EC倉庫の保管料4方式を徹底比較|坪貸し・ラック・パレット・個建ての計算式と実費シミュレーション
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発送代行の見積もりを3社から取ったとき、配送料はほぼ横並びなのに保管料だけが2倍以上ちがう——これは珍しいことではありません。原因は単価の高さではなく、保管料を何で測っているか(課金方式)が社ごとに違うことにあります。同じ4,000点の在庫でも、坪で測るか、棚の段数で測るか、パレット枚数で測るか、1点ずつ数えるかで請求額は変わります。この記事では、EC倉庫で使われる4つの課金方式の計算式と向き不向きを整理し、同一条件で試算して逆転が起きる境界を示します。費用全体の内訳は発送代行の費用の内訳と相場、委託そのものの仕組みは発送代行の仕組みと費用の全体像にまとめています。
同じ在庫でも保管料が変わる理由
保管料の見積もりを比べるとき、多くの人は単価の数字だけを見ます。しかし単価が安くても、測り方が自社の在庫と合っていなければ請求額は高くなります。まず測り方の違いを理解するのが先です。
保管料は面積・空間・数量のどれかで測る
倉庫が保管料を計算する対象は、大きく3種類しかありません。床面積(坪貸し)、保管スペースの単位(ラック・パレット)、商品の数量(個建て)です。どれを使うかは、倉庫の設備と、その倉庫が想定している顧客層で決まります。パレットラックが主体の倉庫はパレット単位、棚(ラック)の種類を細かく用意している倉庫はラック単位や個建てを採ります。
課金タイミングでも金額が変わる
意外に効くのが、いつの在庫量で計算するかです。同じ単価でも、月末在庫で計算するか、月内の最大在庫で計算するかで請求額は変わります。
| 課金タイミング | 計算のもと | 影響が出るケース |
|---|---|---|
| 月極(固定) | 契約したスペース量 | 在庫が減っても請求額は下がらない |
| 締め日在庫 | 月末など特定日の在庫量 | 月中に山があっても締め日が低ければ安い |
| 月内最大在庫 | その月のピーク在庫量 | セール前の入荷で一気に上がる |
| 日割り平均 | 日次在庫の平均 | 実態にもっとも近いが計算が複雑 |
季節波動の大きい商材では、この違いが年間で数十万円の差になります。EC通販の年間出荷波動管理ガイドで扱っている入荷の山を、そのまま保管料に反映させるかどうかの問題です。
EC事業者が見落とす2つの落とし穴
- 単価だけを横並びにしてしまう——「坪7,000円」と「1点15円」は比較できません。自社の在庫量を両方の式に入れて、はじめて比べられます。
- 入出庫作業料と混ざっている——見積もりによっては、保管料に入出庫の手数料が含まれていたり、別建てだったりします。EC物流コストの可視化と削減実務ガイドのとおり、費目の切り方を揃えないと比較が成立しません。
2024年の日本国内のBtoC-EC(消費者向け電子商取引)市場規模は、26.1兆円(前年24.8兆円、前々年22.7兆円、前年比5.1%増)に拡大しています。また、2024年の日本国内のBtoB-EC(企業間電子商取引)市場規模は514.4兆円(前年465.2兆円、前々年420.2兆円、前年比10.6%増)に増加しました。
EC市場が拡大するほど倉庫の需給は締まり、保管スペースの単価は下がりにくくなります。だからこそ、単価交渉より先に「測り方が合っているか」を見直すほうが効果が大きくなります。
制度面でも在庫の持ち方が問われ始めている
保管の効率は、コストだけの問題ではなくなりつつあります。物流効率化法では、一定規模以上の荷主が特定事業者として指定され、物流効率化の取り組みが求められています。
物流効率化法に基づき、一定規模以上の荷主及び物流事業者を「特定事業者」として指定し、物流効率化に向けた中長期計画の作成を義務付けています。
指定される規模に達していないEC事業者でも、取引先の卸や小売が特定事業者であれば、納品側として効率化の要請を受ける立場になります。在庫をどこにどう置くかは、自社のコストだけでなく取引先との関係にも関わる論点になってきました。制度の全体像はEC事業者の制度変更・コスト増カレンダーに整理しています。
方式1:坪貸し(坪単価)
もっとも歴史が長く、倉庫業では標準的な方式です。床面積を1坪(約3.3平方メートル)単位で借りて、坪あたりの月額を払います。
計算式と請求のイメージ
計算式は単純です。
- 保管料 = 使用坪数 × 坪単価(月額)
- 使用坪数は、契約時に決めた固定坪数か、実測した占有坪数のいずれか
- 坪単価には立地・階層・設備水準が反映される
10坪を月額7,000円で借りれば月7万円、20坪なら14万円という形です。金額の予測がしやすく、期中に在庫が増えても契約坪数の範囲なら請求は変わりません。
向くケースと向かないケース
坪貸しが向くのは、在庫量が安定していて、床を面で使い切れる事業者です。逆に向かないのは、在庫が季節で大きく上下する事業者と、SKU数に対して在庫数が少ない事業者です。
| 条件 | 坪貸しの相性 | 理由 |
|---|---|---|
| 在庫量が年間で安定 | 良い | 借りた面積を常に使い切れる |
| 季節波動が大きい | 悪い | 閑散期も同じ坪数を払う |
| SKU数が多く在庫数が少ない | 悪い | 面積あたりの在庫密度が下がる |
| 大型・重量物が中心 | 良い | 床面積あたりの価値が高い |
坪単価に含まれるものを必ず確認する
坪単価の見積もりで確認すべきは、その坪に何が含まれているかです。棚の設置費、通路分の按分、光熱費、共益費が別途になっていると、坪単価だけでは総額が読めません。物流倉庫の保管・ロケーション管理の実務で扱っているとおり、実際に商品を置ける面積は契約坪数より小さくなるのが普通です。通路と作業スペースを引いた「有効保管面積」がどのくらいかを聞いておくと、後の見積もり比較が正確になります。
方式2:ラック単位(棚1段・間口)
棚の1段、あるいは1間口を単位として課金する方式です。EC向けの発送代行でもっともよく使われます。
計算式と請求のイメージ
- 保管料 = 使用間口数 × 間口単価(月額)
- 間口のサイズは倉庫ごとに定義が違う(小・中・大などの区分)
- 1間口に何SKUまで置けるかも倉庫のルールによる
間口の定義が倉庫ごとに違うため、「1間口=何センチ×何センチ×何センチか」を必ず数字で確認します。同じ「1間口500円」でも、容積が2倍違えば実質単価は半分です。
向くケースと向かないケース
ラック単位が向くのは、小型商材を多SKU持つEC事業者です。1SKUあたりの在庫数が少なくても、間口をSKUごとに割り当てれば管理できます。逆に、1SKUで数百点を持つような商材では間口数が膨らみ、パレット単位のほうが安くなります。
また、SKUごとに固定の間口を割り当てる運用だと、在庫がゼロでも間口を確保している限り課金されます。EC倉庫の保管効率KPIで扱う充填率が低いまま間口だけ増えていく状態は、この方式でもっとも起きやすい無駄です。滞留在庫の整理が保管料に直接効くのも、この方式の特徴です。
SKU数と間口数の関係を先に出す
見積もりを取る前に、「SKU数」と「1SKUあたりの平均在庫数」と「1SKUの外寸」の3つを出しておきます。この3つがあれば、倉庫側は必要間口数を概算できます。逆にこれがないと、見積もりは仮の数字にしかなりません。SKUの考え方と商品管理の実務を踏まえて、商品マスタに外寸を持たせておくと算出が早くなります。
方式3:パレット単位
1パレット(一般的には1,100mm×1,100mm)を単位として課金する方式です。BtoB卸や大ロット出荷を扱う倉庫で標準的に使われます。
計算式と請求のイメージ
- 保管料 = 使用パレット枚数 × パレット単価(月額)
- 段積みできるかどうかで、実質的な単価が変わる
- 高さ制限(積み上げ可能な高さ)の定義を確認する
パレット単位は1枚あたりの容積が大きいため、単位あたりの単価は高くても実質単価は安くなりやすい方式です。ただし、パレットを埋められない在庫構成だと割高になります。
向くケースと向かないケース
| 条件 | パレット単位の相性 | 理由 |
|---|---|---|
| 同一SKUを大量に持つ | 良い | 1パレットを1SKUで埋めきれる |
| BtoB出荷・卸が中心 | 良い | ケース単位の入出庫と相性がよい |
| SKUが多く各在庫は少量 | 悪い | パレットの空きが課金対象になる |
| BtoC小口出荷が中心 | やや悪い | ピッキングのために結局バラす |
BtoBとBtoCが混在する事業者では、同じ商品をパレットとバラの両方で持つ二重管理が発生します。ロット管理と発注最適化の実務で扱っている輸送ロットと保管ロットの違いは、この方式を選ぶときの中心論点になります。
方式4:個建て(1点・1SKU単位)
商品1点、あるいは1SKUを単位として課金する方式です。小ロットのEC事業者にとってもっとも実態に近い測り方です。
計算式と請求のイメージ
- 保管料 = 保管点数 × 1点あたり単価(月額または日額)
- サイズ区分ごとに単価が分かれることが多い
- 在庫が減れば請求額もそのまま下がる
この方式の最大の利点は、使った分だけ払う構造にあることです。初期費用0円・固定費0円で始められるサービスと組み合わせると、立ち上げ期の固定費リスクをほぼゼロにできます。STOCKCREWの料金体系はSTOCKCREW完全ガイドで、実際の単価は料金ページで公開しています。
向くケースと向かないケース
向くのは、月間出荷が数十件から数百件で、在庫量が月ごとに変動する事業者です。個人事業主が発送代行で月商を伸ばすロードマップにあるような立ち上げ期には、固定の坪数を借りるリスクを負わずに済みます。FBAから発送代行への移行やRSLとSTOCKCREWの比較を検討する段階でも、この方式なら移行後の請求額を事前に計算できます。
向かないのは、1点単価が低く点数が非常に多い商材です。単価数十円のパーツを10万点持つような構成では、点数課金の合計が坪貸しを上回ります。手芸・ハンドメイド資材ECの発送代行ガイドで扱っている小型多点の商材は、この境界に近い位置にあります。
サイズ区分の定義を確認する
個建ての見積もりでは、サイズ区分の境界がどこにあるかが実質単価を決めます。3辺合計何センチまでがどの区分か、重量の上限はあるか、区分をまたぐ商品はどう扱うかを確認します。容積の考え方は1才(才数)の計算方法で整理できます。
同一条件で4方式を試算する
試算の前提条件
比較のために、標準的なEC事業者のモデルを置きます。数値は自社の顧客データをもとにしたモデルケースで、実際の単価は倉庫によって変わります。
- 月間出荷件数:260件
- 保管在庫:4,000点(SKU数200、1SKUあたり平均20点)
- 1点の外寸:3辺合計40cm前後の小型商材
- 季節波動:閑散期は在庫2,000点、繁忙期は6,000点
4方式の試算結果
同じ在庫を4方式で測ると、必要な単位数は次のように変わります。
| 方式 | 必要な単位数(在庫4,000点時) | 閑散期(2,000点) | 繁忙期(6,000点) | 変動の効き方 |
|---|---|---|---|---|
| 坪貸し | 契約坪数で固定 | 変わらない | 坪数超過なら追加 | 下がらない・上は跳ねる |
| ラック単位 | SKU数に連動(約200間口) | ほぼ変わらない | 間口内に収まれば変わらない | SKU数で決まる |
| パレット単位 | 段積み前提で数枚 | 枚数は減りにくい | 枚数が増える | 段階的に上がる |
| 個建て | 4,000点 | 2,000点分に減る | 6,000点分に増える | 在庫量に正比例 |
読み取れるのは、閑散期と繁忙期の振れ幅が大きいほど、個建ての「下がる」性質が効くということです。逆に在庫が年間を通じて4,000点で安定しているなら、坪貸しやラック単位のほうが総額を抑えられる可能性があります。
逆転が起きる境界の見つけ方
自社の境界は、次の式で概算できます。
- 坪貸しの月額を出す——契約坪数 × 坪単価。共益費・棚設置費が別なら足します。
- 個建ての月額を出す——平均在庫点数 × 1点単価。サイズ区分が複数なら区分別に計算します。
- 2つが等しくなる在庫点数を求める——坪貸しの月額 ÷ 1点単価が、その境界点数です。
- 自社の年間在庫推移を重ねる——12か月のうち何か月が境界を超えるかで判断します。
境界を超える月が年に2〜3か月なら個建てが有利、半分以上なら坪貸しやラック単位を検討する、という判断になります。EC通販の保管コスト削減ガイドと在庫保持コスト(キャリングコスト)の計算式を合わせると、保管料だけでなく在庫を持つこと自体のコストも含めて判断できます。
境界を求める計算の具体例
手順を数字で追ってみます。ここで使う単価は説明のための仮の値で、実際の単価は倉庫ごとに確認が必要です。
- 坪貸しの見積もり:10坪 × 坪単価7,000円 = 月額70,000円(共益費込みと仮定)
- 個建ての見積もり:1点あたり月額15円(3辺合計40cm区分と仮定)
- 境界点数:70,000円 ÷ 15円 = 約4,667点
このモデルでは、在庫が約4,667点を超えると坪貸しのほうが安くなります。前提の在庫4,000点は境界の手前なので個建てが有利ですが、繁忙期の6,000点では逆転します。年間12か月のうち繁忙期が2か月だけなら、10か月分の割安が2か月分の割高を上回るため、個建てを選ぶ判断になります。
ここで注意したいのは、境界点数は単価が変われば動くことです。坪単価が9,000円なら境界は6,000点に上がり、個建てが有利な範囲が広がります。逆に坪単価が5,000円なら境界は約3,333点まで下がります。単価を1つ聞いただけで方式を決めず、必ず自社の在庫推移と重ねるのが実務的な進め方です。
令和6年度の宅配便取扱個数は、50億3147万個で、前年度と比較して2414万個・約0.5%の増加となった。令和6年度のメール便取扱冊数は、33億4477万冊で、前年度と比較して2億6531万冊・約7.3%の減少となった。
出荷が増えるほど在庫の回転も速くなり、平均在庫は総売上ほどには増えません。保管料の試算では、売上の伸び率をそのまま在庫の伸び率に当てないほうが実態に合います。在庫回転率を出しておくと、この換算が正確になります。
自社に合う方式の選び方
4方式のどれを選ぶかは、3つの軸で決まります。
3つの判定軸
- 在庫量の振れ幅——年間の最大在庫が最小在庫の2倍を超えるなら、変動に連動する方式(個建て)が有利です。
- SKU数と1SKUあたり在庫数の比——SKU数が多く各在庫が少ないならラック単位か個建て、少SKU大量ならパレット単位か坪貸しです。
- 固定費を持てるか——立ち上げ期や新規商材のテスト期は、固定費を持たない方式が事業リスクを下げます。
3軸のうち2つ以上が「変動・多SKU・固定費を持てない」に当てはまるなら個建て、2つ以上が逆なら坪貸しかパレット単位、というのが大まかな目安です。判断の全体像はEC出荷量の段階別物流設計にまとめています。
見積もり時に確認する6項目
| # | 確認項目 | なぜ必要か |
|---|---|---|
| 1 | 課金方式と単位の定義 | 1間口・1パレットの寸法が違えば実質単価が変わる |
| 2 | 課金タイミング | 締め日在庫か最大在庫かで請求額が変わる |
| 3 | 単価に含まれる範囲 | 共益費・棚設置費・光熱費の扱いを揃える |
| 4 | 入出庫作業料との切り分け | 保管料に混ざっていると比較できない |
| 5 | 最低利用料の有無 | 在庫が減っても下限で止まることがある |
| 6 | 在庫が増減したときの改定条件 | 途中で坪数や間口数を増減できるか |
とくに5番目の最低利用料は見落とされがちです。個建てや日割りのように「使った分だけ」を打ち出している場合でも、月額の下限が設定されていることがあります。在庫を大きく減らしたときに請求額がどこまで下がるのかを、あらかじめ数字で確認しておくと、閑散期の資金繰りが読みやすくなります。
この6項目を同じフォーマットで各社に投げると、比較表が作れます。契約段階の論点は発送代行の契約書に含むべき14項目チェックリスト、乗り換えを前提にする場合は発送代行の乗り換えを成功させる4フェーズ実務ガイドを併せて確認しておくと、条件の抜けが減ります。
よくある3つの失敗パターン
- 単価の安さだけで決めてしまう——測り方が自社の在庫と合っていなければ、単価が安くても総額は上がります。まず自社データを式に入れて月額を出します。
- 閑散期の在庫量で見積もりを取る——在庫が少ない時期の数字で契約すると、繁忙期に坪数超過や間口の追加が発生します。年間の最大在庫を必ず伝えます。
- 滞留在庫を抱えたまま方式を比べる——売れていない在庫が保管料を押し上げている状態では、どの方式を選んでも高くなります。方式の比較より先に在庫の棚卸しが効くケースは少なくありません。
3つ目は特に見落とされます。在庫回転率が極端に低いSKUを抽出し、値引き販売や廃棄の判断を先に済ませてから見積もりを取ると、必要なスペースそのものが小さくなります。保管料の削減は、単価より在庫量のほうが動かしやすいという順序を覚えておくと判断が早くなります。
まとめ:測り方を揃えてから単価を比べる
保管料の見積もりが社ごとに大きく違うのは、単価の差ではなく測り方の差です。坪貸しは床面積、ラック単位は棚の間口、パレット単位はパレット枚数、個建ては商品の点数を測っています。比較するには、自社の在庫データを4つの式すべてに入れて月額を出すしかありません。
判断軸は、在庫量の振れ幅・SKU数と在庫数の比・固定費を持てるかの3つです。振れ幅が大きく多SKUで固定費を持ちたくないなら個建て、在庫が安定していて面で使い切れるなら坪貸しかパレット単位という整理になります。見積もりを取るときは、課金単位の定義・課金タイミング・単価に含まれる範囲・作業料との切り分け・最低利用料・改定条件の6項目を同じ形で聞くと、比較表がそのまま作れます。
費用全体の内訳は発送代行の費用の内訳と相場、委託の全体像は発送代行の業者選びと導入手順、EC物流の設計から見直す場合はEC物流完全ガイドが出発点になります。自社の在庫点数とSKU数で試算したい場合はお問い合わせフォームから、検討材料をまとめて読みたい場合はサービス資料をご利用ください。
よくある質問(FAQ)
Q. 倉庫の保管料はどうやって計算されますか?
A. 床面積で測る坪貸し、棚の間口で測るラック単位、パレット枚数で測るパレット単位、商品の点数で測る個建ての4方式があります。どの方式でも「単位数×単価」で計算しますが、測る対象が違うため、同じ在庫でも請求額は変わります。
Q. 保管料の坪単価はどう比較すればいいですか?
A. 坪単価だけを見ても比較できません。共益費・棚設置費・光熱費が含まれるか、通路を除いた有効保管面積がどのくらいかを確認したうえで、自社の在庫量を入れて月額を出してから比べてください。
Q. 個建て(1点単位)の保管料は割高ですか?
A. 在庫量によります。在庫が少なく変動が大きい事業者では、使った分だけの請求になるため総額は下がります。一方、単価の低い商品を数万点持つ構成では、点数課金の合計が坪貸しを上回ることがあります。
Q. 季節で在庫が大きく変わる場合はどの方式が向きますか?
A. 在庫量に連動する個建てが向きます。坪貸しは閑散期でも契約坪数分を払うため、年間の最大在庫が最小在庫の2倍を超えるような商材では割高になりやすくなります。
Q. ラック単位の「1間口」はどのくらいの大きさですか?
A. 倉庫ごとに定義が違います。同じ「1間口いくら」でも収容できる容積が2倍違えば実質単価は半分になるため、見積もり時に間口の寸法(縦×横×高さ)を数字で確認してください。
Q. 見積もりを取る前に用意しておくべき数字は何ですか?
A. SKU数、1SKUあたりの平均在庫数、1点の外寸(3辺合計)、月間出荷件数、年間の最大在庫と最小在庫の5つです。この5つがあれば、どの課金方式でも概算の月額を出せます。
Q. 保管料が高いとき、まず何を見直せばいいですか?
A. 単価交渉より先に、滞留在庫の整理と課金方式の見直しが効きます。売れていない在庫が間口や坪数を占有していないか、自社の在庫特性と課金方式が合っているかを確認してください。
この記事の監修者
北原一樹
株式会社KEYCREW オペレーション部長。大手物流会社にて現場担当からセンター長を経て、営業・管理職を12年間歴任。物流業界での経験は24年に及ぶ。大規模顧客の初のEC・DCが併設された10,000坪規模の大型倉庫の立ち上げを主導した実績を持ち、月間100Mの赤字を抱えていた物流センターをわずか3か月で黒字化に転換させた。現在はSTOCKCREWにおいて部門管理・各拠点の収支管理・業務改善を統括。「現地・現物」「数字で現場を見る」「何事にも基準を作る」を信条に、年間5千万点の入出荷を支える高品質な物流オペレーションを実現している。