ナフサ高騰で梱包資材の値上げラッシュが本格化【2026年6月】|EC事業者の梱包コスト防衛策5選
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「段ボールや緩衝材の見積もりが、前回より明らかに高くなっている」——2026年6月、そんな実感を持つEC事業者が増えています。中東情勢の緊迫化に端を発したナフサ(プラスチック原料)の高騰が、包装フィルム・トレー・緩衝材といった梱包資材の価格に波及し、値上げの動きが本格化しているためです。本記事では、帝国データバンクの最新調査をもとに値上げの構造と影響を整理し、EC事業者が今すぐ取れる梱包コスト防衛策5選を解説します。物流コスト全体の見直しを検討している方は、発送代行の仕組みと費用構造もあわせて押さえておきましょう。
梱包資材の値上げラッシュ——2026年6月に何が起きているのか
帝国データバンク調査が示す「包装・資材」要因の急上昇
帝国データバンクが2026年5月29日に公表した「食品主要195社」価格改定動向調査によると、2026年6月の飲食料品値上げは1,078品目に達し、前月(70品目)から一気に拡大しました。単月で1,000品目を超えるのは同年4月以来です。注目すべきは値上げの「理由」の変化です。
6月以降の値上げでは、中東情勢の影響を受け、トレーやフィルムの原料となるナフサの値上げ分を価格に反映する動きがみられた。値上げ1回あたりの平均値上げ率は月平均14%となった。
さらに前月の同調査では、値上げ要因に占める「包装・資材」の比率が69.9%に達し、集計を開始した2023年以降で最高ペースで推移していることが報告されています。つまり、これまで値上げの主因だった原材料高や人件費に加えて、「梱包資材そのものの高騰」が価格改定の新しいドライバーになり始めているのです。
値上げ要因では「包装・資材」(69.9%)が前月を上回ったほか、前年同時期(60.2%)も大幅に上回り、2023年以降で最高ペースでの推移となった。中東情勢の悪化に伴う包装資材費の高騰による値上げが出始めた。
影響を受ける主な梱包資材
ナフサは樹脂系資材の基礎原料であるため、影響は食品トレーにとどまりません。EC物流の現場で日常的に使う資材の多くが対象になります。
| 資材カテゴリ | 主な品目 | ナフサ高騰の影響度 | EC実務での用途 |
|---|---|---|---|
| 樹脂フィルム系 | OPP袋・ポリ袋・ストレッチフィルム | 大(原料が樹脂そのもの) | 商品の個包装・パレット梱包 |
| 緩衝材系 | 気泡緩衝材・エアピロー・発泡シート | 大(ポリエチレン主体) | 破損防止・隙間埋め |
| テープ系 | OPPテープ・PEクロステープ | 中〜大(基材+粘着剤が石化由来) | 封かん |
| 紙器系 | 段ボール・紙袋 | 中(原料は古紙だが、エネルギー・物流費の上昇圧力を受ける) | 外装・発送箱 |
「うちは段ボール中心だから関係ない」と考えるのは早計です。紙系資材も製造工程のエネルギーコストや宅配便の値上げと同じ物流費上昇の影響を受けるため、樹脂系ほど急激ではないにせよ、上昇圧力にさらされています。食品ECの現場では2026年夏の食品値上げラッシュと資材値上げが同時に進行しており、コスト管理の難易度が一段と上がっています。
なぜ上がるのか——ナフサ高騰が梱包資材に波及する構造
ナフサとは何か:梱包資材の「川上」にある原料
ナフサは原油を精製して得られる粗製ガソリンで、ポリエチレン・ポリプロピレン・PETなどほぼすべての汎用プラスチックの基礎原料です。包装フィルムも、緩衝材も、食品トレーも、さかのぼればナフサに行き着きます。そのため原油・ナフサの調達環境が悪化すると、時間差を伴いながら樹脂原料→資材メーカー→EC事業者の梱包コストへと値上げが連鎖します。
今回の値上げが「これまでと違う」3つの理由
- 原因が地政学リスクである——為替や需給の変動と異なり、中東情勢という外部要因が起点のため、企業努力で短期に解消される見込みが立てにくい状況です。
- 波及範囲が広い——ナフサは樹脂全般の基礎原料のため、特定の資材だけ代替して逃げ切ることが難しく、フィルム・緩衝材・袋・テープと広範囲に影響します。
- 物流費・エネルギーと同時進行である——帝国データバンクの調査では「物流費」(73.6%)「エネルギー」(59.5%)も値上げ要因の上位に並んでおり、梱包資材費だけを切り離して考えられない複合コスト増になっています。
EC事業の損益における物流関連コストの全体像は、EC物流の基礎から整理しておくと判断を誤りません。
EC事業者への影響——梱包コストはどこまで効いてくるか
EC市場の拡大が資材需要を押し上げている
令和6年度の国内BtoC-EC市場規模は26兆1,654億円(前年比5.1%増)に拡大した。
EC化率の上昇とともに宅配個数も増加基調が続いています。出荷1件ごとに必ず資材を消費するECビジネスの構造上、市場の拡大はそのまま梱包資材の需要増を意味します。需要が底堅いからこそ、資材メーカーの価格改定は通りやすく、EC事業者側が「待っていれば下がる」と期待できる環境ではないのが現状です。
1出荷あたりの資材費インパクトを試算する
梱包資材費は1出荷あたりでは数十円の世界ですが、出荷件数を掛け算すると無視できない金額になります。仮に1出荷あたりの資材費が60円で、資材価格が2割上昇した場合の影響を試算してみます。
| 月間出荷件数 | 現在の資材費(60円/件) | 2割上昇後(72円/件) | 年間の追加負担 |
|---|---|---|---|
| 500件 | 30,000円/月 | 36,000円/月 | 72,000円 |
| 1,000件 | 60,000円/月 | 72,000円/月 | 144,000円 |
| 3,000件 | 180,000円/月 | 216,000円/月 | 432,000円 |
| 10,000件 | 600,000円/月 | 720,000円/月 | 1,440,000円 |
※ 上記はあくまで試算例です。資材構成(樹脂系比率)や仕入れ条件によって上昇幅は変わります。まずは自社の梱包コストを資材費・作業時間・ロスまで分解して可視化するところから始めましょう。
利益率の低い商材ほどダメージが大きい
梱包資材費の上昇は売上に関係なく1件ごとに発生する固定的な変動費です。低単価・薄利の商材ほど利益率への打撃が大きく、月商に対する物流コスト比率が10〜15%の事業者では、資材費2割上昇だけで営業利益率が1ポイント前後悪化するケースもあり得ます。値上げを商品価格に転嫁するか、コスト構造の見直しで吸収するかの判断が求められます。駆け込み需要や出荷波動への対応は値上げ局面の在庫・出荷対策も参考になります。
今すぐ取れる梱包コスト防衛策5選
防衛策①:梱包仕様の見直し(資材のサイズ・グレード適正化)
最も即効性が高いのは、商品に対して過剰な梱包をやめることです。箱のサイズを1サイズ落とすだけで、資材費と配送料の両方が下がります。緩衝材の量・グレードも「破損率が変わらない範囲での最小化」を検証しましょう。商品カテゴリ別の資材選定は段ボール・梱包資材の選び方、サイズ最適化と開封体験の両立は梱包設計の実務が参考になります。
防衛策②:調達先の複数社化と発注ロットの見直し
資材の値上げ幅はメーカー・商社によって差があります。1社購買をやめて2〜3社から相見積もりを取るだけで、改定幅の小さい調達先に切り替える余地が生まれます。使用量が安定している定番資材は、価格改定前のまとめ発注(先行手当て)も有効です。ただし保管スペースを圧迫するため、在庫回転とのバランスを見て判断してください。
防衛策③:梱包工程の標準化でロスを削減する
資材単価が上がるほど、誤梱包・資材の使いすぎ・廃棄ロスの金額インパクトも大きくなります。梱包マニュアルの整備、商品×箱サイズの対応表の作成、「どの商品をどの資材で梱包するか」のルール化は、単価上昇局面でこそ効果を発揮します。環境配慮型の資材への切り替えを同時に検討するならサステナブル梱包の対応ガイドもチェックしてみてください。
防衛策④:配送サイズダウンとセットで考える
梱包資材の見直しは配送料の削減と表裏一体です。60サイズを厚さ3cm以内のメール便系に切り替えられれば、資材費の上昇分を配送料の削減で十分に吸収できます。EC通販の送料の考え方を整理し、商品ラインナップごとに「最小の梱包+最安の配送手段」の組み合わせを再設計しましょう。
防衛策⑤:梱包・資材調達ごと外部化する(発送代行の活用)
自社で資材を調達・在庫し、スタッフが梱包する体制を続ける限り、資材値上げの影響は直撃します。発送代行に切り替えると、大量出荷を前提としたスケールメリットのある資材調達と標準化された梱包作業をまとめて利用でき、自社で資材価格の変動を個別に追いかける負担から解放されます。委託にあたっては梱包サービスと流通加工の対応範囲を事前に確認し、自社の商材に必要な作業がカバーされるかを見極めてください。
値上げ局面こそ物流体制の見直しどき——発送代行という選択肢
資材・梱包・配送をまとめて最適化できる
梱包資材費・宅配運賃・人件費が同時に上がる局面では、個別のコスト削減策を積み上げるより、物流工程全体を一度テーブルに載せて見直す方が効果が大きいケースが少なくありません。発送代行は保管・梱包・出荷をまとめて委託する仕組みのため、資材調達の交渉力・梱包の標準化・配送会社との運賃交渉をすべて専門事業者側に寄せられます。
STOCKCREWの場合、初期費用0円・固定費0円、基本配送料は全国一律260円〜の公開料金で、梱包種別(ソフト・ハード・ケース)ごとにサイズ別の料金が明示されています。資材価格の変動を自社で吸収し続けるか、公開された料金体系に乗せ替えるかを比較する材料として、STOCKCREWのサービス全体像を確認してみてください。
切り替え判断のチェックポイント
- 月間出荷件数が増加トレンドにあるか——件数が増えるほど資材値上げの影響額も大きくなり、外部化のメリットが出やすくなります。
- 梱包作業が販促・商品開発の時間を圧迫していないか——資材管理・梱包に割く時間も含めてコストとして捉えましょう。
- 物流費を「配送料+資材費+人件費+スペース代」で総額把握できているか——総額が見えていないと比較判断ができません。物流契約見直しのチェックリストが役立ちます。
まとめ:梱包資材の値上げは「一過性」ではなく「構造変化」
2026年6月の梱包資材値上げは、中東情勢→ナフサ高騰→樹脂原料→資材価格という川上からの構造的な波及であり、短期間で元の水準に戻る保証はありません。帝国データバンクの調査が示すとおり、値上げ要因としての「包装・資材」は2023年以降で最高ペースに達しており、EC事業者にとって梱包コストは「気づいたら上がっていた」では済まされない管理対象になりました。まずは梱包仕様の見直し・調達先の複数社化・工程の標準化という自社内の防衛策から着手し、あわせて発送代行への切り替えによる構造的なコスト最適化も検討の土俵に載せてみてください。STOCKCREWのように料金を公開しているサービスであれば、自社出荷との比較試算も簡単です。具体的な料金感を知りたい方はサービス資料のダウンロードを、自社の出荷条件での見積もりはお問い合わせからどうぞ。
よくある質問(FAQ)
Q. なぜ2026年に梱包資材が値上げされているのですか?
中東情勢の緊迫化により原油・ナフサの調達環境が悪化し、ポリエチレンやPETなど樹脂原料の価格が上昇しているためです。帝国データバンクの調査では、値上げ要因に占める「包装・資材」の比率が69.9%と2023年以降で最高ペースに達しています。
Q. 梱包資材の値上げはいつまで続きますか?
原因が地政学リスクであるため、明確な収束時期は見通せません。帝国データバンクは2026年6月に1,078品目、夏以降も広範囲な値上げが続くとみています。短期の収束を前提にせず、コスト構造の見直しを進めるのが現実的です。
Q. 段ボールも値上げの対象になりますか?
段ボールの主原料は古紙のためナフサの直接影響は樹脂系資材より小さいものの、製造時のエネルギーコストや物流費の上昇圧力を受けます。樹脂系・紙系を問わず、梱包資材全体でコストを把握しておくことをおすすめします。
Q. EC事業者が最初に取り組むべき対策は何ですか?
即効性が高いのは梱包仕様の見直しです。箱のサイズダウンと緩衝材の適正化は、資材費と配送料の両方を同時に削減できます。あわせて調達先の複数社化で相見積もりを取り、改定幅の小さい仕入れ先に切り替える余地を作りましょう。
Q. 発送代行に切り替えると梱包資材のコストはどうなりますか?
発送代行は大量出荷を前提とした資材調達と標準化された梱包作業を利用できるため、自社で資材価格の変動を個別に追いかける負担が減ります。STOCKCREWのように梱包種別ごとの公開料金を持つサービスなら、自社出荷時の総コストとの比較も明確に行えます。
この記事の監修者
北原一樹
株式会社KEYCREW オペレーション部長。大手物流会社にて現場担当からセンター長を経て、営業・管理職を12年間歴任。物流業界での経験は24年に及ぶ。大規模顧客の初のEC・DCが併設された10,000坪規模の大型倉庫の立ち上げを主導した実績を持ち、月間100Mの赤字を抱えていた物流センターをわずか3か月で黒字化に転換させた。現在はSTOCKCREWにおいて部門管理・各拠点の収支管理・業務改善を統括。「現地・現物」「数字で現場を見る」「何事にも基準を作る」を信条に、年間5千万点の入出荷を支える高品質な物流オペレーションを実現している。