日本郵便が米国輸入規制の手続代行を10月9日から取次|CPSC・FDA対象品を送る越境EC事業者の確認点
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アメリカの購入者から注文が入った。子ども用の雑貨、充電器、お茶やサプリメント。国内なら何も考えずに出荷できる商品でも、米国向けとなると事前の手続きが必要な場合があります。日本郵便は2026年9月18日、米国輸入規制に係る登録・申請などの手続代行サービスの取次を10月9日(金)から開始すると発表しました。対象は、米国消費者製品安全委員会(CPSC)が規制する商品と、米国食品医薬品局(FDA)が規制する食品・お茶・サプリメント・化粧品です。国際郵便や国際宅配便(UGX)でCPSC規制品を送る場合、証明情報が準備されていない商品は差出しを断られます。本記事では発表の内容を整理し、越境EC事業者が発送前に確かめておくべき点をまとめます。物流委託の全体像は発送代行おすすめ25選が土台になります。
発表の概要|10月9日から専門事業者への取次を開始
まず、日本郵便の発表(日本郵便「米国輸入規制に係る登録・申請などの手続代行サービスの取次開始」)の骨格を整理します。日本郵便が手続きそのものを行うのではなく、米国輸入規制の専門事業者が提供する代行サービスへの取次である点がポイントです。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 発表日 | 2026年9月18日 |
| 取次開始日 | 2026年10月9日(金) |
| 代行サービスの提供者 | アラウンド・ザ・ワールド株式会社(日本郵便が選定した米国輸入規制の専門事業者) |
| 対象の発送方法 | 国際郵便および国際宅配便(UGX:ゆうグローバルエクスプレス) |
| 対象の商品 | CPSCが規制する商品、FDAが規制する食品(お茶を含む)・サプリメント・化粧品 |
| 申込方法 | 日本郵便ホームページのウェブフォームから必要事項を入力して申し込む |
| 問い合わせ先 | 法人のお客さま用お問い合わせフォーム(個人事業主も同じフォーム) |
なぜ今、取次が始まるのか
日本郵便は発表の中で、米国の輸入規制は手続きが非常に煩雑だと説明しています。制度を調べる手間や申請作業の負担を専門事業者に任せることで、通関時に貨物の検査や保留が発生するリスクを軽減し、スムーズな発送につなげる狙いです。米国向けの郵便をめぐる環境の変化は米国向け国際郵便の関税の扱いや米国宛てEMSの引受再開で追ってきました。
UGXも対象に含まれる
国際郵便だけでなく、日本郵便の国際宅配便であるUGXも対象です。UGXの位置づけは日本郵便「UGXプライム」開始で紹介しました。郵便とUGXのどちらを使う場合でも、CPSC・FDAの規制対象品であれば事前の準備が必要になります。
CPSC規制|証明情報がなければ差し出せない
CPSCは、アメリカで流通する消費者向け製品の安全を所管する機関です。日本郵便の資料では、CPSCが規制する対象製品について、輸入通関時の電子申告(eFiling)が義務化されていると説明されています。
なお、必要な証明情報が準備されていない商品については、差出しをお断りしております。
差出人に求められる準備
米国宛ての国際郵便やUGXで、CPSC規制の対象となる可能性がある商品を送る場合、差出人は次の準備が必要です。
- CPSCが認定した検査機関で検査を実施する
- eFilingで求められる主な証明情報をあらかじめ準備する
- 差出時に証明情報を提供する
この電子申告の義務化そのものは米国CPSCの電子申告(eFiling)の義務化で解説しました。今回の発表は、その準備を専門事業者に任せられる窓口ができた、という位置づけです。
対象になる商品は想像より広い
日本郵便が別紙で示したCPSC規制の対象製品の主な例は次のとおりです。
| 製品分類 | 主な例(日本郵便の別紙より) |
|---|---|
| 子ども用製品 | 玩具およびゲーム、ベビーベッド、ベビーカー、子ども用衣類および寝間着、チャイルドシート、ハイチェアなど |
| 家庭用品および家具 | ソファ、マットレス、ドレッサー、ラグ、カーペット、ウィンドウカバー、キャンドルなど |
| 家電製品および電化製品 | 電源アダプタおよび充電器、携帯照明製品、小型家電、バッテリー駆動の消費者機器など |
| 家庭用補修用品・レクリエーション製品 | はしご・踏み台、スポーツ用品・レクリエーション用品、屋外グリルなど |
| 繊維・アパレル | 可燃性の布地、布張り家具の材料など |
これらに限定されるものではありませんのでご注意ください。
子ども向けの雑貨やアパレル、充電器やモバイル機器の周辺品を扱う越境EC事業者は、自社の商品が一覧に当てはまらないかを一度確認しておく必要があります。一覧は例示であり、最終的な判断はCPSCの公式の規制一覧に照らして行うことになります。
FDA規制|食品・お茶・サプリメント・化粧品の事前手続き
もう一つの柱がFDAの規制です。日本郵便の資料では、食品やサプリメント、化粧品などを米国へ輸入する際、安全性の確保を目的として次の手続きが必要になる場合があると説明されています。
- 対象商品の製造施設に係るFDAへの登録
- 貨物の発送前におけるFDAへの事前通知(Prior Notice)
「日本の食品だから大丈夫」とは限らない
お茶や調味料、菓子、サプリメント、化粧品は、越境ECで米国向けの需要が見込める商品です。一方で、FDAの手続きは商品の中身だけでなく、製造した施設にも関わります。自社で製造していない商品を仕入れて販売している場合、製造元の協力が必要になることもあります。サプリメントの物流の基本は健康食品・サプリメントECの発送代行選び、化粧品は化粧品ECの発送代行実務ガイドで扱っています。
パッケージの表示も論点になる
代行サービスの内容には、製品パッケージのアドバイス(成分表示の作成を含む)が含まれています。米国で販売する以上、表示は米国の規制に合わせる必要があるということです。日本向けのパッケージのまま送れるとは限らない点を、事前に押さえておきます。
代行サービスで任せられる手続き
日本郵便の資料に記載された代行の範囲は次のとおりです。詳細は代行事業者のホームページで確認するよう案内されています。
| 規制 | 対象商品 | 代行できる手続き |
|---|---|---|
| CPSC | CPSCの規制商品(別紙参照) | 証明書の作成支援、eFiling(電子申告)代行、輸入者代行、検査実施の際のアドバイス、検査手配、検査機関とのやりとり |
| FDA | 食品(お茶を含む)、サプリメント、化粧品 | FDAへの施設登録、商品のFDA規制の準拠確認、製品パッケージアドバイス(成分表示作成含む)、その他商品ごとに必要な手続きの代行 |
日本郵便が挙げる利用のメリット
日本郵便は、代行を使うメリットとして米国の輸入規制に精通した専門事業者に一任できること、通関時に貨物の検査や保留が発生するリスクを軽減できること、そして米国のコンプライアンスを守った商品・販売者であることを証明できることなどを挙げています。費用や所要日数は発表資料に記載がないため、申し込む前に代行事業者へ確認してください。
任せても、責任は差出人に残る
代行を使っても、商品を送るのは差出人です。検査結果や証明情報の内容が商品と一致しているか、商品の仕様を変えたときに手続きをやり直す必要がないかは、自社で管理する必要があります。商品マスタと規制の対応を一覧にしておくと、担当者が替わっても判断がぶれません。
越境EC事業者が発送前に確かめる5つのこと
10月9日の取次開始を待たずに、今から社内で確認できることがあります。
- 米国向けに売っている商品を洗い出す——自社サイトやモールで米国から注文が入る商品を一覧にします。
- CPSC・FDAの対象に当たるかを仕分ける——別紙の例示とCPSCの規制一覧に照らし、子ども用製品・家具・電化製品・食品・化粧品などに当たるものを抜き出します。
- 検査や登録の状況を確かめる——対象品について、検査の実施や施設登録が済んでいるかを製造元とも確認します。
- 使う配送手段の条件を確かめる——国際郵便、UGX、民間の国際宅配便のどれを使うかで、差出時に求められる書類や手順が変わります。
- 商品ページと購入者への案内を見直す——発送までに日数がかかる商品は、その旨を商品ページで伝えておきます。
商品ごとの輸出入制度を調べる手がかり
商品ごとの制度を調べる入口として、日本貿易振興機構(ジェトロ)が商品分類別のQ&Aを公開しています。
輸入・輸出における制度・規格・手続きに関するQ&Aを、商品別にご提供しています。
米国向けの物流全体の組み立て方はアメリカ越境物流ガイド、関税の基本は越境ECの関税の仕組みにまとめています。
日本郵便以外で米国へ送る場合の考え方
今回の取次は、日本郵便の国際郵便とUGXを使う差出人向けの案内です。ただし、日本郵便の資料が説明しているとおり、eFilingの義務は米国の輸入通関の仕組みとして定められたものです。民間の国際宅配便で送る場合も、規制対象品であれば同じように準備が必要になると考えておくのが安全です。
STOCKCREWの海外発送はヤマト運輸の国際宅急便
STOCKCREWの国際配送は、ヤマト運輸の国際宅急便を利用しています。そのため、発送の可否や荷物の取扱条件はヤマト運輸の規定に準じます。米国向けに規制対象品を送る場合は、ヤマト運輸の公式ページで国ごとの注意事項と送れない品物を確認したうえで、CPSCやFDAの手続きを済ませておく必要があります。越境ECの物流の選び方は個人EC・小規模輸出者向け国際発送代行の実務ガイド、EMSとの比較はEMS(国際スピード郵便)徹底解説で整理しています。
関税や少額免税の変化とあわせて見る
米国向けの越境ECは、ここ1年で関税や少額貨物の扱いが大きく変わりました。規制対応の手間と関税の負担を合わせて、米国向けに売り続ける商品を絞り込む判断も選択肢になります。背景はトランプ相互関税とデミニマス廃止と越境ECの少額免税が世界で終わる、市場の全体像は越境EC市場規模と商材別需要構造で扱っています。
まとめ:米国向けは「商品ごとの規制確認」から始める
日本郵便は2026年10月9日(金)から、米国輸入規制に係る登録・申請の手続代行サービスの取次を始めます。代行を担うのはアラウンド・ザ・ワールド株式会社で、対象は国際郵便とUGXで送るCPSC規制品と、FDA規制の食品(お茶を含む)・サプリメント・化粧品です。CPSC規制品は、CPSC認定の検査機関での検査と証明情報の準備が必要で、準備がない商品は差出しを断られます。FDA規制品は、製造施設の登録や発送前の事前通知が必要になる場合があります。
越境EC事業者にとっては、米国向けの商品を規制に照らして仕分けることが最初の一歩です。国内外の物流体制を見直す場合は発送代行おすすめ25選とEC物流完全ガイドが比較の起点になります。物流の用語や制度から押さえるなら物流完全ガイド2026年版、STOCKCREWのサービス内容はSTOCKCREW完全ガイドにまとめています。具体的な出荷条件でのご相談はお問い合わせから、情報収集の段階であれば資料ダウンロードをご利用ください。
よくある質問(FAQ)
Q. 日本郵便の米国輸入規制の手続代行はいつから使えますか?
A. 2026年10月9日(金)から、日本郵便ホームページのウェブフォームで取次の受け付けが始まります。日本郵便が2026年9月18日に発表しました。代行サービスを提供するのは、日本郵便が選定したアラウンド・ザ・ワールド株式会社です。
Q. どのような商品が対象になりますか?
A. 米国消費者製品安全委員会(CPSC)が規制する商品と、米国食品医薬品局(FDA)が規制する食品(お茶を含む)・サプリメント・化粧品です。CPSCの対象例として、玩具や子ども用衣類などの子ども用製品、家具、電源アダプタや充電器などの電化製品が挙げられていますが、これらに限定されるものではありません。
Q. CPSCの証明情報がないまま送るとどうなりますか?
A. 日本郵便は、米国宛ての国際郵便およびUGXで、必要な証明情報が準備されていない商品については差出しを断るとしています。CPSCの規制対象となる可能性がある商品は、CPSCが認定した検査機関で検査を実施し、eFilingで求められる主な証明情報を準備して差出時に提供する必要があります。
Q. FDAの手続きでは何が必要ですか?
A. 食品やサプリメント、化粧品などを米国へ輸入する際には、対象商品の製造施設に係るFDAへの登録や、貨物の発送前のFDAへの事前通知(Prior Notice)などが必要となる場合があります。代行サービスでは、施設登録や規制の準拠確認、成分表示の作成を含むパッケージのアドバイスなどを依頼できます。
Q. 代行サービスの料金はいくらですか?
A. 日本郵便の発表資料には料金の記載がありません。サービスの詳細は代行事業者のホームページで確認するよう案内されており、利用条件や手続き方法は日本郵便の法人のお客さま用お問い合わせフォームで問い合わせることができます。個人事業主も同じフォームを利用します。
この記事の監修者
北川七重
株式会社KEYCREW 管理部門の責任者。IT業界でシステムエンジニアとして約10年間、客先常駐・受託開発に従事した後、KEYCREWに入社。経理・労務・採用を統括し、業務の標準化や体制整備を通じて管理部門の強化を推進している。販管費の約7%削減を実現するなど、単純作業の外部化と社内リソースの最適化により「戦略的に動く管理部」の構築を目指す。日商簿記2級および応用情報技術者の資格を保有し、経理の専門知識とITスキルを兼ね備えた視点でEC事業者の会計・税務・制度対応に関する情報を発信。「凡事徹底/積小為大」を信条に、正確さと信頼感を重視した記事を執筆している。