越境ECの出荷を発送代行に任せる流れ|国際宅急便の受注登録・海外発送手数料・インボイスの準備
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越境ECの出荷を発送代行に任せるとき、国内の出荷と同じ感覚で進めると、途中で止まります。海外向けは、商品マスタのHSコードと受注の単価がそろっていないと、送り状が発行されないためです。本記事では、STOCKCREWの国際配送(ヤマト運輸の国際宅急便)を使って越境ECの出荷を預けるときの流れを、預ける前の確認、商品マスタ、受注登録、費用、EU向けのインボイスの順に整理します。越境ECの始め方は越境ECの始め方ガイド、発送代行の仕組みと業者の選び方は発送代行おすすめ25選で扱っているため、ここでは「預けてから出荷まで」の実務に絞ります。
預ける前に確認する3つのこと:配送会社・対象国・個人か法人か
STOCKCREWの国際配送は、ヤマト運輸の国際宅急便を利用しています。国際宅急便について、ヤマト運輸は次のように案内しています。
世界の国々へ贈り物や商品等を送る場合にご利用いただける、海外向けの宅急便です。
出典:ヤマト運輸「国際宅急便」
国内の出荷と違うのは、発送できるかどうかと荷物の取り扱い条件が、ヤマト運輸の規定に準じる点です。預ける前に、次の3つを確認します。
配送会社は、国際宅急便に決まる
国内向けの出荷では、ヤマト運輸と佐川急便を選べます。海外向けは国際宅急便で、国内区間(倉庫から空港まで)をヤマト運輸が、海外区間(通関から現地の配送)をヤマト運輸の提携パートナーであるUPSが担当します。EMSなど国際郵便を使いたい場合は、標準の流れとは別の確認が必要です。各手段の違いはクーリエとは?国際宅配便の仕組み、EMS(国際スピード郵便)徹底解説で整理しています。
対象の国・地域と、発送できない品物を確認する
STOCKCREWの海外発送は、200か国以上に対応しています。ただし、国・地域ごとに発送できない品物や注意事項があり、情勢や規制によって取り扱い条件が変わることもあります。発送前に、ヤマト運輸の公式ページで対象国・地域と発送できない品物を確認します。
依頼主と届け先が、個人か法人かを確認する
見落としやすいのが、依頼主と届け先の区分です。届け先の国・地域や、依頼主・届け先が法人か個人かによっては、荷物を発送できない場合があります。特に、依頼主か届け先のどちらか一方でも個人の場合、書類以外の荷物を発送できない国があります。個人のお客さまに商品を届ける越境ECでは、依頼主が法人(事業者)になっているかどうかを、国ごとに確認しておきます。
海外出荷の流れは、商品マスタから海外配送まで4ステップ
海外向けの出荷は、国内の出荷と同じ画面で登録しますが、事前の設定が増えます。全体の流れを図1にまとめました。
国内の出荷と違うのは、①と②の入力項目
③の出荷と④の配送は倉庫と配送会社が進めるため、事業者が操作するのは①商品マスタと②受注登録です。この2つで、HSコードと明細の単価が入っていないと、出荷は先へ進みません。次章から、順に見ていきます。
商品の入荷や在庫の持ち方は、国内と同じ
入荷予定の登録や在庫の管理は、国内向けと変わりません。海外向けの商品も、同じ在庫から出荷できます。商品コードの設計はSKUとは?EC在庫管理での意味・設定・活用法で整理しています。
商品マスタ:海外発送の設定とHSコードを先にそろえる
海外向けの商品は、商品マスタで「海外発送」を有効にします。海外発送を有効にしたら、HSコード・原産国・大分類・中分類(危険物の有無)を入力します。受注登録の前に済ませておくのが決まりです。
HSコードは、税関の公式サイトで調べる
HSコードは、国際的に標準化された商品分類コードです。各商品に6桁またはそれ以上のコードが割り当てられ、国や地域によって細分類が加わることがあります。調べ方は、税関の公式サイトで、商品の名称・用途・素材をもとに検索し、該当するカテゴリを選んでコードを確認します。実行関税率表は税関「実行関税率表」から参照できます。調べ方の詳細はHSコードの調べ方ガイド2026年版、税の仕組みは関税の仕組みと計算方法【2026年版】にまとめています。HSコードに関する問い合わせ先は、税関の相談窓口です。
発送できない商品は、事前に確認する
商品の中には、国際郵便での発送が制限されているものがあります。国際郵便として送れない商品は、日本郵便の案内で確認できます。国際郵便以外の方法で送れるかを確認したい場合は、カスタマーポータルから問い合わせます。通関の流れは通関とは?越境ECで必須の手続きの流れと必要書類で扱っています。
海外向け受注登録:手入力とCSVで入力する項目が変わる
受注の登録は、手入力とCSVインポートの2通りです。どちらも、明細の単価の入力が必須で、未入力だと送り状が発行されず「出荷保留」のステータスになります。
手入力は、配送区分を「海外配送」に切り替えて登録する
メインメニューの[受注]から[受注登録]を開き、配送区分の切り替えトグルを「海外配送」にします。海外配送向けの入力項目が表示されるので、注文情報を入力し、右下の[保存]で登録します。住所まわりの項目は、日本の住所とは考え方が違います。
| 項目 | 手入力での入れ方 | CSVでの設定 |
|---|---|---|
| 郵便番号 | 郵便番号がない国・地域(香港など)は、仮の数字(000など)を入力 | 通常どおり郵便番号のカラムを設定 |
| 県/地方/州 | 購入者またはお届け先の州名・地域名 | 州名などのカラムを設定 |
| 住所1 | 都市名 | 都市名を含む住所 |
| 住所2 | 都市名以降の住所 | 都市名以降の住所(住所2・3) |
| 国名 | お届け先の国・地域 | 国コードのカラムを設定 |
CSVは、インポート設定でフォーマットを登録する
CSVで取り込む場合は、メインメニューの[設定]から[インポート設定]を開き、[新規登録]でCSVファイルをアップロードして、フォーマットを登録します。海外向けでは、国名のカラムに国コードを設定する点が、国内向けと異なります。カートや受注管理システムとの連携の考え方はEC物流のAPI連携とCSV連携の違いを解説で扱っています。
領収書の発行や、お届け先の反映もできる
手入力の画面では、「領収書発行」のトグルを有効にすると、購入者名の領収書が自動で作成されます。[注文者情報へ反映]で、お届け先の情報を注文者情報へ入れることもできます。納品書と送り状は、ヘルプにサンプルがあります。
費用:基本料金・海外発送手数料300円・追加ピッキング
越境ECの料金は、梱包サイズに基づく基本料金に、海外発送の手数料などを加えて決まります。国内配送と同様のサイズ区分で、すべての費用が含まれた料金体系のため、事前に合計金額を把握できます。燃油サーチャージや遠隔地手数料といった変動費用は発生しません。
基本料金は、ゾーンとサイズで決まる
基本料金は、お届け先のゾーンと荷物のサイズで決まります。主なサイズを抜粋すると、次のとおりです(税別、1件あたり)。
| ゾーン | 書類パック(〜1.0kg) | 60(〜2.0kg) | 100(〜10kg) | 140(〜20kg) |
|---|---|---|---|---|
| アジア(香港・韓国・台湾・タイ・シンガポールなど) | 1,300円 | 2,750円 | 8,700円 | 20,200円 |
| オセアニア・北米・中米(米国・カナダ・豪州など) | 1,600円 | 3,700円 | 11,950円 | 27,750円 |
| ヨーロッパ・中東(UAE・独・仏・英・伊など) | 2,050円 | 4,300円 | 13,700円 | 32,350円 |
| アフリカ・南米・その他 | 2,300円 | 8,500円 | 33,350円 | 58,850円 |
表は一部の抜粋で、最大160サイズまで対応しています。国内区間はヤマト運輸が、海外区間(通関から配送)は提携パートナーのUPSが担当します。
基本料金のほかに、海外発送手数料と追加ピッキングがかかる
基本料金に加えて、次の費用が発生します(税別)。
| 費用 | 金額 | 単位 | 備考 |
|---|---|---|---|
| 海外発送手数料 | 300円 | 1件 | 一律 |
| 追加ピッキング(2点目以降) | 30円 | 1点 | 同一受注内で同梱できる商品の2点目以降 |
| 出荷キャンセル手数料 | 300円 | 1件 | 一律 |
たとえば、アジア向けに60サイズで1点だけ送る場合は、基本料金2,750円に海外発送手数料300円を加えた3,050円(税別)です。同じ荷物に商品を3点入れたときは、追加ピッキングの30円×2点が加わります。国内の発送料金の考え方はEC物流完全ガイド【2026年版】で整理しています。関税・消費税など、受取国側の税金は、この料金に含まれません。受取国での税の考え方はインコタームズ2020 EC実務早見表が手がかりになります。
EU向けは、インボイスの記載が変わっている
EU加盟国向けの国際宅急便では、インボイスの記載事項が変更されています。ヤマト運輸は、2026年10月14日のお知らせで、EUへの輸入について次のように案内しています。
2026年11月1日(日)から、法人から出荷されるEUの一般消費者向け輸入貨物(BtoC輸入貨物)において、税関当局への製品識別コード(PID)の提出が求められることとなりました。
日付は2つ:10月21日のインボイス変更と、11月1日のPID提出
インボイスの記載ルールは2026年10月21日から変わり、PIDの提出は11月1日から求められます。PIDの記載が必須になるのは、出荷種別がBtoCの場合のみです。PIDの3種類や書き方はEU向け国際宅急便がPID必須にで扱っています。
商品ごとの情報は、出荷前に1か所へそろえる
PIDの書類を用意する場面でも、商品コード(SKU)が商品ごとに正しく振られていると、準備が早く済みます。EUの関税の動きはEUデミニミス7月1日撤廃が目前、欧州への直販はShopifyで欧州に直販する日本の事業者の発送ガイドで確認できます。米国向けは日本EC事業者のためのアメリカ越境物流ガイド2026、書類の種類はプロフォーマインボイス(PI)とは?で扱っています。
まとめ:越境ECの出荷は「商品マスタ」と「単価」を先にそろえる
預ける前の準備チェックリスト
預けるまでの準備は、次の順に進めると手戻りが少なくなります。
- 対象国・地域を確認する——ヤマト運輸の公式ページで、発送できる国と、発送できない品物を調べる。
- 依頼主と届け先の区分を確認する——個人宛ての国では、依頼主が法人になっているかを見る。
- 商品マスタを整える——海外発送を有効にし、HSコード・原産国・危険物の有無を入力する。
- 受注の入れ方を決める——手入力かCSVかを決め、CSVは国コードのカラムを設定する。
- 明細の単価を必ず入れる——未入力だと送り状が出ず、出荷保留になる。
- 費用を試算する——基本料金に海外発送手数料300円と、必要なら追加ピッキングを加えて合計を出す。
- EU向けは書類を確認する——出荷種別と、BtoCの場合のPIDを用意する。
ほかの越境の手段との違いはDHL Expressとは?、米国向けの配送の動きは対米越境ECで「総額確定(DDP型)」配送が拡大で確認できます。STOCKCREWは初期費用0円・固定費0円で、1点から預けられ、導入は最短7日です。
ポイントの整理
越境ECの出荷を発送代行に任せるときのポイントは、預ける前の確認と、入力項目の準備です。海外配送はヤマト運輸の国際宅急便で、200か国以上に対応しています。個人宛ての国では書類以外を送れない場合があるため、依頼主と届け先の区分を先に確認します。商品マスタでは海外発送を有効にしてHSコードなどを入れ、受注では明細の単価を必ず入力します。費用は、ゾーンとサイズで決まる基本料金に、海外発送手数料300円(1件)などを加えて見積もります。
発送代行の比べ方は発送代行おすすめ25選、サービス内容はSTOCKCREW完全ガイド【2026年版】、ネットショップ運営はネットショップの始め方にまとめています。海外向けの商品数や出荷件数で費用を確かめたい場合はお問い合わせから、まずは情報を集めたい段階であれば資料ダウンロードをご利用ください。
よくある質問(FAQ)
Q. 越境ECの出荷は、どの配送会社で送りますか?
A. STOCKCREWの国際配送は、ヤマト運輸の国際宅急便です。国内区間(倉庫から空港まで)はヤマト運輸が、海外区間(通関から配送)は提携パートナーのUPSが対応します。
Q. 海外向けの受注登録で、必須の入力項目はありますか?
A. 明細の単価は必須です。未入力だと送り状が発行されず、「出荷保留」のステータスになります。商品マスタには、事前にHSコードの登録が必要です。
Q. 個人のお客さま宛ての荷物は、どこの国にも送れますか?
A. 送れるとは限りません。依頼主か届け先のどちらか一方でも個人の場合、書類以外の荷物を発送できない国があります。発送前に、ヤマト運輸の公式ページで国ごとの注意事項を確認してください。
Q. 海外発送の費用は、どう決まりますか?
A. 梱包サイズとお届け先のゾーンで決まる基本料金に、海外発送手数料(1件あたり300円、税別)を加えます。同梱できる2点目以降には追加ピッキング(1点あたり30円、税別)がかかります。燃油サーチャージや遠隔地手数料は発生しません。
Q. 郵便番号がない国への出荷は、どう登録しますか?
A. 香港のように郵便番号が存在しない国・地域では、仮の数字(000など)を郵便番号欄に入力します。
この記事の監修者
重光翔太
株式会社KEYCREW 営業管掌取締役。ヤマト運輸にて本社営業部長を歴任し、物流業界で16年以上のキャリアを積む。法人営業・コスト最適化・業者比較選定を専門とし、累計1,500社以上のEC事業者への物流支援を手がけてきた。数百万件/日規模の出荷オペレーション管理や、6,000社が利用するフルフィルメントサービスの構築、温度帯コールドチェーンの大規模荷主向け事業設計など、業界でもトップクラスの実績を持つ。STOCKCREWでは営業戦略全体を統括し、「数字で語り、ROIで証明する」をモットーに、EC事業者の物流コスト最適化を推進している。