間配送を推進し、配送ロボットがそのインフラの一部を担い始めています。日本でもヤマト運輸が24時間配送ロボットの実証を行っており、「深夜帯の配送」や「即時配送」が将来的に実現する可能性があります。楽天市場に出店している事業者は、出荷体制の見直しにあたり楽天スーパーロジスティクスとの比較もあわせて確認しておくとよいでしょう。EC事業者は配送スピードの期待値が変わることを見据えた物流設計が必要です。

③発送代行との関係

配送ロボットが実用化されても、「倉庫での保管・ピッキング・梱包」は依然として必要です。むしろ、配送ロボットの集荷拠点に近い立地の倉庫が重要性を増す可能性があります。物流AIの活用事例で解説しているように、AI需要予測と組み合わせて「必要な商品を必要な場所に事前配置する」モデルが進化していくでしょう。

現時点でEC事業者がすべきことは、配送ロボットの商用化を待つのではなく、現在の物流体制を最適化しておくことです。EC物流代行の選び方で自社に合った発送代行業者を選定し、物流のプロに出荷を任せることで、新技術への移行もスムーズになります。

まとめ

米国の自律走行配送ロボットは、Serve Roboticsの2,000台展開やStarshipの900万配達実績に見られるように、実験段階から商用段階への移行が進んでいます。日本でも楽天・ヤマト運輸・セブン-イレブンなどが実証実験を推進しており、2023年の改正道路交通法施行により法的基盤も整いつつあります。EC事業者にとっては、ラストマイルコストの構造変化と配送スピードの新基準という2つの影響を見据え、現在の物流体制を最適化しておくことが重要です。

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よくある質問(FAQ)

Q. 配送ロボットはいつ頃、日本のEC配送で実用化されますか?

楽天の「楽天無人配送」が東京都中央区で商用サービスを開始しており、限定的ながら実用化は始まっています。ただし、全国規模での展開には規制整備とインフラ構築が必要であり、2028〜2030年頃が本格普及の目安とされています。

Q. 配送ロボットが普及すると発送代行は不要になりますか?

配送ロボットは「倉庫から消費者まで」のラストマイルを自動化する技術です。商品の保管・在庫管理・ピッキング・梱包といった倉庫内業務は引き続き必要であり、発送代行の役割は変わりません。むしろ配送ロボット拠点に近い倉庫の重要性が高まる可能性があります。

Q. 日本の配送ロボットの走行規制はどうなっていますか?

2023年4月の改正道路交通法施行により、配送ロボットは「遠隔操作型小型車」として法的に定義されました。歩道走行が認められ、随行監視員も不要になりましたが、遠隔監視は必要です。経済産業省が中速・中型ロボットの車道走行に関する検討も進めています。

Q. 配送ロボットの1回あたりの配送コストはどのくらいですか?

各社とも具体的なコストは非公開ですが、業界推定では1配達あたり3〜5ドル(450〜750円)程度で採算が取れるとされています。楽天の無人配送は配送料100円で提供しており、日本では比較的低コストなモデルが模索されています。

Q. 配送ロボットはどのくらいの荷物を運べますか?

機体によって異なりますが、DoorDash Dotで最大約13.6kg(ピザボックス6個分)、多くの歩道走行型で10〜15kg程度が一般的です。大型家具や家電には不向きで、食品・日用品・小型雑貨が主な対象です。EC物流の観点では、60サイズ以下の商品配送に適しています。

この記事の監修者

保阪涼子

保阪涼子

株式会社KEYCREW 営業部長。物流会社で10年間、EC物流の現場担当・営業事務を経験し、EC・物流業界で通算10年以上のキャリアを持つ。STOCKCREWではサービス開始初期から商談を担当し、500社以上のEC事業者への導入支援を一貫して手がけてきた。YFF(Yahoo!フルフィルメント)移管時には1,000社超の顧客接点・フロー設計を主導。月間10万件以上の出荷管理に携わり、顧客の物流費を平均15%削減する成果を上げている。成約率50%を達成した営業手法には、「『売る』より『解く』」という顧客課題解決型のアプローチが根底にある。物流メディア(Logistics Today、ECのミカタ)へのインタビュー掲載実績も持つ。

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