越境EC出荷ガイド総まとめ|eBay・Etsy・Shopify・台湾向けの販路別に出荷設計を整理する
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越境ECの出荷は、国内の出荷にいくつもの条件が足されたものです。注文を倉庫へ渡す方法、商品ごとのHSコードと単価、送れない国と商品、関税を誰が負担するか、送料をどう積み上げるか。販路や仕向け国が変わるたびに、確認する場所が変わります。本記事は、越境ECの出荷設計を「販路」「仕向け国」「関税」「書類」の4軸で整理し、個別ガイドへ案内する総まとめです。個別の手順はeBay・Etsy・Shopify(台湾・欧州)・国際発送サービスの比較・関税負担の各ガイドに任せ、ここでは、どの軸から読めばよいかと、軸をまたいで共通する判断を扱います。国内向けを含む発送代行の全体像は発送代行おすすめ25選で確認できます。
越境ECの出荷は「販路・仕向け国・関税・書類」の4軸で整理する
越境ECを始めた事業者が最初にぶつかるのは、情報の散らばりです。販路のルールは販路の公式ページに、関税は仕向け国の制度に、国際便の条件は配送会社のページに、書類の書き方は税関に、それぞれ書かれています。出荷の担当者は、この4か所を行き来しながら、1件ずつ止まらない運用を組まなければなりません。
4つの軸は、確認する相手が違う
4軸を並べると、確認先が分かれます。販路は、注文データの取り出し方と手数料のルールが違います。仕向け国は、免税の範囲や規制が違います。関税は、誰が・いつ負担するかの設計の問題です。書類は、HSコードと単価を正しく残す作業です。この4軸のどれが止まっても、荷物は出ていきません。
国際発送は「貿易扱い」になる
STOCKCREWの海外発送は、ヤマト運輸の国際宅急便を使います。国内区間(空港まで)はヤマト運輸、海外区間(通関から海外配送)はヤマト運輸の提携パートナーであるUPSが担当し、200か国以上の国・地域へ送れます。ヤマト運輸は、サービスの位置づけを次のように案内しています。
世界の国々へ贈り物や商品等を送る場合にご利用いただける、海外向けの宅急便です。
出典:ヤマト運輸「国際宅急便」
国内の宅急便に近い使い勝手を思い浮かべがちですが、輸出と輸入の手続きが入る点で別物です。越境ECの全体像を先に押さえたい場合は越境ECの始め方ガイドと越境ECの始め方と失敗しない4つの準備、市場の見方は越境EC市場規模と商材別需要構造が入口になります。
本記事の役割:重複を避けて、案内と判断に絞る
個別の手順はすでに専用のガイドがあります。本記事は、それらを読む順番の地図として使えるようにし、販路をまたぐ判断(共通の前提、国際便の選び方、関税の負担設計、送料の積み上げ)だけを扱います。個人で小さく輸出する場合は個人EC・小規模輸出者向け国際発送代行の実務ガイドと越境EC個人事業主向けガイドも参考になります。
読む順番の早見表:販路別・目的別に個別ガイドを選ぶ
どのガイドから読むかは、いま困っている場面で決めると早く済みます。販路が決まっているなら販路別、仕向け国が決まっているなら国別、費用や制度の不安が先にあるなら目的別です。
販路別:eBay・Etsy・Shopify・その他のモール
目的別:国際便の比較・関税・書類・費用
| 知りたいこと | 読む記事 |
|---|---|
| EMSと国際宅急便のどちらにするか | 海外への個人輸出で使う国際発送サービスを比較、EMS(国際スピード郵便)徹底解説、クーリエとは?国際宅配便の仕組み |
| 関税を誰が負担するか | 越境ECの関税負担をどう設計するか、インコタームズ2020 EC実務早見表 |
| HSコード・インボイス・通関 | HSコードの調べ方ガイド、プロフォーマインボイスとは?、通関とは?越境ECで必須の手続き |
| 関税の計算と税率 | 関税の仕組みと計算方法、越境ECの関税の仕組みと税率を国別に解説、EC輸入の関税計算 実務ガイド |
| 発送代行の選び方 | 越境EC×発送代行の始め方と業者選定、海外発送代行サービスの選び方、海外発送代行とは? |
全販路に共通する前提:HSコード・単価・送れない国と商品
販路が違っても、海外向けの出荷で必ず登録するものは同じです。ここが空欄だと、受注の登録や出荷の段階で止まります。
HSコードは商品マスタに1回、単価は受注ごとに入れる
STOCKCREWで海外向けの受注を登録するときは、受注商品の単価の入力が必須で、商品にはHSコードの設定が必要です。HSコードは、品目を国際的に共通の番号で分類したもので、税関の実行関税率表で品目を確かめられます。商品マスタに一度登録しておけば、出荷のたびに入れ直す必要はありません。調べ方はHSコードの調べ方ガイド、書類はプロフォーマインボイスとは?にまとめています。
注文の渡し方は、手入力かCSVインポート
海外向けの受注は、受注登録の画面で配送区分を「海外配送」に切り替えて手入力するか、CSVインポートで登録できます。住所は、郵便番号がない国(香港など)では仮の数字を入れ、都市名は住所1、都市名以降は住所2に入れる形です。CSVでは、国名に国コードの列を対応づけます。連携方式の考え方はEC物流のAPI連携とCSV連携の違いで整理しています。
送れない国と商品は、出荷の前に確認する
国際宅急便の発送可否や荷物の取扱条件は、ヤマト運輸の規定に準じます。依頼主またはお届け先のどちらか一方でも個人の場合、書類以外の荷物を発送できない国があるため、販売する国は、この条件を確かめてから決めます。商品ごとの輸出入の制度は、ジェトロの商品ごとの輸出入手続きで調べられます。海外仕入れ品の入荷前の確認は海外仕入れ品の税関差止を防ぐ入荷前チェックが手がかりになります。
国際宅急便・EMS・国際郵便の違いを整理する
海外へ小口で送る手段は、大きく国際郵便(EMSなど)と国際宅配便に分かれます。どちらが向くかは、商品の単価、重さ、補償、受け取りの条件で変わります。詳しい比較表は国際発送サービスの比較にあり、ここでは判断の入口だけを示します。
EMSは、補償の上限が公式に示されている
EMSの損害賠償について、日本郵便は次のように案内しています。
最高200万円を限度とする実損額を賠償いたします。
サイズと重量の上限は、国・地域ごとの大きさ・重量制限一覧表で決まります。送り先の国が決まってから確認します。EMSの特徴はEMS(国際スピード郵便)徹底解説、民間のクーリエとの違いはクーリエとは?国際宅配便の仕組み、DHLの仕組みはDHL Expressとは?で確認できます。
国際宅急便は、倉庫の出荷フローにそのまま乗る
発送代行に預ける場合、海外向けの出荷は国内向けと同じ倉庫から行えます。STOCKCREWでは、国際宅急便を使い、200か国以上へ送れます。料金は、商品梱包後の商品サイズで発送区分が決まり、燃油サーチャージや遠隔地手数料などの変動費用は発生しません。国内と海外の在庫を1つの倉庫で持てるため、在庫を国別に分けて置く必要がありません。
自分で送るか、発送代行に預けるかの見分け方
海外の注文が月に数件なら、自分で郵便局やヤマト運輸の窓口へ持ち込んでも対応できます。見直すきっかけは、梱包と書類の作成にかける時間が、商品を企画する時間を圧迫し始めたときです。国内向けと海外向けを同じ人が担当していると、繁忙期にどちらかが遅れます。国内の注文と海外の注文を同じ在庫から出荷できる発送代行へ預けると、在庫を分けずに済み、出荷の担当者を増やさずに販路を広げられます。送料の比較より先に、この見分け方で、自社の段階を確かめておきます。
郵便の約款変更・米国向けの動きは、年内に確認する
国際郵便をめぐっては、2027年1月1日に約款が変わる予定です。総務省は、保険付の扱いについて次のように示しています。
保険付は書類のみを包有する優先通常郵便物及び小包に限定されることとなった。
商品を郵便で送っている事業者は、実施前に、使っている郵便の種類が影響を受けるかを確かめます(内容は国際郵便約款が2027年1月1日に変更で解説)。米国向けは、米国宛てEMSが引受再開、米国向け国際郵便が従価税のみに、日本郵便「UGXプライム」開始など、制度と商品の動きが続いています。輸送コストの動きは国際輸送コストの上昇局面と越境EC出荷で追えます。
仕向け国別の論点:台湾・欧州・米国で制度が違う
同じ越境ECでも、仕向け国によって、事業者が最初に決めることが変わります。台湾は免税の範囲と回数、欧州は品目ごとの関税、米国は商品ごとの規制確認です。
| 仕向け国 | 制度の要点 | 出荷設計で先に決めること | 読むガイド |
|---|---|---|---|
| 台湾 | 課税価格NT$2,000以下で関税等が免除。半年度に6回を超えて免税通関すると対象外 | 1回の注文の上限をNT$で管理し、定期便の間隔を見直す | 台湾向けガイド |
| 欧州(EU) | 価値150ユーロ以下の貨物に、品目ごとに3ユーロ。2026年7月1日から2028年7月1日まで | 1注文に入れる品目の種類と、セットの組み方 | 欧州向けガイド |
| 米国 | CPSC・FDAの規制対象品は、証明情報がないと差出しを断られる | 商品ごとの規制の仕分けと、検査・登録の状況確認 | 米国輸入規制の取次 |
台湾:課税価格NT$2,000以下で免税。ただし回数に上限がある
台湾の財政部關務署は、快遞貨物(エクスプレス貨物)の免税について、次のように定めています。
同批進口貨物完稅價格在新臺幣2千元以下者,免徵關稅與海關代徵之營業稅及貨物稅
同じ便で輸入される貨物の課税価格が新台湾ドル2,000以下であれば、関税と営業税などが免除される内容です。ただし、頻繁な輸入は免税の対象外になる条件もあります。台湾向けの定期便の組み方と注文上限の決め方は、Shopifyで台湾に直販する日本の事業者の発送ガイド、市場の背景は台湾越境EC市場2026年版にあります。東アジア・東南アジアの動きは韓国、シンガポール、マレーシア、タイ、ベトナム・フィリピンの記事で見比べられます。
欧州:少額貨物に、1品目あたりの定額関税がかかる
欧州委員会の税務・関税同盟総局は、少額貨物への暫定措置のガイダンスで、数え方を次のように説明しています。
The duty applies per item in a consignment, based on tariff classification (not quantity).
日本語にすると、関税は貨物に含まれる品目ごとに、関税分類に基づいて課され、数量では数えない、という意味です。対象は価値150ユーロ以下の貨物で、期間は2026年7月1日から2028年7月1日までです。種類の違う商品を1つの注文に入れるほど、関税の負担が増えるため、セットの組み方が価格設計に直結します。詳細はShopifyで欧州に直販する日本の事業者の発送ガイド、制度の背景はEU少額小包への定額関税とEUデミニミス7月1日撤廃が目前、事業者責任の動きはEUが越境ECの「事業者責任」を強化で追えます。VATの制度(IOSSなど)は、関税とは別に整理する必要があり、欧州委員会のVAT One Stop Shopで確認できます。
米国:商品ごとの規制確認が、送料の比較より先にくる
米国向けは、日本郵便が2026年9月18日に、米国輸入規制に係る登録・申請などの手続代行サービスの取次を、2026年10月9日から始めると発表しました。日本郵便の本紙は、次のように案内しています。
なお、必要な証明情報が準備されていない商品については、差出しをお断りしております。
対象は、CPSCが規制する商品と、FDAが規制する食品・サプリメント・化粧品です。民間の国際宅配便で送る場合も、規制対象品なら同じ準備が必要と考えるのが安全です。解説は日本郵便が米国輸入規制の手続代行を10月9日から取次と米国CPSCの電子申告(eFiling)が義務化、関税と物流の全体は日本EC事業者のためのアメリカ越境物流ガイド、トランプ相互関税とデミニマス廃止、米国10%追加関税で変わる日本越境EC戦略が手がかりになります。少額免税の世界的な動きは越境ECの少額免税が世界で終わるとデミニミス改正と越境EC2026年に整理しています。
関税の負担設計:受取人負担と元地関税立替払の使い分け
関税などの諸費用は、ヤマト運輸の国際宅急便では、お届け先に請求される前提で案内されています。購入者が負担に納得していないと、受け取りの辞退や評価の低下につながるため、販売を始める前に、誰が負担するかを決めておきます。
受取人負担は手間が少ないが、受け取り時の不満が出やすい
受取人が現地で税を払う形は、事業者の作業が少ない一方で、購入者の側に追加の支払いと手続きが発生します。商品代金は決済済みなのに、受け取りの段階で支払いを求められると、辞退や問い合わせにつながります。商品ページと注文確認のメールに、関税等の扱いを書いておくと、受け取り時の不満を減らせます。税額の計算の考え方は、税関の関税・消費税等の税額計算方法(カスタムスアンサー)で確認できます。
元地関税立替払なら、購入者に知らせずに日本側が立て替える
STOCKCREWでは、輸入国の関税・輸入消費税を、日本側のヤマト運輸が立て替える元地関税立替払に対応しています。購入者に関税等の負担を知らせずに済むため、受取人負担の不満を避けたい店舗に向きます。ただし、事業者側の費用は増えるため、価格にどう織り込むかを先に決めます。判断の軸と試算は越境ECの関税負担をどう設計するか、貿易条件の整理はインコタームズ2020 EC実務早見表とインコタームズとは?、対米のDDP型配送の動きは対米越境ECで「総額確定(DDP型)」配送が拡大にあります。
国によって、そもそも税がかからない範囲がある
台湾のように、一定額以下の荷物は免税になる国もあります。免税の範囲に収まる荷物が中心なら、DDPにする意味は薄くなります。国別の税率と制度の違いは越境ECの関税の仕組みと税率を国別に徹底解説、関税の基本は関税の仕組みと計算方法、通関の流れは通関とは?越境ECで必須の手続きの流れと必要書類と輸入通関手続きの流れと必要書類で押さえられます。
送料と手数料の積み上げ方:ゾーン・サイズ・手数料
国際発送の料金は、お届け先の地域(ゾーン)と、梱包後のサイズで決まります。STOCKCREWの海外発送の料金は、ヘルプで公開されています。
60サイズの基本料金は、ゾーンで大きく変わる
60サイズの基本料金は、アジアが2,750円、北米などが3,700円、欧州・中東が4,300円、アフリカ・南米・その他が8,500円です(いずれも税抜)。アフリカ・南米向けは、アジア向けの3倍を超えます。発送料金は1点あたりの作業費・資材費・配送料を含み、燃油サーチャージや遠隔地手数料は発生しません。このほか、海外発送手数料が1件あたり300円、同梱できる2点目以降の追加ピッキングが1点あたり30円かかります。80サイズ以上や書類パックを含む一覧は料金ページで公開されています。
| ゾーン | 60サイズの基本料金(税抜) | 2点を同梱した1件の合計(税抜) |
|---|---|---|
| アジア | 2,750円 | 3,080円(2,750+300+30) |
| 北米など | 3,700円 | 4,030円(3,700+300+30) |
| 欧州・中東 | 4,300円 | 4,630円(4,300+300+30) |
| アフリカ・南米・その他 | 8,500円 | 8,830円(8,500+300+30) |
表の右列は、基本料金に海外発送手数料300円と追加ピッキング30円(2点目)を足した計算例です。関税等と販路の手数料は含みません。
梱包を1段階下げられるかが、価格設計を左右する
発送料金は、商品梱包後のサイズで発送区分が決まるため、在庫保管時のサイズ区分と異なる場合があります。たとえば、欧州・中東の60サイズと80サイズでは基本料金に2,900円の差があります(4,300円と7,200円)。破損を防げる範囲で、いちばん小さい箱に収められるかを、商品ごとに検討します。サイズ規格の考え方は宅配便のサイズ規格をヤマト・佐川・日本郵便で徹底比較、セット品の組み方はセット品・アソート商品のEC物流運用ガイドで確認できます。
販路の手数料も、送料込みの原価表に入れる
販路によっては、手数料が送料にもかかります。Etsyは、次のように定めています。
各商品の表示価格に送料とギフトラッピング料金を加算した金額に対し、 6.5 % の取引手数料が発生します。
送料を実費と同じ額にすると、送料にかかる手数料の分だけ持ち出しになります。販路の手数料、国際送料、関税の負担を、同じ通貨で1枚の表にまとめるのが、価格設計の出発点です。詳しい手順はEtsyで海外に販売する日本の事業者の発送ガイドにあります。
ケーススタディ(想定):3つの販路で出荷設計を組む
ここからは、実在の事業者の事例ではなく、本記事の内容を当てはめるための想定ケースです。金額や件数は説明用の仮の条件で、実際の成果を示すものではありません。
ケース1:ハンドメイド雑貨をEtsyで売り、月に数十件を海外へ送る(想定)
国内のBASEやShopifyでも同じ商品を売り、海外はEtsyから注文が入る事業者を想定します。最初に決めるのは、送料込みの原価表です。販路の手数料が送料にもかかる前提で、ゾーン別に送料を分けて設定し、60サイズに収まる梱包を商品ごとに探します。注文データは、手入力かCSVで倉庫へ渡し、商品にはHSコードを登録します。個人の購入者が多いため、販売する国は、書類以外を送れない国があるかを確かめてから決めます。読む順番は、Etsyの発送ガイド、HSコードの調べ方、複数モールの在庫配分の順が目安です。
ケース2:台湾の顧客向けに、Shopifyで月1回の定期便を送る(想定)
台湾向けに、1回あたりの金額が小さい定期便を組む事業者を想定します。台湾は、課税価格NT$2,000以下で免税になりますが、頻繁な輸入は対象外になる条件があるため、毎月送る設計がそのまま適しているとは限りません。1回の注文の上限をNT$で決め、定期便の回数や、まとめて送る間隔を見直します。Shopify側は、すべてのバリアントにSKUを入れ、支払方法と配送方法の変換を登録します。読む順番は、台湾向けガイド、Shopifyで定期購入を始める方法、Shopifyとのapi連携の順が目安です。
ケース3:eBayで高単価の中古品を、個人の購入者へ送る(想定)
eBayでは、購入者が個人であることが多くなります。国際宅急便は、依頼主またはお届け先の一方でも個人の場合、書類以外を発送できない国があるため、出品時に配送可能な国を絞る検討が要ります。単価が高い商品は、EMSの賠償上限(最高200万円を限度とする実損額)と、国際宅急便の条件を、商品の価値と見比べて選びます。関税は、受取人負担にするか、元地関税立替払にするかを、販売前に決めます。読む順番は、eBayの出荷ガイド、国際発送サービスの比較、関税負担の設計の順が目安です。
商材別に見る越境の注意点:サプリ・化粧品・アパレル
商材によって、越境で先に確認することが変わります。国内の出荷でも商材ごとの注意点があるため、国内向けのガイドとあわせて読むと、準備の抜けが減ります。
サプリ・化粧品:米国向けは、FDAの手続きが論点になる
日本郵便の発表では、米国向けのFDA規制の対象に、食品(お茶を含む)、サプリメント、化粧品が挙げられています。食品やサプリメントなどを米国へ送る場合は、対象商品の製造施設のFDAへの登録や、発送前の事前通知が必要になる場合があります。国内向けのサプリの出荷の考え方はサプリECの出荷期限・ロット管理をカート別に比べるとShopifyでサプリを売る事業者の発送代行ガイド、化粧品はShopifyで化粧品を売る事業者の発送代行ガイドにまとめています。
アパレル:サイズと返品の設計が、国内以上に効く
アパレルは、色×サイズの管理に加えて、海外ではサイズ違いの返品の受け方が課題になります。国際宅急便では、着払いと往復が使えない条件があるため、返送料の負担と返品の受け取り先を、販売前に決めておきます。国内の色×サイズの商品コード設計はアパレルECのサイズ・カラー展開をカート別に比べるとShopifyアパレル物流の課題と発送代行活用ガイド、返品の考え方はEC返品ポリシーの書き方ガイドとEC返品物流(リバースロジスティクス)ガイドで整理しています。
取り扱える範囲と、国内向け物流との併用
STOCKCREWの取り扱いは常温のみで、冷蔵・冷凍の商品は対象外です。海外向けと国内向けを同じ倉庫から出荷できるため、国内の販路の運用を整えてから、海外へ広げるほうが、立ち上げの負担が小さくなります。国内の出荷設計はEC物流完全ガイド、同梱の設計はEC事業者が今すぐ使える同梱戦略実務ガイド、国内カートの連携の違いはECカート別の発送代行連携を比較で確認できます。
立ち上げ前チェックリストと、個別ガイドへの戻り方
越境の出荷を始める前に、次の項目を上から確認します。多くは、倉庫に商品を送る前に済ませられます。
共通のチェックリスト
- 販路と仕向け国を絞る——最初から広げず、注文が見込める国から始めます。
- 商品にHSコードを登録する——海外に出す可能性のある商品すべてが対象です。
- 受注の単価を空欄にしない——手入力でもCSVでも、単価は必須です。
- 送れない国と商品を確認する——個人宛ての制限と、輸入規制を確かめます。
- 関税の負担方法を決める——受取人負担か、元地関税立替払かを選びます。
- 送料の表を作る——ゾーン別の基本料金と手数料を、販路の手数料とあわせて計算します。
- 梱包サイズを決める——商品構成ごとに、小さい区分に収まる組み合わせを探します。
- 少量でテストする——梱包サイズ、書類、追跡の見え方を、少ない件数で確かめます。
個別ガイドへの戻り方
チェックの途中で詰まった項目は、対応する個別ガイドに戻ります。販路まわりは、eBay、Etsy、Shopify(台湾)、Shopify(欧州)のガイドです。国際便の選択は国際発送サービスの比較、関税の負担は越境ECの関税負担をどう設計するか、米国向けの規制は日本郵便の米国輸入規制の取次が入口です。
追跡番号と送った品目の記録を、注文ごとに残す
国際発送では、荷物が届かない、関税の連絡が来た、といった問い合わせが、国内より複雑になりがちです。追跡番号の控え、送り状の控え、送った品目の記録を注文ごとに残しておくと、問い合わせへの対応が早くなります。あわせて、商品ページと注文確認のメールには、関税等の扱いと、受け取りの条件を書いておきます。購入前に分かる位置へ書くことで、受け取り時の不満を防ぎやすくなります。
少量から試して、自社の運用の癖をつかむ
最初から大きく出荷せず、まず少量の注文で、梱包サイズ、書類の書き方、追跡の見え方を確認します。実際に一度送ると、比較表では見えない手間が分かります。そのうえで、件数が増えた段階で、自社で続けるか、発送代行へ預けるかを判断すると、無理のない移行ができます。試し送りの結果は、梱包にかかった時間、書類で迷った点、購入者からの反応をメモに残しておくと、担当者が替わっても同じ品質で回せる手順書になります。
動きが速い領域は、制度の更新を追う
少額免税、関税、国際郵便の約款は、いずれも更新が続いています。国際物流全体の動きは国際物流の多元化・強靱化が加速する2026年、越境の新しい仕組みはShop Pay×Global-eの越境戦略やネクストエンジンが越境EC「Cafe24」と業務提携、メルカリ越境GMVが1,122億円で追えます。
まとめ:越境ECの出荷は「共通の前提」と「販路・国の違い」を分けて組む
越境ECの出荷は、HSコード・単価・送れない国と商品という共通の前提を先に整え、そのうえで販路ごとの注文の渡し方と仕向け国ごとの制度を個別に確認すると、組み立てやすくなります。台湾は免税の範囲と回数、欧州は品目ごとの関税、米国は商品ごとの規制確認が出発点です。関税の負担は、受取人負担と元地関税立替払から選び、送料は、ゾーンとサイズで決まる基本料金に、1件300円の海外発送手数料と追加ピッキング30円を足して積み上げます。
物流全体の設計はEC物流完全ガイド、国内のモール運営はネットショップ運営完全ガイド、サービス内容はSTOCKCREW完全ガイド、物流の基礎は物流完全ガイドにまとめています。発送代行の選び方の全体像は発送代行完全ガイドで確認できます。自社の商品数や出荷件数、仕向け国で費用を確かめたい場合はお問い合わせから、まずは情報を集めたい段階であれば資料ダウンロードをご利用ください。
よくある質問(FAQ)
Q. 越境ECの出荷で、販路に関係なく先に準備することは何ですか?
A. 商品へのHSコードの登録、受注明細の単価の入力、送れない国と商品の確認の3つです。STOCKCREWでは、海外向けの受注は単価の入力が必須で、商品にはHSコードの設定が必要です。依頼主か届け先が個人の場合、書類以外を送れない国があるため、販売する国の条件も確かめます。
Q. EMSと国際宅急便は、どう使い分けますか?
A. 商品の単価、補償、受け取りの条件で選びます。EMSは、損害賠償が最高200万円を限度とする実損額で、サイズと重量の上限は国・地域ごとに決まります。国際宅急便は、倉庫の出荷フローに乗り、料金がゾーンと梱包後のサイズで決まります。
Q. 関税は誰が負担することになりますか?
A. 国際宅急便では、関税等の諸費用はお届け先に請求される前提です。購入者に知らせずに済ませたい場合は、日本側のヤマト運輸が立て替える元地関税立替払を選べます。どちらにするかは、販売を始める前に決めます。
Q. 国際発送の送料は、どのように決まりますか?
A. お届け先のゾーンと、梱包後のサイズで決まります。60サイズの基本料金は、アジアが2,750円、北米などが3,700円、欧州・中東が4,300円で、いずれも税抜です。ここに、海外発送手数料が1件300円、同梱の2点目以降の追加ピッキングが1点30円かかります。
Q. 越境ECの出荷は、どの記事から読めばよいですか?
A. 販路が決まっているなら、eBay・Etsy・Shopifyの販路別ガイドから読みます。仕向け国が決まっているなら台湾・欧州・米国の国別の記事、制度や費用が不安なら、国際発送サービスの比較と関税負担の設計から読むのが近道です。
この記事の監修者
保阪涼子
株式会社KEYCREW 営業部長。物流会社で10年間、EC物流の現場担当・営業事務を経験し、EC・物流業界で通算10年以上のキャリアを持つ。STOCKCREWではサービス開始初期から商談を担当し、500社以上のEC事業者への導入支援を一貫して手がけてきた。YFF(Yahoo!フルフィルメント)移管時には1,000社超の顧客接点・フロー設計を主導。月間10万件以上の出荷管理に携わり、顧客の物流費を平均15%削減する成果を上げている。成約率50%を達成した営業手法には、「『売る』より『解く』」という顧客課題解決型のアプローチが根底にある。物流メディア(Logistics Today、ECのミカタ)へのインタビュー掲載実績も持つ。