Shopifyでマレーシアに直販する発送ガイド|RM500以下の売上税10%・販売者の登録・送料の積み上げ
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Shopifyのストアに、マレーシアからの注文が入るようになってきた。日本のブランドの商品を直接買いたいというお客さまは、東南アジアにもいます。一方で、マレーシア向けは送料の見積もりに加えて、低額の輸入品にかかる売上税の扱いを決めておく必要があります。RM500という線引きと、販売者の登録の有無を先に押さえておくと、購入後のトラブルを減らせます。本記事では、Shopifyでマレーシアに直販する日本の事業者に向けて、マレーシア王立税関と財務省が案内する売上税の考え方、国際宅急便の送料の積み上げ方、商品情報の準備、送れない荷物の見分け方、発送代行に任せる前の準備を順に整理します。市場の概要はマレーシア越境EC市場2026年版、アジアの例は韓国・台湾・シンガポールの記事で扱っているため、ここではマレーシアの発送実務に絞ります。発送代行の全体像は発送代行おすすめ25選でつかめます。
Shopifyでマレーシアに売るときの3つの壁
Shopifyは、日本のブランドが越境ECを始めるときに選ばれることの多いカートです。機能の全体像はShopifyとは?料金・プラン比較・越境EC対応にまとめています。国内のEC市場は拡大を続けており、経済産業省は2025年の市場規模を次のように公表しています。
2025年の日本国内BtoC-EC(消費者向け電子商取引)市場規模は、27.6兆円(前年26.1兆円、前々年24.8兆円、前年比5.5%増)に拡大しています。
国内で売れる商品を海外のお客さまにも届けたい、という段階で、国内の注文と同じストアでマレーシアの注文を受け始めると、足元には次の3つの壁が現れます。
低額品の売上税が、販売の時点で絡んでくる
マレーシアでは、2024年1月1日から、MYR500以下の低額品の輸入に売上税が課されています。お客さまが受け取るときに予想外の支払いが出ると、購入の体験は一度で悪くなります。第2章で、王立税関と財務省の説明を整理します。
送料がサイズで大きく変わる
マレーシア向けの送料は、梱包のサイズが1段上がるだけで数千円単位で変わります。販売価格に送料をどう含めるかを、最初に決めておく必要があります。第3章で積み上げ方を示します。
送れない荷物が、品目と依頼主・届け先の区分で変わる
国際宅急便には、依頼主・届け先が個人か法人かで送れない荷物があります。商品ごとに、発送前の確認手順を決めておきます。第4章で扱います。
マレーシアの売上税は、RM500と販売者の登録で扱いが分かれる
マレーシア王立税関は、低額品(LVG:Low Value Goods)への売上税を、次のように案内しています。
The sales tax rate on LVG is 10%.
出典:マレーシア王立税関「FAQ - MyLVG」(英語の原文)
和訳すると、「LVGの売上税率は10%」という内容です。同じページでは、LVGをMYR500を超えない価格で販売され、陸・海・空のいずれかでマレーシアに持ち込まれる商品と定めています。税は、税・関税・手数料などを含めない販売価格に対して課され、販売者の側では、12か月間にマレーシアへ持ち込むLVGの販売額の合計がMYR500,000を超える場合に登録が求められています。
課税の開始時期は、マレーシア財務省の報道発表(2023年12月18日付)が次のように示しています。
RM500 or less imported into Malaysia by land, sea, or air
出典:マレーシア財務省「Sales Tax On Imported Low-Value Goods Sold Online」(英語の原文)
この報道発表では、陸・海・空のいずれかで輸入されるRM500以下の商品に10%の売上税を課すことと、2024年1月1日から施行されることが説明されています。販売者の登録の目安として、LVGの販売額が12か月でRM500,000を超える事業者が示されています。
登録番号のない申告には、輸入時の売上税が課される
図1の分かれ目は、荷物を輸入する場面にも出てきます。王立税関のFAQには、次の趣旨の記載があります。
LVGの登録番号の情報がないまま申告された荷物には、輸入時の売上税が課される(該当する場合)という内容です。販売者が登録している場合は、販売の時点で課税されるため、登録番号を荷物の情報に載せる仕組みが関わります。登録していない販売者の荷物は、受け取る側に輸入時の支払いが出る可能性があります。
| 扱い(マレーシア王立税関と財務省の案内) | 売上税のタイミング | 販売ページでの伝え方 |
|---|---|---|
| MYR500以下で、販売者がLVGに登録している | 販売の時点 | 購入画面で売上税がどう表示されるかを、自社で決めて明記する |
| MYR500以下で、登録番号の情報なしで申告される | 輸入時(該当する場合) | 受け取り時に支払いが出る可能性を、購入前に表示する |
| MYR500を超える | この低額品の制度の対象外 | 扱いは王立税関の案内で個別に確かめてから表示する |
登録の手続きと、関税の扱いは、本記事では扱わない
ここまでの2ページには、登録の手続きの細かな手順も、通常の関税の扱いも書かれていません。自社が登録の対象に当たるかは、12か月間のLVGの販売額に当てはめて、王立税関の案内で確かめる必要があります。マレーシアの市場の特徴はマレーシア越境EC市場2026年版にまとめています。
また、STOCKCREWの国際配送では、届け先の国で発生する関税や税は受け取る人の負担が前提で、荷主の負担にして送る形(DDP)は利用できません。販売ページには、受け取る人が支払う可能性があることを書いておきます。受取人が払う形と売り手が負担するDDPの違いは越境ECの関税負担をどう設計するか、各国で少額免税の見直しが進む動きは越境ECの少額免税が世界で終わるで取り上げています。
マレーシアは「アジア」ゾーン:送料を積み上げる
STOCKCREWの国際配送は、ヤマト運輸の国際宅急便を利用しています。国内の区間(空港まで)はヤマト運輸が、海外の区間(通関から海外の配送)はヤマト運輸の提携パートナーであるUPSが担当し、200か国以上へ送れます。料金は梱包後のサイズで決まり、燃油サーチャージや遠隔地手数料などの変動費用は発生しません。マレーシアは、中国・香港・韓国・台湾・タイ・シンガポールなどと同じ「アジア」のゾーンに入ります。ヤマト運輸は、国際宅急便を次のように案内しています。
世界の国々へ贈り物や商品等を送る場合にご利用いただける、海外向けの宅急便です。
出典:ヤマト運輸「国際宅急便」
STOCKCREWの基本料金は次のとおりです(税抜)。
| 梱包サイズ(アジアゾーン・税抜) | 書類パック | 60 | 80 | 100 | 120 | 140 | 160 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 基本料金(1件) | 1,300円 | 2,750円 | 4,650円 | 8,700円 | 14,800円 | 20,200円 | 25,600円 |
基本料金とは別に、海外発送手数料が1件あたり一律300円、同じ注文に同梱する2点目以降の追加ピッキングが1点あたり30円かかります(税抜)。発送料金は、1点あたりの作業費・資材費・配送料を含んだ料金です。最新の料金は料金ページで公開しています。
計算例:3点を同梱して送る場合
3点を80サイズに収めて送る場合、1件あたりの費用は基本料金4,650円+海外発送手数料300円+追加ピッキング30円×2点=5,010円(税抜)です。同じ荷物が100サイズになると、合計は9,060円になり、差は4,050円です。図2に、梱包サイズ別の合計を示します。
120サイズでは15,160円まで上がり、80サイズとの差は10,150円です。商品構成ごとに、小さいサイズに収まる組み合わせを先に決めておくことが、マレーシア向けの価格設計の出発点です。MYR500という線引きも、販売価格と送料の組み立てに関わります。1件あたりの費用が決まったら、送料を販売価格に含めるか、購入者に別立てで請求するかを選びます。同じアジアゾーンの韓国・台湾・シンガポールも、同じ料金表で積み上げられます。
商品情報に登録する項目と、送れない荷物の確認
海外へ発送する商品は、STOCKCREWの商品情報で「海外発送」を有効にし、HSコード・原産国・大分類・中分類(危険物の有無)を入力します。受注明細の単価も必須です。
HSコードは商品マスタに1回登録する
HSコードは、品目を国際的に共通の番号で分類したものです。日本の税関の実行関税率表で、品目の分類を確認できます。調べ方の手順はHSコードの調べ方ガイドにまとめています。商品情報に一度登録しておけば、出荷のたびに入力する必要はありません。通関の基本は通関とは?越境ECで必須の手続きの流れと必要書類で押さえられます。
単価は「実際に売った金額」で入れる
受注明細の単価は必須項目です。書類の金額と実際の販売価格がずれないよう、注文の金額をそのまま使うのが基本です。RM500の線を意識して金額を書き換えるのは避けます。インボイスの書き方はプロフォーマインボイス(PI)とは?が手がかりになります。
送れない荷物は、依頼主・届け先の区分と商品ごとの規制で変わる
国によっては、輸入に許可や所管官庁の承認が要る品目があります。マレーシア向けの具体的な品目は、本記事で参照した王立税関と財務省のページには書かれていないため、商品ごとに、発送前にヤマト運輸の国際宅急便の公式ページと、JETROの案内で確かめる手順を決めておきます。
STOCKCREWの国際配送は、発送の可否や荷物の取扱条件がヤマト運輸の規定に準じます。お届け先の国・地域や、依頼主・届け先が法人か個人かによって、荷物を発送できない場合があります。依頼主か届け先のどちらか一方でも個人の場合、書類以外の荷物を発送できない国があります。マレーシアが該当するかを含め、対象国・地域、送れない品物、国ごとの注意事項を、発送前にヤマト運輸の国際宅急便の公式ページで確認しておきます。商品ごとの輸出入の手続きは、JETROの商品ごとの輸出入手続きでも調べられます。
Shopifyの注文を倉庫の出荷につなげる
STOCKCREWでは、ShopifyとのAPI連携を利用料0円で組めます。マレーシアからの注文も、国内の注文と同じように倉庫のシステムへ取り込まれる運用を組めるため、在庫を国別に分けて置く必要がありません。連携の具体例はShopifyとSTOCKCREW発送代行のAPI連携、業者選びはShopify×発送代行の連携方法と業者選定ガイドで扱っています。
連携の対象は、ShopifyのGrowプラン以上
STOCKCREWのAPI連携の対象は、現時点でShopifyのGrowプラン以上です。Basicプランでの連携は、現状の開発計画でも具体的な予定が立っていません。越境で売り始める前に、契約中のプランを見ておきます。
取り込みの前提はバリアントSKU
新連携方式(ShopifyV2)では、Shopify側の商品にSKUを設定しておくことが前提です。SKUが空白のまま注文が入ると受注を取り込めず、倉庫のシステムへ手作業で登録することになります。店舗登録では、プラットフォームに「ShopifyV2」を選びます。同じShopifyストアを複数の店舗に紐付けることはできません。SKUと商品連携の登録順はShopify雑貨ストアの発送代行実務で整理しています。
送り先の住所は、州・都市・以降の住所に分けて入れる
海外向けの受注を手で登録する場合は、郵便番号、県/地方/州、住所1(都市名)、住所2(都市名以降の住所)を入力します。CSVで取り込む場合は、国名のカラムに国コードを設定します。届け先ごとに、入力欄の意味に沿って情報を分けて入れます。
マレーシア向けの発送を発送代行に任せる前の準備
ここまでの内容を、切り替え前のチェックリストにまとめます。多くは商品情報と価格設計にかかわるため、倉庫に商品を送る前に済ませておくと立ち上がりがスムーズです。
- 売上税の扱いを決める——自社がLVGの登録の対象に当たるかを王立税関の案内で確かめ、販売ページと購入画面での表示を決めます。
- 受け取る人が支払う可能性を表示する——届け先の国の関税や税は受け取る人の負担が前提のため、販売ページに書いておきます。
- 梱包サイズを商品構成ごとに決める——小さいサイズに収まる組み合わせを優先します。
- すべての商品にHSコードと原産国を登録する——商品情報に一度入れておけば出荷ごとの入力は不要です。
- ShopifyのバリアントすべてにSKUを入れる——空欄があると注文が取り込まれません。
- 送れない荷物を見分ける——依頼主・届け先の区分で送れない国に当たらないか、商品ごとの規制がないかを、発送前に見ておきます。
越境ECの発送代行の選び方
越境ECで発送代行を比べる軸は越境EC×発送代行の始め方と業者選定の実務ガイド、海外発送に強い業者の比べ方は海外発送代行サービスの選び方と越境EC業者比較にまとめています。STOCKCREWは初期費用0円・固定費0円で、導入は最短7日です。
まとめ:マレーシア直販は「売上税の線引き」と「送料の積み上げ」で設計する
Shopifyでマレーシアに直販する日本の事業者が押さえておきたいのは、お客さまに売上税がいつ関わるかを、購入前に伝えることと、送料の積み上げ方です。マレーシア王立税関と財務省は、2024年1月1日から、MYR500以下の低額品に10%の売上税が課されると案内しています。12か月間のLVGの販売額がMYR500,000を超える販売者は登録が求められ、登録番号の情報がないまま申告された荷物には、輸入時の売上税が課される場合があります。送料は、国際宅急便の基本料金に海外発送手数料300円と追加ピッキングを足して積み上げ、梱包サイズで合計が大きく変わります。商品ごとのHSコード・原産国とバリアントSKUを先に登録しておけば、Shopifyの注文は国内と同じ倉庫から出荷できます。
発送代行の仕組みや業者の比べ方は発送代行おすすめ25選、物流全体の設計はEC物流完全ガイド、STOCKCREWのサービス内容はSTOCKCREW完全ガイドにまとめています。マレーシア向けの出荷件数やサイズで費用を確かめたい場合はお問い合わせから、まずは情報を集めたい段階であれば資料ダウンロードをご利用ください。
よくある質問(FAQ)
Q. マレーシアに送る国際宅急便の送料はいくらですか?
STOCKCREWの国際宅急便では、マレーシアは「アジア」のゾーンに入り、基本料金は60サイズで2,750円、80サイズで4,650円、100サイズで8,700円です(いずれも税抜)。これに海外発送手数料300円(1件)と、2点目以降の追加ピッキング30円(1点)がかかります。燃油サーチャージや遠隔地手数料は発生しません。
Q. マレーシア向けの荷物に、売上税はかかりますか?
マレーシア王立税関と財務省は、2024年1月1日から、MYR500以下で販売される低額品の輸入に10%の売上税が課されると案内しています。販売者の登録の目安は、12か月間のLVGの販売額がMYR500,000を超える場合です。登録番号の情報なしで申告された荷物には、輸入時の売上税が課される場合があります。登録の手続きは、王立税関の案内で確認してください。
Q. 関税や税を、荷主の負担にして送れますか?
STOCKCREWの国際配送では、届け先の国で発生する関税や税は受け取る人の負担が前提で、荷主の負担にして送る形(DDP)は利用できません。販売ページには、受け取る人が支払う可能性があることを書いておきます。
Q. 海外向けの商品には、どんな情報を登録しますか?
商品情報で「海外発送」を有効にし、HSコード・原産国・大分類・中分類(危険物の有無)を入力します。受注明細の単価も必要です。HSコードは一度登録すれば、出荷のたびに入力する必要はありません。
Q. マレーシア向けに送れない商品や、発送の制限はありますか?
STOCKCREWの国際配送はヤマト運輸の国際宅急便を利用しており、依頼主か届け先のどちらか一方でも個人の場合、書類以外の荷物を発送できない国があります。マレーシアが該当するかを含め、対象国・地域、送れない品物、国ごとの注意事項を、発送前にヤマト運輸の公式ページで確認してください。
この記事の監修者
保阪涼子
株式会社KEYCREW 営業部長。物流会社で10年間、EC物流の現場担当・営業事務を経験し、EC・物流業界で通算10年以上のキャリアを持つ。STOCKCREWではサービス開始初期から商談を担当し、500社以上のEC事業者への導入支援を一貫して手がけてきた。YFF(Yahoo!フルフィルメント)移管時には1,000社超の顧客接点・フロー設計を主導。月間10万件以上の出荷管理に携わり、顧客の物流費を平均15%削減する成果を上げている。成約率50%を達成した営業手法には、「『売る』より『解く』」という顧客課題解決型のアプローチが根底にある。物流メディア(Logistics Today、ECのミカタ)へのインタビュー掲載実績も持つ。