EC通販の在庫回転日数(DOI)改善実務ガイド2026年版|ABC分析・安全在庫・発注サイクルで保管コストを削減する方法

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「在庫が多いのに欠品する」「保管費が膨らむ一方なのに何が原因かわからない」——EC通販で在庫管理に悩むEC事業者の多くは、在庫の回転状況を数値で把握できていないことが共通の問題だ。在庫回転日数(DOI)を把握し、ABC分析・安全在庫の計算・発注サイクルの最適化という3つの手順を順番に実行するだけで、保管コストの構造は大きく改善できる。本記事では発送代行の倉庫を活用した在庫コスト削減まで含めて、実務レベルで解説する。

在庫回転日数(DOI)とは——EC事業者が把握すべき理由

在庫回転日数(DOI:Days of Inventory)とは、現在の在庫量が何日分の出荷に相当するかを示す指標だ。計算式はシンプルで、「期末在庫数量 ÷ 日次平均出荷数量」で求められる。たとえば在庫が600点あり、1日平均20点を出荷しているなら、DOIは30日となる。

EC通販においてDOIが重要な理由は、在庫と保管コストが直結するからだ。発送代行倉庫では在庫の保管量に応じて月次の保管料が請求される。DOIが高い(在庫が多すぎる)状態が続くと、月次の保管コストが膨らむだけでなく、商品の陳腐化リスクや廃棄損失も高まる。逆にDOIが低すぎると欠品が頻発し、販売機会を失う。

DOIの業界目安値(EC通販)

EC通販のDOI目安はカテゴリによって異なる。季節性が低い日用品・消耗品は20〜45日が適正範囲とされる一方、アパレルや季節性商材では仕入れサイクルに応じて60〜90日前後で運用する事業者が多い。ただしこの数値はあくまで目安であり、自社の仕入れリードタイム・販売傾向・保管コスト構造に基づいて設定することが重要だ。

商材カテゴリDOI目安主なリスク
日用品・消耗品20〜45日欠品リスク・機会損失
サプリ・ヘルスケア30〜60日賞味期限・ロット管理
アパレル・雑貨45〜90日シーズン陳腐化・SKU爆発
食品(常温)15〜30日賞味期限切れ・廃棄損失

令和5年の日本国内のBtoC-EC(消費者向け電子商取引)市場規模は、24.8兆円(前年22.7兆円、前々年20.7兆円、前年比9.23%増)に拡大しています。また、EC化率は、BtoC-ECで9.38%となっています。

出典:令和5年度電子商取引に関する市場調査(経済産業省)

近年の通信販売、特にインターネットを利用した通信販売(EC)の伸びとともに、宅配便の取扱個数は急伸しており、令和5年度は約50億個にのぼっています。

出典:宅配便の再配達削減に向けて(国土交通省)

EC市場の拡大と宅配便取扱個数の急増は、物流コストの上昇と在庫管理の複雑化を同時にもたらしている。取扱SKU数が増加すれば増加するほど、在庫管理の精度が物流コスト全体を左右するEC物流コストの可視化と合わせてDOIを定期的にモニタリングすることで、保管費・廃棄損・機会損失の三重苦を同時にコントロールできる体制が整う。特にマルチモール展開をしているEC事業者は、モール別・倉庫別の在庫配置がDOIを歪める要因になりやすいため、全拠点を統合したDOI管理が不可欠だ。

DOIを悪化させる4つのパターン

DOIが適正値を外れる原因はいくつかのパターンに集約できる。自社に当てはまるパターンを特定することが改善の出発点だ。

パターン①:需要予測の精度不足による過剰発注

最も多いのが、「前回よく売れたから多めに仕入れた」という経験則に頼った発注だ。季節変動・プロモーション効果・競合動向などを考慮せずに発注量を決めると、在庫が積み上がる。特に出荷波動が大きいセール期明けは、需要が急落して過剰在庫になりやすい。定期購入(サブスクリプション)モデルのEC事業者でも、解約率の変動を無視して仕入れを続けると同様の問題が生じる。定期購入ECにおける在庫管理の自動化が注目されているのも、こうした需要変動への対応が難しいからだ。

パターン②:SKU爆発によるロングテール在庫の増加

カラーバリエーションやサイズ展開が多いアパレル・雑貨は、SKU数が増えるほどに個々のSKUの出荷速度が落ち、全体のDOIが悪化しやすい。取扱SKU数が200を超えるあたりから、回転の遅いロングテールSKUが保管コストの大半を占めるようになるケースが多い。楽天市場などでバリエーション商品を多数展開しているEC事業者は、楽天SKUの在庫最適化を物流戦略と組み合わせて取り組む必要がある。楽天出品での物流コスト全体を見直す際は、RSLとSTOCKCREWの比較も参考にしてほしい。

パターン③:仕入れリードタイムと発注点の不整合

海外仕入れや製造委託では仕入れリードタイムが30〜90日に及ぶことがある。発注点(在庫がどこまで減ったら発注するか)を正確に設定していないと、リードタイム中に欠品するリスクを恐れて過剰在庫を常時キープする状態になる。発注点の設計は後述する安全在庫の計算式と組み合わせて行うのが正しい手順だ。

パターン④:販売終了・仕様変更に伴うデッドストック化

モデルチェンジ・パッケージ変更・法規制への対応などで商品が突然販売できなくなると、在庫が一気にデッドストック化する。保管コスト削減の観点から、デッドストックの早期検知と処分フローをあらかじめ設計しておくことが重要だ。Amazon出品とFBA在庫を並行活用している事業者は、Amazon出品と自社倉庫の在庫配分を定期的に見直すことで、デッドストック化のリスクを分散できる。FBAからの移行を検討している場合はFBA移行ガイドも合わせて参照してほしい。

ABC分析で在庫を3ランクに分類する実務手順

DOI改善の第一歩はABC分析だ。全SKUを売上貢献度で3ランクに分類することで、在庫管理の優先順位が明確になる。ABC分析とDOI管理を組み合わせた3ステップのフローを以下に示す。

STEP 1 DOI計算 在庫数 ÷ 日次平均出荷数 STEP 2 ABC分析 SKUを売上貢献度で3分類 STEP 3 安全在庫・発注点設定 Z × σ × √L で数値化 Aランク(上位20%) Bランク(中位) Cランク(下位) 欠品ゼロ優先・安全在庫多め 高サービス率(Z=2.33) 週次発注・OMS連携推奨 標準管理・定期見直し 標準サービス率(Z=1.65) 隔週発注 在庫削減・廃番・処分検討 低サービス率許容(Z≤1.28) 月次発注・DOI90日超は処分 DOI改善の3ステップとABCランク別の管理方針
図:DOI改善の3ステップとABCランク別在庫管理方針

ABC分析の基本ロジック

ABC分析は「パレートの法則(80:20の法則)」を在庫管理に応用したものだ。一般に、上位20%のSKUが売上の80%を占めるという傾向がある。この法則に基づき、SKUを以下の3ランクに分類する。

ランク定義管理方針
Aランク売上上位約20%のSKU(売上累積80%を占める)欠品ゼロ優先。安全在庫を手厚く設定
Bランク売上中位のSKU(売上累積15%を占める)標準的な安全在庫。定期的に見直し
Cランク売上下位のSKU(売上累積5%・長期在庫多い)発注頻度を下げる・在庫削減・廃番検討

実務的なABC分析の手順

  1. 期間設定——直近3〜6ヶ月の出荷データをSKU別に集計する。季節性が強い場合は前年同期との比較も加える。
  2. 売上順にソート——SKUを売上金額の降順に並べ替え、累積売上割合を算出する。
  3. ランク分け——累積売上が80%に達するまでをAランク、80〜95%をBランク、残りをCランクとする。
  4. DOI別確認——各ランクのDOIを算出し、Cランクの中でDOI90日超のSKUを「要処分候補」として抽出する。
  5. 入庫検品データとの照合——入庫検品のデータと突き合わせることで、実際の在庫精度(帳簿在庫と実在庫の差異)を確認する。ABC分析は帳簿在庫の正確性が前提になるため、棚卸し精度の確認は必須のプロセスだ。

発送代行を利用している事業者は、月次の請求書に含まれる保管明細をSKU別に分解することで、Cランク商品の保管コストを可視化できる。Cランク商品がかさばる在庫コストを生み出しているケースは珍しくなく、分析後すぐに発注停止・値引き処分・廃棄の判断につながることが多い。ABC分析の結果は四半期ごとに更新するのが理想で、季節変動によってAとCのランクが入れ替わるケースもある。

ドロップシッピングを活用したEC事業者の場合、自社では在庫を持たないため DOIの概念は異なるが、ドロップシッピング型ECから自社仕入れ型に移行する際には、初期在庫のABC設計が特に重要になる。移行期の過剰在庫を防ぐためにも、まずABC分析から着手することを推奨する。

安全在庫の計算方法と発注サイクルの最適化

ABC分析でランク分けができたら、次は安全在庫の適正値と発注点を計算する。「感覚で多めに仕入れる」から「数式で管理する」への転換が、DOI改善の核心だ。

安全在庫の計算式

安全在庫とは、需要変動や仕入れリードタイムのずれを吸収するために持つ「バッファ在庫」だ。計算式は以下のとおりだ。

変数説明確認方法
σ(需要の標準偏差)日次出荷量のばらつき過去3〜6ヶ月の日次出荷データから算出
L(リードタイム)発注から入荷までの日数仕入れ先・発送代行の入庫確認日から計測
Z(安全係数)サービス率に応じた係数欠品率1.0%→Z=2.33、欠品率5%→Z=1.65

安全在庫 = Z × σ × √L

例として、日次出荷の標準偏差が10点・リードタイムが9日・目標サービス率95%(Z=1.65)の場合、安全在庫は「1.65 × 10 × √9 ≒ 50点」となる。Aランク商品には高いサービス率(欠品率1%以下)を設定し、Cランクは欠品率を許容して安全在庫を減らすのが一般的な設計だ。

実際の安全在庫計算では、季節インデックスを掛け合わせる補正も有効だ。たとえば夏季に出荷が1.5倍になる商品であれば、夏季のσは年間平均より大きくなる。この補正を忘れると夏場に欠品が多発する。AI需要予測ツールを導入すればσの精度が上がり、季節補正も自動化できるため、安全在庫の過剰積み増しを体系的に防げる。

発注点の計算

発注点 = 日次平均出荷数量 × リードタイム(日) + 安全在庫

上の例で日次平均出荷が30点・リードタイム9日であれば、発注点は「30 × 9 + 50 = 320点」だ。在庫が320点を下回ったタイミングで発注をかけることで、リードタイム中の欠品を安全在庫の範囲内でカバーできる。WMS・バーコード管理の整備によって在庫数量をリアルタイムで把握できる環境を整えることが、発注点管理の精度を高める前提条件だ。

発注サイクルの設計

発注サイクルとは「何日ごとに発注を実施するか」だ。Aランクは週次・Bランクは隔週・Cランクは月次というように、ランク別に発注頻度を変えることで発注業務の工数を最適化できる。Cランクを毎週チェックしても意味がなく、逆にAランクを月次チェックでは欠品が頻発する。発注サイクルの設計はサプライヤー別の最低発注ロットとも組み合わせる必要があり、ロットが大きい場合は発注頻度を下げる代わりに在庫のキャッシュアウトが増えるというトレードオフを理解しておくことが重要だ。

日本でDXに取組んでいる企業の割合は2022年度調査では69.3%まで増加した。ただし、全社戦略に基づいて取組んでいる割合は米国が68.1%に対して日本が54.2%となっており、全社横断での組織的な取組みは遅れている。

出典:DX白書2023(エグゼクティブサマリー)

在庫管理のDX化が遅れているEC事業者では、発注判断を担当者の感覚に依存しているケースが多い。AI需要予測の活用と並行して、EC物流全体のフルフィルメント最適化に取り組むことで、在庫管理の定量化・自動化を一気に進めることができる。

発送代行倉庫との連携でDOIを改善する4つのアプローチ

発送代行を活用しているEC事業者は、倉庫側のデータとの連携を深めることでDOIをさらに改善できる。以下の4つのアプローチが実務上有効だ。

アプローチ①:SKU別の保管量データを月次で取得・活用する

多くの発送代行は月次の在庫残高レポートをSKU別に提供している。このデータを前述のABC分析と組み合わせて「Cランク商品の保管コスト」を算出すると、処分判断の根拠が明確になる。月次の請求書と在庫残高を突き合わせることで、保管コスト全体の80%以上がCランク商品から発生していることが判明するケースも少なくない。発送代行ではSKU別の入庫検品データも管理されているため、帳簿在庫と実在庫のズレを定期的に確認することも重要だ。

アプローチ②:OMS連携で発注トリガーを自動化する

発送代行がネクストエンジンなどのOMSと連携している場合、在庫数がリアルタイムでOMSに反映される。発注点を設定したOMSが在庫残高の変動を監視し、発注点を下回った段階で自動的に発注アラートを出す運用が実現できる。手動チェックの漏れをなくせるため、Aランク商品の欠品リスクが大幅に減少する。

アプローチ③:入庫タイミングと出荷波動を合わせた補充設計

出荷波動が大きいEC事業者では、セール前の在庫補充タイミングと発送代行の入庫キャパシティを事前に調整することが重要だ。セール直前に大量入庫が集中すると、入庫処理に時間がかかり実質的な在庫として使えるまでに数日のラグが生じる。発送代行との事前調整で入庫を分散させることで、セール期間中の在庫切れを防げる

アプローチ④:Cランク在庫を早期処分してキャッシュフローを改善する

DOIが90日を超えるCランク在庫は、保管コストが積み上がり続けるだけでなく資金繰りにも影響する。発送代行倉庫からのSKU別在庫データを定期的に確認し、DOI90日超のCランクは発注停止→値引きセール→廃棄の段階処分フローに乗せることが保管コスト削減の最短ルートだ。廃棄処分を発送代行が代行してくれるケースもあるため、契約時に廃棄対応の可否を確認しておくとよい。

発送代行の選定時点から「在庫データの出力粒度」「OMS連携の対応状況」「廃棄処分の対応可否」を確認しておくことで、DOI管理に適した倉庫パートナーを選べる。発送代行導入後の運用体制を整備する際も、在庫管理のKPI設計を優先課題に含めることを推奨する。

ケーススタディ:サプリメントEC事業者のDOI改善実例

抽象的な手順論だけでは実感しにくい部分を補うために、ここではサプリメントECを展開するある事業者のDOI改善事例を紹介する。この事業者は年商2.5億円・取扱SKU数は120点前後で、複数のECモールに出店していた。

事例の概要:保管コストと欠品が同時発生していた状況

この事業者が発送代行への切り替えを検討した最大の動機は、自社倉庫での在庫管理コストの増大だった。担当者の経験則による発注が常態化しており、人気フレーバーのプロテインは頻繁に欠品する一方、売れ残りのビタミン剤シリーズは倉庫の棚を圧迫していた。月次の在庫データをSKU別に整理したことがなく、どの商品が何日分の在庫になっているかすら把握できていない状態だった。

改善前のDOIを後から算出したところ、全体平均が78日という数値だった。サプリメントの適正DOIである30〜60日を大幅に超えており、特にCランク商品に集中して在庫が積み上がっていた。月次の保管コストは自社倉庫の賃料換算で約28万円。これは売上の約13%を占める非常に重い固定費となっていた。

改善ステップ①:ABC分析による可視化

最初のアクションは120点のSKU全件を対象にしたABC分析だった。直近6ヶ月の出荷データをECモール管理画面からCSV出力し、売上金額の降順に並べ替えて累積割合を計算した。結果は以下のとおりだった。

ランクSKU数売上累積保管コスト比率平均DOI
Aランク22点(18%)80%25%35日
Bランク35点(29%)15%30%62日
Cランク63点(53%)5%45%118日

この分析で明確になったのは、「保管コストの45%がCランク商品(売上の5%しか生み出していない)に費やされている」という事実だった。Aランク商品は欠品リスクを抱えながらも保管コスト比率は低く、まさに本来の在庫管理が逆転した状態にあった。

改善ステップ②:Aランクの安全在庫再設計

ABC分析後、Aランク22品目について安全在庫と発注点を計算式で再設計した。サプリメントECでは賞味期限管理が必要なため、安全在庫を設定しつつ過剰在庫を防ぐバランスが特に重要になる。上位3品目の計算結果を例示する。

商品日次平均出荷σ(標準偏差)リードタイム安全在庫発注点
プロテイン(バニラ)45点/日12点14日74点704点
マルチビタミン(定番)30点/日8点10日42点342点
プロテイン(チョコ)38点/日15点14日93点625点

この計算に基づいて発注点をシステムに登録し、在庫がその水準を下回ったタイミングで自動的に発注アラートが届く仕組みを整備した。従来の「月末にまとめて発注」から「発注点トリガー発注」への移行は、Aランク商品の欠品頻度を大幅に下げる効果をもたらした。

改善ステップ③:Cランクの整理と発送代行への移行

Cランク63品目のうち、DOI90日超かつ向こう3ヶ月の販売見込みが低い商品を「処分対象」に分類した。具体的には23品目が処分対象となり、値引きセールで12品目を消化、残り11品目は廃棄処理とした。廃棄コストは一時的に発生したが、以後の保管コストが消えることによるキャッシュフロー改善が上回った。

在庫整理と並行して、発送代行サービスへの切り替えを実施した。発送代行への移行後は月次のSKU別在庫残高レポートが自動で届き、ABC分析の更新サイクルを四半期ごとに定例化できるようになった。物流センターのKPI管理として出荷精度・在庫精度のデータも得られるようになり、在庫管理の全体精度が向上した。

改善結果:DOI 78日→41日、保管コスト40%削減

上記の施策を開始から約3ヶ月で完了した結果、全体平均DOIは78日から41日に短縮された。適正DOI(30〜60日)の範囲内に入ったことで、月次の保管コストは発送代行費用も含めた全体で約40%の削減を達成した。Aランク商品の欠品率はほぼゼロになり、機会損失も大幅に減少した。

この事例が示すように、DOI改善の本質は「何を管理するか」ではなく「どのSKUを優先して管理するか」を明確にすることにある。ABC分析→安全在庫の計算→Cランクの処分という3ステップは、業種・規模を問わずEC通販全般に適用できる汎用フレームワークだ。STOCKCREWの発送代行サービスでは、月次の在庫レポート提供とOMS連携に対応しており、こうしたDOI管理の実践をサポートしている。

まとめ:DOI改善は在庫の「見える化」から始まる

在庫回転日数(DOI)の改善は、3つのステップで進める。まず「DOIを計算して現状を把握する」、次に「ABC分析でSKUを分類して管理の優先順位をつける」、そして「安全在庫と発注点を数式で設定して感覚発注を排除する」だ。この3ステップだけで、保管コスト・欠品リスク・廃棄損の三重苦から抜け出す土台ができる。

ケーススタディで示したように、DOI改善の実践は「どの商品が保管コストの大半を占めているか」を可視化することから始まる。ABC分析によってCランク商品に保管コストが偏在していることが明らかになれば、処分と発注見直しの判断は自ずと出てくる。逆にAランク商品の安全在庫を手厚くすることで、欠品による機会損失も防げる。

発送代行を利用しているEC事業者は、月次の在庫残高レポートとABC分析を連動させることで保管コストの可視化が一段と進む。発送代行サービスの選定時から在庫データの出力粒度・OMS連携・廃棄処分対応を確認しておくことが、DOI管理との相乗効果を生む。また、フルフィルメント全体の最適化と合わせて取り組むことで、DOI改善のメリットがより大きな形で現れる。

よくある質問(FAQ)

Q. 在庫回転日数(DOI)はどう計算しますか?

DOIの計算式は「期末在庫数量 ÷ 日次平均出荷数量」です。たとえば在庫が600点・1日平均20点出荷であれば600÷20=30日となります。SKU別に算出することで、回転の遅い商品を特定できます。

Q. ABC分析はどのツールで行えますか?

ExcelやGoogleスプレッドシートで十分対応できます。発送代行から取得したSKU別の出荷実績CSVを貼り付け、売上金額の降順にソートして累積割合を計算するだけです。OMSやWMSにABC分析機能が内蔵されている場合は自動化も可能です。

Q. 安全在庫を多く持ちすぎると何が問題ですか?

安全在庫が多すぎると保管コストが膨らみ、キャッシュフローが悪化します。発送代行倉庫では在庫量に応じて保管料が請求されるため、過剰な安全在庫はそのまま月次コストに跳ね返ります。需要の標準偏差とリードタイムから数式で計算した値を基準として設定するのが最適です。

Q. 発送代行を使うと在庫管理はどう変わりますか?

発送代行はSKU別の在庫残高をリアルタイムまたは日次で報告します。OMS連携を設定すると在庫数が自動反映され、発注点割れを自動検知できます。入出庫データが一元管理されるため、自社倉庫より在庫精度が上がるケースが多いです。

Q. Cランク商品はどのタイミングで廃棄すべきですか?

DOIが90日を超え、販売予測が回復しないCランク商品は早期処分の検討対象です。まず値引き販売・バンドル販売で消化を試み、それでも動かない場合は廃棄処分を行います。発送代行によっては廃棄処分を代行してくれる場合もあるため、契約時に廃棄オプションの有無を確認してください。

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